【完走】ようこそ実力至上主義の教室へAクラス最速卒業RTA:1億ポイントルート 作:enari_K
────最初に違和感を覚えたのはクラスメイトからクラスポイントを0にすることの同意書を集めていたときだった。必要になったときにクラス全員の挙手だとかでも許されるのにわざわざ書類にしている意味がわからない。だがそこまではまだ疑念で済んでいた。
次に違和感を覚えたのは堀北が改竄された期末試験の過去問をクラスに配布したときだ。堀北は兄に追いつくために焦っていた。そこにつけ込んだのだろう。堀北を嫌っている櫛田へのご褒美とも考えたがやはり腑に落ちない。例えば目的のために自分以外でクラスのリーダーになれそうな候補を潰し自身が確実にクラスのリーダーになろうとしているような動きに思えた。………そこでオレは確信した。奴は最速でこの学校を卒業しようとしていると。
「───で、なんでそんな早く卒業しようとしたんだ?」
チェスも終わりいよいよお別れだというときにオレは疑問に思ったことをぶつけた。コイツにそれをやるメリットはあまりなかったはずだ。学年をむちゃくちゃにしてまでもそれを叶えたかった理由があったのだろうか?ソイツは校門を前に答えた。
「この学校の仕組みは面白かった。ただこの学校には天才がいない。そいつらと競い合ってもつまらない。だから特典だけ貰ってさっさと出ていこうと思ったんだ。」
その返答にオレはまたも疑問を覚えた。頭脳面でコイツには及ばないにしてもこの学年に俗に言う天才はたくさんいたはずだ。それを察してか奴は補足で説明をした。
「天才とは新しい道を切り開く者だ。彼らはAクラスを目指すことを目標に設定してしまっている。だがこの学校での勝利条件はAクラス特典を受け取れるか否かだ。」
目標がAクラスを目指すことでもAクラス特典を受け取るでも変わらない気がするのだが………。いやそうか!
「Aクラス特典の直接購入……!」
「そうだAクラスへの移籍ではなくAクラス特典の直接購入はより安いプライベートポイントで出来る。学年全員でAクラス移籍を目指すのは無理があるが学年全員でAクラス特典の購入を目指すのは十分可能だ。だがこの事実に4クラス同盟を組んだとき誰も気づかなかった……。」
「総じて既存のルールに囚われ過ぎている。皆Aクラス特典を受け取るにはAクラスになるしかないと思い込んでいる。そういった思い込みによって彼らは先人の真似しかできていない。だから俺に出し抜かれる。それがこの学校に天才がいないと思った理由だ。」
オレはこの話を聞いて凡人から天才を生み出すことを目標にするホワイトルームの教育を父の教育を否定する手掛かりを見つけた。少なくともホワイトルームでコイツのような天才を育てることは出来ない。…オレは自身の夢を見つけたような気がした。
オレはこの学校で父親をホワイトルームを否定する。少なくともこの学年では無理だろう。坂柳はプライドを折られ一之瀬はクラスメイトを失って壊れ龍園は独裁に必要なだけの駒と支持を失った。Dクラスはクラスポイントが0になりリーダーを失った。更には払えるわけがない莫大な賠償金が課せられている。この学年でオレを負かせる人材は育たないだろう。
………だからコイツの真似をしよう。プライベートポイントで買えないものはないという制度を悪用しよう。
「じゃあな、これで本当にお別れだ。」
「………お前みたいな人材がこの学校を去るのが本当に惜しい。」
「代わりといっちゃなんだがこれをやろう。」
そう言って渡されたのは紙に100万プライベートポイントと書かれたものだった。
「これは?」
「見ての通り俺が使わなかった100万プライベートポイントの小切手だ。」
「いいのか?そのプライベートポイントで現金を買うって手もあっただろうに。」
「【10プライベートポイント=1円】で交換レートも高かったしいいのさ。俺の戦略を見抜き最後に会いに来てくれたのはお前だけだ。これは餞別だと思ってくれ。」
「ありがとう。」
餞別にしたってこの金額は大きすぎるだろうに…。
「じゃあな、清隆!」
「………じゃあな、お前みたいな人材がこの学校を去ることを惜しく思うよ。」
奴はそのまま振り返らずに学校を出ていった。
◇◆◇◆◇
────この学年に未来はない。だったらオレはアイツとは違った方法で学年を移動しよう。Dクラスの今後だとか坂柳の夢だとか茶柱の悲願だとかどうなろうとオレには知ったことじゃない。何を犠牲にしようと構わない。最終的にオレの目的が達成されてさえいればそれでいいのだから。
一応後日談ですね。主人公が去ったあとの生徒の動きとかも考えているので、他者視点にこういった形でのせていこうと思います。
もしかして【本編完結】って詐欺?
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詐欺
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詐欺じゃない