【完走】ようこそ実力至上主義の教室へAクラス最速卒業RTA:1億ポイントルート   作:enari_K

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櫛田桔梗は恐怖する

 

 

──────ずっと気に食わないやつだった。全部分かってるかのような顔をして何をやっても1番で私を散々使い捨てた上で目の前からいなくなった……。そんな彼のことが大嫌いだった。

 

 

 

9月1日夏休みも終わりこれから二学期だという日に登校したら彼の席が無くなっていた。その事について何の説明もなくクラスメイト達はDクラスのリーダーが居なくなったのだと理解して絶望した。……悪いことは続いた。Dクラスのクラスポイントが0のままだったのだ。彼が退学したくらいで約800ものクラスポイントが無くなるわけがないというのは明らかだった。つまりクラスポイントはマイナスにも蓄積するのだと判明した。その日から堀北へのいじめがエスカレートした。

 

…1年Dクラスの惨状は酷いものだった。クラスポイントがマイナスに蓄積することが判明した結果生徒達がクラスポイントを得るという希望を捨て授業中だろうと構わず騒がしくなり、堀北はいじめられ続けた。…私はクラスをこんな惨状に追い込んだ彼のことを思い出す。

 

私は彼の命令に1つ不可解だったものがあったのを思い出した。クラスのグループにも所属していなく持っている人が少ないことから特定されるリスクの高い堀北の連絡先に、捏造された期末試験の過去問を送りつけるように命令したことだ。……彼とこの学校で一番共に過ごした私だからこそ分かる。彼は再びこの学校に戻ってくるつもりだ。きっと退学になったのも私には想像もつかない何らかの策なのだろう。彼は堀北に過去問配布というリーダーのような行動をとらせることで干支試験で竜グループ所属にし自身の裏切りの責任を押し付けたのだ。もう二度と会うことのない人間にどう思われようとどうだっていい、だからこそ彼が戻ってくるつもりなのだと推測出来た。

 

堀北へのいじめはどんどんエスカレートしていった。…当然だ。堀北は現状干支試験で裏切りDクラスに莫大な賠償金が課せられる原因を作った犯人であり、偽造過去問を配布し、たくさんの退学者を出しクラスポイントをマイナスに蓄積させた黒幕だと思われているのだから。そんなある日綾小路くんに呼び出された。

 

「どうして私を呼び出したの?」

 

「…今のDクラスの現状はまずい。だから今の状況を何とかできる可能性のある人物と交渉をする。そのために呼び出した。」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「俺を呼び出して何の用だ?綾小路」

 

綾小路くんが呼び出したのは南雲生徒会副会長だった。

 

「今日は交渉しに来ました。端的に言います1年Dクラスを買い取ってくれませんか?」

 

「話が読めないな、詳しく説明しろ」

 

「…オレは南雲センパイが堀北生徒会長と戦いたがっていると聞きました。そして1年Dクラスには堀北会長が大事に思っている妹がいます。そして堀北生徒会長の妹──堀北鈴音は現在いじめを受けています。南雲センパイが1年Dクラスを買い取り支配下に置けば堀北鈴音のいじめ問題も思いのままです。」

 

「なるほど、そうしたら堀北生徒会長が俺との勝負を受けざるを得ないということか。綾小路…堀北生徒会長に認められるだけはあるな。てことはここには値段交渉をしにきたんだろ。いくらだ?」

 

「そうですね…3000万プライベートポイントでどうでしょう。」

 

「おいおい、それは吹っかけ過ぎじゃないか?Dクラスのクラスポイントは0と聞く、別にお前経由じゃなくても生徒一人一人に交渉すればもっと安く1年Dクラスを買収出来るんじゃないのか?」

 

「…堀北鈴音は堀北生徒会長に迷惑を掛けることを極端に恐れています。オレ経由以外で1年Dクラスを買い取り堀北生徒会長を脅せば堀北鈴音は退学か不登校になるでしょう。」

 

「つまり、お前は堀北鈴音が退学にも不登校にもならないように脅せるってことだな?だったら一括で買おう。」

 

「ありがとうございます。」

 

その後南雲先輩と綾小路くんは契約書を書き、その契約は正式に結ばれた。

 

「さて、今の交渉をお前に聞かせた理由だがオレに協力してくれないか?」

 

「私にはメリットがないよ?」

 

「メリットなら用意した。1つは南雲センパイ次第だがいじめが無くなりお前にいじめのターゲットになることを恐れている生徒が相談しなくなってお前の心労が減ること。もう一つはお前からクラスに毎月プライベートポイントを配ることでクラスのトップになれること、そして1000万プライベートだ。」

 

「どういうこと?3000万プライベートポイントを分割してクラス全員に配るんじゃないの?」

 

「…今の0ポイント生活に慣れているクラスメイトには、100プライベートポイントでも大金に見える事だろう。だから各クラスメイトに配るのは一月3000プライベートポイントで良い。クラスメイトは30人しか居ないから3年で約300万プライベートポイントで済む。残ったのを俺たちで山分けしようというわけだ。」

 

「どうして私に協力を頼んだの?」

 

「堀北がより酷いいじめを受ける様に誘導することを辞めることと、各クラスメイトで裏切りの徴候がある生徒に払うプライベートポイントを増やしてほしいんだ。」

 

「うんいいよ、堀北さんからしたらこっちのほうが辛いだろうからね。」

 

 

 

 

 

その後私達は堀北を脅しに行った。

 

堀北は綾小路くんから話を聞くにつれてどんどん青褪めていく。もしそうなったら私は退学してでも兄さんに迷惑を掛けないつもりだという堀北の覚悟に綾小路くんは自身の学生証を出し3000万プライベートポイントを見せ、もしそうしたら堀北生徒会長の大切な人に一度退学措置を言い渡されるまで嫌がらせをすると言って堀北の覚悟を、決意を踏みにじった。

 

堀北は泣いていた。そこに兄を、憧れを、孤高を目指していた少女はいなかった。そこにDクラスをAクラスに導かんと努力していた少女はいなかった。そこにいたのは哀れな敗北者で、自身が目指し憧れとしていた人の足手まといで、そしてとても可哀想な女の子だった。

 

 

 

 

 

その日から綾小路くんはDクラスのリーダーというより独裁者としてクラスを率いていった。私は綾小路くんに唯一意見できる立場として人望を集めた。一方で彼に嵌められクラスをめちゃくちゃにしたとされている堀北にはそれからも救いは訪れなかった。堀北生徒会長が南雲生徒会副会長に勝負を挑まれるたびに動揺し心が砕かれていた。クラスでのいじめはなくなったが、それでもそこに以前の目に決意を宿していた少女の姿はなく死んだ目をしたやつれた少女の姿があった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

3学期になり彼が理事長としてこの学校に帰ってきたとき、彼がまずやったことは堀北鈴音の洗脳だった。彼はEliteクラス通称Eクラスを作りそこに堀北を入れることで救った。堀北は今ではEクラスで彼本人が教えている成果か、学年で一番の成績を収め愛想もよくなっているらしい。Aクラス特典を直接購入し彼の秘書になるために必死に勉強しているようだ。……私でも分かるこれは酷いマッチポンプだ。彼とこの学校で一番共に過ごした私の直感が告げている。彼が堀北に偽造過去問を配布させたのはこうなる事をすべて読んでいたからだと。あの予想外に見えた綾小路くんの行動すらも読み切っていたのだとそして狙いはこれだけではないと。私は、櫛田桔梗は恐怖する。彼が堀北に偽造過去問を配布させたのはリーダー候補を潰すためだけでなく、自身の罪をすべてなすりつけるためだけでもなく、堀北鈴音を自身に絶対忠実な駒にするためだけでもないと、なんとなくこの時点で察してしまった。彼のもう一つの目的は

 

 

 

 

 

私も駒として連れ戻すことなのだ。

 

 

 

 

 

ある日、彼が私を訪ねてくる。彼は私に救いという名の猛毒に塗れた手を伸ばす。分かっている。Eクラスに居る堀北や坂柳と違い、私はそこまで能力は高くない。私はより良い人材が手に入るまでのつなぎの人材でしかないのだ。代わりが見つかれば捨て駒として、責任の押し付け先として、また捨てられるだろう。それでも私はEクラスの称号による承認に、Dクラスの人間関係の煩わしさからの解放に、Eクラスメンバーと肩を並べることが出来るという優越感に、抗う事が出来るはずもなく……

 

 

 

 

 

 

 










すいません。リアルがとても忙しくなってしまったので暫く投稿が滞ります。申し訳ございません。

もしかして【本編完結】って詐欺?

  • 詐欺
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