ブルーアーカイブを、もう一度。   作:トクサン

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誤字脱字報告!? エ駄死!!
とても感謝しております。


私達の物語

 

「小賢しいッ――! 子どもの青春ごっこに付き合うつもりはないぞッ!」

 

 アビドスが拳を突き上げ、叫ぶと同時、耳障りだとばかりにベアトリーチェが激昂し、その腕を勢い良く振り下ろした。先生諸共、この何も知らぬ生徒共(子ども)を磨り潰してやろうと、そんな感情が透けて見える一撃だった。

 

「ホシノッ!」

「任せて、よッ!」

 

 先生が叫び、ホシノが笑みと共に駆け出す。振り下ろされた腕は、矮躯の彼女からすれば余りにも巨大。しかし、それを前にホシノは欠片も臆せず、何の躊躇いも、迷いもなく突っ込んだ。

 ――無茶だ、不可能だ、防げる筈がない。ホシノの冷静な部分、嘗て天才と呼ばれた理性が囁く。しかし、それを飲み干し、ホシノは尚前進した。ヘイローが輝く、ホシノの瞳が輝く、無茶、無謀、そう分かっていても何故か、足は前へと進む。

 アヤネから受け取っていたシールドを展開し、前方へと翳す。防弾盾とベアトリーチェの腕が接触し、凄まじい轟音と衝撃がホシノを襲った。足元のアスファルトが砕け、びりびりと手足が痺れる。骨が軋むのが分かった、全身の筋肉が悲鳴を上げるのが分かった。

 けれど――今の(ホシノ)なら、出来る。

 その確信がある。

 

 薙ぎ払い、防いだ盾諸共吹き飛ばす算段であったベアトリーチェは――しかし、両の足で確りと地面に立ち、不敵に笑いながらも腕を受け止めて見せたホシノに愕然とした声を漏らす。

 

「馬鹿な……ッ!?」

「うへ……っ! これは思った以上に――先生のお陰でおじさん、強くなっているみたいだねェッ!」

 

 受け止めた丸太の如き腕を強引に払い、その顔面目掛けて愛銃を乱射する。散弾では大した威力にはならない、その表面を削れるかも怪しい。しかし、鬱陶しい事に変わりない。背中の枝より放たれる深紅の弾丸を捌きながら、ホシノは叫んだ。

 

「私が耐えている間に攻撃してっ!」

「了解!」

「任せてッ!」

 

 ホシノをトップとし、綺麗に布陣したアビドスが攻撃を開始する。シロコのドローンが顔面目掛けて弾頭を発射し、次々と爆発を巻き起こす。セリカ、ノノミの両名は、兎に角ダメージを積み重ねる事に集中し、アヤネはドローンを操りながら片手で援護射撃を敢行する。先生のタブレットが青白い光を強くする度に、アビドスのヘイローもまた、その輝きを強める。彼女達の秘めたる神秘はその強度を飛躍的に向上させ、放たれる弾丸はベアトリーチェの肉体を確かに穿った。

 

「ぐっ、私の、外皮がッ!? 神秘の密度が跳ね上がって……!? 一体、これは――!」

 

 ベアトリーチェは先程とは比べ物にならぬ程、神秘を内包した弾丸に戸惑いの声を漏らす。先程まで辛うじて外皮を削っていたに過ぎない弾丸は、その外皮を貫通し、内包した本体を穿つ勢いであった。ベアトリーチェは深紅を纏い、辛うじて自身に叩きつけられる神秘の雨を防ぎながら、ふと先生に顔を向ける。

 生徒のヘイローの輝き、そして先生の持つ端末の輝き。青白い光を放つそれを、ベアトリーチェは憎悪の視線で射貫いた。

 方法など分からない、原理など到底理解出来ない――しかし、あの光が生徒(子ども)を強く、導いている事だけは理解出来た。

 

「そうまでッ、私を否定するのか先生……っ!?」

 

 先生から放たれる青白い光は、徐々にベアトリーチェの深紅を呑み込んでいった。

 紅から、蒼穹の如く透き通る世界に。宛ら永久に広がる水面、無色と蒼が広がる空間。

 ベアトリーチェの内包する世界が、塗り替えられる。

 彼女の視界に、何処までも広がる水面と蒼穹、そして朽ち果てた教室の一室が浮かんだ。それは幻覚にすぎない――しかし、確かに垣間見た、『先生の世界』だった。ベアトリーチェを睨みつける先生が鼻から流れる血を拭い、叫ぶ。

 

「これは、決して私だけの力じゃない! アビドスの、対策委員会の、私の生徒達が生み出した――想いの力だッ!」

 

 先生の叫びと共に、幾つもの弾丸がベアトリーチェへと着弾する。両腕で顔面を庇った彼女の腕に、その弾痕が刻まれる。思わず呻きが漏れた。最早、外皮のみで防げる威力ではなかった。弾丸に込められた神秘が、一分、一秒毎に強く、強靭になっていく。

 こんなものは知らない――こんな理解出来ない代物を、ベアトリーチェは感じた事がない。

 

「委員長を唆して、何をしようとしていたのか知らないけれどッ! 私達、対策委員会を、舐めんじゃないわよッ!」 

 

 セリカの弾丸がベアトリーチェの腕を穿ち、その弾痕から深紅の光が漏れ出る。

 

「誰が欠けても、それはもうアビドス対策委員会ではないんです! 私達、全員でアビドスなんですッ――そうでしょう!? ホシノ先輩ッ!」

 

 ノノミの掃射がベアトリーチェの根元を揺るがし、その巨躯が揺れる。

 

「私は、委員長を、先生を、皆を助けるために此処に居るッ! それだけは、ずっと変わらないッ!」

 

 ドローンとの連携を前提に立ち回るシロコの弾頭が、ベアトリーチェの顔面を弾いた。

 

「誰かを見捨てるなんて、そんなの――お断りですッ!」

 

 アヤネの銃撃が、ベアトリーチェの花弁を汚す。

 セリカが、ノノミが、シロコが、アヤネが、その想いを胸に立ち向かう。強大な敵に、決して怯むことなく、真正面から。放たれる弾丸、勇気と希望に満ちた視線、それらを前にベアトリーチェは酷く動揺していた。確かに先生は強大な存在だった、それは認めよう。だが故にこそ、その芽を摘む為に此処まで出向いた、先生がその地位を盤石にする前に、生徒と絆を育む前に。

 

 だというのに――自分は今、育ち切ってすらいない生徒(子ども)に敗北を喫そうとしている。

 それは、到底認められない『現実』だった。

 

「何故だ、何故――」

 

 擦り切れ、挫けそうになった彼女を最後に支えたのは――矜持(プライド)

 彼女の持つ絶対不変の特性が、その気圧されかけた精神に喝を入れる。

 僅かに溜めた深紅を衝撃波として飛ばし、周囲の生徒を瓦礫諸共吹き飛ばす。砂に塗れ、地面を転がって尚立ち上がる彼女達には、精々が時間稼ぎ程度の意味しかない。しかし、その一呼吸がベアトリーチェにとっては肝要だった。その両腕をアスファルトへと叩きつけ、彼女は全力で先生に叫ぶ。

 

「何故あなたは理解しない、先生ッ!?」

「ッ!?」

 

 放たれた衝撃波、その余波に顔を覆いながら、先生は咆哮するベアトリーチェを睨みつける。その瞳には変わらず、希望の光が籠っていた。

 

「あなたには崇高の価値が分かるはずだッ! 繰り返してきたのだろう!? 結末を知っているのだろう!? ならば、ならば全ての生徒を審判し、救済する事を是とした、こんなッ、絶対的な力を有すあなたならばッ……!」

「――私はッ!」

 

 ベアトリーチェの叫びに被せ、先生は吼える。

 

「私は、審判者ではない! 救済者でもない! 絶対者ですらない! 善悪も、苦痛も、罪悪も、私は消す事など出来ないッ!」

「ならっ……なら何故そこに立つ!? この箱舟を、キヴォトスを知って尚! セフィロトの樹を排し、クリフォトの樹をも排し、新約に至って何を望む!? 子供たちのラビよ! あなたの存在理由は何だ!? あなたは全てを終える暁に一体何を望むというのだッ!?」

 

 叩きつけた両腕が地を揺らし、虚空に生まれた深紅の球体が一斉に降り注いだ。その悉くをホシノは防弾盾で撃ち落とし、届かぬ代物は散弾で打ち消す。その合間を走り抜けるようにして潜ったセリカが、ベアトリーチェの顔面に弾丸を撃ち込み、その花弁に焦げ跡を残す。

 

「ぐゥッ……! 理解しているのならば、分かるだろう!? そうだとも、私達ゲマトリアを排し、あなたは世界を救う! あなたの云う生徒を救う! しかし、その果てに――あなた自身は救われないッ!」

 

 ベアトリーチェの咲いた花弁、その白い葉に揃った眼球が一斉に先生を見る。

 その瞳に映った自分自身を、先生は目を逸らす事無く――真っ直ぐ見つめ返した。

 理解していない筈がない、知らない筈がない、他ならぬ彼自身が。

 

「分かり切っている結末だ、予測出来る結末だ! ましてやあなたはそれを知って、理解し、体験したッ! ――あなたが世界を救っても、世界はあなたを救わないッ!」

 

 そうだとも、ベアトリーチェは語る。

 あの銀狼が語った内容を信じるのであれば、この先生は、意識的か無意識的かは別に、世界を繰り返して来たのだと云う。それが何度続いた事なのか、そして何故そんな事をしているのか、ベアトリーチェは知らぬ。知ろうともせぬ。

 しかし、銀狼の迎えた世界の結末だけは理解していた。

『この』先生ならば、成程、確かに世界を救うだろう。好悪の感情は別として、まさしくこの人間は救世の器だ。認めよう、納得したとも。

 

 しかし――世界は救えても、その果てに彼自身は救われない。

 

「――だと云うのにッ!?」

 

 深紅を爆発させ、未だ攻勢を続けるアビドスを振り払いながら、ベアトリーチェは叫んだ。彼は大人だ、大人なのだ、大人には世界を救う責務がある。しかしそれは、『自身が崇高に至る前提』で語られる事だ。自分自身を対価とした救世など――!

 その想いと共に先生を睨みつければ、彼は何処までも凪いだ水面の如く、静かで、穏やかで、しかし強い意志を秘めた瞳で以て口を開いた。

 

「私は救いを求めない――私は救われようとも思わない」

 

 口にし、その言葉の輪郭をなぞる。

 その口調は淡々としていた。しかし、ベアトリーチェの感じるもの以上の、苛烈な意思と覚悟が秘められていた。先生は彼女の口にしている『事実』など、疾うの昔に噛み締めている。理解しているとも、この身で嫌という程味わった。

 しかし、それでも尚。

 

「私はただ、忘れられ、苦しむ生徒達に寄り添いたいだけだ――!」

 

 このキヴォトスで生きる生徒達を、教え導き、その苦しみを分かち合い、共に泣き、共に笑い、共に過ごす。先生が望むのはただ、それだけ。

 生徒の善悪も、苦痛も、罪悪も、先生は消す事が出来ない、自身でそう口にしたように、それは紛れもない事実だ。何も持たぬ、人間である己の出来る事など高が知れている。

 だから――己自身の救済は要らない、救いは求めない。

 生徒に寄り添う事しか出来ぬ自身に、何故救いなど求められよう?

 その果てに待つものが自身の破滅であったとしても、孤独な世界であったとしても。

 生徒の手を取り、寄り添った時間が消える訳ではない。その事実を胸に、自分は、きっと待ち続ける事が出来る。

 どれだけ永い時間であろうとも、どれだけ寂しい世界だろうとも。

 この身は何処までも――彼女達の為に。

 先生の苛烈な意思の籠った眼光が、ベアトリーチェを正面から貫いた。

 

「ただそれだけ……ただそれだけだッ!」

「それがッ――救世主(メシア)の資格という事か……ッ!?」

 

 ベアトリーチェが両手を掲げ、叫ぶ。

 それは祈りに似ていた、告解に似ていた。しかし、彼女自身はそれを決して認めないだろう。ただ両手を天に捧げ、遥か遠くの星を掴むように手を伸ばす彼女は、その瞳に羨望と切望を宿し、吐息を漏らす。

 

「救済を経て尚、崇高に手を、これが聖人、何て、何て……――あぁ、あのベツレヘムの星を観測した時に、私が、私達が……!」

 

 或いは、あの星を掴む事が叶っていれば――。

 あなた(先生)は、偽りの者であっても愛したのか?

 

「いいえ――いいえッ!」

 

 想い、ベアトリーチェは(かぶり)を振る。

 そんなイフ(もしも)の話をして何になる? 意味など無い、ありはしない。現実はこうして対峙し、互いの主義主張を張り合っている。例えどれ程の未練があろうとも、後悔があろうとも――彼女は止まらない、止まれない。

 それは、ずっと前(子どもの頃)から決まっていた事だから。

 

「――完遂はあり得ない! 私は、私の計画を全うする、慈悲など要らぬ! 呪いを、恐怖を、神秘を! その果てに崇高に至り、我が最果ての願いを!」

 

 ベアトリーチェが気炎を上げ、深く、沈み込む様な深紅を纏う。巨大な光球となったそれは花弁へと集い、幾つもの極光を先生目掛けて放った。ホシノが射線上に割り込み、その極光を神秘の宿った防弾盾で受け止める。火花と蒸気が吹き上げ、飛び散った深紅が空間を彩る。

 熱波と風圧に目を細めながらも、先生は叫ぶ。

 

「絶対に、止めて見せるッ……何が何でもッ!」

「止めるなどとッ! 殺すと云いなさい、人間ッ!」

「あぁそうだ! 私は人間だッ! ちっぽけな人間なんだ!」

 

 溶け落ちた盾を、ホシノは投げ捨てた。そのままアビドスと共にベアトリーチェへと肉薄し、決死の近距離戦を挑む。

 己は人間だ、ちっぽけな人間だ――そんな事は自分が一番良く理解している。彼女達と共に戦う力はなく、資格はなく、神秘すら内包せぬこの肉体。どれだけ欲し、希っても、それだけは手にする事が叶わない。その苦しみを、苦悩を、この身はいつまでも忘れずにいる。

 

 これの何処が救世の器か、聖人か? こんな矮小な人間が、生徒の善悪も、生徒の苦痛も、生徒の罪悪も消す事が出来ぬ、寄り添う事しか叶わぬ存在が――そんな大層な者の筈がない。

 

 けれど――それが生徒に背を向ける理由にはならないのだ。 

 

 人間らしく、大人らしく、何より先生らしく在れ。出来ないのなら、出来ないなりに。生まれ持った全てを費やし、捧げ。私は、ひとつの人間として――彼女達と向き合うと決めた。

 

「人が誰かに縋らなければ生きて行けないというのなら、私は彼女達の灯となろう! 寄り樹となろう! けれどいつか、きっと、気が遠くなる程の時間を経て――彼女達は、自身の足で歩いて行くと信じている!」

 

 嘗ての己がそうしたように。

 そう願ったように。

 そう信じた様に。

 どれだけの時間を掛けても良い。彼女達ならば、いずれ立ち上がり、自分達のその足で歩いて行けると――心の底から信じている。

 

 それは光の発露だった。未だ名もない小さな光(生徒)を信じ、想いを託す大人の姿だった。世界を救うというのならば是非もなし、先生はそれを為そう、何も持たぬこの身で。彼女達に寄り添う事で。

 その身を凝視し、その在り方を、ベアトリーチェは歪んだ表情と共に認めた。

 

「それが……っ! それが、幼年期の終わりだと、あなたはそう云うか!?」

「そうだ、この世界は――キヴォトスは神秘の転炉などではないッ! 未だ小さき名もなき光(義なる者)が育まれる、エデンの園に至る道だッ! 私と彼女の想い描いた、天幕に至る道筋だッ――!」

 

 そうとも、先生は叫びと共に歯を食いしばる。

 このキヴォトスは契約だの儀式だの、そんな代物を行う為に用意された場所ではない。この場所は生徒達(子ども)が学び、成長し、大人になるまで見守られる為の箱舟だ。軈てエデンの園に至る為の道――其処に、神秘の転炉等と云う道は存在しない。

 踏み出し、先生はタブレットを掲げる。

 天に向けられたシッテムの箱に、強い光が灯る。それは宛ら星の如く、人が羨む眩きを誇る。先生の瞳が輝き、その光にベアトリーチェは一瞬でも魅入られた己を恥じた。

 

「――それを、お前達(ゲマトリア)などに邪魔されてっ、たまるかァッ!」

「こ、のォッ……!」

 

 先生の叫びと共に一層タブレットが輝きを増す。蒼穹が世界を塗り替える、ベアトリーチェという存在を上書きする。何処までも清々しく、清廉なる世界。それは生徒を慈しみ、見守り、寄り添う為の世界だ。

 ベアトリーチェの許容できぬ、『子どもの為の世界』だった。

 

「そんな綺麗ごとをッ、大人の、あなたがァッ!」

 

 認められぬ。

 認められぬ。

 認められぬ!

 認められる筈がないッ!

 

 子ども(生徒)は、搾取されるべきなのだ。世界を動かし、支配し、管理するのは大人でなければならぬのだ。来たる色彩を退ける為に、その為に費やされる犠牲は小義に過ぎない。大局を見ろ、全てを救うなど土台無理な話――ならば最小限の犠牲で、最大限の利益を生むのが大人の義務だ。

 だからこそ子どもは従わなければならない、大人に、ゲマトリアに――私達に!

 

 子ども(生徒)に世界は、救えないのだから!

 

「まだ倒れないのッ!?」

「ま、ずッ……――!?」

 

 もう既に、何発銃弾を撃ち込んだかも分からなかった。ベアトリーチェの外皮は剥がれ落ち、内包した恐怖と神秘が深紅として漏れ出している。だと云うのに彼女は未だ倒れず、その威圧感を微塵も揺らがせていない。

 その異様なタフネスに、さしものアビドスも驚愕を見せた。そして、その一瞬の隙をベアトリーチェは見逃さない。

 足の止まったホシノに狙いを定め、幾つもの光球を射出させた。両腕と背中の枝群から放たれるそれは、無数の雨となってホシノを襲う。両腕を交差させ、深紅の弾丸に身を撃たれたホシノは弾き飛ばされ、砂塵と共に後方へと転がった。

 

「ッ、ホシノ先ぱっ、きゃあァッ!?」

「アヤネ!?」

 

 ホシノの被弾に気を取られたアヤネもまた、薙ぎ払う様に放たれた腕に巻き込まれ、瓦礫の山へと吹き飛ばされた。轟音と共に着弾した彼女は、愛銃を握り締めながらも衝撃と痛みに顔を顰め、意識を一瞬混濁させる。

 

「シロコ先輩、アヤネをッ! 私はホシノ先輩を見るからッ!」

「っ、分かった! ノノミ、援護を!」

「分かりましたッ!」

 

 シロコ、セリカ両名が一度下がり、ノノミが単独でベアトリーチェに挑む。しかし、彼女の攻撃は確かに強力ではあるものの、単独で出来る攻勢など高が知れている。ベアトリーチェの目が先生を射貫き、数多の深紅が先生に牙を剥いた。

 

「あぁアァァアアッ!」

「ッ――!」

「あなた様っ、御下がりをッ!」

 

 放たれた弾丸、その悉くをワカモが撃ち落とす。銃撃と銃剣、それを駆使して飛来する紅の軌跡を捌く彼女は、まるで舞う如く。目前で火花と深紅が交差し、それは酷く幻想的な光景だった。その様子を背後から固唾を飲んで見守る先生は、シッテムの箱を強く抱きしめ――ただ、前だけを見据える。

 

「――楽園がっ、事実、存在するならばッ、何故……何故、私達は救われない!? 楽園が在り! 楽園を信じ続けるのならばッ! 崇高は何を望む!? 何を想う!?」

「救いを望まぬといったその口で、憐れみを求めるのか!?」

「私達は真理を求めているだけだ! 例え罪人であっても、偽りの者であっても、真理に立つ者を見上げ、手を伸ばし続けているだけの……ッ!」

 

 深紅の弾丸を放ち、手を伸ばしながらベアトリーチェは叫ぶ。

 その声には、確かな願いがあった。彼女の底に眠る本質、その発露。傲慢で高慢、大人という椅子に座った彼女は、自身なりの方法で崇高に手を伸ばした。その果てに世界に救済を齎す――その責務を果たす為に。果たして、その行いは罪なのか? その願いは、悪しきものなのか?

 大義の前の小義――神の子羊(救済のための生贄)は、費えるべき小義ではないのか。

 

「――その為に、生徒を犠牲にして良い道理などある筈がないッ!」

「――犠牲なき理想を語れるのはっ、あなたが聖人だからだろうがッ!?」

 

 激昂した彼女の深紅が、より一層その色を強くした。その影響下にあった数発の光球がワカモの防御を抜け、先生に迫る。彼女を信頼し、微動だにしなかった先生はその直撃を受けた。

 肩、腕、足――恐らく来ると分かっていても、避けられなかっただろう。先生には、深紅の弾丸が残した色の軌跡(ライン)のみが映った。衝撃で肉が削げ、鮮血が噴き出し、先生の体が大きく傾く。

 

「ぐ、がァ――ッ!」

 

 制服の一部が千切れ飛び、腕章が赤に染まった、口から苦悶の声が漏れる。

 前に立つワカモが、その目を大きく見開き、蒼褪めるのが良く分かった。その手に持つ愛銃の銃口が、揺らぐ。その表情に、後悔と悲壮の念が浮かぶ。その口が、先生の名を紡ぐ。先生へと――手を伸ばす。

 

「っ!? あなた様ッ――」

「先生――ッ!?」

 

「――振り返るなァッ!」

 

 先生の被弾を見て悲鳴を上げた対策委員会と、目の前のワカモに対し、先生はあらん限りの声で叫んだ。倒れそうになる体を無理矢理堪え、思い切り地面を踏みしめる。深紅の弾丸を受け、血を流し、それでも尚、己の両足で立つ。流れ出る赤を纏い、先生はそれでも前を見続ける。純白が穢れようとも、その意思に一切の翳りはない。シッテムの箱を抱いたまま、血を払い、先生は吼える。

 

「前を、見ろッ! 私は、決して斃れないッ! 生徒達が戦う限り、私はっ、絶対に斃れなどしないッ!」

「……――っ!」

 

 信じろ、と。

 強烈な意思と信頼が、生徒達の背中を押した。

 

 それは、先生の持つ絶対の矜持。

 生徒が戦い続ける限り、挑み続ける限り、大人が、先生が先に斃れるなどあってはならない。意識が途切れる、闇に堕ちるその瞬間まで、先生は決して諦めない。その酷烈な意思と覚悟を真正面からぶつけられたワカモは、歯を軋む程に食いしばり、涙を湛えながらも前を向いた。迫り来る弾丸を防ぎ、弾き、逸らし、先生の信頼に応え続ける。強烈に沸き上がる感情を飲み下し、必死の形相で。

 瓦礫に埋もれたアヤネが、罅割れた眼鏡を投げ捨て、叫んだ。ホシノが口から血を吐き出し、鬼の形相と共に愛銃を抱え直す。シロコも、セリカも、ノノミも――先生の言葉に、歯を食いしばって応えようとした。

 誰も、余裕などありはしない。

 けれど、それでも諦める事を考えていなかった。先生の想いに、信頼に、願いに応えるために。全員が一丸となって前を進む意思を見せる。先生が中心となったそれは、強大な一つの生物の如く――。

 

 人間は、弾丸一発で死に至る。

 人は痛みに弱い。肉体的な苦痛は、精神を、意思を容易に挫く。その時、その瞬間まで絶対だった意思は、痛みや苦痛によって翻る。擦り切れ、粉々に砕かれた意思は、(こころざし)は、二度と形を取り戻す事はない。

 その筈だ。

 その筈だった。

 だと云うのに――この、目の前の人間(先生)は。

 

「何故……何故、その様な脆弱な肉体で意思を持ち続けられる……!? あなたは何故、そうも輝く!? 何故そうも子ども達を想う!? その愛は――一体何なのだ……!?」

「私はっ……先生だッ!」

 

 答えなど、最初から一つしかない。

 

「この子達の、先生なんだよッ……!」

 

 文字通り、血を吐く想いで叫ぶ。

 赤が流れ、痛みと気怠さに支配されて尚、先生は斃れず。

 想いを、信頼を、願いを胸に、ただベアトリーチェの前へと立ちはだかる。

 その瞳に、絶対不変の意思を抱いて。

 

「先生が生徒を想うのは、当たり前だろうが……! 生徒を愛し、信じ、寄り添うのはッ、当たり前の事だろうがッ……!」

 

 生徒を愛さない先生は居ない。

 生徒を信じない先生は居ない。

 生徒に寄り添わない先生は居ない。

 

 私は、先生だ。

 この子達の、先生だ。

 ただそれだけで――十分なんだ。

 

「愛する理由も、想う理由も、信じる理由も……ッ! それで、十分だろうが!?」

「――ッ!」

 

 その叫びに、ベアトリーチェの瞳が、くしゃりと歪んだ。

 何処までも深い愛、無償の愛、捧げられる善性と想い、信頼。その清らかな感情をぶつけられた時、ベアトリーチェは自分でも理解出来ぬ、強烈な感情を抱いた。手を伸ばし、尚も届かぬ――ベツレヘムの星。

 

「――……その愛をッ、何故っ――何故あなたはッ!? ほんの、欠片でもッ!」

 

 絞り出すような声だった。或いは、懇願するような声だった。

 伸ばしたくなる手を必死に留め、彼女は叫ぶ。

 

「自分をッ……自分を愛してと叫ぶのなら、あなたは誰かを愛するべきだったのだッ!」

「っ、何を――ッ!」

 

 先生の声に、ベアトリーチェは気付く。

 自身の根底に張り付いていた、浅ましい羨望に。

 

「あなたはただ、愛し――愛されたいだけだッ!」

「―――ッ!」

 

 それは、ベアトリーチェがずっと隠し続けていた願望、その本質。或いは、彼女自身自覚していなかった、生徒に羨望の目を向ける理由。それが本当かどうかなど分からない、突きつけられた時、ベアトリーチェは何を的外れなと考えた。けれどその言葉を咀嚼し、飲み下した後――酷く、安堵している自分に気付いたのだ。

 その気付きに、ベアトリーチェは思わず震え――激昂した。

 それは、自分自身に対する怒りだった。

 

「そんな、その様な、ッ、事を……っ!」

 

 それは、大人としてあってはいけない筈だ。

 それは、彼女の矜持(プライド)が許さない筈だ。

 誰かに愛を乞うなど、誰かに愛を強請るなど。

 そしてその本質を見抜かれた時、ベアトリーチェの矜持(プライド)は、罅割れた。

 

「――認められるものかァアアッ!」

 

 絶叫。そして両腕を掲げ、強烈な風を生み出す。深紅を巻き取り、吸い取り――生み出されるのは巨大な深紅の光球。有りっ丈の神秘と恐怖、権能をつぎ込んだベアトリーチェ渾身の切り札。巨大なベアトリーチェと比較して尚、大きすぎるソレは最早――もう一つの太陽。

 先生やアビドスを巻き込んで尚、有り余る消滅の力を秘めたそれを前に。

 

 先生は――赤に塗れた腕を掲げ、叫んだ。

 

「アロナァッ!」

『っ――はいッ……先生……!』

 

 叫びは、彼女に届いた。

 突き上げたその手の中に、青白い光が生まれる。

 収斂する光は軈て僅かな形を取り、その実態を晒した。

 光輝き、掲げられたそれを――ベアトリーチェは驚愕の瞳で以て迎える。

 

「っ、それ、は――ッ!」

 

 先生の手の中に在る、ほんの十数センチほどの四角形。その中に内包された莫大な神秘に、ベアトリーチェは圧倒される。どれ程の神秘が込められているのか、それを形成するのにどれ程の時間を要したのか、彼女には想像もつかない。

 ただ、それを掲げた先生は、欠片の迷いも見せず、その神秘――カードを掲げていた。

 

「……これは、私の時間、肉体、精神――あらゆる人生を削り、対価とし、【奇跡】を起こす、永遠ならざる主の救済装置(大人のカード)……!」

 

 掲げられたカードが、更に光を帯びる。

 それは全てを覆う様に、数多の未来を照らすように。輝くベアトリーチェの広げた深紅を次々と剥がし、上書きして行く。神秘を内包し、奇跡を体現するそれは文字通り【先生の代償】と共に、『救い』を齎す。ひとりでは何も出来ぬ先生が、何も持たぬ先生が、唯一自身の意思のみで執行出来る――取り返しのつかない切り札。(不可逆の奇跡)

 血に塗れた先生の瞳と、ベアトリーチェの瞳が交わる。

 

「私が具現化させるのは、この世界ではない、もう一つの結末、生徒と共に紡いだ過ぎ去りし思い出――闇に塗れ、後悔に塗れ、怒りと憎しみに支配されて尚……歩み続けた、もう一つの涙の物語(ブルー・アーカイブ)ッ!」

「やめろッ! それを使えば、あなたとて――ッ!」

 

 ベアトリーチェは思わず叫んだ。それは、保身から来た言葉ではなかった。あれ程の神秘、契約と儀式で行使するとしても、一体どれだけの代償が支払われるのか――それこそ、人間ひとりで支払える代償とはとても思えなかった。

 人生全てを費やし、漸く行使できるか否かという程の規模。

 それを先生は、単独で行使しようとしている。

 その力を人間が一人が使えばどうなる? 存在の抹消? 記憶の消去? 世界からの追放? 分からない――分からない事が、酷く恐ろしい。

 

 けれど、先生が止まる事はない。ベアトリーチェを見据えたまま、先生は強くカードを握り締める。その瞳が強く語っていた、例えどれだけの代償を払おうとも構わない、と。例えどれだけの苦難に見舞われようとも構わない、と。

 このカードは先生の人生そのものだ、先生の歩んで来た道そのものなのだ。

 先生が寄り添った生徒との記憶、過ぎ去りし思い出、費やした時間。

 

 生徒と共に辿った――道。

 

「私の歩んだ道を、生徒達の往く道を……ッ!」

 

 掲げたカードが、その輝きを最高のものへと到達させる。

 光が先生を、ワカモを、シロコを、ノノミを、ホシノを、アヤネを、セリカを、ベアトリーチェを照らす。

 両の足で立ち、奇跡(カード)を掲げる先生の姿は――まるで一つの絵画の如く、鮮烈で、勇壮で、苛烈で、ベアトリーチェは一瞬、自身の立つ場所を忘れた。それ程までに、胸を打つ光景だった。

 

 先生は唇を、強く噛み締める。その道を思い出し、振り返る様に、その苦難を顧みる為に。

 楽な道などではなかった、楽しさや歓喜と同じ分だけ、苦難と困難に塗れた道だった。

 痛みに満ち、絶望と諦観に覆われ、暗闇の続く世界。今日(こんにち)に至るまで積み重ねられたそれは、先生と云う人間の弱さの証左に他ならない。

 それでも。

 そんな世界でも。

 

「――誰にも、否定などさせないッ!」

 

 歩んで来た道がどれだけ険しく辛いものだったとしても、その苦難によって切り開かれた、この先に続く道には、希望があると信じている。

 未来ある明日へと続いていると、信じている。

 

 だから、これから綴る――この物語は(この世界は)

 

「これは――私達の物語だッ!」

 

 私は、いつもあなたと共にいる。

 そう、世の終わりまであなたと共にいます。

 


 

 召喚される生徒、誰にしようかな~……取り敢えず数はひとりに絞ります。最初からオールスター出したらエデンで阿鼻叫喚の地獄作れないし、まだまだ大人のカードを使う場面はありますので~(満面の笑み)

 敢えてクロコの世界線のアビドスを呼び出して、「みんなと会わせてあげようと思って……」って云う展開も悪くないな~、でもそれはそれで悲しくなるからなぁ。クロコには方針転換して欲しくないし、スタンスは貫いて欲しいし……。

 じゃあヒナとか? それはそれで美味しい、元の世界に戻る瞬間に、「嫌だッ! 先生と離れたくないッ! 先生! せんせいッ!」って涙目で手を伸ばす展開とかめちゃ見たいから個人的にアリよりのアリ。でも、ヒナってエデン条約でも見せ場多いし、ここで枠を使ってしまうと何だかバランスが悪い気がする……。

 

 こう、本編に絡まない訳ではないのだけれど、そこまで重要な役割でもなく、場面、場面でちょこちょこ役目がある様なキャラを呼び出したい。そして呼び出した影響で、記憶持ちでも感情持ちでもなかった筈なのに、ふと先生と談笑している時に、悲しくもない筈なのに涙が流れて、「あれ、おかしいですね……何で、涙が……?」って困惑しながらポロポロ泣いて、先生にそっと抱きしめて欲しい。

 あー! 先生が生徒を泣かせた~! 良い傾向ですね先生、その調子で頑張ってください。

 

 この本編後にさ~、大人のカード使った上に銃撃受けて弱っている先生に、予めスタンバイさせていたアリウスのヒヨリに狙撃させればさ~、手足も捥げる上に大人のカードの代償も支払わせる事が出来てさ~、一石二鳥って感じ~?

 でもヒヨリの持っている狙撃銃ってさ、アレ対物ライフルなんだよね。掠っただけで先生手足バラバラになりそうなんだけれど、どう思う? やっぱヘッドショット狙って顔面破砕した方がインパクトとしては強くない? インパクトが強くても先生が死ぬので駄目です! 強大な敵を倒して、「先生……っ!」って笑顔を向けた瞬間、対物ライフルで頭が炸裂するなんてトラウマどころじゃねぇですわ。グロイのは駄目! 死刑! 手足もぎもぎ! 手足捥ぐのはグロくないんか? まぁそう、でも捥いだ方が生徒泣いてくれるし……ちょっと我慢したくらいで愛を感じられるのなら良いかなぁって。

 

 ヒヨリはシャーレにこっそり侵入して、先生が作ったご飯を盗み食いして、ある日残業が終わって食堂に向かったら、冷蔵庫の前で先生の夜食を口いっぱいに頬張ったヒヨリがいて、先生が電気を付けてその姿が白日の下に晒されたのにも関わらず、そのまま気まずそうにもぐもぐしていて欲しい。先生を撃つのはやめろォ! せめて手足に当ててねッ! 頭は駄目だよッ!

 いや、撃たせないと云う選択肢もアリか。一飯の恩義ッ! これが情けは人の為ならず、という奴ですね。サオリィ! どう思う!? ちょっと先生のどてっぱらに穴をあけた人の意見聞きたいんですけれどォ!? あっ、本編だとイオリも居たわ! ガハハ! まだ我慢! ステイ! まだ手足を捥ぐ時ではないッ!!!

 

 ベアトリーチェに対する本質は完全に私の独自設定ですので、解釈違ったらごめんあそばせ! 子どもを支配し、抑圧するベアトリーチェの根底が、ただ崇高に至り、色彩を退け、その果てに世界を救い、敬われ、愛される未来が欲しいという結末を望んでいたのなら、それはとてもいじらしい事だと思ってこんな風にしましたわ! 愛によって生徒を動かす先生と、支配によって生徒を動かすベアトリーチェ。その在り方は水と油ですが、敵対する意思を見せるのは興味の裏返しの可能性もありますわよねぇ!

 まぁ私は主義主張をぶつけ合って殺し合う展開が好きなので、ベアトリーチェがころっと先生側に転がる事はありません。やっぱ悪役ってのは最後までその志を貫いてこそでしょう! でも敵対していた存在が主人公がピンチの時にやって来て助けてくれる展開すこここ。

 何かキヴォトス動乱で死にかけた先生の元に黒服がやって来て、「先生、あなたは、こんな場所で死ぬべき存在ではありません……」って云いながらお持ち帰りする未来が垣間見えた気がするぅ、多分幻覚だと思うんですけれどぉ。

 

 原作だと大人のカードによる代償は未だ発生していませんが、やっぱり最後にドカンと来る感じなのですかね。私もそれを見習って、エデン条約終わってキヴォトス動乱編入った辺りでドカンと先生を突き落としてあげたいね。その時の生徒の姿は……美しい。

 まぁ大人のカードで誰が呼び出されるにせよ、先生への好感度マシマシ絆100の依存、執着、先生ガチ勢が顕現するので、どちらにせよドロドロのドッロにはなりますよね。ベアトリーチェころころした後に、消えていく自分の姿に絶望しながら必死に先生に手を伸ばしてくれ。多分先生は自分の罪悪の証をまざまざと見せつけられて、酷く歪んだ表情を見せてくれる筈だから。いぇーい、先生見てる~? あなたが救えなかった世界の生徒で~す! 人の心なさそう。人を思いやる心とか……お持ちでない? そんなもの持っていたら生徒が泣いてくれないだろう!? いい加減にしろッ! 先生は愛を以て生徒を導く! 私は先生の手足を捥いで生徒の愛を摂取する! 其処になんの違いもありゃしないでしょうよ!? 

 

 次回の投稿(明後日)なんですが、最近自由時間全部このブルアカに突っ込んでいたので別な事したい欲が出てきましてよ!! 一日位投稿サボって宜しいかしら? よろしくてよ!! ありがとうございますわ!! それじゃあ私、積もりに積もった執筆依頼を解消してきますので……感想でも書いてお待ちになっていて!!

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