一先ずアビドス編はこれで完結となります。
白い廊下を小走りで駆ける人影が一つ。息を弾ませ、ずり落ちた眼鏡を指先で正しながら速足で駆ける彼女はタブレットを抱えながら呟く。
「遅れちゃった……! もう皆、着いているかな?」
場所はアビドス総合病院、以前ゲヘナ風紀委員会と小競り合いが起きた際に先生が搬送された病院であり、そして現在その先生が入院している場所でもある。
彼女、アヤネは並んだ表札を目でなぞりながら、目的の病室を探す。どうか小走り位なら咎められませんようにと、絶妙に注意し辛い歩きとも走りとも云える速度で廊下を進む。
そして幾つかの表札を経て目当ての病室を見つけ出すと、息を整えた後、それとなく前髪を払い衣服をチェック。そしてそっと扉をノックした。
「んんッ、失礼します、先生、遅れてすみま――」
呟き、アヤネが中を覗き込むと。
「うぅ……私はもう駄目だ、成分が、成分が足りない……っ」
「先生、しっかりして下さい! あ、そう云えばこういう時は確か――大丈夫ですか、おっぱい揉みますか?」
「ノ、ノノミ先輩ッ!? 何云ってんの!?」
「うぅ、おっぱいどこ……ここ……?」
「うへ~、先生それセクハラだよぉ、そして今触っているのはおじさんの背中~」
「ん、先生、胸なら此処にも……」
「本当に触ろうとするんじゃないわよ先生ぇッ!?」
「コォペェ!」
丁度、セリカが先生の首をグーで殴りつけている所だった。
個室の中、ベッドに腰掛けながら先生を囲うアビドス対策委員会の皆。セリカの拳を喰らい、ベッドの中に沈み込む先生。騒がしい彼女達の姿にアヤネは目を白黒させ、ややあって苦笑を零し、呟いた。
「あ、あはは……げ、元気そうですね、先生」
「い、今はそんなに元気じゃない……かな」
■
「――という訳で、対策委員会は先生の公的な認証によって、アビドス高等学校の正式な委員会として承認されました、非公認だったせいで酷い目にあったという部分も大きいので、これで一安心です」
アヤネは手持ちのタブレットに表示した資料をスクロールしながら、そう口にする。
ベッドから一度離れ、用意されていたパイプ椅子に腰掛ける対策委員会の皆に囲まれながら、先生はアヤネの話に聞き入っていた。
「お陰様で対策委員会は、正式にアビドス生徒会としての役割も担う事になりました」
「そっか……良かった」
その言葉にそっと安堵の息を漏らす。一先ず、これでアビドスの存在は公的に認められた事になる。大きな一歩だった、少なくとも今までの様に何の援助も受けられない――という事はもうない筈だ。
「それとアビドスの代表、生徒会長についてなのですが実はまだ決まっていなくて――個人的にはホシノ先輩に生徒会長になって頂きたかったのですが……」
「断固として断~る!」
アヤネがそう口にするも、ホシノは先生のひざ元に頭を預けたまま腕で大きなバツ印を作り掲げた。その姿に周りの皆は苦笑を浮かべる。
「うへ、私に生徒会長なんてムリムリ~、柄じゃないよ」
「……という感じで、拒否されてしまいまして、新しい生徒会長は当分不在になりそうです」
肩を竦めそう口にするアヤネ。他のメンバーも似たようなものだった。けれど、無理強いする事は出来ない。責任とは背負わせるものではなく、背負うものだから。けれど対策委員会の委員長は変わらずホシノが務める様で、実質的な代表は変わらず彼女が続投するらしい。恐らく、『生徒会長という肩書』を背負いたくないのだろう。実質的な立場は変わらずとも、これは心情的な問題だった。
そっか、と先生は言葉を漏らし、ホシノの頭を優しく撫でつける。
ホシノはそれを、ただじっと嬉しそうに受け入れていた。
「そう云えば、あの後、柴関ラーメンは?」
「あ、はい、その後ゲヘナ風紀委員から賠償金が支払われたそうでして、屋台の形で再開しました」
アヤネがそう云うと、セリカが嬉しそうに胸を張り告げた。
「お客さんも結構来てくれるし、私もまたバイトを再開したから!」
■
「おっ、便利屋の生徒さんか、らっしゃい! 好きな席にどうぞ」
「お邪魔するわ!」
「最近、柴関ばっかり食べてるね~」
「私は美味しいから別に良いけれど……」
「ま、毎回九割引きなんて云われたら、通っちゃいますよね……!」
屋台となった柴関、そこへやって来た便利屋の面々。
お馴染みとなった席順で座り、メニュー表を覗き込む。屋台となった事でメニューのバリュエーションは少なくなったものの、その味は健在。そして彼女達は既に、メニューを見ずとも注文が出来る程度には通い慣れていた。大将はカウンターの向こう側で湯切りを行いながら、破顔して見せる。
「便利屋の生徒さんには開店資金で世話になったからな、これ位はさせてくれ、都合上
「そうね、えぇっと、それじゃあ私は塩に餃子、炒飯セットで!」
「くふふっ、それならチャーシュートッピングの味噌♡」
「わ、私も塩にぎょ、餃子を付けて頂けると……」
「……このままだと、メニュー全部網羅しそうだね、あ、私は味噌で、炒飯も」
「あいよぉ!」
■
「それと、先生のお陰でホシノ先輩の件は解決したのですが、アビドスの借金は相変わらず九億円のままです、まぁ、これは最初と余り変わらないのですが……でもカイザーローンはブラックマーケットでの不法金融取引がリークされて、連邦生徒会の捜査が入るそうです」
「それはそれは、報告書の作成を頑張った甲斐はあったね」
アヤネの言葉に、先生は笑みを浮べながら告げる。実際、連邦生徒会が動いたという事実が今は重要だった。今までは目が届かない事を良い事に、やりたい放題やってきたカイザーコーポレーションだが、捜査の手が伸びたという事は、『連邦生徒会はカイザーを認知し、見張っている』という印象を与える事になる。身動きは非常に取り辛くなる筈だった。少なくとも、これまで通り動く事は不可能になるだろう。
報告書をこれでもかという位に送り付けた甲斐があったと、先生は胸を撫で下ろす。尚、連邦生徒会指名手配犯担当モモカからの怒りの通信については言及しない事とする。
「正直、連邦生徒会がどこまで捜査してくれるのかは分かりませんが、それでも状況は変わると思います……件のカイザー理事は、生徒誘拐未遂事件の容疑者として指名手配されているそうですよ」
「蜥蜴の尻尾切り、か」
ホシノはそう呟き、目を細める。
実際、それが面倒を嫌った企業による尻尾切りなのは誰の目から見ても明らかだった。或いは、理事個人の暴走とでも言い繕ったのか。アヤネも同意なのか、何度か頷いて見せる。
「――それと無理に引き上げられていた利子については問題視されまして、最終的には以前より遥かに少ない利子の支払いで済むようになりました、これなら少しは貯金も出来そうです」
「ま、それでも返済には余裕で人生丸々必要そうだけれどね」
「あはは、まぁ、それでも楽になったのには違いありませんから☆」
金利についても、どうやら見直されたとの事。毎月の様に数百万の支払いをしなくて良くなったと、アビドスの皆は喜んでいた。元々、暴利を貪る様な利子だったのだ。元の借金の額が額なので、即座に返済――というのは難しいが、以前と比較すれば遥かにマシになったという。
アヤネとセリカの提案により、毎月の利息と一定の金額を返済に充て、万が一何かあった時に備えて、アビドス対策委員会として貯金も作っていく事になったらしい。以前と比べると、随分と人並みの暮らしが許されるようになった。もう返済に追われてバイト漬けになる事もない。
「アビドス自治区については、相変わらずカイザーコーポレーションが保有したままです、取引自体は違法ではなかったそうですから、仕方ないみたいですね……結局、カイザーコーポレーションがあの砂漠で何を企んでいたのかは、分からず仕舞いでした」
「ん……でも、今は連邦生徒会の調査もあるし、大々的には動けない筈」
「それに、何かあったら今度こそ私達がガツンと云ってやるわ! 漸く公認になった訳だし!」
アヤネの言葉に、シロコとセリカは拳を突き上げてそう意気込む。今までは公的認可を受けていなかった為、半ば自警団に近しい組織と見做されていたが、今ならばカイザーもきちんとした対等な相手として対応せざるを得ない。自治区を持つ生徒会とは、そういう相手なのだ。
「そう云えばアヤネちゃん、あの不気味な連中については?」
「……私も、あれから色々と調べて回ったのですが――」
ホシノは脳裏に黒服――そして唐突に現れたベアトリーチェと呼ばれる赤肌の女性、首のない紳士の姿を思い浮かべ、問いかける。アヤネはタブレットを指先で叩きながら、申し訳なさそうに首を振った。
「表側にも、裏側にも、これといった情報は何も出てきませんでした、あの件に関しては全ての罪がカイザー理事に被せられていた様でして、彼ら、彼女の本当の名前も、正体も不明のままです」
「うへ、そっか……」
呟き、ホシノは内心で納得する。そもそも、此処までカイザーの尻尾を掴めなかったのも、あの連中の仕業だろうと彼女は疑っていた。もしそうならば、情報を遮断し、秘匿する事は朝飯前だろう。
そしてもう一つ、気にかかる事柄。
あの、シロコに良く似た女性。彼女の口ぶり、そして先生への態度からして、きっと――。
「――そこから先は、私の、シャーレの管轄だ、皆が思い悩む必要はないよ」
「……先生」
ホシノがそこまで思考を伸ばしたところで、先生の声が彼女達の意識を引っ張った。
先生から向けられる優し気な視線、そして髪を撫でる暖かな彼の手に、ホシノはふっと息を吐き出し目を閉じた。
確かに考えるべき事、そして不安な事柄はまだ残っている。けれど、事件は一応の決着を見せアビドスは確かに勝利した。今は、今だけは、その余韻に浸るのも悪くないと――そう思ったのだ。
「分かりました、お任せします、先生」
「うん、任された」
アヤネが小さく頭を下げ、先生は確りと頷いて見せる。先生が応援を要請した時ならばいざ知らず、必要のない領域まで踏み込んでこれ以上の負担を抱え込む事になれば笑えない。それは、先生なりの思い遣りであり、信頼であり、そして忠告だった。
アビドスとしての物語は、一旦此処で幕を閉じる。
それが――先生の選んだ道筋なのだ。
「――さて、それでは報告が長くなってしまいましたが……アビドス対策委員会の定例会議を始めましょうか!」
「ん」
「はーい」
アヤネがタブレットの電源を落とし、軽く手を打ち鳴らす。すると皆が声を上げ、いそいそと再び先生のベッドへと集まり始めた。その様子を先生は困ったように眺めながら、思わず苦言を呈す。
「えっと、何も私の病室でやる事もないと思うのだけれど……何なら端末でホログラム投影できるし、部室で遠隔会議でも全然――」
「何を云っているんですか、先生!」
先生の言葉にアヤネは腰に手を当てると、ふんと鼻を鳴らして告げた。
「私達は、
「うへ~、そこで私に振る~?」
「ん、その通り、私達は六人でアビドス対策委員会」
「そうですね~☆ やっぱり、先生も揃っていないと!」
「まぁ、先生にはお世話になったし、対策委員会の仲間だっていう点はそうよね!」
皆が一様に頷き、何の憂いもない笑顔を先生に向ける。それを直視した時、先生は何も云えなくなった。彼女達の自分を見る目が、余りにも輝いていて、親愛と信頼に満ちていて。その視線の向こう側に、先生は『嘗てのアビドス』を幻視した。
ずっと先生が背負ってきた、世界の断片、その幻影。彼女達は一歩ずつ、少しずつ、嘗てのアビドスへと近付いて行く。それが嬉しいような、寂しいような、苦しいような――。
胸を締め付けるその感情を、痛い位に噛み締めて。
先生はまた一つ――背負った。
「……なら、仕方ないか」
呟き、先生は笑う。
屈託なく、朗らかに。
今だけはどうか――笑わせて欲しい。
先生の微笑みを確認し、アビドスの皆は顔を見合わせ笑みを深くする。
アビドス定例会議――もう何度目かも分からないそれの議題は、既に決まっている。
勿論、それは。
「それじゃあ、これからアビドス定例会議を始めます! 皆で存分に話し合いましょう! 議題は――」
――
アビドス対策委員会編 完。
【後書きに添えて――今後の方針と私信】
一先ず此処まで来られた事に感謝を。当初は十万字、二十万字で終わるだろうと高を括っていた結果、よもや此処まで膨れ上がるとは。しかし私は後悔をしていない、少なくとも私は、私の読みたいアビドス編を書けたと満足している。まぁ私からするとアビドス編は『希望』の物語なので、結末も大分未来を照らすような締め方を目指した結果、このようになった。
私の目指す物語はあらすじ通り、先生が愛し、愛される生徒の前で血塗れになって這い蹲って、それを見て涙を流し絶叫する生徒の愛を感じ隊というものなので、ぶっちゃけアビドス編だけだと愛と勇気と友情物語過ぎて、「うぉっ、何だこの透き通る様な世界観で送る学園×青春×RPGは? ブルーアーカイブかな?」ってなっちゃったので、エデン条約編ではバチボコに先生を身体的にも精神的にボコボコにして、文字通り血塗れにしてやるから覚悟しろという所存である。
私はね、原作で先生をヒナが庇った反対で、先生が寧ろヒナを庇ってバチクソに撃たれて、「先生ッ!? なにやって、やめてッ! 離してッ! 先生ェッ!?」って目を見開きながら、ボロボロ涙を流して叫ぶヒナに微笑む先生が見たいの。ついでにミサイル着弾した時に無傷の先生じゃなくて、瓦礫と砂塵に埋もれながら血を流し、歩けるかどうかも分からないって負傷具合の先生を見て、真っ青になるハスミとかツルギが見たいの、わかる?
この、先生を想っているが故に、大切な人の血まみれの姿を見て心を動かされ、動揺し、後悔と悲しみと不安と焦燥に駆られる生徒の顔が好きなのだ。自身の想い人が一分一秒ごとにその命を削られる様を目の前で見せつけられ、それを指を咥えて見ているしか出来ない自身に対する絶望とか失望とか、後悔とか憎悪と悲壮とか、そういったものがごちゃ混ぜになって悲しんでいるんか怒っているのか笑っているのか分からない、そんな生徒の顔を見て、「あ~、先生愛されているなぁ~」ってほっこりしたいの。
愛は地球を救うの、ついでにキヴォトスも救うの、先生は救わないけれど。
今までずっと隠していたから気付かなかったかもしれませんが、私は先生の手足を捥ぐのを心の底から楽しみにしているんです。
さて、先生の捥がれた手足はさておき、一先ず今後の予定をお知らせ致します。
まず本来の順番で行くのならば、このままvol.2の機械仕掛け編に突入する訳ですが、ぶっちゃけそれをやるとまだ五十万字増える事になりまして、あとこのパートだと先生が負傷してくれそうにないので(後書きを除く)、今回は見送ろうと思います。ゲーム開発部と先生のイチャ♡ラブ、そして先生もぎもぎからの双子の元気な方が涙ぽろぽろ展開を期待していた方は申し訳ありません。ですがこれには簡単な解決法が御座います。
まずPCを用意します、無い方は紙とペンでも構いません。スマホでも良いです。そうしたらメモ帳、Wordを開き、其処に自分の読みたいvol.2のシナリオを書き出します。そこに先生を投入し、四肢を捥ぎます、すると生徒が泣きます、可愛いですね。
はい、あなたの読みたい機械仕掛け編が完成しました、素敵ですね、素晴らしいですね。後はそれをネットの海に放流すれば完璧です。ただでさえ少ないブルーアーカイブの小説が増えて読者はwin、そしてあなたも自分の好きな話が読めてwin、誰も損をしない素敵な解決方法です。ノーベル平和賞はあなたのものです。
性癖バトルしようぜ! 私に負けたら先生の性癖は「生徒の前で先生の四肢を捥いで泣き顔の生徒を見て胸をぽかぽかさせる性癖」以下ね!? 性癖に貴賎はなく上も下もないと云っているでしょうがッ! 「生徒の前で先生の四肢を捥いで泣き顔の生徒を見て胸をぽかぽかさせる性癖」と「少女漫画のくっ付きそうでくっ付かない、あのじれったい純愛を見守りたい性癖」は同じなんですわよッ!? お分かりになってぇ!? 分かれば良いのですわ、おっきな声だしてごめんなさいね? 大丈夫ですの? お怪我は御座いません事? ところであなた何処住みですの? てかラインやっていまして? 先生の手足を捥ぐと云う行為に倒錯的な興奮を覚えたりしていらっしゃらない? ……そう。
五十万字書き続けるコツですか? 愛です。
という訳で残念ながらvol.2を飛ばし、vol.3のエデン条約編を執筆する予定な訳ですが、このエデン条約編は御存知の通り前編・後編に分かれています。そしてその後編に続くイベントに、戦車で海にレッツゴー! というものがありますね。ヒフミとツルギが殴り合い宇宙を経て絆を深め合い、その余波で先生の四肢が捥がれ青い海が真っ赤になったというあの伝説のイベントです。
そしてそれらのイベント・エデン条約編シナリオの長さは皆さんも御存知の筈。アビドス編の五十万字の数倍以上の分量がある訳です、下手するともっと。ヤバいですね☆
正直、私自身、内心で「数百万字のシナリオを書くんですの……本気で? 冗談抜きで一年とか、下手すれば二年とか、そういう歳月の時間を捧げる事になりますわよ……? あなた正気でして? これが他人なら『んほ~、この人すげぇ~、どんだけブルアカ好きなんですのぉ~?』で済みますが、自分でやるとなるとマジでシャレにならねぇですわよ」となる訳です。
因みに私は最初の一ヶ月程度を毎日投稿、以降を二日に一度投稿で一ヶ月半やって参りましたが、最終的な文字数が五十五万字程度となる事を考えると、大体一日七千三百字を書いている事になります。もはや仕事では? 私は訝しんだ。しかしこれを一週間に一度の投稿だとか、一月に一度の投稿だとかに切り替えると、私は絶対に途中でサボります、賭けても良い。私は書き続けないと、「投稿して『クッソつまんな♡』、『ごみ文章♡』って云われるのやだ~! こわいよ~!」と云って一人で文章をため込む人間なんです。そして自分の書いた小説をSSDに保管して、数ヶ月後とかに読んで、「ほーん、結構おもろいやん?」って自分で読んで満足するんです。私は詳しいんです。
どのくらい確定しているかと云うと、けつあな位確定しています。エデン長くて書きたくない、だめ、きまり、長い、やだ、ハイしか云っちゃ駄目、長いもん、罰だから。何の罰だよ先生の手足捥いだ罪か? まだ未遂ですぅ~~~!?
私はこの小説をブルアカへの愛を背に書き続けて参りましたが、アビドス編だけでもこんなに大変である事を知った今、それを遥かに上回る巨大な壁を前に尻込みしてしまっています。これが他人だったのなら私は、「がんばれ♡ がんばれ♡」と無邪気に応援し、その背中をそっと押してあげるでしょうが、いざ自分にその番が回って来ると、「え、これ書き切るとか正気か? 隣の幼女は何無邪気に応援しとんねん、人の心とかないんか?」となる訳です。哀しいですね。
何よりもっと悲しいのは私のこの状況を見て胸をぽかぽかさせている読者(ごく少数)が感想欄にいるという事実です。何か前には先生を私に置き換えて手足捥ぐと心が温かくなるとか云っていた人もいますし、道徳心とか、倫理観とか、お持ちでない? 私が血反吐撒き散らす姿を見て笑顔になるとか人の心ないんか? 人間、人を思いやる心を失くしてしまったらだめなんですよ!? 良いですかッ! 自分のされて嫌な事を、人にしてはいけませんッ! こんなのは常識です! 当たり前の事です! 自分がそういう事をされたらどう思うかな? と一度考えてから発言なさって下さい! 全く、とんでもない人達ですよ! うぅ、傷ついたから先生の手足捥いで元気だすね……。ヒナちゃん先生の手足捥げて芋虫になるとこみてて……。
元気が出たので続けます。取り敢えず五千兆円欲しいです。嘘です。嘘ではないですが五千兆も要らないです、二百億円くらいで結構です。謙虚ですね。そしたら一生、好きな小説書いてのんびり生きて行きます。いぇ~い。何でこんなクソどうでも良い事を書いているかと云うと、エデン条約編を書かないと先生の四肢を捥げないという現実から必死に目を逸らしているからです。逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だと云いますが、クソ辛いときにムツキが傍にやって来て、「……逃げちゃおっか」と云ってきたら速攻で逃げる自信があります。じゃあ先生の四肢を捥ぐのは諦めるのか? と云われたら。
やだ~! 先生の四肢を捥げない何てやだ~ッ! 先生の手足もぎもぎさせてよ~! もぎたて・にーちゅ♡したいよぉお! どぼじでいじわるずるの!!!
これが私の偽らざる本音でありまして、正しく私の心に天使と悪魔が囁いているのです。天使が云います、「これ無理ゾ、一年もこのペースで続けたら死ゾ、かと云ってペース落としたら絶対サボるゾ、だから今のペースでエデン条約編書き切って死のうね♡」
悪魔が云います、「元々エデン条約編を書きたくて始めたのに此処で尻込みとかマジ? おうあくしろよ、全部書くんだよ、そして先生の手足千切ろうね♡ 先生の手足捥いで達磨にして、そこから心臓ぶち抜いて、生徒の前に投げ捨ててあげないと可哀そうだよ」、こいつら人の心ねぇですわマジで。
と云う訳でエデン条約編は多分書きますが、取り敢えずストーリーを見返して、プロットを書き込んで、独自設定との整合性を取って、キャラのスタンスと行動を見直して――と色々やる事がたんまりです。ストーリー長い分、考える事とやる事が山の如し、この小説を書き始めた頃は、「プロット? うるせ~~~!! しらね~~~~!! ファイナルファンタジー(ネイティブ)」でゴリ押して参りましたが、エデン条約で先生の手足を綺麗に捥ぐためには労力が必要なのです。はー、もっと気軽に先生の手足捥ぎてぇ~。先生の手足って何で再生しないん? 生えろ! 手足生えろ! そして捥げろ!!
取り敢えず準備期間として少々の御暇を頂きます。私も残念ながら現実に生きている人間で御座いまして、一生こうやって小説を書いていられるのなら幸せなのでしょうが、ご飯を食べなければ死んでしまう普通の人間なのです。おぉ、なんと脆弱な体か。
取り敢えずいつ再開するか、プロットが仕上がるのかというのは私の現実での忙しさに比例致しますので、「早く続きを読みたいので毎秒投稿しろ♡」という方は私の現実の方を爆破して頂けると幸いです。一応Twitterもやっていますが、もう四、五年くらい触っていないのでぶっちゃけ其方にメッセージを頂いても気付かないと思います。でもフォローして頂けるのは嬉しいです。というか久々にツイートすると、「~さんがツイートしました!」みたいな通知が出て、「ほげぇ~! やだッ、私の捥ぎたて♡にーちゅが全フォロワーに晒されるッ!? やだッ!?」ってなって恥ずかしい想いをするので放置していた事を此処に告白します。我慢できない方はハーメルンの個人メッセかGメールを飛ばしてください、後者は絶対に気付きます。この小説書いてからそこそこ純愛文が飛んでくるようになりましたが、それを是非ハーメルンに投稿して下さい。性癖を晒すのが恥ずかしい? こんな恥も外聞も投げ捨てておっぴろげるわたくしに対して良くそんな事云えますわね!?
よし、これで私周りの事情は話終わりましたわね! というかコレ読む人いるんですの? まぁどうせこの小説自分用の自給自足モノですし、ままええわ。
最終章最後らへんかなり清々しい終わり方でしたし、ちょっと生徒の泣き顔足りませんわね……話は変わらないのですが、普段澄ました顔をした生徒がギャン泣きする姿ってとても良いと思うのですよ。普段は飄々としていて、それでいて自信に満ち溢れ、確固たる地位を持つ人物――そう、ヒマリちゃんですね。
天才清楚系病弱美少女ハッカーのヒマリちゃんは普段車椅子に乗って移動しておりますが、スーパーキヴォトス人としては例外的な病弱キャラです。それはもう、流石に先生に負けるという事はないと思いますが、一般的な生徒と比較すれば身体的に非常に大きなハンデを抱いているというのは確かだと思います。いや、別に先生に負ける位弱くても全く以て問題ないのですが。
肝要なのは、彼女が一般的なキヴォトス生徒に劣る身体能力しか持たないという事です。彼女が実際に立つ事が可能なのか、そもそも立つ事すら出来ないのか、それは分かりませんが車椅子を使うという事は歩行そのものが体の負担になっている筈です。
という訳で私はハッキングを行う為のあらゆる術を奪われたヒマリ(拘束なし)の前で先生を血塗れにして、塵の様に投げ捨てた後にヒマリがどうするのか凝視したいなと思いました。(小学生並みの感想)
いや、これはもう完全にシチュエーションだけの、どうしてそうなったのかとか、何故こうなったのかとか全部ぶん投げた話なのですが。動かなくなった車椅子に、目元だけ布か何かで覆ったヒマリを密室に連れ込んで、「天才清楚系病弱美少女ハッカーであるこの私に目を付けるとは、ふふっ、中々良い才覚をお持ちですね、しかし残念ですがこの程度――」みたいに余裕綽々のヒマリに、先生の「ヒマリ……?」って掠れた声を聴かせてあげたい。
勿論、目隠しをされているからヒマリはその声が本当に先生のものかは分からない、けれど先生のものとしか思えないそれに、「――先生?」って彼女は声を返すんだ。
そこに「どうして――」と先生が口にするより早く、態と生々しい音を立てて先生に暴力を振るってあげたい。もしくは銃で体に穴をあけてあげたい。その音にヒマリの肩が震えて、先生の呻く様な悲鳴だけがヒマリの鼓膜を叩くんだ。最初は、「え、ぇ、えっ?」って状況を把握できなかったヒマリが、音からして先生が暴力を受けているか、銃撃されていると想定し、「お、おやめなさいッ! 先生に、一体何を……!?」と腰を浮かせるのだけれど、ハッキングする術も、銃も奪われた彼女にはどうする事も出来なくて、軈て先生の呻き声すら聞こえなくなると、彼女は目に見えて動揺して、必死に何もない虚空に手を伸ばすと思うんだ。
「先生? 先生……!? へ、返事を、返事をして下さいッ! ど、どちらに……!?」って取り乱すヒマリの目隠しを、そっと取ってあげたい。そして視界に入るのは、血塗れで倒れ伏す先生の姿。ヒマリは恐らく、驚きはしないと思う。優秀だもんね、そういう可能性が一番高いって分かっているもんね。だから驚きはしない、けれど受け入れられるかどうかは別。
血に塗れ、ピクリとも動かない先生を見て、ヒマリは言葉を失くす。腰を浮かせたまま、手を伸ばして、当然届く筈もなく、車椅子を動かそうとしても全く動作しない。だから両腕で体を押し出して、半ば倒れ込むようにして地面に転がり、痛みに呻きながらも必死に先生の傍まで這いずって欲しい。最初は、「嘘です」と呟いて、それから冷たい床に頬を擦りつけながら、「嘘、うそ」って何度も口ずさむんだ。
「ぅ……――う、嘘ですよね、認めません、こんな、こんな結末は、あり得ない、う、嘘に決まっています……先生、起きて下さい、先生」なんて呟きながら、必死に先生に手を伸ばし這いずるヒマリの表情は、きっとあらゆる感情に染まっているだろう。ハッキングを奪われ、先生を救う事が出来ない自分に対する失望と絶望、これを行ったであろう人物に対する憎悪と憤怒、先生を喪うかもしれないという不安と恐怖、そして或いは、まだ助かるかもしれないという希望的観測。
「ふ、普段私がよく居眠りをしてしまうから、お、怒って狸寝入りしているんですね? レム睡眠とノンレム睡眠の考察など、う、嘘です、ごめんなさい、そんな事は考えていませんでした、謝ります、謝りますから、だから先生……」なんて云いながら、必死に泣き笑いしていたら素晴らしい。
這いずって移動して、先生から流れ出る血が指先に触れて、その生暖かさと鉄の匂いに、「うぁ……!」と無意識に大粒の涙が流れる姿などあれば最高でしょう。体が震えて、指先が震えて、唇が震えて、少しずつ近付く毎に心臓が早鐘を打ち始めて、その姿に認めたくない現実を強烈に意識させられて、普段天才清楚系病弱美少女ハッカーと自称する彼女の欠片も見当たらない、等身大で何も救えず、何も成せず、ただ大切な人が目の前で死んでいく姿を眺めている事しか出来ないという事実に、辛うじて踏みとどまっていた体裁とか外聞とかそういう堤防が決壊して、全力で泣き叫びながら先生の服を掴んで欲しい。
特に、感情の決壊した彼女の喋り方が、幼い少女のそれになっていたら素晴らしい。普段澄まし顔で、論理的で、高嶺の花を自称する彼女が、「やだ、やだ、先生ッ! 起きてよッ!? ねぇ起きてよッ!? 何でっ、何でッ……こんな!? 酷いよぉ、やだよぉッ!」って普段の彼女からは想像もできない口調で、涙を流しながら誰かに縋る姿など胸がとても暖かくなる。あ~、国民総幸福量あがっちゃう~。
このままずっと見ているのも良いのですが、相手の気持ちに寄り添える私はちゃんと救いも用意しております。先生の衣服に顔を埋めながら嗚咽を漏らすヒマリの傍に、誰かが音を立てて立つんですよ。それが犯人だと思い込んだヒマリは、有りっ丈の憎悪と怒りを込めた視線を人影――調月リオに向ける訳ですね。
怨念すら籠った口調で、「リオ――!」と唸る様な声で告げたヒマリに、リオは持っていたタブレットを操作し、合図を出します。そして一斉に点灯する室内照明、そこにユウカとかノアとか、ついでにエイミなんかも揃っており、その面子に思わず呆然とした彼女に、エイミが『ドッキリ』の看板を掲げたら、多分彼女らしからぬ最高に間の抜けた表情が見られると思う。
涙とか鼻水とかそのままに、呆然と自分を見上げるヒマリに、「部長、ごめん」って少しだけ申し訳なさそうな顔をしたエイミが云って、ヒマリが恐る恐る明るくなった視界の中で、「……先生?」って問いかけると、今までピクリとも動かなかった先生が凄く申し訳なさそうな顔で、「……ごめんねヒマリ、今月十五万円のデラックス・スーパーロボットを買っちゃって、ユウカが――」って云って。漸く何が起こっているのか理解したヒマリが、その顔を段々と真っ赤に染めて、慌てて目元を拭いながら、「ま、まぁ!? ぜッ、全然分かっていましたけれどぉ!? この天才清楚系病弱美少女ハッカーの私に掛かればこの程度の予想なんて!? それはもう簡単にぃ!?」、って叫んで、先生に「ヒマリ、鼻水、鼻水」ってハンカチを差し出されてチーンするとことかちょっと見てみたい感ある。
その後、なんやかんやあって解散する時に、そっと先生の裾を掴んで、「――無事でよかった」って少しだけ涙の滲んだ瞳で云ってくれたらグッド。なんやこの先生教え子泣かせるとかありえへんわヒマリと一緒にデカグラマトン調査している最中に地中から奇襲喰らって手足捥いだろか。
はーッ、やっぱ先生に血を流させて見る生徒の涙は万病に効きますわねぇ! 今はまだ癌に効いていませんが、もう暫くすれば効くようになりますわ! 科学の進歩というのは凄いんですのよ!? リオ生徒会長もなぁ、あの澄まし顔で先生ガチ勢になって目の前で先生の四肢モギモギする事を考えると最高に幸せな気持ちになれる。
糸目だったキャラの開眼、冷徹クールキャラの取り乱した泣き顔、そして千切れ飛ぶ先生の手足は皆を幸せにします。うぅ、先生毎秒手足生やして……。
でもあの手のキャラは先生への想いとか好意を秘めたまま敵対して、何かピンチになった時に先生の手足を代償として庇って、「先生……どうして――?」って呆然としたところに、血塗れの姿のままで、「私は、先生だから……ッ!」ってやせ我慢した笑顔を見せて欲しい感ある。ひゅー! コブラみてぇだ! でも先生コブラじゃないからそのまま死んでね。うぅ、先生を想って頑張っていたのに結果的に先生殺しちゃうリオちゃん可哀そう……。
あと、この後書き、八千字あるので読むときは注意して下さいね。
それでは一応区切りもついたので、お気に入りとか評価とか感想とかお願い致しますわねッ!
また、エデン条約編で!
おさらばですわッ!