【エンジェル24】
シャーレが活動を始め一週間が経過した頃。先生が消耗品や飲料の類を購入しに、シャーレ内部のコンビニ店内に入ると、見慣れた顔の店員さんではない、頭一つ分小さな少女が店番を行っていた。おや、と先生が眉を上げるのと、その少女が先生の入店に気付くのは殆ど同時。手持無沙汰にレジの前で佇んでいた少女は、先生を見るや否や笑みを作り元気に声を上げた。
「い、いらっしゃいませ、エンジェル24です!」
「やあ、お邪魔するよ」
そう云って先生が少女の前に立てば、彼女は予想だにしない客の姿に驚きを見せる。
「え、大人の人……? も、もしかして噂の先生ですか?」
「噂かどうかは分からないけれど、先生とは呼ばれているよ、此処シャーレの顧問担当だ」
先生が柔らかな笑みで以てそう告げれば、心なしか少女の顔色が青くなった様な気がした。
――こ、この人があの、女子生徒たちが頻繁に出入りしていると噂される、この怪しい建物の先生……! というか此処、体育館とかゲームセンターとかもあるし、一体何する場所なのかも分からない……!
――万が一この人に嫌われたら私、もしかして大変な事に……!? この建物の主人っぽいし! 何があるか分からないし! もしかしたら、そ、そういう部屋も……!?
青くなったり、赤くなったり、かと思えば、「あわわ」と左右を見て、「て、店長ぉ……?」と呟いたり。先生はその奇行に首を傾げるが、数秒して助けも希望もないのだと悟った少女、ソラは明らかに引き攣った笑みで頭を深く、それはもう深く頭を下げた。
「わ、私はソラです、今日からこのコンビニ、エンジェル24でアルバイトをする事になりました! よろしくお願いします!」
「うん、宜しく、私もちょくちょく利用する事になると思うから」
「は、はい!」
「それにしても――」
呟き、先生はソラの恰好を上から下までじっと見つめる。どこか探る様な視線に、ソラは額と背中にそっと冷汗を流した。何だろうか、何か粗相をしてしまっただろうか、不味い事を云ってしまったのだろうか。もしかして私、処されちゃう?
その後の事を想像し、ソラは自身の心臓が急激に早鐘を打ち始めた事を自覚した。
震える指先を合わせながら、恐る恐る問いかける。
「な、なんでしょうか……?」
「いや、やっぱり前の店員さんより幼く見えるなぁって」
「あ、私、中学生ですので、そのせいだと思います」
何だぁ、そんな事かぁ~。
想像していた百倍は何て事のない質問に、ソラは目に見えて安堵していた。
「中学生を雇ってくれるところはあまりないのですが、ちょっとお金が必要な事情がありまして……へへへ」
肩を竦めて恥ずかしそうに笑うその姿からは、何とも言えない不憫さが滲み出ていた。
「雇ってもらえたのは良いのですが、このコンビニ、以前襲撃されたり、戦車に突っ込まれたりしたことがあると聞いたので……初日からちょっと不安です」
「あぁ、ワカモの時の――」
ソラの言に、先生はほんの一週間程前の事を思い出す。戦車に突っ込まれてはいないが、直近まで襲撃はされている。危険度で云えば然程変わりないだろう。実際、直ぐ傍で銃撃戦が起きたのだから。
「それにその、先生以外このお店に来る人も殆どいないみたいですし……」
「ははは、まぁシャーレは活動を始めたばかりだから、これから客足は増えるよ」
「だと良いのですが……」
――自分で云っていて不安になって来た、このお店、大丈夫なのかな……。
ソラが先生の体越しに店内を見れば、先生以外の客は皆無。このシャーレ屋内店に於ける主な客層は、先生が全体の八割程度で、残り二割は連邦生徒会からやって来た行政官であったり、先生がシャーレに連れ込んだ――とソラは思っている――生徒達であったりする。
「も、勿論お買い物はいつでも大歓迎ですよ! め、面倒くさいなんて事決して思っていませんから! エンジェル24は文字通り二十四時間、三百六十五日、ずっと開いていますので、必要なものがある時はいつでも来て下さい!」
「労働基準法とは、一体何なのだろうね」
「ろうど……? 何ですか、それ」
「気にしないで、私も似たような労働環境だし、お互い死なない様に頑張ろう」
「は、はい! 頑張りますッ!」
鼻息荒く、がんばるぞいと云わんばかりに両手の拳を握るソラ。こんな歳から社畜とは、キヴォトスにはまだゲマトリアの他にも払うべき闇があったのか――先生はそんな事を考えながら、目尻から滲みそうになっていた涙を拭った。
「とりあえずお買い物、良いかな?」
「あ、勿論です! 何をお買い求めですか?」
「そうだね……それじゃあ、えぇと、このスタミナドリンクと、コピー用紙とUSBに――」
「はい、はい、ドリンクに、用紙と……」
リストアップしたものを片っ端から籠に入れ、レジに持ち込む先生。それを小さな手で掴み、バーコードリーダーで読み取り袋詰めするソラ。そして不意に、先生は店内に無かったものを一つ、ソラに注文した。
「あ、最後に女性用の下着を下さい」
「はい、えっと、後は女性用下着――」
途端、もの凄い勢いで先生を見るソラ。品物をレジ袋に入れていた姿勢から、凄まじい勢いで首が跳ね上がり先生を凝視していた。
「え、あ、えっと、女性用下着、ですか……?」
「うん、ちょっと入用で」
「……先生って、実は女性だったり?」
「ちゃんと男だよ」
「あわ、はわ――」
――やっぱり、やっぱり『そういう人』だった!
ソラは確信した。内股になり、必死に自身の下着を守ろうとする姿勢は先生に疑問の目で見られているとも知らずに。ソラは赤くも青くも見える顔色で、恐る恐る先生に問い掛ける。
「し、下着って、私のですか……?」
「え、いや、普通に新品のだけれど……何でそんな発想になったの?」
「き、着ちゃうんですか?」
「? そりゃあ、下着は着る為にある訳だし」
一体何を云っているのだろうか、この子は。そんな表情でソラを見下ろす先生に対し、真っ赤な顔で店内裏から在庫を持ってくるソラ。彼女はそっとビニールにパッケージングされた女性用下着を入れ、レジを静かに叩いた。
「え、っと――お会計全部で此方になります」
「カードでお願いします」
「は、はい」
大人のカードで支払いを終えた先生は、膨らんだビニール袋を下げ穏やかに告げる。
「ま、またのお越しをお待ちしております!」
「うん、また近い内に来るね」
去って行く先生の背中を見つめながら、額に流れる汗を拭ったソラは力強く呟く。
「シャーレの先生、やっぱり噂通りの人だったんだ……!」
ソラの中で、先生が『一等ヤベェ奴』にランクインした瞬間だった。
■
「アスナ、新しい下着買って来たよ」
「わっ、本当に買って来てくれたんだ~! ご主人様ありがとう!」
シャーレの部室に戻って来た先生は、タオルを被ってソファに座る少女に向かってビニール袋を手渡す。メイド服としか言えないような格好に、大きく曝け出された上乳、最初に彼女と出会った時の先生の反応が、「エッッッ!?」であった事からその際どさが分かるだろう。尚、それは前回の話であり、今回は特に仰々しい反応などは見せていない。
私は、成長しているのだ――先生は誇らしげに胸内で呟いた。
タオルを被ったままの少女――アスナは、ビニール袋から下着だけを抜き出し、パッケージを開封しながら口を開く。
「でも災難だったね、水撒きに巻き込まれるなんて」
「まー、でもご主人様と一緒に過ごせたからプラマイゼロ! 寧ろ差し引きプラス的な? 濡れたのも下だけだし、全然問題なし!」
「相変わらず前向きだ」
苦笑いを浮かべながら、先生はアスナとの出会いを思い返した。
ミレニアム内部での先生の評判は高く――恐らく
その中で
最初の頃は、「え、何で君此処にいるの、何処から入ったの? というかあれ、私達ここだと初対面だよね?」、と混乱の極みであったが、三日も経てば、「あれ? もしかして最初からこうだった? そうかな……そうかも……」となり深く考える事はなくなった。
いつの間にか、「ご主人様」と呼ばれるようになっていたが、それ自体は以前もそうだったので問題ない。しかし然も数年間一緒に同棲していますが何か? みたいな雰囲気を出すのはおしっこちびりそうになるのでやめて欲しい。
そして彼女の凄い所は、ユウカや他の生徒がシャーレにやって来ると、それとなく気配を消し何処かへ消えてしまう事だ。そして彼女達が学園に帰ると、「ご主人様、夕ご飯買って来たよ~」と戻って来る。
メイドは忍者だった? 先生は訝しんだ。
尚、それがアスナにとって、「何となく嫌な感じがするからお出掛けしようっと、ついでにご主人様のご飯買って来なくちゃ!」という最早、何でそうなっているのかが分からない程の危機管理能力によるものだという事を先生は知らない。
「下着が買えなかったら何も履かないで帰る羽目になるところだったよ~」
「それは色んな意味で危ないからやめてね」
「ふふん、でもご主人様こういうの好きでしょう?」
そう云ってアスナは挑発的な表情を浮かべると、何も履いていない状態でスカートをひらひらと揺らす。その何とも言えない扇情的な行為に、ふっと笑った先生が肩を竦めながら、真面目な表情で告げた。
「――大好きですねぇッ!」
「あははは、ご主人様素直すぎ~!」
けらけらと笑うアスナ。大人は嘘つきではないのです、間違いをするだけなのです。一通り揶揄って満足したのか、「じゃあ下着替えて来るね~!」と洗面所に向かうアスナ、その背を見送り、先生はそっと肩を落とした。相変わらずマイペースというか、何というか。しかし、そちらの方面で揶揄うのは正直勘弁してほしい。いつか本当に間違いを犯してしまいそうで恐ろしいのだ。
アスナが着替えている間、先生はコンビニに行く前にポットで沸かしていた湯を使い、インスタントだが紅茶を入れ始めた。常ならアスナが淹れていただろう。しかし存外、アスナは自身の淹れる紅茶が好きだという事を先生は知っていた。
彼女は先生の淹れた紅茶を、酷く嬉しそうに飲むのだ。
ふと、窓の外を見ると雨が降り始めていた。先ほどまではカラッとした天気だったというのに、最近の空は模様が全く読めない。
「ただいま~、あっ……ご主人様、紅茶入れてくれたの?」
「うん、身体が冷えるのは良くないからね、砂糖とミルクはいつも通り入れたよ、それで良かった?」
「うんうん、助かるー!」
着替え終わり、いつものミニスカメイド服を綺麗に着こなしたアスナは、小走りで先生の隣に腰を下ろすと、今しがた淹れたばかりの紅茶を手に取る。C&Cともなれば、その辺りの所作は大したもので、全く音も立てずに紅茶を口に含んだ彼女は一拍置き、満面の笑みを浮かべた。
「はーっ、おいし! この一杯の為に生きているかも!」
「いやいや、別に普通の紅茶だろう? きっとアスナが淹れてくれた方が美味しいよ」
「全然違~う! ご主人様、こういうのは誰が淹れてくれたかっていうのが重要なの!」
「……そういうもの?」
「うん!」
紅茶をソーサーに戻したアスナは、胸に手を当てながら自身の持論を高らかに語って聞かせる。
「ご主人様が私を想って淹れてくれた、それが重要、ちょー重要! ほら、料理は愛情って云うでしょう? だから、ご主人様の愛が沢山詰まったこの紅茶は、美味しくて当たり前なの!」
「へぇ」
紅茶を啜りながら生返事を返す。愛情が入っている前提なのか、先生は少しだけ宇宙の真理に思いを馳せた。いや、まぁ、愛情が入っていない訳ではないのだ。入ってはいる、間違ってもアスナに対し悪い感情を抱く事はない。ただ、それを確信しているとばかりに口にされると、流石の先生も少したじろいだ。
少しの間、二人の間に沈黙が流れる。窓を叩く雨音が室内に木霊し、二人は暖かい紅茶を啜りながら束の間の平穏を享受する。
「……ねぇ、ご主人様?」
「うん? 何だい、アスナ」
不意に、アスナが口を開いた。
隣に座る先生の肩に、そっと頭を乗せ、呟く様な声量で告げる。
「私さ、まだご主人様の事全然知らないし、ご主人様が何で【そんな風】になったのか想像も付かないけれど、愚痴とか、弱音の類なら幾らでも聞くし、ストレスの発散にも付き合ってあげるから――だからさ」
言葉を切って、アスナは先生を見上げる。彼女の表情は、少しだけ揺らいだ感情を必死に笑顔でごまかすような、満面の笑みだというのにどこか悲しみが見え隠れする。そんな表情で、彼女は云った。
「それでも駄目になっちゃいそうな時は……アスナと一緒に、逃げちゃおっか」
「―――」
先生は一瞬、言葉に詰まった。
それは、返す言葉がないとか、彼女の言葉に感じ入ったとか、そういう事ではない。
只、勘の鋭いアスナが己の状態を見抜き、正しく理解した上でその言葉を投げかけたのだと悟った時、先生は酷く動揺したのだ。哀しさや、嬉しさと云った感情とは解離した想いであった。
その揺らぎを悟られない様に、先生は努めて平静に笑う。どこか、少しだけ嬉しそうに。
「まだ知り合って数日だろう、何で、そんな風に云えるんだい? 私が悪人だったらどうする?」
「ん~、勘? というか、ご主人様が悪人とかありえないし! 私の勘、結構当たるんだよ?」
「あぁ……良く、知っているとも」
先生はアスナから目を逸らし、呟いた。
仮面に罅が入る、先生の『本当の色』が垣間見える。自身を覆い隠した先生の皮が剥がれる瞬間――アスナは甘える仕草で先生の胸に髪を擦りつけながら、先生の瞳を覗き込む。
――この目だ。
アスナは思った。
自身を見つめる、この瞳が自分を狂わせる。
アスナという個人を見つめながら――どこか、遠くを見ている様な。或いは別の誰かを見ている様な。
確かに先生は自身を視界に収めているだろう、唯一無二の自分の名前を呼んでくれているだろう。けれど、彼が時折見せる瞳の奥には、胸の中には――自分ではない、
自分を通して、別の誰かに言葉を投げかけている。
自分を通して、その誰かをずっと見つめている。
――ずるい。
先生にそれだけ想われている、
醜い嫉妬だと理解していながら、この先生にそれだけの疵を残した相手が――羨ましくて仕方がない。
たった数日の積み重ねしかない? そんなもの、アスナにとっては何の理由にもならない。
この人だと思ったのだ。
この人以外ありえないと、自身の勘が叫んでいたのだ。
だから、アスナは先生に寄り添う。衣食住だろうと何だろうと、自身が手厚くサポートする。おはようからお休みまで、先生に尽くし、想い続ける。
そうすればいつか、きっと、その先生の瞳に映る
「先生」
「うん?」
「先生ってさ、いつか女の子に刺されそうだよね!」
アスナが意趣返しの意味を込めてそう云うと、先生は何処か面食らったように目を丸くして――それから苦笑いを零して、云った。
「……そうだね、そうならないよう気を付けるよ」
もう、生徒の手で死ぬなんて結末は――。
先生を血達磨にして生徒の泣き顔を観察するのはまた明日だ、許せサスケ。
と思ったが書きたくなったので書き綴ろう、喜べサスケ。
毎日投稿で七千字って結構エグイと思うのだがどうなんだ、サスケ。
でも次で漸くアビドスに入れるぞ、嬉しいなサスケ!
幾つかの感想や何なら私の個人メールにまで、「サオリが好感度高い状態で先生撃ったらどないなるんですか、それが気になってもう待ちきれないんです、ペロロ様の靴下あげるので教えてください」と仰る方が出現したので、『エデン条約が行われた』、『サオリの好感度が高』、『周囲に味方はいない』、『原作通りのストーリーラインで、先生は事前の騒動を防げなかった』との仮定から、【サオリが先生を撃ち殺しちゃったらどないなるの?】を解釈していこうと思います。
他に誰もいない場所で先生と対峙したサオリは、まず銃口を向けながら中々撃つ事が出来ません。これまでコツコツと好感度を稼いでいたので、そんな恩人であり淡い想いを抱き始めた対象を撃つことを躊躇ってしまいます。
しかし、アリウスのメンバーに散々、
自分達は救われる事など無く、そのような想いを抱く事自体が烏滸がましい、酷く汚れた存在なのだという自覚から、先生と自分が結ばれる事はない、先生は光の存在で、自分は薄汚れたスラムの孤児。先生が結ばれるのは、自身たちを裏切ってまで光を求めたアズサや、今騒動を収拾しようと走り回っている表側の生徒達であると思ってしまいます。
ならいっそ、此処で殺してしまえば、そんな生徒達と幸せになる先生の姿を見なくて済む。そういう醜い劣等感と羨望、未来への絶望という衝動的な感情の爆発により発砲してしまいます。
それで万が一、当たり所が悪く、先生が死亡してしまった場合。
どてっぱらに穴が空き、悲しそうな、辛そうな、けれど彼女が気を病まないように、せめて笑って死亡した先生の表情を見て、サオリは自身が何を仕出かしたのかを自覚します。最初は呆然と硝煙を漂わせるライフルを構えたままだったのが、広がった血が爪先に触れ、鼻をつく鉄の匂いに、「ッ!?」と慌てて飛び退きます。
生徒のヘイローを破壊するのとは異なる、無力で、脆弱で、ただ自身を真っ直ぐ見て、優しく、暖かな手で包んでくれるような存在を、自分が撃ち殺したという事実に、絶望と恐怖と後悔と、ありとあらゆる負の感情が綯い交ぜになった表情を浮かべるのです。
それで、其処にトリニティのミカがやって来る訳ですね!
先生に庇われ、救われ、挫けそうになった時、常に隣に居た存在。辛くなって膝を着きそうになった時、「大丈夫」と手を取り、微笑んでくれた先生が血の中に沈み、微動だにしなくなった姿。
それを青を通り越して白くなった表情で見つめたミカは、呆然と先生からサオリへと視線を移します。
立ち上った硝煙と、今にも死にそうな表情を浮かべるサオリ。状況証拠としては完璧です。
多分、血を吐く様な全力の咆哮を上げながら、サオリに飛び掛かるのではないでしょうか。
そこでサオリは、諦めて、ミカの殺意の中に救いを求めるのでしょうか。
私の解釈は、少し異なります。
サオリは衝動的とはいえ、エデン条約襲撃計画の為に、先生を殺害してしまいました。それはつまり結果的とはいえ、彼女にとって計画は先生より『重い存在になってしまった』という事です。
【先生を犠牲にしてまで実行されるこの計画に、失敗は絶対に許されない】という感情の発露ですね。
奇しくもミカが、ちょっとした悪戯の範疇でアリウスと手を組み、ティーパーティーの友人セイア襲撃に加担し、「ちょっと脅して、監禁してくれたら良いから!」と頼んでいた筈が、殺害にまで発展してしまい、愕然としたように。
「セイアを喪った以上、もう戻る事は出来ない」、と思ってしまったミカ。
「先生を喪った以上、計画に失敗は許されない」と思ってしまったサオリ。
サオリもまた、先生を喪う事によってミカと同じ場所まで【堕ちる】事が出来たのです。
美しい友情ですね。
その後は恐らく、どちらかのヘイローが破壊されるまで、全力で殺し合うのではないでしょうか? 勝って負けても大切だった先生は戻って来ませんし、シャーレは先生が死亡したので事実上の崩壊、最終的にベアトリーチェの儀式阻止も出来ませんので、キヴォトスは赤の中に沈みます。先生のせいです、あーあ。
もし、先生が撃たれた後、辛うじて生存していた場合は這ってでも二人を止めて血に塗れながら二人に抱き着きます。なんやかんやでミカ諸共サオリも攻略し、ベアトリーチェも聖徒会もろとも大人のカードを使ってコロコロします。
尚、その時召喚された前の世界の生徒達は、腹に穴を空けて血塗れの先生の姿を見て、最期の記憶がリフレインし、トラウマスイッチ、オン。
憎悪と悲壮と絶望と激昂を撒き散らしながら殺到する生徒達に対し、ベアトリーチェに濡れ衣を着せる先生。
「ぷるぷる、わたし悪い先生じゃないよ、全部あのベアトリーチェって奴がやったんだよ」
仕方ないね。ベアトリーチェは塵も残りません。
その後、アリウススクワッドはなんやかんやあって保護観察処分という事でシャーレ所属となり、先生と手となり耳となり、幸せに暮らしましたとさ。
ついでにセクハラしても、「全く……仕方のない人だ」と優しい微笑みを向けて来るサオリに先生は喀血し、ヒヨリのおヘソに顔を埋めて一命をとりとめました。どっとはらい。
感想でアリウススクワッドの皆に一杯美味しいご飯を食べさせて、ちょっと油断したお腹になった皆のお腹を摘まんで、半殺しにされながら一緒にダイエットをしたいと仰った方が居て天才だと思いました。何て幸せな日常、美しい愛。
ダイエットのランニング中にトラックとか突っ込ませて先生を轢き殺したくなりますね!
隣で話していた先生が唐突に消えて、代わりに真っ赤な血が、「お揃いだね」と笑いながらプレゼントされたサオリのランニングシューズにこびりついていたら、もう何もいう事はありません。忘れられない誕生日になったねサオリ。
死んで尚、生徒達の心に生き続けるなんて……。
かーっ! みんねアロナ! 卑しい男ばい!