パートナーを早く決めないとな。
この卵では、間に合わないかもしれない。
俺の子なわけだし、これは絶対。
第一話からアレコレ二週間が過ぎてます。
とは言っても二週間連続で
コイキングのキングと遊びに遊んで
片方が呆れ、片方が大喜びだ。
毎日びしょ濡れの娘に気付いてない両親ですが、
何か?
ここはある博士のお家。
水辺のある始まりの町と言えば、分かるかもしれない。
親が真剣に博士と話し合っている。
子供こと短パンガールは
興味ありげに御三家と呼ばれているポケモンと戯れている。
転がったり登ったり乗ったりと両者は仲が良い。
なお、登るや乗るはお互いの事なので気にしないでほしい。
御三家はわんぱくガールの体重にプルプルしてて若干涙目だが、
ごめんよと頭を撫でたりしている。
その体制は抱っこ。
抱っこの取り合いもしている。
わんぱくガールも御三家の体重に参っているようだ。
今は何とか落ち着き、疲れたので隅っこで寝ている。
お外で、です。
博士のお庭です。
はるか遠くに飛び跳ねを繰りかえる何かが見えるのも
気のせいじゃないです。
普通のコイキングには
在りえない体格を持ったコイキングが
海から博士の家や庭を覗いているのだ!!
目立っていますが目立ってない。
かなり遠くから様子を見ているようだ。
『あいつ、旅に出るのか!!』
と慌てている。
まだ先の筈なのにと、のた打ち回っている。
『俺にはカンケーねーもん』
と言いつつも、心配げに跳び跳ねを繰り返す。
気にしていますね。
気になっていますね。
博士の家の中では
親が博士に相談中のようです。
一年と少し経てば、10歳になって旅に出る事。
そして、その前に転勤でジョウト地方に行くのが決まって
娘を連れて行くか、このままこの町に住ませるかを
悩んでいる。
なるほど、それだと気付かないと言うのも分かる。
母親の膝の上には卵が乗っている。
この相談ですべてを決めて、
プレゼントするような話をしている。
いやいや、本人が居ない所で決めないでほしいと思う。
その本人は眠っている。
卵は何のポケモンかなと博士が聞く。
「炎タイプを有してるポケモンだそうです。
ポケモンは生まれてからのお楽しみと言われました」
それはよかったと話に戻る。
話し合いの結果は、
ジョウト地方に一緒に行くと決まった。
そうと決まれば
昨日発行しておいたトレーナーカードと
モンスターボールも
小物入れのようなものに詰めておく。
それを、娘がお気に入りのリュックに入れる。
卵もリュックへ。
実はナオちゃんはトレーナー資格を有している。
なのでもう、旅に出ても問題ない。
10歳で旅は恒例、慣習と言うものです。
「卵の事だけ伝えればいいな」
そうしましょうと決める。
外に出ると
娘が起き、目を輝きだす。
卵がリュックに入っている。
若干卵がリュックの外に出ているから気付いた
と言うのが正しいかもしれない。
「これ、ポケモンの卵!!
ナオのリュックに入ってるって事は」
「ナオのポケモンよ。
ちゃんと可愛がりなさい。
一緒に旅に出るパートナーになるからね?」
娘の言葉を遮り、最上の笑みを浮かべる母。
よくある母娘の風景。
ポケモンをプレゼントと言うのはよくあります。
宜しくない破壊音がこの風景を汚す。
一秒、固まっている。
あれと周りを見る。
御三家のポケモンは起き上がって
鳴き声か、悲鳴かは分からない大声を出している。
「コ―――ゴッゴゴ!!」
まぁ!
なんて事でしょう!
コイキングが空から降ってきた。
跳ねるで一発、駆けつけてきたのです。
跳ねると言うか、飛び跳ねて来たと言うべきです。
普通サイズのコイキングより大きいコイキング。
その大きさに御三家はおびえる。
「キング、寂しかったのかな?
一緒に遊ぶか!」
よくこの状況でその言葉が出るね。
驚きます。
遊びなれた相手ですもんね。
「ナオちゃん。
この子は、ナオちゃんのお友達?」
うんと勢いよく、頷く。
ピチピチと跳ねる乾いた音もする。
でもね、その音は蹂躙する音でもある。
御三家のポケモンの頭の上を跳ねている。
軽く跳ねているだけです。
「うん!
キングのヒレに掴まって海を泳ぐの!」
言うと、キングが大声で主張する。
母は仲良しねと感心する。
二人の視界の外に父と博士が唖然としている。
思考が止まっているような気がする。
そんな中で母親は座り、
眼を合わせてナオに語る。
「ねぇ、ナオちゃん。
ジョウト地方に引っ越しすることになったの。
この、コイキングをどうしたいの」
引っ越しするから、
今、モンスターボールで捕まえないと連れて行けない。
だから、問いかける。
どうしたいかを。
「ナオは、キングの意思に任せたい。
ナオが友達と思ってても、一緒に来てっても」
両目に涙を溜め、泣き声になっていく。
自分が引っ越しすること。
離れて暮らす事。
「キングには、キングの住むとこがある。
だから、だがら…」
人間のお友達なら文通や電話が出来ていただろうが、
相手はポケモン。
モンスターボールの中に入れて連れて行くしかない。
友達を閉じ込める。
それはキングも嫌がるのでは?
嫌いなるかもと顔にありありと出る。
母親の手の中にはモンスターボールが在る。
「コッコッコッゴォォォォォォオオオ!!」
大主張する。
え、と場の空気がおかしくなる。
そして、モンスターボールのスイッチに触れて
コイキングのキング、確保。
母親も娘も目を見開いて
手の中のモンスターボールを覗く。
「ナオちゃん。
明日はタマムシシティでお買い物よ」
と言う事は、
ここはカント―地方。
相談相手は、オーキド博士で
遊んでいた御三家のポケモンは
ヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネと戯れていた。
蛇足だが、御三家は誰に対しても
全力で戦うようになったらしい。
コイキングに好きなようにされたもんね。
うん、しょうがない。
コイキング改めキング
【キング】
こいつを一人にしちゃ
行けないような気がするんだよ。
頑張るぞ!