多大な解釈違いを含みます。
「失礼します。」
「ミカさん、いませんか?」
「のっくに返事がありません。」
「えっと」
「お仕事なので」
「ナギサ様も、入っていいって言ってましたし」
「失礼します」
「カギ、空いてる、」
「ミカさん、無事ですか!」
「……」
「荒らされた形跡は、なし」
「じゃあ、お仕事なので。」
「荒らしますね?」
「あやしいもの、叛逆の兆、彼女の弱み」
「なーんにもありません」
「可愛らしい、普通な手触りのお洋服」
「市販されてる普通のお化粧品」
「掃除道具」
「使い込んだ跡がある教科書」
「裁縫道具で衣服を繕った跡。丁寧。」
「出しっぱなしの指定水着」
「…まあ、外に出ないだけましでしょう」
「ナギサ様のロールケーキ。せっかくなので一切れ頂きましょう」
「不審物は押収していいってナギサ様も言ってました」
「代わりに私が焼いたシュークリームを置いておきましょう」
「なーんにもないです」
「銃器と弾薬」
「彼女の胆力と膂力」
「それさえあればほかの物なんていらない気がしますが」
「先生への書きかけの手紙」
「なーんにもないです」
「セイアさんが好きそうなお茶菓子」
「どうせ三人でお茶会するときは、ナギサ様がお菓子を焼きたがるのに」
「机の下とか」
「クローゼットとか」
「ベッドの下とか」
「……?
「これは……卵?」
いいものは見つかった?
柔らかな彼女の寝具の上。
枕の横。
可愛らしくタオルが円形に整えられ、その中心に大切に安置されている、白い物体。
プラスチックのような艶もなく、金属や石のような冷たさも感じない。
ひょっとして、
彼女の
「いいものは見つかった?」
僅かに開いていた唇の隙間から悲鳴が漏れなかったのは奇跡。
階段はどうしても足音がするほど古臭い物
いままで物色していた部屋にはだれもいなかったはず
背後の存在に距離を取るように慌ててベッドを乗り越え、
肩に掛けた銃を手に取る前に首を掴まれ、そのまま『巣』の横に仰向けに引き倒される。
「なーんだ、ナギちゃんのところの子じゃん。じゃあ、 いっか」
きゅうっともう片方の手も首元に添えられ、
「ナギちゃんもひどいよね、大切な幼馴染だからって、のこのこ一人で来させるんだもんね?」
まるで天蓋のように彼女が私に覆いかぶさり、
髪先がカーテンのように垂れ
「みんなは私のことを魔女だっていうけど。ナギちゃんは違うって思ってたんだけどな」
彼女の深淵のような瞳孔が私を貫く
「内緒だよ?…本当に耐えられないときにね、赦さないって、言うの。私のせいだから仕方ないけどさ。ずっと、注ぎ込んで、さ。孵しちゃいけない気持ちなんだけど」
あんなにぼこぼこ叩いてさ、割れちゃったなら、しかたないよね?
ミカに懐柔されてーーーー