ブルーアーカイブ短編   作:天城修慧/雨晴恋歌

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ノアのお友達
ノアちゃんのお友達 (ミレニアムの二年?×ユウカ)


 

 

 

【ミレニアムサイエンススクールには、文芸学部を名乗る団体が存在する。『文芸』『学部』ではなく『文芸学』『部』であり、文字列から人間の精神に刺激を与え生物学的に観察をするものを『文芸学』と呼称する集団である。集団という文言こそ使ったものの所属生徒は一名しかおらず、部としての構成要因を満たしていないため非公認の団体であるが、ミレニアムの権力を牛耳るセミナーの構成員には黙認されており、】

 

 

かっと私の中で衝動が弾け、気分転換に紙に書き記した文字に万年筆をたたきつけそうになり、踏みとどまる。

 

気分が高揚しても暴力行為に訴えないために、のあに選んでもらった万年筆。今のところn勝2敗である。左利きのくせに万年筆を握って書きにくさに興奮したときに初めての対戦で敗北を喫している。

 

【生塩ノア】

 

ぎゅっと握りしめてしまったのは勝利と敗北、どちらにカウントするべきか悩み、今日も文字のほうに押し込めておく。

一呼吸おいてからもう一度万年筆とルーズリーフをキスさせ、

 

【私は、のあのことがだいすき。】

 

ばちくそに興奮した。

 

【早瀬ユウカ】

 

そのあとすぐに、ぐるぐる搾り取られた後のような空虚さで自分を包む。

ユウカのことは嫌いじゃないはずなんだけど、のあと並べると寝取られた感じがひどい。

 

目の前の文字列をくしゃくしゃに握りつぶそうとし、のあの名前を握りつぶせず。ちょっとわきによけて、キーボードとマウスとと交代してもらう。

 

PC用のモモトークアプリのアイコンを5回くらいクリックし、上のほうにあるユウカの名前をクリック、【この泥棒猫!】バックスペースを連打、【ノアを取らないで】バックスペースを連打。猛烈な自己嫌悪に飲み込まれ、モニターの右下に目線を向けると、01:21。

【しにたい】 バックスペースと押し間違えて、エンターキーを連打。

 

慌てて送信を取り消そうとマウスを動かし、それより先に既読がつき、足元に転がったスマホと目の前のモニターがぺこぺこと文字を吐き出し始める。

 

新しい文字列を無意識に脳が咀嚼し、どうやらものすごく心配させてしまったみたいで、【ごめんね、ありがとう】ユウカの文字に割り込んでエンターキー。

スマホとパソコンが同時に着信を知らせ始めた。

私は頭を抱えた。

 

ヘッドセットが見当たらずスマホを拾い上げ、通話を許可すると、

『今どこにいるの!?』

慌ただしい足音と一緒に所在を聞かれ、ぽろっと自分の部屋だとこぼしてから来る気だなときづき、

 

「…ゆうか、ちがうの、こなくていいから、わたしなんかに、」

 

わりかし自身のある文字列と違い、発音ではどうやら私の考えは十全には伝えられず、

ユウカの足音がスマホからじゃなく外から聞こえ、ドアを殴りつける音。

 

大きな音に身体がすくみ何も言えず、無言をどう解釈したのかドアの外で初弾を装填する音が聞こえ、慌てて射線上からすっ飛んでよけるとロジックくんの弾がドアノブを弾き飛ばし、無様にすっころんだ私をユウカが抱き上げるのだった。

 

モニターは殉職した。

 

 

 

 

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