その頃、日輪の祭壇へ向かうための道…『ポニの大峡谷』にて。
命ひしめく空間を見渡しつつ、三人の少女の話し声が響く。
「大試練が終わった直後にこれとはのう…。
おぬしら、先祖がなにかとんでもない悪事でも働いたのではないか?」
「かあさまがポケモンさんを氷漬けにしたり、ほしぐもちゃんを殺しかけたり…」
「あーあ、ネガティブモード入っちゃった。言っていいことと悪いこと、あるよねー?」
「失言は認めるが…。ねちっこい言い方はどうにかならんのか…?」
麓にも響く轟音に、悍ましい旋律。
世の終わりを彷彿とさせるような空の歪み。
とてもではないが、呑気に談笑している場合ではない。
現に、彼女らは誰一人として笑みを浮かべてはいなかった。
「…不安?」
「…覚悟はできてます。行きましょう」
数年前、一人の女が引き起こした悲劇。
ソレと同じことが今、この先で起きているのだろうか。
少女の一人が決意を胸に、リュックの紐を強く握った。
と。その時だった。
「うわぁあっ!?」
麦わら帽子を被った男が、彼女らの眼前に叩きつけられたのは。
♦︎♦︎♦︎♦︎
「な、なぁ!さっきよりデカくなるのが早くないか!?」
ウソップの放った変幻自在の植物の弾丸を、トットムジカの障壁があっさりと防ぐ。
その体躯は既にルフィとくもが打ち砕いた時と遜色ないものへと変貌しており、その暴威を振るう。
ネクロズマに攻撃が飛んでいないあたり、トットムジカすらも手中に収めているのだろう。
神に等しい存在。アマモたちがそう畏れ、敬うのも納得できる。
ネクロズマと殴り合うルフィとくもへと放たれた赤の音符を斬り、ゾロが吐き捨てる。
「あの女が操られてるんだ!強化も自由自在ってこったろ!!」
「ンのゴテゴテコウモリ…!麗しいレディになんてことしやがる!!」
サンジの罵詈雑言に反応することなく、ネクロズマはルフィに向け、虹色の光線を放つ。
大地が融解するほどの熱。
ルフィはソレを咄嗟に飛び上がって避け、火を纏った拳を放った。
「"ゴムゴムのォ…火拳銃"!!」
ネクロズマの体を炎が貫通する。
が。あまり効いていないのか、ネクロズマは涼しい顔でルフィの体を掴み、洞窟へと投げ捨てた。
「うわぁあっ!?」
「ルフィ…、ぐっ…!?」
ゾロがその体を受け止めようとするも、トットムジカの剛腕が彼の体を薙ぐ。
咄嗟に刀で防いだものの、その勢いは止められず。
ゾロは祭壇のオブジェに叩きつけられた。
「な、なんだ…?さっきより、強ェ…!?」
実のところ、トットムジカは先ほどとは比べ物にならないほどに強化されていた。
念力により、ウタと心をリンクさせたネクロズマ。
ウタの心には現在、ネクロズマの体に走る「想像を絶する」などという言葉では表現しきれないほどの苦しみが、ダイレクトに伝わっているのだ。
それにより生じた負の感情は、ウツロイドが取り憑いた時の比ではない。
負の感情の塊として顕現しているトットムジカにとって、永遠の苦しみを抱くネクロズマは、あまりにも好都合な存在であった。
強化されたトットムジカに、瀕死とはいえ、四皇を下すほどの怪物であるネクロズマ。
状況は笑えるほどに絶望的。
2匹の怪物の咆哮が、麦わらの一味の体を吹き飛ばすかのように響く。
だがしかし。彼らは真っ直ぐに聳える2匹を見上げ、不敵に笑みを浮かべた。
それぞれが獲物を強く握り、足を踏み出す。
と。ソレを追い抜き、ロケットのように飛び出したルフィがネクロズマへと迫る。
「ニワトリ、力貸せ!"ゴムゴムのォ…!!」
「カプゥーーーコッコ!!」
ルフィの巨大化し、捻られた腕に向けて、黄色い妖精が放電する。
バチバチと音を立てる拳は、ネクロズマへと向け、弾丸のような速度で放たれた。
「
と。トットムジカがネクロズマを守るように、その腕で体を覆い隠す。
ルフィの放った一撃は、やはりというべきか障壁によって防がれてしまった。
トットムジカが続け様にビームを放とうとすると、前に出た赤色の妖精が小さな腕に巨大な木槌を顕現させる。
同時に放たれた一撃は拮抗し、その場に霧散した。
「あ、アイツら強くねぇか…?」
「あんなのが4体集まっても傷ひとつつけられてない怪物とトットムジカを相手しろって…」
「やるだろ。ルフィなら」
「…まったく。ウチの船長は世話が焼けるわい」
四柱の守り神と共に戦うルフィの背が、こんなにも頼もしい。
トットムジカの剛腕に飛ばされたルフィの体を、咄嗟にその背で受け止めるくも。
ルフィは立ち慣れた背中にて強く踏み込むと、腕を硬化し、限界まで伸ばす。
「くもォ!全力で走れェ!!
"ゴムゴムのォ…!!」
「ラリオォオオーーーナッ!!」
瞬間。くもの体が業火に包まれる。
己が骨すらも焼き焦がすかのようにゆらめく炎を纏いながらも、ルフィはネクロズマを睨め付け、吠えた。
「
フレアドライブ。
激しい炎を纏う拳と体が、ネクロズマを覆ったトットムジカの体に突き刺さる。
と。障壁が砕け、トットムジカが大きく体勢を崩した。
「な、なんで…!?」
「ウタワールドに誰かいるのか…?」
皆が困惑を露わにする中、ルフィの景色が一転する。
そこに立つのは、三つの少女の影と、かつての憧れの後ろ姿。
自分が被っているものと同じ、決意の麦わら帽子に、自分の幼さのせいで失った筈の腕。
奇跡のような光景を前に、ルフィが息を呑む。
「シャンクス…?」
よそ見をするな、と言わんばかりに剣を構えるシャンクス。
ルフィは乱暴に涙を拭って頷き、強く拳を握った。
♦︎♦︎♦︎♦︎
既にマリンフォードの四割が水底に沈んだ。
未だに衰えぬ激しい雨に、中将クラスが集まった攻撃を受けてもびくともしない鮮烈な藍色の体。
能力者は軒並み弱体化し、まともに動けぬ中、誰かが喉が張り裂けんばかりに叫ぶ。
「報告!報告ーーっ!!新たなウルトラホールが開きました!!」
「まだ来るのか…!?」
新たな絶望を前に、起きたばかりのヘルメッポが冷や汗を流す。
と。暗闇に包まれた世界を一瞬、眩い光が照らし出した。
「レックウザ!"ガリョウテンセイ"!!」
「きりゅりりゅりしぃぃ!!」
まだ年若い少年の声に応えるように、竜の咆哮が天を揺らす。
雨がかき消され、乱気流が巻き起こる。
その中で、ヘルメッポは見た。
翡翠色の三角形が、彗星の如く藍色に突き刺さったのを。
♦︎♦︎♦︎♦︎
「ひ、ひぃ…!来るな、来るなだえ!!」
既に殺戮の限りが尽くされたマリージョアの一角にて。
天竜人の一人が声を震わせ、目の前に迫るムカデのようなフォルムの竜に懇願する。
しかし、悲しきかな。その竜は神の分身にして、最大の反逆者。
神の如き権力を持つ天竜人にとっては、Dと等しく天敵である。
「ギゴガゴーゴッ!!」
あらゆる世界から切り離され、あらゆる常識が通用しない「やぶれたせかい」。
テリトリーにマリージョアの一角を引き摺り込んだ竜は、歓喜なのか、それとも憤怒なのか、激しく吠え、破壊のかぎりを尽くす。
その波が無情にも天竜人を襲い、彼は断末魔もあげることなくその場に倒れ伏す。
その亡骸を前に、カタカタと震える奴隷の老父。
その目が、ゆっくりと怯える自分を捉えた。
「ダイケンキ!"ひけん・ちえなみ"!!」
老父が自分の死を覚悟した刹那、目にも止まらぬ斬撃が竜の体に炸裂する。
竜がその一撃に溜まらず大きく背を唸らせる中、老父は見た。
侍のような生物を従えた少女の姿を。
♦︎♦︎♦︎♦︎
カマバッカ王国は現在、滅亡の危機を迎えていた。
突如として訪れた、黒い渦。
掌のような形をした竜が吠えるとともに、大地を穿つ奔流が島を襲う。
あまりに圧倒的な暴威を前に、一人、また一人と革命軍の同士が倒れる。
ルフィの父にして、革命軍の長…モンキー・D・ドラゴンも膝をつき、絶望を見上げた。
「ぐぅ…!?」
まだ道半ばで死んでたまるか。
ドラゴンが執念を込めて渦を見上げた、まさにその時。
「ウルォーーーード!!」
「ウルゥーーーード!!」
斬撃と弾丸が、黒の渦を揺らしたのは。
ドラゴンが目をひん剥いていると、目の前にマゼンタとシアンの光が降り立つ。
その姿は、一言で表すのならば「王」。
身の丈の半分ほどの剣を咥えた狼に、全身を盾で覆った狼。
盾の王の背には、濃い肌色の少年が。
剣の王の背には、垢抜けた印象を受ける少女が跨っている。
ドラゴンは見慣れない格好をした彼女らに、思わず問いかけた。
「き、君たちは…?」
その問いに、二人は笑みを浮かべ、応える。
────ポケモントレーナー!!
歴代主人公…アルセウス「俺が呼んだで」
アルセウス…一時的に歴代主人公を送り込むことで、暴れ回ってる問題児どもをはっ倒す作戦を取った。明らかにオーバースペックかつ同一空間にいさせたらまずいという理由で、ギラティナんとこだけ伝説枠じゃなくてヒスイダイケンキになった。ヒスイダイケンキがすごいのか、伝説がすごいのか…。
ギラティナ…万年もののトラウマのヒスイダイケンキさんがお目見えでめちゃくちゃテンパり始めた。ヒスイダイケンキさんにこっぴどくボッコボコにされた記憶が蘇るのだとか。
ヒスイダイケンキさん…ギラティナのトラウマ。何度ぶっ倒しても立ち上がってはぶった切ってくる。尚、その原因はげんきのかたまり。
???…アローラチャンピオン。ある少女の強い希望で、一緒に島巡りをしている。アルセウスによってウタワールドに飛ばされた。
???…エーテル財団元代表の娘。三年経って、カントーからアローラに帰ってきた。半年で島巡り最後の大試練を突破してリーグ参加確定するくらい強い。アルセウスによってウタワールドに飛ばされた。
???…ポニ島のしまクイーン。強くなったともだちを祝おうと飯屋に向かってる途中にトットムジカ降臨。ふざけんなお腹空いたのじゃが。アルセウスによってウタワールドに飛ばされた。
シャンクス…アルセウスによって、真の実力を発揮できる姿に。ただしウタワールド限定。「ミホークがアレだから、腕があったら四皇どころじゃねぇやべーヤツだったのでは…?」という誰もが一度は抱く妄想が一時的に叶った姿。
ウタ…ネクロズマの苦しみがダイレクトにきてるので、メンタルが崩壊寸前にまで達してる。意識はあるので、ルフィとシャンクスの頼もしい姿に現在進行形で救われてる。
くも…しねんのずつき?忘れたわ。