幼女ちゃん第二話
タイトル「探索」
石造りの遺跡、本来なら水音しか無いその場所は、しかしトテトテと少女の歩く音が響いていた。
「まず調べるべきは...三つだな!」
当然、そうである。
自身について。
左目の花について。
そして、この遺跡について。
当て所も無く長い廊下を歩き続ける。
何処もかしこも石、石、石。
変わらない視界と変わらない足音。
「どのドアも開いてないな...」
苔に封印されたドア。
植物に封印されたドア。
中が埋まり、隙間から土砂が見えるドア。
そろそろ休憩を取ろうか...
そう考えた時、一つ、光が差し込んでいるのが見えた。
「此処は...実験場?それとも...科学者のオフィスか?」
簡素な机と椅子が一つ。
明らかに寝るのに適していないベッドは、こんもりと丸まった布が膨れている。
そして、数冊だが本が入った本棚がある
「さてさて、何があるかな〜っと。」
隙間に身体を捻じ込み、部屋を物色する。
「本は...文字が違...読める...?まあ良いや、さてさて?」
空間中の魔力について。
大魔法全書。
チャーリーとジョニーの冒険。
第5回大魔法禁令についての解説書。
心惹かれる物ばかりである。
しかし
「肝心の目的の物が一切ないぞー。」
本棚から目を背けると、机の上に本と書類が纏められている事に気がついた。
ガリアウスによる植物図鑑
出土した遺跡についての報告書
目当てのものである。
「良いじゃないの〜、こういうのを待ってたぜぇ〜。」
どれだけの間この石の背もたれに寄りかかって居ただろうか。
気づけば身体はバキバキと音を鳴らして不調を訴えかけている。
「ん〜〜!体が痛いな、とはいえ欲しい情報があらかた入ったのは嬉しい限りだ。」
遺跡について。
最近(何時の最近かわからん)出土した遺跡。
特に目ぼしいものも無い為、早々に調査を打ち切られた。
左目の花について
「トワトウ」という花
強い毒性と防腐性を持つ。
毒で死んだ人が、防腐性で腐らない事から、永遠の美の象徴とされる。
花言葉は「永遠」「永遠の美」
「ん〜、この身体についての謎がまた深まったな?こりゃ。」
当然である。
少女が安置された台座が目ぼしいもので無ければ、一体何が目ぼしいのか?
そして自身の身体について。
自らの身体に猛毒の花を生やしておいて平気なこの身体は、一体どうなっているのか?
謎は深まるばかりである。
「まあ、今考えても無駄だろうけど。」
無論、徒労である。
本棚から目ぼしい本を取り、読み漁る。
「大気には魔力が満ちていて......魔法とはつまり災害の様な物で......こうすれば使えるか?......ジョォォニィィィ!!......」
陽が傾き始めた頃、ようやく本を読み終える事ができた。
「まさかダニエルがそうなるとは...さて、魔法が使えるようになったぞ。」
そんな事を呟くうちに、陽が傾いている事に気がついた。
「もう夜か...まだそんなに探索できてないんだけどなー」
概ね、チャーリーとジョニーのせいである。
「確かベッドっぽい物があったよな?借りてくか。」
各話の切れ目は執筆の切れ目