フィギュア達の生活   作:GIZEN

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世界観の紹介みたいな話。
うちの花村は結構苦労人である。
そして、グラハムさんのストレス解消法が明らかに!


花村陽介のわりと長い一日 後編

「クリス!ソファーエリアが突破されそうだ!」

 

「くっ。アリサ、ソーマ。悪いが救援に行けるか?」

 

「分かりました。行きますよ、ソーマ」

 

「チッ。結局、何処に行っても俺たちの役割は変わんないか」

 

「TVエリア!ダースベイダー及びリオレウスの強襲です!!」

 

「……手が足りない。すまない、オビ=ワン、アナキン向かってくれ」

 

「了解した。行くぞアナキン」

 

「分かりました。マスターケノービ」

 

扉を開けたその先は戦場でした。

ここは陽介達の持ち主の兄の部屋なのだが……いかせん、戦争物やSFに化物のキャラが多い為、わりと戦争が起きるのだ。

だから、来たくなかったんだよ……と花村は項垂れ、上条は不幸復活かと恐れ……。

 

「成る程、タイミングが良かったみたいだ。久し振りに阿修羅を凌駕し、友を救援するとしよう!!」

 

グラハムは元気になった。

まあ、バトルマニアである彼が元気になるのは仕方ないかもしれないが。

 

「ちょ、ちょっと待て!よく見ろよ……あいつら、今回はガスガンまで使ってんだぞ!?」

 

「……上条さんは回れ右したいでせう」

 

ガスガン。

それは彼等のサイズでは凶悪な兵器となるおもちゃの一つである。

まあ、いわば人間で言うところの投石機と言ったところか?

頭に当たろうものなら、首が吹っ飛ぶ……マジで。

 

「どのような威力の兵器も当たらなければ意味は無いのだよ。それに、今回のアレはロンドベルと新参者の戦いみたいだが?」

 

その言葉に陽介はクリス達と敵対している戦力をみる。

……黒い仮面、黒いマント何より……あの独特なポーズは。アレが指揮官か。

 

「コードギアスのルルーシュ・ランペルージかよ」

 

「ああ、このままでは彼の戦術予報にクリスは敗北するだろう。彼は優秀ではあるが、指揮官ではなく兵士だ。策略家には勝てんよ」

 

溜息を吐く。

まとも組の仕事としては、これ以上こう言う戦場を拡げられては困るのだ。

諦めの表情と共に花村は苦無を握り、当麻は拳に力を込める。

 

「確か、ルルーシュ・ランペルージは不測の事態に弱かったよな?」

 

「ふ、良い顔になったな少年。そのようだ。彼のアニメは何度か見たが。突然の強襲、予想外の戦力には彼は多いに思考を乱す。指揮官として優秀でありながら致命的な弱点の持ち主だよ」

 

グラハムはそう言うと、地面に転がっていたボールペンをまるで棍の様に振り回し、目の前の戦場を見据えた。

 

「私が戦場を乱そう。少年は単独かつ隠密に指揮官へと向かいたまえ。上条少年は……乗り気ではない敵の説得だな。味方にしなくても良い。中立の立場になって貰うといい」

 

二人はそれぞれ頷き、自分達の戦場へと走った。

帰りたいとか色々とは言うが、結局の所、こう言うのを見過ごせないお人好しなのだ。

 

「私とはまるで違うな」

 

そう、グラハム・エーカーと彼等では根本的な何かが違う。

この紛争を許せないと思いながら、その紛争を喜ぶ自分とは……。

 

 

 

 

 

 

陽介は戦場の影と言う影を自慢のスピードで駆けていた。

飛び交うBB弾の脅威の中、こう言う事に慣れてしまった自分に呆れを持って。

 

「ああ、こんな事なら相棒も誘えば良かった」

 

花村陽介は一人では正直、大した力の持ち主ではないと自負している。

相棒と組んで、始めて真価を発揮するのだ。

しかも、それは1+1などではなく、その数段上を行く。

 

「でもまあ、やるしかないっ!?」

 

陽介は言葉を終わらせる前に後方へと跳んだ。

と、同時に振り落ちる黒い影。

冗談ではないと顔は青ざめた。

 

「プ……プレデターかよ!?」

 

それは宇宙の狩人。

戦士の心を持ち、武器を持つ者しか狙わないとはいえ……フィギュアの作りから言っても自分よりも数段格上の相手。

せめてもの救いはプレデターの肩の光線銃もブーメランも無い事。

だが、それでもその槍と鍵爪……そして、何処から入手して来たのか裁縫の糸は間違いなく驚異となるだろう。

 

「……隠密とか無理だろ」

 

まあ、エイリアンが来ないだけマシかもしれない。

一応、プレデターは自分がフィギュアである事を知ってからはスポーツマンシップの溢れる格闘家みたいな事しかしていないし。

だいたい、今だって陽介が不意打ちを避けた事を讃えるように一礼までしている。

 

「一応聞くけどさ……どっちの陣営」

 

プレデターは近くの紙を拾い上げて汚い字で書いた。ロンドベル と。

 

「フレンドリーファイヤーかよ!」

 

陽介の叫びにプレデターは慌てた勢いで更に紙に書き殴る。

では、貴方は此方側の戦士か と。

 

「……ああ、そうだよ」

 

プレデターはわたわたと頭をさげてその場から勢い良く去った。

 

「助かったけどさ……何か、プレデターつったらもっとこう……格好いいイメージがあんだろ」

 

まあ良いか。

そう思う事にした陽介は更に奥へと向かった。

 

 

 

 

 

 

と、向かっていてまたエンカウントした。

 

「またプレデターかよ!」

 

更に数分後

 

「なあ、俺ってそんなにまとも組にみえないのか?」

 

更に一時間後

 

「なあ、この戦場にプレデター何体いんの?」

 

十三体くらいです と書かれた。

 

 

 

 

 

「フハハハハ!やれるじゃないか!!怪物などどの程度の戦力になるか分からなかったが……成る程、ナイトメア程では無いにしても代用品にはなるか。精々、ボロ雑巾の様に扱って棄てて……」

 

「ペルソナはねえけど……ブレイブザッパー!!」

 

「ぐふぉ!」

 

結果として陽介はルルーシュ・ランペルージへの強襲及び捕縛を成功させた。

と、同時に彼の傘下の兵は、何だもう終わりかよ といった表情で解散していく。

基本、ここの住人は戦争好きではあるものの頭が潰されれば素直に手を引く。

とはいえ、陽介はここにくるまで13回の強襲を受けている。

主にプレデターとかプレデターとかプレデターとか。

全部フレンドリーファイヤーであった。

 

 

 

 

 

 

「ああ、もう何か疲れた」

 

「上条さんも疲れましたことよ……リオレウス説得は幾ら上条さんでも無理です」

 

「すまない。また助けられたなグラハム。やはり、指揮官不在の此処は上手く纏まらなくてな」

 

「安心するといい。そこの仮面男は指揮官としては優秀だ。今後はキミの負担も少しは減るだろうよ」

 

クリスとグラハムが敬礼を返しあってる横で二人の少年は精も根も尽き果てたとグッタリ倒れ、その横にはセロハンテープで拘束されたルルーシュの姿があった。

 

「馬鹿な……俺がフィギュアだと?ならば……ナナリーは?まさか…存在しない?」

 

何処かで似たようなこと言ってた奴いたなぁ……とボンヤリと考えながら天井を見上げる。

ああ、平和って素晴らしい。

と、思うのも束の間。

突然鳴り響く目覚まし。クリスはハッとした表情を浮かべて声をあげた。

 

「全隊!持ち場へ戻るんだ!!あと数分もしないうちに持ち主が帰ってくるぞ!!」

 

その声にいそいそと自分の場所に戻る住人達。

へこたれていたルルーシュをクリスは抱えながら。

 

「グラハム!キミ達も早く部屋に戻るんだ!時間はないぞ!!」

 

と叫び、ベッド下へとダイブした。

陽介達にしてみれば此処から持ち主の部屋まで戻るのはかなり絶望的な距離とも言える。

 

「嘘だろ!やばいって!!」

 

「ははははは!新兵時代を思い出すな!!走るぞ少年!!」

 

「くっそぉぉぉ!久し振りに……不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

こうして、花村陽介のわりと長い一日は終えた。

 

 

 

 

 

 

その後

 

悠「陽介が帰ってこない」

 

なのは「……間に合わなかったみたいですね」

 

エミヤ「心配はなかろう……と言いたいが。グラハムもいたのだな」

 

アムロ「ああ、彼がいるだけで心配事が一気に増える」

 

遠坂「素直に隠れていれば良いんだけどね」

 

士郎「やっぱり俺探してくるよ」

 

シャア「やめておけ。彼を抑えるのは誰であろうと不可能だ。無事を祈ろう」




シリアスかと思いましたか?
残念ながら、この世界にシリアスは存在しないのですよ!!
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