金獅子海賊団の自然王   作:みるちー

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序章
”自然王”ナチュレ


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日この日は、全世界の命運が決定づけられた日だった。

 

 

 

 

 白ひげ海賊団二番隊隊長ポートガス・D・エース、通称”火拳のエース”。海軍本部のあるマリンフォードにて、大勢の海兵に囲まれながら彼の身柄は処刑台の上にあった。四皇の一角にして世界最強の海賊団にとって重要な人物を確保できた海軍は、その力と権威を全世界に知らしめるため、そして大海賊時代の危険因子を排除するために世間へ大々的に公表した上で彼の処刑を行おうとしていた。エースの父親はあの伝説の”海賊王”ゴールド・ロジャー。それだけのことをする価値が十分にあるのだ。

 

 

「グラララ……何十年ぶりだ、センゴク」

 

 

 その処刑を阻止すべく、何十隻もの傘下の海賊達を従えて、三日月型の白い髭をたくわえた大男が現れる。身の丈に合った大きな薙刀を構えたその男こそが、大海賊時代以前から名を馳せてきた伝説の海賊、”白ひげ”エドワード・ニューゲートである。

 

 マリンフォードに集結した10万人の海兵と、白ひげ海賊団の全戦力が睨みあう。白ひげの仲間に手を出すということは世界最強との敵対を意味する。エースを処刑するという選択をした時点でこうなることは確定だった。海軍が引き金を引いたこの戦いは後に”頂上戦争”と呼ばれる天下分け目の戦いだ。

 

 

 

 

 

 戦いは熾烈を極めた。白ひげの戦力が新世界に名を轟かせる精鋭ならば海軍本部に集まった兵もまた精鋭。そんな二軍が手加減なしにぶつかり合っているのだ。息をする間に人が死に、瞬きする間に戦況が変わる。海軍を率いる元帥センゴクはその知略でもって、白ひげは圧倒的な力と覇気によって戦線を推し進める。

 

 途中、”麦わらのルフィ”をはじめとするインペルダウン脱獄組も加わり、戦場はより混沌と化す。そのまま戦況は目まぐるしく動き、()()()()()湾岸の包囲壁が作動して海賊達を囲い込み、そこを大将赤犬の能力で狙い撃ちして大打撃を与えている頃__

 

 

 

 

 

 __ゴオォッ……!

 

 

 

 

 

 

 空より何かが降ってきた。

 

 

「ん? 何だ……?」

 

 

 そのことに気づいたのはごく少数。一瞬の隙が命取りになる戦場では空に意識を向ける余裕などなく、その気づけた者達も戦場に混じるかすかな落下音に気づいたに過ぎない。

 そしてその音が段々と近づいてきて、多くの者が違和感を感じ始めた時、その頃にはもう手遅れな程に落下物は近づいていた。

 

 

「っ! まずいっ!」

「退避だっ! 全兵退避っ!!」

 

 

 危機感を感じ取った中将達が全隊へ声をかける。しかし、海兵達は今海賊達を決して広場へ上げないよう湾岸の戦線を維持している真っ最中。突然そんな指示を受けても対応できるわけがなかった。

 

 そして…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 __ドグアッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 必死に海兵達が守ってきた広場、そのほぼ中心にそれは落ちた。その瞬間凄まじい爆風が辺りを包み、紫色の禍々しい植物が広場全体を覆い尽くした。エースは処刑台ごと大きく吹き飛ばされ、広場に密集していた海兵達の多くが命を落とした。一般兵だろうと将校だろうと関係なく、皆等しくその植物に身を包まれ、徒花を咲かせていった。回避できたのはたまたま爆心地の広場を離れて戦っていた兵と、この危険を経験からいち早く察知できた一部の強者だけだ。

 

 

「ぐうっ……!? これはっ……!」

「状況を報告しろっ! 何が起きたというんだっ!!」

 

 

 泥と煤にまみれたガープが立ち上がり、同じ格好をしたセンゴクが怒号を飛ばす。広場は命を落とした多くの海兵の遺体が転がり、ひどい有様だ。あまりに突然の出来事に白ひげ海賊団も攻撃の手を止めて立ち止まっている。

 

 

 

 

『あーっははははは! いい気味じゃ!』

 

 

 

 

 全員が困惑している状況の中、どこからか笑い声が響いた。子供が遊ぶような無邪気さと容易く命を奪う冷酷さを孕んだ、少女の声だ。

 

「な、なんだ…? この声は」

 

 傷つきながらも生き残った海兵、湾岸で立ち止まった海賊達はその聞き知らぬ声の出所を探ろうと辺りを見回す。どこにもその声の主の姿が見えず、不気味さを覚えた。

 

「っ! まさか……!」

「あいつめっ……ここでかっ……!」

 

「ちっ……、困った()()だ。混ぜっ返しやがって……」

 

 一方でセンゴク、ガープ、白ひげなどは聞いた瞬間その正体に気づいた。センゴクとガープはぎりりと歯を噛みしめ、白ひげは空を見上げた。

 

「この声は……”ナチュレ”!」

「キシシ…姿が見えねぇと思ったら何してやがんだあの野郎……!」

「ほぅ、ここで仕掛けるか。”金獅子”」

「フッフッフッ……! やってくれるなぁ、おい! ”自然王”! 俺にも一枚噛ませてくれよ。水臭ぇじゃねぇかよぉ、フッフッフッフッ!」

 

 この戦場における強者達、王下七武海は各々の反応を見せる。目を見開き驚く者、その力に冷や汗をかく者、不敵な笑みを浮かべる者、心底楽しそうに嗤う者、様々だ。

 

 

 そして白ひげが見上げたその先に、その姿が現れる。

 長い金髪をサイドテールにまとめた見た目10歳程度の少女だ。しかしその姿は威厳に溢れており、この戦場においても見劣りしない。身に着けた赤いドレスに花や植物の装飾品を纏い、木でできた大きな杖を持っている。

 そんな少女の姿が皆の見上げる空に、巨人族よりも大きな姿で映し出された。命を奪われた海兵達を嘲笑って。

 

 

 

 

 

『いつまでも進歩しないサルどもめ、滅するがいいわ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 __今日この日は、全世界の命運が決定づけられた日だった。

 白ひげが死に、海軍が滅び、新たな秩序が世界に広がった日なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







 モリモリの実→ヒトヒトの実幻獣種モデル”ナチュレ”
 こんな作品があれば面白いかも……。



 上記のような発想から生まれた作品です。
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