真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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9話

「ここが陳留か……すごいな……!」

 

この世界に来て何日と経つが城に来たのは初めてだ

中国の城は日本と違って城壁の中に街があり、さらにその奥の壁の向こうに城主が住む城がある

日本の城下町とは違った迫力があり、村と違う人々の活気の良さを改めて感じた

 

「初めての城で驚いてるのはわかりますが、ここでその様子ですと洛陽では気絶しそうですな」

「むっ、いくらなんでも気絶はしませんよ」

 

確かに驚きはしたが、一応元の時代で中国には行ったことがある

今驚いてるのはこの時代だからこそであってそう何度も驚きがある訳じゃないぞ

 

「それよりもそろそろ動きましょうか。お金にしてそこから食事してお腹をちゃんと満たしこれからの旅の支度もしなきゃならないんですから」

 

旅の途中で狩った動物の皮や薬草、使えそうで売れそうな物をいくつか揃えてきた

荀家から出ていく数日経っているから貰ったお弁当や水等はとっくに尽きていて現地調達品が多かった

陳留は大きい街だからいろんな物が売ってあるだろうし、買い取りもきっといい値段でしてくれるはず

ちなみに街の検問はオレは旅商人、趙雲さんは護衛ということにして通った

旅人でも大丈夫だろうけど物を売るつもりだし、こっちの方が楽だったからな

 

「そうですな、ではまずは店の多い通りの方に参りましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サバイバル技術を学んでてよかった

毛皮が思ったよりも高く売れたし、薬草も品質が良かったものばっかりらしく、そこそこの値で売ることができた

ついでに情報収集もしてみたんだが、やはり曹孟徳の評判はとても良かった

治安は良く、街の豊かさも色合いが見える

街の人達も曹孟徳が領主で良かったという意見が当たり前のように言ってたし、これはどの世界でもそうなんだろう

まだ警備が全体に行き渡ってない、伝わりにくいといういくつかの問題点もあるらしいが、それも時間の問題だろうな

そして最後に気になった点……つい先日見慣れない服を着た男を城内に入れてる所を見たという話だ

きっと恐らくオレ以外に未来から来た天の御遣いというやつだろう

曹孟徳が1人を保護しているとなると……オレの方も関わるのに時間の問題か……

 

「となるとなるべく早めに出立して周りを見に行った方が……趙雲さん?」

 

趙雲さんがお店の前で何か見ている

欲しいものでもあったのか?

 

「何か気になるものでもあったのですか?」

「ん?ああいえ、少々物珍しいものばかりで見慣れないものがありましてな」

 

そう言ったので覗いて見たら、そこには髪飾りやメガネといったものがある。どうやらアクセサリー屋のようだ

なんか……仮面舞踏会で使われそうな目の所につけるマスクまであるんだがなんでだ

まさかあの趙子龍がこんなものを欲しいっていうのか……?

 

「えっと……それが欲しいんですか?」

「いえ、今は無駄遣いをしてる場合ではありません。これを買う時は私がここに仕官してまだこれが残っていたらですな、ハッハッハッ」

 

残ってたら買うのか

オレの中での趙雲というかっこいい武将のイメージが崩れていく

 

「それじゃあ旅の資金も確保出来たし、まずはご飯でも食べに行ってその後に宿でも探しましょうか。野宿続きでしたし今日はちゃんとした寝床で寝て疲れを癒しましょう」

「ええ。それはそうと行きたいお店があるのですがそこに行ってもよろしいですかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

趙雲さんが来たかったのは大通りにある普通の料理屋

メニューは……おぉ、拉麺って書いてあるからラーメンがあるぞ

他にも日本でも見たことあるような中華料理が沢山書いてある……ってこの時代にラーメンなんてあったか?

細かいことはいいや、せっかくの本場のものの味を盗ませてもらおう

ということでオレと趙雲さんはラーメンを、そして趙雲さんは他に──

 

「……メンマ単品ですか?」

「ええ、ここのメンマは評判が良くて食べておかなければと思いまして」

 

そういえば趙雲さん前母さんから電話来た時メンマを作れるかって聞いてきたよな

これはかなりのメンマ好きなんだろう

ラーメンにもメンマは乗っているし、ここは

 

「なら、オレのも食べますか?」

「なっ!本当によろしいのですか!?」

「どんな味か知りたいのでひとつだけ残して頂ければ。昔から好物がある時はその人が食べて欲しいって思ってるんですよね」

「衛宮殿……!このご恩は一生忘れませぬ!」

 

大袈裟だなぁ

でも人に喜ばれるのはやっぱり嬉しいものだ

────あっ、本当に美味い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宿で部屋を借り、もう夜中だ

趙雲さんとは別々の部屋を借り、今はひとりだからこれから魔術の鍛錬をする

スマン、さすがに趙雲さんぐらいの美女と同じ部屋で寝るのは刺激が強い

野宿の時は近いってのもあったけど部屋じゃなく空間ってだけだってこともあったからな、何とかなったんだ

年上の女性は身近にたくさんいて耐性持っているが、桜さんや藤ねえちゃんは身内だったからな

 

投影、開始(トレース・オン)

 

そしてもう1つ考えるのは占いによるもう1人の天の御遣い

趙雲さんが日本と聞いたことから、オレと同じ日本人であることは確かだがそれ以外の情報は聞けなかった

恐らくまだ城の中で過ごしているんだろう

そいつがどんなやつなのかはいずれ会うだろうからその時に確認すればいいし……

 

「……ふぅ、こんなところか。明日に備えてそろそろ寝よう」

 

投影で作った武器を消し、寝台に潜り込む

ちゃんとした寝台で寝れるのはこの世界に初めて来たあの日、荀彧と出会って少しだけ住まわして貰った日々以来か

……元気でやっているかな、この街に来たらちゃんと士官できるかな

次会う時には曹操の元にいる姿を見られたらいいな

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