真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

16 / 53

お気に入り数50件突破しました!
ありがとうございます!

評価、感想もお待ちしております


15話

 

「秋蘭さまっ!西側の大通り、三つ目の防柵まで破られました!」

「……ふむ。残りの柵はあと二つか……それでどのくらい保ちそうだ?李典」

「せやなぁ……応急で作ったもんやけど師匠が道術で強化してくれたから、あと二刻保つかどうかって所かなぁ」

「師匠じゃないし、道術じゃなくて……魔術なんだけどな!」

ってツッコミを入れたけどさすがに余裕がなくなってきた

ずっと魔術で柵を強化してきたし、射程範囲内に来た敵は弓で撃ち抜き、秋蘭に矢が無くならない用に投影してたりとしてきたから魔力が尽きかけてるんだ

そろそろ援軍が到着するはずだ……

頼む、なんとか持ちこたえてくれ

 

「きっと大丈夫です。姉さん達は、必ず約束を守ってくれますから」

「しかし、夏侯淵さま達がいなければ、ここまで耐えることは出来ませんでした。ありがとうございます」 

「それは私たちも同じです。あなたたち義勇軍の皆さんがいなければ、相手の数に押されて保たなかったはずですから」

「いえ、それも夏侯淵さまと曹純さまの指揮があってこそ。いざとなれば……自分が討って出て時間を稼ぎます。後のことはお任せいたしますので、どうか……」

「ふざ……けるな!」

「……っ!」

 

振り絞って声を出す

死んだら何も出来なくなる。生きていれば足掻くことが出来る

 

「まだ……何とかなる……!それなのに命を粗末にするようなこと言うな!……ハァ……ハァ……生きていれば……どうとでもなるんだから……!」

「正兄ちゃんの言う通りだよ!ぜったいにもうすぐ春蘭さま達が助けに来てくれるんだから、最後まで頑張って守りきらないと!」

  

季衣はあの言葉を聞いて変われたようだな

オレも同じように、前に進めるように今はオレしか出来ないことをやらないと

 

「今日百人の民を助けるために死んじゃったら、その先助けられる何万の民を見捨てることになるんだよ。わかった?」

「……肝に銘じておきます」

 

前は華琳に言われてたのに、今は言う立場になるか

秋蘭も笑っているようだし、いい成長してるってことだな

 

「東側の防壁が破られたのー!」

「向こうの防壁はあと一つー」

「……あかん。東側の最後の防壁て、材料が足りひんかったからかなり脆いで。すぐ破られてまう!」

 

よし!防柵の強化が終わった!ちょうど今ならいける!

 

「すまない……待たせた!強化が終わったから東側に回せるぞ!」

「西は私一人で十分だ。他は東側に向かってくれ」

「シャンも行く」

「わかった、星と香風は西を任せた。衛宮が設置を終わらせるまで東の侵入を押しとどめるぞ」

  

柳琳と楽進、季衣が東側を、星と香風が西側にそれぞれ向かうことに

柳琳の虎豹騎のみんなと季衣に楽進が時間を稼いでくれるんだ

急がないと!

 

「か……夏侯淵さま!街の外に大きな砂煙が!大部隊の行軍のようです!」

 

常時強化を千里眼にも匹敵する視力の良さでその軍隊を確認する

 

「いや、あれは──」

 

ちょうど銅鑼の音が聞こえた

これは華琳達本隊が来てくれた合図だ

 

「お味方です!旗印は曹と夏侯!お姉様たちと、春蘭様です!」

「秋蘭、戦いを終わらせるぞ……!」

「ああ、だが衛宮は休んでおけ。先程まで一人で働かせていたからな」

「だけど……!」

「まだ戦う可能性もある。その時に動けるように今は少しでも休んで備えておけ」

「……わかった」

 

強化の魔術を解除したらどっと疲れがきた

さっきまで無我夢中でやっていたからその反動が来たんだろう……

倒れるわけにはいかないから、その場で座り込む

とりあえずやれることはやった……だけど最後の最後でみんなに任せることになるか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回はさすがに疲れけど……そろそろ動くか!」

「あんたはまだ休んでなさい」

「あだっ!」

 

立ち上がろうとした時に後頭部を蹴られた……

そこまで痛くなかったし、声からして──

 

「桂花か……いきなり蹴るなんて酷いな。それにもう十分休んだ。オレもできることはやらないと」

「星から聞いたわ。私たちが来るまで籠城で難なく耐えられたのはあんたが柵を魔術で何かやってたからって。確かにこれからの防衛戦で使えるってことは判明したけど、その様子だとどうせ自分のことは気にせず周りのことばっかりに力を使ったのでしょ?それにしても星のやつ、なんで私にこいつのこといちいち報告してくるのかしら」

 

仰る通りだ……

的確についてきて反論のしようもないよ今回は

星が桂花に報告してくれるのは……彼女なりに配慮してくれてるんだろう

 

「私は周囲の警戒や出撃の準備などほかの仕事があるから行くわよ。あんたもいつでも動けるように準備してなさい」

「言われた通り休めば大丈夫だから、それより気にかけてくれてありがとな」

「別に私はあんたなんか気にかけてないわよ!ふん!」

 

なんだかんだいつも気にかけてくれてるんだよな

そこで素直にならないのがほんと桂花らしい気がするけど

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽進、李典、于禁が華琳と話してるな

どうせ彼女のことだ、軍に引き入れてることだろう

  

「凪、真桜、沙和。そうね……一刀」

「ん?」 

「さしあたりあなたたち三人は、この男の指揮下にはいってもらうわ。別段の指示がある時を除いては、彼の指示に従うように。それから……正騎、あなたは一刀の補佐として付きなさい」

 

おっと、いま呼ばれたよな

一刀の補佐か、つまり副官かなにかってところかな

 

「わかった。ちゃんと一刀を支えれるようにがんば──」 

「はああああああ!?」

 

ちょっ、一刀うるさいぞ

いきなり騒ぐんじゃない、驚く気持ちはわかるけど

 

「えー。この兄さん大丈夫なん?師匠、じゃなかったこっちの兄さんならウチの絡繰の仕組みわかってなかなかやる思うたけど」

「んー?わたしは結構平気かもー。意外とカッコイイし♪」 

「曹操さまの命とあらば、従うまでだ。よろしくお願いいたします」

 

三人の一刀の印象はバラバラだけどそこまで悪いわけじゃないし大丈夫そうだな

それにオレが補佐なんだ。フォローしあえばいいさ

 

「困った時はちゃんとフォローしてあげるから、がんばろうな一刀」

「それはありがたいんだけど、ちょっと待てよ、華琳!」

「念願の部下よ。嬉しいでしょう?」

 

華琳は無能な人物には部下を付けたりはしないしちゃんと一刀を実力があると判断してるんだろう

 

「あら。何か問題がある?」

「大ありですっ!なんでこんなのに、部下をお付けになるんですか……!」

 

桂花が来たってことはさっき言ってた仕事をもう終わらせてきたのか?

周囲の警戒に出撃準備の完了、オマケに住民たちの支援物資の配給すぐ始められると……

やっぱり相変わらず優秀だな

 

「……で、何の話だったかしら?」

「これの事です!こんな変態に華琳さまの貴重な幹部候補を預けるなどしては……早々に穢されてしまいます!」

 

あれ、今回は一緒にされなかった

率いるのは一刀だから一刀だけを言ったのかな

でもそんなこと三人の前で言ったら……

 

「「「…………」」」

 

おぉ、ものすごく冷たい視線

ドン引きしてるのが目に見えるぞ

さて、さっそく出番かな

 

「大丈夫、一刀はそういう人じゃないから。かなり面倒見のいい頼れる奴だからきっとみんなも信頼出来るはず」

「んー、そういうことなら……じゃ、よろしゅうな、隊長」

「了解しました。隊長」

「はーい。隊長さーん」

 

とりあえずフォロー出来たか?成功して何より

あといま桂花が

「チッ、何余計なこと言ってるのよ。首を刎ねれたかもしれないのに」

って言ってたよな

聞こえなかったことにしよう。なにかされるかもしれないけど

 

「ってことは、兄さんは副隊長やな」

「よろしくお願いします、副隊長」

「よろしくなのー、副隊長さーん」

「こっちこそよろしく」

  

副隊長か、そういう上の立場につくのは一刀と同じで初めてだな

と言っても責任ある立場だ

期待に応えれるようにしなければ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、物資の補給の支度も終わり、凪、沙和、真桜から真名を授かった

そうして軍議の時間はやってきた

 

「さて。これからどうするかだけれど……新しく参入した凪たちもいることだし、一度状況をまとめましょう」

 

まず、状況の確認

黄巾党と呼ばれる暴徒の集団

若者が中心に構成されていて、散発的な暴力活動を行っている

けれど主張するものがなく目的は不明

首領は張角、この世界だから女性らしく旅芸人ということしかわかってないし、居場所も不明

何もわかっていない状況……ということになる

 

しかもさっきの大部隊のようにそれなりの指揮官がいて、ただの烏合の衆としてじゃなく、それなりの組織としてまとまりつつある

つまり今までのように楽に倒せるわけじゃなくなったんだ

張角さえ捕まえられればこの騒動が全て収まるんだけど相手は旅芸人、本拠地があるのか、各地を転々としているのか、もしくは本拠地すらない可能性がある

クソっ、なにかこういうことに役立つ魔術さえ持っていれば良かったんだが……

 

「……すいませーん。軍議中、失礼しますなのー」

 

あれ、沙和は柳琳や華侖と一緒に炊き出しを手伝ってなかったか?

 

「街の人に配ってた食糧が足りなくなっちゃったの。代わりに行軍用の糧食を配ってもいいですかー?」

 

という内容だ

確かに義勇軍が加わり人数が増えた

いくらまだ余裕があると言ってもこれじゃ予定より早くなくなりそうだ

栄華の話しによると既に補充の手配はしてあるから三日分までなら出せるとのこと

数が増えてるだろうからいろいろ大変だろうし、後で炊き出し組の方を手伝うか

 

「……なぁ、ちょっと思ったんだけど、部隊の規模が増えると、糧食や装備もそのぶん必要になるよな?」

 

糧食、装備、必要……なるほど、そういうことか

春蘭と季衣以外はこの発言で気がついたようだな

一刀の思いがけない発言が大きな機転になりそうだ

 

「あれだけの大部隊を動かすのだもの。現地の略奪だけで武器や食糧を賄いきれるはずがないわ。どこかに、連中の物資の集積地があるはずよ」

「そこを叩けば、連中に大きな打撃が与えられるよな?」

 

相手は正規の軍じゃなく反乱をしている暴徒の集団

集めているものを失ってもすぐに補給が出来るわけじゃないからかなりの痛手になるはずだ

 

「ええ。桂花」

「はい。周囲の地図から物資を集積出来そうな場所の候補を絞り、それぞれに偵察部隊を向かわせます」

「任せるわ。物資の集積場所だけでなく、搬入と搬出に使えそうな道や痕跡も見逃さないようになさい。いいわね?」

「もちろんです!」

「他の者は、桂花の偵察経路が定まり次第、出発なさい。それまでに準備を済ませておくように!」

 

さてと、向こうの方に行ってくるか

 

「衛宮、待ちなさい」

「ん?どうした桂花」

「あんたの視力を強化する魔術を使えればどの距離まで見渡せるの?」

 

えっと、確か1.5キロまで見渡せたはず

限界ギリギリで何とか2キロだから……1里には届かないか

それに一里って4キロ近くまであったよな

 

「さすがに一里まではいかないけど、その半分いくかいかない距離までだったら」

「ならあんたは上から探しなさい。上から探すなんてことはあんたしか出来ないんだから」

「了解、期待されてるなら、それに応えないとな」

「別に期待なんかしてないわよ、馬鹿!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「既に廃棄された砦ね……いい場所を見つけたものだわ」

 

あれから数日後、地道な調査で何とか敵の拠点を見つけ、今はそこを攻めようとしていた

そこは山奥にぽつんと遺された砦跡

上から探してもほんとに気づくかどうかっていう所にあったんだ

 

「敵の本隊は近くに現れた官軍を迎撃しに行っているようです。残る兵力は一万がせいぜいかと」

 

それでもまだ一万いるのかよ

というかそれより官軍は動いていたのか

全く、今まで何してたのやら

砦の連中はオレたちに全然気がついてないようだ

魔術を使わなくても見える距離で、砦から撤去作業を行なっている

 

「凪。こちらの兵は?」

「我ら義勇軍と併せて、八千と少々です。向こうはこちらに気付いていませんし、絶好の機会かと」

 

八千と少々、一万と比べりゃ少しだけ数は劣る

でも今攻撃すればかなりの痛手を負わせられるはず

何せ少数で大多数を攻撃してある程度は減らせられるのは既に実践済みなんだからな

今思い返すと我ながらよく生きていると思うけれど……

 

「そうね。ならば、一気に攻め落としてしまいましょう」

「華琳さま。それに際して、ひとつご提案が」

「何?」

「戦闘終了後、全ての旗は手持ちの軍旗を全て砦に立ててから帰らせてください」

 

桂花の考えだとこの砦を落としたのが華琳であることを示すため

いま戦ってる官軍もここを狙っている、敵を一掃したこの城に曹旗が翻っていれば嫌がらせにもなるだろう

持ち帰ったら厳罰。まぁみんな華琳の指示に従うし問題ないだろう

それより誰が一番高いところに旗を立てれるか競走しようとしてるし、華琳は一番高いところに立てられた者に褒美を考えるとか言ってるし

いいのか?

オレは……お金は今まであんまり使ってない給金があるからいいし、欲しいものは料理器具だから自分で鍛冶屋に頼んで作ればいいし……褒美はいいか、欲しい人達に譲ろう

 

「ただし、作戦の趣旨は違えないこと。狙うは敵の守備隊の殲滅と、糧食を残らず焼き尽くすことよ。いいわね」

「はっ!」

「あの……華琳さま?」

「その食糧って……さっきの街に持って行っちゃ、ダメなの?」

 

確かに糧食を燃やすなんてもったいない

オレはそれでご飯を作っているから尚更食べれるものには感謝の気持ちでいっぱいだ

けれどそれがどういう事態を招くか、いろんな国を、現代にでも問題があることを見てきたオレにはわかる

それが、悪い方向にしか働かないことを……

 

「ダメよ。糧食は全て焼き尽くしなさい。私たちの糧食とする事も禁じるわ」

「どうしてなの……?」

 

ここは副隊長、上司となり真名を預かったものとしてオレが言うべきか

 

「……一つは華琳の風評に傷がつく、オレたちは今までどこからも略奪を行わずに戦ってきたんだ。それが下賎な賊から糧食を強奪して食べたと」

「けど……!」

「もう一つ、奪った糧食を街に持っていけば、今度はその街が黄巾党の復讐対象になってしまう。規模は前回とは比べ物にならないはず、それじゃ本末転倒になってしまうんだ」

「…………あ」

 

人を救う立場にあるのに、それで人を危機にさらしたら意味がないんだ

 

「あの街には既に、警護の増援と糧食を手配していますわ。それで復興の準備は整うはず。お姉様はあの街を見捨てるような事はしませんから、安心なさい」

「そういうこと。糧食は全て焼くのよ。米一粒たりとも持ち帰ることは許さない。それが奴らの怒りを全てこちらで引き受け、街を守る手段だと理解なさい。いいわね?」

「……分かったの」

 

理解はしてくれてる、けど感情が納得してないって感じかな

 

「なら、これで軍議は解散とするわ。先鋒は春蘭が務めなさい」

「はっ!お任せ下さい!」

「ならば、この戦をもって、大陸の全てに曹孟徳の名を響き渡らせるわよ。我が覇道はここより始まる!各員、奮励努力せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

「…………暇だ」

「今までずっと報告をしたり取りまとめたりする側だったからな。まっ、今は隊長らしく構えて待ってろ」

「しっかり構えているのも隊長として威厳を示すもの。まずはそれを覚えることが良いかと」

 

今回はオレと一刀は指示する側

でも後衛なら弓で戦うだけだ

いつでも矢を投影できるように回路を開いて準備はしておくか

そして星がこっちに来てくれてた

こっちの戦力はあるとはいえ、まだ練度が高いものじゃないからな

それに一刀はさっき隊長になったばかり、見本と助言できるように、そしてオレと連携ができるように華琳がこちらに行くように指示したんだ

そんなことしてる間に一刀は凪に拳を構えられてるし

何やってるんだ一刀のやつ

 

話を聞けば一刀が沙和がどうして義勇軍に入ったかということを聞いてた

凪はそれは本人に聞かないとわからないと言ってたけど三人がとても信頼し合ってたのも確認できた

そのあと真桜が話し加わってから一刀はいじられてたけど、なんだかんだもう仲がいいってことだよな

 

「あー。みんななにお話してるのー。ずるーい!布陣も終わったんだから、沙和も混ぜてなのー!」

「おお、エエところに来た!この戦が終わったら、隊長がウチらの歓迎会開いてくれるって!」

「え、おい、ちょっと!?」

 

へんな約束まで取り付けられてるし

 

「ホント?やったぁ!」

「言うたよな?凪!」

 

凪ならこういうのは止めてくれるかもな

この三人で一番常識あるっぽいし

 

「…………ありがとうございます、隊長」

「凪までか……!」

 

意外とノリがいいな

この隊はなんかこれから楽しくなりそうだ

 

「それなら私も同席させて頂こうか。なに、私はメンマと酒さえあれば文句は言いませんよ」

「何気に星も奢られないでくれよ……」

 

星はこういうノリ好きだからなぁ

イタズラがあるとそれに乗っかるようなタイプだし

 

「隊長だろ?ご飯ぐらい奢ってやんなよ」

「正騎、お前まで!?」

「なんて、冗談だよ。歓迎会だろ?ならオレがご飯ぐらい作ってあげるから、それでいいか?」

 

最近なんにも作ってなかったしな

こういう時ぐらい腕を振るいたいもんだ

 

「副隊長、料理作れるんか?」

「まぁな、腕前は自信あるぞ?桂花も美味しいって言ってくれたし」

「それなら楽しみなのー!」

「正騎殿の料理なら何も言いません。お前たちもきっと気にいると思うぞ」

「確かに正騎の手料理は凄かったな……悪いけど頼むよ」

「あぁ。だけどまずはこの戦いに無事に勝たないとな」

 

と、歓迎会の約束もしたんだ

この戦、さっさと終わらせて帰るとするか!

 

「銅鑼を鳴らせ!鬨の声を上げろ!追い剥ぐことしか知らぬ盗人と、威を借るだけの官軍に、我らの名を知らしめてやるのだ!総員、奮闘せよ!突撃ぃぃぃぃっ!」

 

 

 

 

 

 

 

「凪!後ろは全てオレがなんとかしてやるから前だけ見てろ!」

「はっ!」

「星!」

「言わなくても大丈夫です」

 

オレの言葉は聞かなくても星は考え通り凪たち3人の援護に回っている。もうだいたいは言葉にしなくても通じあえてるような気がするな

今回は一刀の指揮能力と、3人がどれだけ動けれるかのテストみたいなもの。だから星が前に出る訳じゃなく少しだけ後ろ側で戦っているんだ

それにオレの本来の戦い方は守備に徹して相手の戦い方を見極め、そこで投影をして攻めるスタイルだから今のように後衛で周りを見つつ弓を射る方がやりやすい

凪が前に出てくれるおかげで確実に相手を倒すことができている

 

「華侖さま!はああああああああっ!」

「……へっ!?」

 

今のはなんだ……!?

なにかエネルギー波のようなものだったけど、でも魔力を感じないから氣の力とかか……

確かに氣を使って戦う人は家にもこの軍にもいないから、初めて見るようなものだからな

 

「あ…………っ」

「ね、姉さんっ!!」

「うわぁあぁぁぁぁぁぁぁあ……っ!」

 

華侖の脇を抜け、影から襲いかかってきた黄巾党を吹き飛ばす

コントロールも正確だ

義勇軍だっとはいえこんな実力があるんだからオレでは凪に勝てないはず……

やっぱりこんな実力じゃまだまだか……!

 

「大丈夫ですか、華侖さま!」

「ほへー。びっくりしたっす……」

 

さすがにあれはビックリするよな

一刀が凪に聞いてるけどどうやら氣を使った技らしい

……魔術師でも使えるか応用出来ないかな

相手は所詮元々は一般人、春蘭と季衣達の猛攻にどんどん吹っ飛んでっている

周囲にも……敵の気配はしなくなった

とりあえず、これくらいかな

 

「もぅ……姉さん、危ないからやめてって言ったのに!」

「大丈夫っすよー。柳琳は心配性っすねぇ」

「心配もするよぅ!」

 

大切なお姉さんが突出してるもんな

柳琳も心配で気苦労が耐えないのかも

代わりに何かしてあげられたらいいんだが

 

「それより凪!今の何すか?ばーってなって、ずばーっとなって、どがーんって……とにかくすごかったっすー!あれ、どうやるんすか?あたしにも出来るっすか?」

「ええっと、その……あれは……」

「華侖、そこら辺にしておきなよ。そろそろ──」

「火を放て!糧食を持ち帰ること、まかりならん!持ち帰った者は厳罰に処すぞ!」

 

ちょうど火をかけるところだったか

これで終わりかな

今回のオレたちの目的は果たしたはずだ

 

「とったどー!」

 

1番高い所を目指してた2人の戦いも終わったようだ

どうやら季衣が勝ったらしい

 

「星は参加しなくてもよかったのか?身軽だからあの2人と十分に戦えたと思ったけど」

「褒美と言われて少しはやる気にはなりましたが、よくよく考えたら欲しいものが思いつきませんでしたからな。酒とツマミの正騎殿の食事、そこに正騎殿お手製のメンマがあれば私には欲しいものはありませぬ」

「本当メンマ好きだな星は……」

 

メンマ作り始めたからいずれ食べさせてあげれるんだけど、今はまだ話さないでおこう

サプライズってのもあるけど、星のメンマに対する本気はマジだ

待ち焦がれて集中出来なくなるよりは今の状態がマシだろう……うん、きっとそうだと思いたい

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。