真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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16話

 

「沛の城が襲われたですって!?」

 

急で集められたと思ったら沛の城が襲われているとのこと

これは予想もつかない出来事だ

沛国の兵士はふらついてた様子から不眠不休でここまでやってきたはず、そうとう悪い状況だ

 

「どうなさいますか、華琳さま。沛に向かうのですか?」

「ええ。陳珪には借りも多いし、陳登はこれからの陳留に欠かすことの出来ない人材よ」

「反対です。我が軍は既に連戦に連戦を重ね、疲弊の極みにあります。何より行軍に必要なだけの糧食がありません」

 

華琳は沛に向かうと言ってるが桂花は反対

栄華も反対、向かうとしても一度戻って準備を整えてから向かうべきと進言

陳珪は朝廷と結びついている証拠も多く見付かって罠の可能性もあると、だから裏付けを取ってからじゃないとというがそれだと明らかに間に合わないはず

桂花のことも最もだが沛には陳珪、陳登の親子がいる、助けない訳には行かない

オレ個人としては危険にさらされてるんだ、助けたい

けどオレはそんな立場じゃない──どうすれば

 

「なら、華琳さま……お願いがあります」

「何?」

「ボクを沛国に行かせてください」

 

季衣は一番高いところに旗をさした、つまりご褒美を今回のことに使うつもりなのか

季衣は華琳が救えないものは手伝うと言うがそれでも桂花、栄華は反対する

どちらの言い分も理がある……あとは華琳が判断するだけだ

華琳が下した判断は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「斥候の兵、戻りました。既に沛城は最寄りの北門を始め、主要な門のいくつかが崩壊。黄巾党に城下への侵入を許しているようです。ですが、城や門にいまだ陳の旗は健在。陳登殿は不明ですが、陳珪殿はまだ無事と思われます」

 

 

華琳は沛国の救援を選んだんだ

桂花の作戦では落とされた北門を集中して攻略、そのあとに城の確保と各城門の支援に隊を分け、門の攻撃は内外から同時に行い、攻める敵を挟撃して殲滅

 

「我が陳留の勇者たちよ!沛国を襲う驚異を蹴散らし、この地に平穏を。そして、我が国の農の希望を救出なさい!」

「総員、進撃を開始せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

「はあああああああああああああああああああっ!」

「でりゃあああああああああああああああああ!」

 

さすが春蘭と季衣だな

二人のおかげで城までの道が簡単に広がっていく

華琳たちは城の中に、凪、沙和、真桜の三人が門の外側に向かう

 

「オレは秋蘭を手伝う。いくらあの2人がいるとはいえ、落とされた門側に敵が集中しているから叩きたい。星」

「ええ。あの2人の邪魔になるようには致しませんよ」

「頼む、星の柔軟な思考が頼りだ──投影、開始(トレース・オン)

 

春蘭と季衣が敵を吹き飛ばしているそのさらに奥を目視、矢を構え放つ

矢の軌道、風の強さ、それらを頭に入れ且つ狙いを定めれば相手が後方にいようが外すつもりは無い

星と秋蘭で2人のお零れ、もしくはこちらに向かってくる相手を蹴散らしていく

秋蘭の技量はオレとは真逆で近〜中距離向けだ

確かにこの時代で遠距離から超遠距離の狙撃などやる人は居ないだろうし

 

「もう終わりか?存外少なかったな」

「衛宮が姉者達よりも奥の敵を減らしてたからな」

「何だと!?私はまだ暴れ足りんというのに!」

「なら門の外側に行けばいいんじゃないか?凪たちが行ったとはいえまだ戦ってるだろうし」

「そうか!なら季衣!秋蘭!私たちも行くぞ!」

「姉者!はぁ……すまない衛宮、城内は鎮圧できたこと華琳さまに報告頼めるか?」

「言っておくよ。だからそっちはそっちで頑張ってくれ」

 

秋蘭も2人の後を追いかけていく

今回も黄色い布……黄巾党の目印がある

 

「また黄巾党による攻撃か……」

「恐らく他の州から流れてきた者共と考えられますな。特に揚州は荒れようが酷いとお聞きしました。故にそのような地で集まった暴徒が資源や糧食があるこの地に押し寄せてきたのでしょう」

「なるほどな……華琳のような人が治めていればこのようなことが起きなかった可能性があるわけか……」

 

この世界の上に立つ奴らはほとんどがクズだ

華琳のような人の方が本当に極わずか……

だが華琳だってすぐに大陸全部を統治することは出来ない、それに帝という存在もある

厄介だよな、例え華琳のような人でも誰かの元に仕えているというんだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陳珪、陳登親子は無事で何も無かったようだ

それに華琳に沛国を中心とした豫州を預けたらしい

それに真名も預けたらしいんだけどオレにも教えてくれたんだ

……オレは今回は何もしてないんだが

とにかく、華琳の領地が増える。つまり平和な暮らしができる人々が増えていく

オレとしては喜ばしいことだ

 

「思い出したわ。……季衣」

「はい?何ですか、華琳さま」

「あの賊の城に旗を立てる話があったでしょう。あの褒美はどうするつもりなの?」

 

そんなことがあったっけ

この少しの間にいろんなことがあったからな

季衣自身は沛に向かう事のことを行ったつもりらしいが、華琳は元々向かうつもりだったからということでその願いは無効、褒美はまだあるという事に

でも季衣は全く欲がなく食べ物も服も今のままで十分、領地は収められないと断るし

本当に素直でいい子だな

 

「……まあいいわ。なら、季衣にはひとつ借りとしておくわね。何が欲しい物が出来たら、言いなさい」

「はいっ!ありがとうございます!」

 

という形で収まった

 

 

 

 

 

 

 

「歓迎会かぁ、何作ろっかな」

「正騎殿の得意な物で良いのではありませんか?」

「それでもいいんだけど、人の好き嫌いってのは別々だからな」

 

オレは今、買い出しに出ている

あの戦のあとに歓迎会をするって言ったからな

星は荷物持ちということで着いてきてくれてる

流石に6人分となると1人で運ぶの大変だからな

 

「みんなの好物というのもあるがそういうのだとジャンルがバラバラだし、さてどうしようか」

 

一人のためならこういうのでもいいんだけど複数人の場合はダメだ

一人が好んでも一人はダメな可能性がある

んー悩むなー

 

「んっ?なんだこの店」

 

なんか他の店と雰囲気が違う

こんな店陳留にあったっけか?

 

「ふむ?どこかで見たことが……」

「そうなのか?じゃあどっかの街でやってたのがここに流れ着いたのかな」

 

何を扱っているか外からじゃ分からないんだけど、何故か直感がイタリアンを作れるようになったり紅茶が手に入ると告げてる

けれど踏み入るなとも

でもこういう時って好奇心が勝ってしまうのが人間だ

 

「せっかくだし入ってみようか」

「そうですな。何やら面白いものがあったりするのかもしれません」

 

店に入ってみるが、店内は静かで誰もいない

とりあえず品物を見るか──ってなんだと!?これはティーセットだと!?

しかもこれは紅茶の茶葉!

ダージリンにアッサム、アールグレイまでなんでもあるじゃないか!

それにパスタやピザを作るものまで!

この世界ってどれだけ進んでるんだ!?

──っとなにか足音が聞こえる

もしかして店員かな?

 

「あらぁん、お客さんのようねぇ?」

「うわぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」

 

なんだこいつ!バケモノか!?

超絶ムキムキマッチョだけどパンイチで髪は三つ編みしててもう何が何だか分からないけどこいつは只者じゃない!

 

投影、開始(トレース・オン)!!」

 

「投影魔術なんて久しぶりに見たわねぇん。けどそんな貧相な武器じゃわたしには勝てないよぉん?」

 

──いまものすごくゾッとした

それは気持ち悪いからじゃない、こいつがとてつもなく強いってわかったからだ

投影のことを知ってるとかはどうだっていい

けどこいつには勝てない、おそらくサーヴァント並の力を持っているはずだ

 

「お前は一体……」

「誰かと思ったら貂蝉ではないか」

「あらぁん、星ちゃんお久しぶりねぇ♡じゃあこのボウヤは星ちゃんのお連れかしらぁん?」

「うむ。この方は衛宮正騎殿と言って天の御使いの1人だ。共に華琳さまに仕え、私が信頼における1人でもある。貂蝉とは旅の途中で会いましてな。情報網として優秀であり気があったのか仲良くなったのです」

「この店の店員で貂蝉よぉん。ヨ・ロ・シ・ク・ね♡」

 

とウインクしてきた。これで人を殺せるんじゃないか?

それより貂蝉って言ったのか

ダメだ、インパクトが強すぎてなんにも驚けない

いや、勇気をだして聞かなければ

 

「あの、ここの品は一体どこから……それになぜ投影を知ってたんだ?」

「心配しなくてもちゃんと西洋から取り寄せた品よぉん。魔術を知っていたのはひ、み、つ♪」

 

ダメだなこれは

いくら聞いてもダメなやつだ

けど不思議と品は本物と感じ取れる……が、この時代の西洋ってこういうもの扱ってたか?

……もうどうでもよくなってきた

 

「欲しい物は輸入とか可能なのか?」

「食材なら大丈夫よぉん、けれど物によっては無理もあるし、時間もかかるわねぇん」

「そうなのか。でもこの時代でこれだけのものがあるし輸入も可能なら料理のレパートリーが増えるな……とりあえず今欲しいものだけでも揃えておくか」

 

ティーセット、紅茶の茶葉を数種類、それから日が持つものと今日の材料でも買っておくか

 

「星ちゃんも言ってたけど、正騎ちゃん曹操ちゃんの所の人よねぇん?またお店開く時は教えるわよぉん?」

「ほ、ほんとか!?それは助かるよ」

 

前は見たこと無かったしきっと不定期でやってるんだろう

それをちょうど開く日に教えてくれればその日はいいものが作れる

さて、そろそろ帰るか

 

「またいらっしゃぁい♪」

「うっ……、あっ、あぁ。また来るよ……」

「ではな、貂蝉」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子が今回のイレギュラーのようねぇん。でもいい子そうだし安心したわぁん」

「貂蝉、ヤツが舞い降りた魔術師というやつか」

「そおらしいわぁん、この外史はどうなるかしねぇん……」

「あの守護者と似ておる。何も心配することはないだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!出来たぞ!召し上がれ!」

 

帰って早速色々作ってみた

パスタにパエリアを始め西洋の料理、麻婆とか中華などいろいろだ

 

「こっちの世界でイタリア料理が食べられるなんて……!」

 

一刀は嬉しそうだな

こっちの世界じゃ見かけることなんてできないし、久しぶりに食べるんだろう

 

「初めて見るものばっかやなぁ」

「でもどれも美味しそうなのー!」

「本当に副隊長は料理がお上手なんですね」

 

と珍しそうに見てたり褒めてくれたりもしてくれた

 

「うむ、やはり正騎殿の手料理は最高だな。旅の時でも十分だったが食材も揃ってる今はもはや何も言えん」

 

星との旅の時は自然から取ったものが多かったからな

ちゃんとした厨房でいい食材から作ったものを食べさせてあげられたのはオレとしても嬉しい

久しぶりに作ったから満足満足!

 

「それにしてもどうやって作ったんだ?まだこの時代だと西の方の物なんて来てないだろ?」

「さっき偶然西の方から仕入れている店を見つけたんだ。仕入れ方法は教えて貰えなかったけど、オレたちが知ってる歴史とはもう随分異なるからこれもそういう類の1つなんだろう」

「確かに、それもそうだな」

 

史実では女性がこちらではあんな筋肉ダルマの貂蝉から買ったなんて言えない

あいつの事はオレと星の秘密にしておこう

 

 

 

 

 

 

みんなとても満足してたし何よりだ

また作ってなんて言われたし今度はピザでも作ってみたいな

それか和食とかでもいいかもしれない

貂蝉に頼めばタレの原料はある程度揃えられると思うし、いろいろと思いつくものを作れそうだ

 

「うん、やっぱり紅茶飲むと落ち着くな」

 

歓迎会を終えてゆっくり紅茶を飲んで休んでる

オレは昔からよく紅茶を飲む機会が多かったし好きなんだ

この世界に来てからは飲めないと思ったけど当分は持ちそう

 

「……やっぱりあんたが居たのね」

「桂花?どうしたんだ?」

「別に、さっき星たちとすれ違ってご飯食べてた話を聞いてみたから居ると思っただけよ」

 

確かに星、一刀に一刀の配下となった3人

そこにオレがいないとなるとこっちにいるってのはわかることか

 

「そっか。せっかくだしお茶でも飲んでいくか?」

「そうね、貰うわ」

 

ティーポットの中にまだ入ってるしそれを別のティーカップに注いで出してあげる

熱も十分にある、というかちょうど飲みやすい温度だ

 

「変な形してるのね」

「オレの世界じゃそれで紅茶を飲んでたんだ。温度も丁度いいしすぐ飲めるよ」

「……美味しいわね」

 

良かった、この味は桂花にも合うようだ

もし合わなかったらきっと罵倒がとんできただろうなぁ

 

「お茶ご馳走様、もう行くわ。あんたもさっさと休みなさいよ」

「大丈夫、わかってるよ」

 

さて、本当に今日含めここ数日はいろいろあったな

戦いが終わり、変なオカマっぽいマッチョと会って今日は歓迎会と

 

「ふぅ……さすがに眠いな、疲れがあるか」

 

明日に備えて今日はもう寝よう

これからもまた、忙しい日々か続くと思うから

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