真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

25 / 53
24話

 

「華琳、この辺りで湧き水とか良質な水はないか?」

「あるにはあるわよ、でもそんな事聞いてどうしたの」

「ちょっと事情があってな。話すと少し長くなるんだが」

「構わないわよ。あなたの事だから面白、面倒なことに巻き込まれたのよね」

「面白いって言おうとしたな……まあいいや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀と理央の3人で警備計画の立て直しをしてたんだけどそこに凪、沙和、真桜の三人が来てな、昼時なので食べに行くことにしたんだ

それでどこに行くかってなって凪が評判のいい店があるってことでそこにしたんだ

 

注文は確か

真桜は麻婆豆腐と炒飯

沙和は麻婆茄子と炒飯と餃子一人前

一刀は麻婆豆腐と白いご飯

理央は少食だから炒飯だけ

オレは麻婆豆腐と白いご飯、それに理央と分け合うから餃子一人前頼んだんだ

凪が麻婆豆腐、麻婆茄子、辣子鶏、回鍋肉と辛いメニュー、しかも全部大盛り唐辛子ビタビタという恐ろしい物を頼んでたな

っと、ここは別にいいか

 

『うッ……す、すごい辛そうな匂い……。これが『唐辛子ビタビタ』……』

『………………美味しそう』

 

凪はそう言うけどオレにはそうは見えなかった

むしろ辛すぎて味が伝わらないと思うほど

あれは華琳でもやめたほうがいいぞ

 

『んじゃ……みんな揃って……』

『『『『いただきまーす!』』』』

 

その後は普通に食事をしたんだ

あの時食べた餃子はなかなか美味しかったな

そういえば焼き餃子ってこの時代主流じゃないよな

オレと一刀は焼き餃子の方が食べ慣れてるんだ

今度華琳に作ってあげるよ

その時一刀が麻婆豆腐をご飯にかけて麻婆丼を作ってな

オレも食べたくなって作ったんだ

その麻婆豆腐を食べるところから事件が始まったんだ

 

『うわっ!!?隊長と副隊長何してんの!!!』

『へっ?……な、なんか変なことしてるか?俺』

『ただ麻婆丼作ってるだろそんな騒ぐことか?』

 

食べるの楽だしこの組み合わせも中々に合っててな

今度華琳も試してみるといいぞ

 

『なんかやあれへんがな!折角の麻婆豆腐を白いご飯にかけて……気持ち悪っ!』

『邪道だよ、邪道〜!変なのー』

『正騎さまたちの国ではそれが普通だったり流行っていたりしていたのですか?』

『そうだよ、これがまた美味しいんだ。理央も麻婆丼食べてみる?』

『正騎さまがおっしゃるのなら組み合わせが良いのですね。せっかくですのでいただきます』

 

オレが丼を差し出すと、理央は自分のレンゲで麻婆丼を口に運んだ

凪、紗和、真桜は一刀から貰ってな

邪道だ何だ言いつつなんだかんだ気になってたらしい

 

『どうかな?』

『美味しいです〜!こういう組み合わせもあるのですね!』

 

と言って理央は食べ始めてまるで小動物のようで可愛かったよ

っと、こんな事を言うために話してる訳じゃないからその目をやめてくれ

 

『こ、これは……ッ!!?』

『あの、大丈夫ですか?』

 

オレと一刀の麻婆丼をみて店員がが身体を震わせていたんだ

そして──

 

『ひ、閃いたぞおおおおぉぉーっっ!!!!』

『うわっ!?な、なんですか!?』

『白米に麻婆豆腐……ッ!!なんてことだ!未だかつてこんな料理は見たことがない……!!』

 

と叫んで、その後はなんかぶつくさ行って厨房の中に入っていって、恐らくその店員はすぐに新作に取り掛かったんだろう

その後に麻婆丼を一口食べてオレはこう言っちゃったんだ

 

『……美味いが、惜しいな……』

『なにが惜しいのですか?』

『ああ、オレも麻婆豆腐を作るんだけどな。せっかく美味いものがひとつ下がっているようで勿体ないって思っただけだよ』

『それはどういう意味だ?』

 

そこにはさっき閃いてたおっちゃんとは違ったちょっと強面のおっちゃんがいたんだ

オレの一言に偉く反応しててな

 

『味付け、火の加減はどれも完璧で材料も良質のものを使っている、料理をしているオレにはわかる。けれど一つだけ惜しい部分があった、ただそれだけだ』

『なに!?俺はこの道一筋三十年!そしてこの麻婆豆腐が出来たのだ!これ以上の麻婆などない!』

 

そう、このおっちゃんこれ以上の麻婆はないと言ったんだ

料理で常に高みを目指そうとしてるオレからしたらむっとなってしまってな

 

『でもオレはその惜しい部分に気がついた。そこを改善した麻婆豆腐ならこの麻婆豆腐なら越えられるが』

 

とつい喧嘩腰口調を……

うちの両親が麻婆豆腐があまり好みじゃなくなんか嫌がってな

理由は母さんの兄弟子の神父……あー、神父っていうのは人々の悩みを聞いたり結婚式や葬式を執り行ったりする人のことを言うんだが、とりあえずオレの国にそういう人がいるってだけでいいよ

今はもう亡くなっててよくわからないんだけどとりあえずその人が関わってるとかで苦手らしくてな

それでそれを払拭するために、オレは上手い麻婆豆腐を作り上げるためにたくさん練習し、両親に麻婆豆腐を食べさせることが出来たんだ

 

『ほう!ならばここで作って貰おうじゃないか!」 』

『わかった。ただ材料はこっちで用意させてもらう、調味料はこの店のでいいよ。味付けは同じ方がいいだろ?』

『いいだろう。日にちはこちらで指定する。いいな!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけなんだ」

「やっぱり面白い話じゃない。水の事は後で場所を教えるわ、その代わり私も審査に出させなさい」

「オレは構わないが、華琳も忙しいんじゃ」

「お昼に対決するのでしょ?ならばその日の昼食にさせてもらうわ」

「わかった。ならその日はお腹を空かせておいてくれ」

 

水は確保っと。それに華琳も食べに来るのか

華琳の元に仕えてる者として、負けて主の顔に泥を塗る訳にはいかないからな

絶対に負けられない戦いになるか、元からオレは料理に関しては誰にも負けたくないけどな

次は材料だから……あそこ行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貂蝉、いるか?」

「あらぁん、正騎ちゃんいらっしゃぁ〜い♡」

 

感覚が麻痺してるのかこいつのクネクネしながらのウインクにも動じなくなってしまった

 

「ああ、急で悪いが麻婆豆腐で使うものって一式揃ってるか?調味料はなくていい」

「となるとひき肉とか香味野菜かしら?」

「そうだな、そこら辺あるならすぐ買いたい。ちょっと麻婆豆腐の味での対決することになったからオレが知る限りの最高品質となるとここだからな」

「嬉しいわぁ〜♡待っててねぇん、今から揃えるわぁん!」

「頼む。この世界のだと使い勝手が違うかもしれなくて練習して試したいから多めに頼む。材料余ったら他の料理に使えばいいだけだからな」

 

これで水、材料は揃った

戻ったら麻婆豆腐作りの練習しておくか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日がやってきた

やってきたのはいいんだけど

 

「この人だかりはなんでだ!しかもお店じゃなく特設の厨房になってるし!」

「それなら簡単に説明できるわよ」

「桂花に栄華も来たのか?」

「ええ、今日のことを知らない人は少ないと思いますわよ。わたくしはこの厨房を作るのは反対しましたが、衛宮さんの料理をより良くできるとお姉様に仰られたので。通行人を妨害せず、見世物がちゃんと見れるようにするのは大変でしたわ」

 

華琳何言ってくれてるんだ

余計プレッシャーがかかったじゃないか

まあこれぐらいのプレッシャーで負けるようじゃ一流の料理人は目指せられない

それから栄華にはこういうことで迷惑かけてそうだし、せめて美味いもの食べて元気になってもらおう

 

「それで理由だけれど、一つはあの店の評判よ。あんたが行った時も繁盛していたでしょ?それだけあの店は人気ってことなのよ。そして二つ目にあんただからよ」

「オレ?」

「そ、あんたのことを知らないなんて人はおそらくこの街にいないと思うわ。警備隊として街の治安を守り、常に人助けをしてきたもの。それに街の民と仲が良く、気さくに話せるからあんたに助けられた人なんて一人や二人なんかじゃないってことよ。そんなあんたにみんな期待してるってことだわ」

 

いつの間にかオレはそんな感じになれてたのか

みんなからの期待か、悪くない。むしろ今日はいつも以上に美味いものが作れそうだ

 

「それと、最大の理由はこれですわ」

 

栄華が見せてきたのは木札?

桂花も持ってるようだけど

 

《勝者特製麻婆豆腐販売券》

 

ってなんだよこれ!

 

「……これを作ったのは?」

「確か真桜さんでしたわ。今回の勝者の麻婆豆腐こそ、この街で1番だろうからみんなに知ってもらいたいと仰って販売しておりましたわ」

「私はあんたの料理が負けるとは思わないから買ったわ。負けて今までの信用失うんじゃないわよ」

「もちろん、2人も期待して待っていてくれ」

 

2人と別れ、厨房の材料確認をする

うん、どれも良質なものだ。さすが貂蝉

華琳から教えてもらった水で作った豆腐はまさに水が命と言えるような美味しさにできた

さて、そろそろ時間かな。ついに料理対決が始まる

 

「さぁー!いよいよこの時が来ましたぁ〜!大人気料理店の料理人対皆さんご存知、困ったことがあったらお任せ!衛宮正騎の料理対決や〜!」

「ちょっと待て待て!!何やってんだ真桜!!」

「何って司会や。料理対決っていう面白いことがあるんわかってんのに、何もしない方がおかしいやろ」

 

何もしなくていいんだが……

関西弁喋るからそういう血が騒ぐのか?

 

「司会はウチ、李典がお送りするで!審査委員はウチを入れて6人!まずはコチラ!ウチと同じ警備隊から、于禁と楽進!」

「よろしくなの〜♪」

「どれほど辛いのが出てくるのか……」

 

ちゃんと司会やってるし、真名じゃなくて名前で紹介してるあたりガチでやってるな

沙和はいつも通りとして、凪はまた辛いの求めてるな。麻婆豆腐は辛いものもあるし、審査終わったら何故かあるデスソースでも入れてあげるか

 

「次はこの子!最近副隊長のお付き人と化してる司馬懿!」

「そんな、お付き合いだなんて……コホン、正騎さまを応援したいところですが、審査員という立場上公平に審査致しますのでよろしくお願いいたします」

 

何かいいように聞き間違えてないか?

お付き人って従者の事だよな、なのにその部分聞いて顔を赤くしたんだが

 

「さー次はこの方!この街の警備隊隊長、北郷一刀!」

「よ、よろしく」

 

慣れてないのか、ちょっと引きつってる感じがしている

学生が人前に出るのって表彰式とかそういういい成績出した人だけど一刀そういうのなかったのかな

 

「最後は急遽参加してくださった我らの主、曹操さまー!」

「そ、曹操様にもお越しいただけるなんて恐れ多いです」

「私のことはただ偶然選ばれてこの場所のいる普通の客と思いなさい。2人の腕前、楽しみにしているわ」

「ありがとうございました〜!さてさっそく行きましょかー!料理対決始め!」

 

最後雑だなおい

真桜のペースに流されず、自分のペースで麻婆豆腐を作らなければ

まずは香辛野菜をみじん切りにし、弱火で炒める。炒め油に香りを移すんだ

その後はひき肉を入れ、パラバラの状態になるまでしっかり炒める

この時代にひき肉なんてあるかわからないけど、あるものは使って美味いものを作ろう

 

「両者共に手際よく調理しております!何の工程をしてるのかは分かりませんが、いい匂いが漂っとります!」

 

わからないのに実況してんのか

さて、続きといこう

次に調味料を加え、炒めたら湯切りをしていた豆腐を加える

豆腐に調味スープが馴染んできたら……砂糖をほんの少しだけ

後は全体を炒め、水溶き片栗粉を少しずつ加えて豆腐の表面にうっすら油が浮いてきたら……

 

「よし、完成だ!」

「こちらも出来た」

 

審査員6人の前にふたつの麻婆豆腐を並べる

オレは挑戦者だし、自信があるから後攻ということに

6人が一斉に食べ始め、一人一人コメントが出てくる

 

「お店の味と同じ、美味しいです」

「でも前食べた時より美味しいの!」

「せやな〜、これならいくらでもいけるで〜!」

「辛みもピリッと来るけど癖になるな」

「辛いのは得意ではありませんが、これならわたしでも美味しく食べられます」

「これだけのものなら繁盛するのもわかるわね」

 

と、誰もが高評価のセリフ言っていた

普通ならここで後半のオレがプレッシャーがかかるだろうが、オレは勝つ気でしかいない

 

「さぁ、次はオレの作った麻婆豆腐を実食してくれ」

 

6人が全員同時に食べ始める

コメントは……

 

「……とても美味しいです」

「すごい美味しいのー!」

「さすが副隊長!めっちゃ美味いわ!」

「こんな麻婆豆腐食べことないぞ!」

「正騎さまの手料理、いつ食べても美味しいので幸せです〜」

 

と五人は言ってくれた

さて、気になる華琳の評価は──

 

「見事ね。私もこれだけの麻婆豆腐は食べたことないわ。素材はどちらも良質、味付けは同じだけれど……そういうことね」

 

良かった、高評価を貰えたようだ

それに華琳は何が違うのかわかったようだ。さすが料理を作るにしても一流のお方だ

 

「……何故だ、腕は同じぐらい、もしくは俺の方が僅かに勝ってるはず!なのに何故、俺の麻婆豆腐の方が劣っているんだ……」

「豆腐ね、豆腐で絶対的な差が出てるわ。だからあの時湧き水のことを聞いてきたのね」

「さすが華琳。やっぱり気づくよな」

「豆腐だと?豆腐でそんなに違いがはずが」

 

これを食べさせる方がいいか

念の為に残しておいてよかった

 

「これを食べてみて貰えないか?あんたならわかるはずだ」

 

一丁の冷や奴

食べたら表情が変わったし気がついたようだな

 

「この豆腐は……」

「これはオレの手作り。豆腐は水が命と言うくらいで水によって美味しさが変わるほど。でも良質な水を探すのなんて難しい、だからあんたは水だけを疎かにしてしまったんだ」

「俺としたことが……」

「でも間違いはそれだけじゃないと思う」

「えっ?」

 

そう、豆腐のこともあるけどもう一つだけ間違いがあるんだ

 

「それはあんたがこれ以上の麻婆はない、そう言ったことだ。オレはどんなことでも限界はないと決めている。特に料理はその日に最高のものを作ったら次の日はそれを越えられるものを作るようにしている。そうしなければ食べてもらえる人達にいずれ飽きられてしまうからな」

「俺は勝手に自分の限界を決めてしまっていたのだな……」

「そういうことだ。諦めたりそこが最高だと決めてしまえばそれで終わり。だが終わりは決して見えない道だからこそ料理は奥が深い……そうじゃないのか?」

「……君には大切なことを教えて貰った、ありがとう」

「オレは器用貧乏だからな、この料理を追求していけばオレなんかあっという間に勝てなくなるだろう。さてと、次はここにいる全員分作らないとな」

 

材料も練習用に大量に買っておいたのもあってか、これなら何とかなりそうだ

足りなくなっても貂蝉に頼めば何とかなるだろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか無事に片付いてよかった

さっきの店員に豆腐の作り方も教えてあげたしよりすごい一品になるだろう

 

「正騎さま!」

「やっとお戻りになられたのですね」

「理央。それと栄華?わざわざ待っててくれたのか?」

「理央さんが一人では危ないと思いまして。こんなに可愛い子を一人で待たせるなんて危険ですわ!」

「そういうことなので栄華さまが一緒に待っててくれたのです。桂花さまはお急ぎだったのでもう戻られましたよ、それから美味しかったって仰っておりました」

「そういうことね、ありがとう栄華」

 

確かにちょっとしたときでも一人にしておくなんて危ないしな

誰かしら一緒にいれば任せられるがそうじゃない時はこの子はまだ不安がるだろう

そこら辺の配慮が足りなかったな

 

「今日の麻婆豆腐もとても美味しかったです。正騎さまの料理はいつ食べても美味しくてわたしその時はとても幸せです!」

「ええ、あの麻婆豆腐は絶品でしたわ」

「ありがとう二人とも、麻婆豆腐でもそれ以外でもいつでも作ってあげるからな」

「ふふっ、楽しみにしてますわ」

 

そう話しながら三人で城に戻って行ったんだ

たまにはこういうのも悪くはない……かな?





作者は麻婆豆腐作る時市販の元を使っているので、その材料を見つつ作り方を調べ書きました
簡略化してるので多分ちゃんとしたものに近いものしかできないと思いますが、料理描写はこのように書いていきますのでご了承お願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。