真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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32話

 

日が登り周囲が明るくなる

新しい1日がまた始まる

目を覚ました時には洛陽での戦いからまだ1日しか経っていないという

理央の応急手当と凪の氣の力によってそこそこ回復はしているが、恐らく歩いただけでも多少の痛みは出るだろう

というか、あれほど深く斬られたっていうのに結構傷が塞がってるって氣の力って凄いな

 

「正騎さま、お身体の具合はいかがですか?」

「おはよう。特に問題は無いかな、動く時は分からないけど今は傷が痛むってのもなさそうだし」

「それは良かったです。傷の治りも他の人と比べて非常にはやいですし、正騎さま達魔術師というのは凄いのですね」

「傷の治りがはやい?それってどういうことなんだ?」

「寝台にお連れして治療を始めようとしたところ既に傷が少しですが止血なされてまして。魔術のお力ではないのですか?」

「いや、オレはそんな力はないんだが……」

 

そういえばあの人が「彼女の力に感謝するんだな」って言ってたけど……彼女ってもしかしてアーサー王の事か?

アーサー王……治癒……鞘の全て遠き理想郷(アヴァロン)しか思いつかないけど、あんな星遺物オレが持ってるわけないしなんでだ?

謎は深まるばかりだ

 

「とりあえず現状も知りたいし理央、華琳の所まで案内してくれないか?もう知ってるだろうけど無事ってちゃんと報告しておきたいしさ」

「怪我人ですので寝てください……って仰っても多分抜け出しちゃいますよね。わたしが同行致します」

「ありがとう理央」

「その代わり!外に出てる間は手を握ったりとかわたしが正騎さまに触れていることが条件です!外に出るのは報告に行くためだけ、それ以外はだめですからね!」

「あ、あぁ。わかってる」

 

両手を腰に当ててまるで怒ってるかのようにオレに言ってくる

さすがにオレもこんな怪我してるんだから余計なことはしないって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

既に都の復興作業が始まってる

華琳が許可でも得てやったんだろう

 

「………の無しーっ!」

 

なんかうるさい声が聞こえるな

今のは袁紹の声だったよな

ということは向こうにみんないるのか、っと、ちょうど桂花がいるな

 

「……怪我人がなんでうろついてるのよ」

「一応無理はしないのと、理央の同伴でならということでな」

「いつ抜け出されるかわかりませんし、手当てをしたわたしが付きますから」

「勝手に動き回って下手にくたばるんじゃないわよ」

 

やっぱりちょっと怒ってるかな

でも、これだけはすぐに伝えないといけない気がしたから

 

「桂花、昨日の話でいろいろ考えたんだけど答えは見つけたよ」

「そう、なら聞かせなさい。あんたの答え」

 

オレが見つけた答え

オレのなるべき正義の味方、守るもの

それは──

 

「オレは、オレが手の届く範囲や親しい人、縁ができた人を助けるのは変わらない。でもその人たちの元にオレもいたい、みんなと一緒にいたいんだ。オレが生きて、みんなも生きる。約束する、これからは自分も含めてみんなを助けてみせる」

「そう、約束したからには私たちを守ってみせなさいよね。それと、約束を破ったら許さないんだから!」

 

強く言ってるが、口元が笑っているように見える

信頼されてるんだろう

 

「あぁ、これからはもう大丈夫だから」

「それから華琳さまに会う時は覚悟しておきなさい」

「……やっぱり怒って?」

「これまでの行いをわかっているのならわかるはずよ。華琳さまはすぐそこだから怒られてる様子見させてもらうわね」

「楽しまないでくれよ……理央、行こっか」

 

案の定予想はしていたけれども……

華琳に怒られるのは正直怖い、けど主にちゃんと報告はしないといけないしここは覚悟を決めていくか!

 

「正騎!あなた起きて大丈夫なの?」

 

って早速居たんだが

ヤバい、まだ心の準備ができていないぞ

 

「正兄ちゃん!もう大丈夫なの?」

「あの傷なのですから出歩いてはダメですよ!」

 

この二人には目の前でやられちゃったもんな

あの時はやらかしたゃったし本当にカッコ悪かったよな

 

「今は歩いてるだけだし、理央も付いてるから大丈夫だよ」

「あなたは無理をしすぎよ、これに懲りたらもう少し考えて行動なさい」

「もう答えは見つけたから、こんな失敗はもうしないよ」

「──そうね、顔つきが変わって見えるわ。今回の戦いで学んだことが多いようね、なら何も言わないでおいてあげるわ。ただし……次はわかっているわよね?」

「は、はい……!」

 

にっこりと眩しい笑顔から感じる覇気が凄い……!

これは本当に次はないって思わないとな

 

「正騎、呂布と戦ったんだよな。あまり無茶な行動はやめてくれよ?大切な友達なんだから、いなくなったら辛いだろ」

「悪かったよ一刀、でもこれからはもう平気だから。それより当分警備隊の仕事は任せっきりになっちゃうな」

「バカ、そんな心配するなよ。お前がいない穴ぐらいこっちで何とかしてやるから、正騎はちゃんと体を治すんだぞ」

「ああ、わかってるさ」

 

書類ぐらいなら出来るかもだけどまずは体が治らないことには何も出来ないもんな

華佗が見つかればいいんだけど

 

「正騎さま!警備隊の仕事なんて完治するまで絶対にさせませんからね!怪我が治るまでわたしはずっとおそばに付いていますよ?」

「はは、そうだね。今ぐらいは甘えさせてもらうよ」

「華琳さま!!」

「ここにいらっしゃいましたか。華琳さま」

 

良かった、春蘭と秋蘭もなんともなさそう

これであそこにいたみんなは助けられたことがわかった

あとはこの傷を癒すだけか

 

「それと、華琳さまに会わせたい輩が……」

「…………どもー」

 

あの人は張遼だよな?

確か春蘭が戦ってたビジョンが見えたけどここにいるってことは何事もなく勝ったんだな

 

「ご覧の通り、春蘭には何事もありませんよ」

「あぁ、本当にありがとう星。星が居てくれたから何事もなくすんだ」

「何事もなく?それは違いますな。あなたは自分がどうなったかもうお忘れですか?」

「あっ、いやその……ごめん。次は無い。もし同じ状況になってもその時は今よりも強くなって、星と共に乗り越えてやる」

「いいでしょう。この私の槍、あなたの進む道と共に振るいます」

 

またいつか呂布と戦う時が来るはず

その時は勝つとまではいかないが、今のようにはいかないようにしてやる

 

「なぁ、恋とやり合ったってのはあんたか?」

 

恋……確か呂布が自分のことをそう呼んでいたからあの子の真名ってことだよな

 

「確かにオレだけど、あれは一方的にやられたもんだよ」

「ふーん。余り強く見えへんけど、よう生き残ってたなあ」

「だが呂布に手傷を負わせたって聞いたぞ。さすがは私の弟子だ!」

「よくやったかわからないけど……ってオレ春蘭の弟子なの?」

「聞き捨てならんな。正騎殿を鍛え上げたのは私だ」

「私の方が強くしてるぞ!剣という同じ武器を使ってるしな!」

「ではここは正騎殿に聞こうではないか」

「えっ!?」

 

星と春蘭がこっちを見てくる

オレがここまで戦えるようになったのはもちろん2人とよく鍛錬してきたってのが大きいけど……これはどう答えようか……

いや、この2人だったらこう答えれるじゃないか

 

「師匠と呼ぶんだったら春蘭になるかもな。星は師というより相棒って言った方がオレには合うと思ってる」

「ふむ、そちらの方がより身近に感じられる。私としてもそちらの方が喜ばしいです」

「よく分からんが、私が師匠ってことだな!」

「話を聞く限りまだ成長途中っちゅうことやな。なら怪我が治ったらウチとも稽古含め手合わせ願うわ」

「実力者と戦えるのはオレも経験になるしありがたいよ。その時はよろしく」

 

張遼はここにいるみんなとはまた違った実力があるはず

いろんな人の技を盗めるからオレもまだまだ成長できそうだ

桂花とした約束を守るため、怪我が治ったらもっと頑張らないとな

 

こうして、反董卓連合軍の戦いは終わった

董卓さんは遺体が見つからず行方不明らしいけどきっと生きているはず

この戦いでオレはようやく自分の正義の味方を見つけることが出来た

失敗はしたけど、自分を見つけることが出来た大きな成長の出来事だったな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、陳留に戻ったオレたちは、玉座の間に集められて軍議に参加していた

今回は恩賞、そして新たに軍に入ることとなった張遼、霞の紹介というものだった

 

「今回の軍議は以上、いや、ひとつ言い忘れてたわね。正騎」

「ん?何だ?」

「あなたは今日からしばらく警備隊を離れ桂花の補佐に付きなさい。もちろん、理央も一緒にね」

「もしかして桂花からの提案か何かか?」

「えぇ。あなたはまだ無理には動けない体だわ。だけどあなたの事だから何かしてないと気が済まないだろうからって桂花から提案があったのよ」

 

確かにある程度はもう傷が治ってるけれど寝てばっかりじゃいられないからな

荷物運びとかそれぐらいなら今のオレでも手伝えるだろう

それに理央なら仕事面の方の補佐が出来るだろうし

 

「では、これで終わりのようね。春蘭」

「はっ。では、解散!」

 

軍議が終わり、1日がまた始まる

警備隊の書類仕事で頑張ろうと思ってたら軍師の桂花の補佐に

どっちでも誰かのために働けるんだし、今できることをやろう

ということは警備隊の方には当分行けそうもないし、一刀に一言言っとくか

 

「ということで悪いんだけど一刀、あとは任せた」

「ああ。よく分からないけど頑張れよ」

「正騎、何してるの?さっさと行くわよ」

「わかった。当分の間よろしく頼むな」

「あれ?そう言えば桂花はいつから正騎のこと名前で呼ぶようになったんだ?」

「そう言えばそうですね、二人の間で何かあったのではないでしょうか」

「すみません一刀さま、警備隊の方はよろしくお願いします。正騎さまがいない時の編成や近況をまとめたものがこちらになりますので参考にしてください。あっ、お二人共待ってください!」

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