真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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33話

 

「ん……もう朝か……」

 

洛陽での戦いから少したって変わったことが幾つかある

一つは仕事の変化

これは怪我が治るまでだな。それに書類を運んだり、資料を探したり

ただ桂花や理央にお茶を入れてあげたりとかの方が多い

いきなり警備隊以外の政務とかわからないんだから

二つめは──

 

「すぅ……すぅ……」

 

いま隣で可愛らしい寝顔で寝てる理央だ

出会った数日は一緒に寝ていたが、今は個室で寝てたけどまた一緒にいる

なんで隣で寝てるかというと

 

「怪我が完全に治るまで正騎さまのお世話を致します!」

 

って言ってきたんだ

無理をしない範囲でなら動けるし必要ないって言ったんだけどそしたら

 

「必要ないのですか……、ならもう生きる必要なんてないから命を絶って……」

 

なんて脅しをかけてきたんだ

そりゃもうやってもらうとしか言えなかったよ

でもいいよって言った時の笑顔はとても眩しかった

そういや昨日魔術の鍛錬をするときに

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

「魔術の鍛錬を行っても大丈夫なのですか?」

「あぁ。これは基本動かないで体内の魔術回路に魔力を通して使うだけだから」

 

といつも通りに鍛錬をしようとしたんだ

そしたら

 

〈ピロン♪ピロン♪〉

 

とタイミング悪く携帯がなったんだよ

 

『正騎?そっちは今どうなってるかしら?』

「ふぇ!?今どこからか女性の声が!お、お化けですか!?」

『あら?今女の子の声がした?』

 

と、この子の弱点を発覚したと同時にこの携帯の事をすっかり忘れていた

せっかくだし、理央の事を母さんに紹介したんだ

 

「ではあなたが正騎さまのお母さまでございますか!」

『えぇ、よろしくね理央。それから息子がお世話になってるわ』

「い、いえそんな!正騎さまにはいろいろと助けられたのでお世話になってるのはわたしの方です!」

『ふぅん、正騎さまねぇ』

 

絶対にニヤニヤしてる

こういう時絶対にニヤニヤしてる

 

『荀彧に司馬懿と稀代の軍師たちと過ごしてるなんて、本当凄いことよね』

「それは思っている。それとちょっと報告しなきゃいけないことがあるんだ」

 

父さんの正義の味方を目指していたところから見てきた人なんだ

母さんには報告しないと

オレがどんな正義の味方になりたいかを

 

『そう、あなたを大切に思ってくれる人を守り、正義の味方でありつつみんなといる……ね。良いと思うわ。士郎とあなたは違う、目指したいものを目指しなさい』

「うん、ありがとう母さん」

『それじゃあそろそろ時間だわ。呂布みたいな英雄に近い人と戦うなんてこれからは無茶しないこと!士郎と同じで危なっかしいんだから。理央、息子のことをよろしく頼むわね』

「は、はい!お任せ下さい!」

『それじゃあね!……生きてて良かったわ』

 

と、切れてしまった

最後の言葉はやっぱり事後報告とはいえ心配させたよな。もっと強くなんないと

 

「お義母さまに頼まれたのでちゃんとお世話なさらないとですね!」

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

となって何故か一緒に寝ることにもなってしまった

まあオレの怪我が完治するまでの間だし、特に何が起きる訳じゃないからいいか

 

「んん……正騎さまぁ、おはようございます……」

「おはよう、よく眠れた?」

「正騎さまがお隣にいたのでよく眠れましたよ……ふぁ~……」

 

寝起きだから可愛らしいあくびをしてる

思わず頭を撫でてしまう

 

「さ、身支度整えてご飯食べてから仕事に行こう」

 

 

 

 

 

 

 

さて、仕事だ。なんて張りきるけど

 

「正騎、一番上の棚にこれに関係する資料があるわ。取ってもらえるかしら?」

「正騎さま、こちらに記したものを用意して頂きたいです」

 

などとだいたい雑用っぽいこと

でもオレは頭なんか良くないからこういうことはよくわからない

警備隊についてはある程度経験してるのと人助けの経験から書類は出来るが、内政ってなるとさすがにオレじゃ頼りないからな

代わりに理央がよく働いてくれてる

まぁ足を引っ張るよりこっちの方が性に合うからいいんだけど

 

気がつけば仕事して数時間

一言言って厨房に行き、休まるようにお茶を入れる

休憩用に何かしてあげるのも雑用の仕事だ

 

「ほんと喉が乾いた時に出してくるから気が利くわね」

「時間と顔色とかで判断してるからな。それにこれぐらいしか出来ないし」

 

なんか警備隊副隊長から執事に変わった気がする

でもしっくりくるのはなんでだ?

 

 

 

 

 

 

 

なんだかんだでこんな一日になってる

さて、そろそろ夕飯の時間か

 

「そろそろ厨房に行くけど今日二人は何食べたい?」

「えっと、すみませんがわたしは今日夕ご飯は大丈夫です。シャンちゃんと約束があるので」

「シャンちゃん……ああ、香風のことか。他のみんなはさま呼びだけど香風は違うんだ」

「はい。わたしはシャンちゃん、シャンちゃんはりーちゃんと呼び合っていましてわたしにとって一番の仲です!」

 

そうか、みんなとも仲良くやってるけど香風とは特に仲良くやってるんだ

 

「わかった、けど香風と一緒といっても夜は危ないから遅くならないうちに戻ってくるんだぞ?」

「もちろんです。それでは夜にお部屋に行きますので!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桂花は書類や今日の仕事の最後のまとめをするということで先に厨房にて料理をする

今日は焼き餃子に焼売、後は白米と中華料理屋だとよくあるメニューだな

そういやこっちに戻ってきてからあのお店に出向いてないや

なんか新しいもの入荷してそうだし近いうちに出向いてみるか

 

そういや焼き餃子でも大丈夫かな?

水餃子が普通なだけで焼き餃子のお店もあるんだし大丈夫だろ

確か聞いた話だと柳琳が和食作ったとか一刀が言ってたよな

それに中華といえばエビチリなんかもせっかくだし作ってみたい

貂蝉たちに頼んで醤油とかソースなどいろいろ使う調味料準備してもらうか

さて、あとは焼売は蒸すだけ

餃子は焼くだけだ

 

「もう出来たかしら?」

「すぐできるからもうちょっとだけ待っててくれるか?」

「いいわよ、少しの空腹は調味料だっていうことを聞いたことあるし」

 

オレも聞いたことあるし、料理している時に少しだけ腹を空かせる時間を作ったりしていることもある

 

「さ、お待たせ。出来たよ」

 

厨房の中にあるテーブルに料理を並べる

ここはオレがよく使うし、みんなにご飯振る舞いつつ食べれるように専用のテーブルを作っておいた

サイズ的に2~3人で食べれるぐらいかな

主にオレ1人の時か理央と一緒にってぐらいだし

 

「白米と焼売……それに焼き餃子ね」

「水餃子の方が良かった?」

「そういうわけじゃないわ、ただあまり食べないから珍しいと思って」

「さて、それじゃあ」

「「いただきます」」

 

焼き加減も良いし、パリっとした食感もちゃんと出来てる

こっちに来て中華作る機会多いからな、自然と上手くなったんだろう

 

「さっき理央が夜に部屋に行くって言ってたけどどういう意味よ」

「へっ!?あれは理央がなんか一緒に寝たいなんて言ってるからで、別にやましい意味はないぞ!?」

「その慌てようなら本当のようね」

 

全く、変な誤解を生みそうなところだったよ

 

「それにしても久しぶりね、こうして二人でご飯を食べるなんて」

「あぁ、そうだな。確かオムライスを作ってあげたんだっけ」

 

時期的には黄巾の乱の真っ最中

あれからもうそんなに経ったのか

この世界に来てから随分の時間が経ってるんだな

 

「あんたと出会ってから、もうずいぶん経ったものね」

「そうだな、もうかなり前のように思えるよ」

「初めてあった時は、男が何話しかけてるのって思ったのにそいつが家に居候して、今ではこうしているものね。あの時は空っぽだったくせに、今じゃそれなりにマシになったわね」

「……そんなに酷かった?」

「そうよ、人のためなら自分の命を差し出すように見えたり、人として壊れてるように思えたりで相当酷かったわよ」

 

そんな風に思われてたのか

やっぱりいろいろな経験をしてきて、あの戦いを得たからこそ少しは成長出来たってことか

 

「ごちそうさま、いつも通り美味しかったわよ」

「へっ?あぁ、うん、ありがとう。普通に感想言うなんて何かあった?」

「別にそんなんじゃないわよ。あんたにはそれだけ普通に接してもいいと思ってるからよ。それじゃまた明日ね」

「あぁ、また明日。おやすみ」

 

出会った時はいろいろ言われてたのに今じゃ余り言われないからな

それだけ仲良くなれてるってことか

でも一刀に対しては余り変わらないけどどうしてだろ

でも話はしてるんだし気にすることじゃないか

 

 

 

 

 

 

 

あとは魔術の鍛錬を少しして寝るだけか

体の方もだいぶ良くなってきたし、これならあと数日で戦えるようになるかな

 

「正騎さま、失礼しますね」

「おかえり、楽しかった?」

「はい!いろいろお話出来たしとっても楽しかったです!」

 

良かった

この子も今ではすっかり明るい子になってる

今度香風にお礼を言わないとな

 

「それより正騎さまは桂花さまと何かありましたか?」

「何か?なんのこと?特に何も無いが」

「そんな……二人きりにさせてあげましたのに何もなかったのですか!?」

「うん、一緒にご飯食べてお話しただけだけど?」

 

いつもの流れだからそんなものじゃないのか?

何を期待してたんだろう

 

「……正騎さまも桂花さまもなかなか動かないですね。お二人共恐らく自分の気持ちにも気付いてなさそうですし、正騎さまはこの様子だから桂花さまを動かすしかないですか……」

「どうしたの?何か独り言言ってるけど」

「いえ!なんでもありませんよ!」

 

おかしな理央だな

何か困ってるとか……じゃないか

 

「それより正騎さま、もうおやすみになられますか?」

「いや、今から魔術の鍛錬だよ」

「わかりました。ではわたしも起きてご一緒しますね」

 

さて、始めるとしますか

常に最強の武器をイメージするんだ

 

「──投影、開始(トレース・オン)

 

干将・莫耶を手元に投影する

呂布との戦いを思い出す

あの子は強化し、かなりの強度を誇るオレの投影武器をいとも容易く壊していた

だからあれよりも固く、斬れ味が良い武器を基準にして作らなければ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、こんなところか

そろそろ寝るかな

 

「……んにゅ……終わりになりましたか?」

「ごめん、眠かったよね。今終わったから寝ようか」

 

この子は寝起きはちょっと弱く夜は遅くまで起きられないからまるで子供みたいだ

 

「正騎さま、おやすみ……なさい……」

「うん、おやすみ」

 

さ、オレも寝ますか

明日からも忙しい、けれども生きる楽しみがある日々が続くんだからな

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