真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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38話

 

昨日とうとう桂花と恋人になった

けどそれで仕事が疎かになったら桂花に合わす顔がないからな

いつも通り、いや、いつもより気合い入れていかないと

 

「解散の前に、桂花と正騎は少し残りなさい。聞きたいことがあるわ」

 

と、華琳に言われた。桂花との事だろう

でも普段通りにしてたのになんで気づけたんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの……、華琳さま。聞きたいこととは」

「話を聞く前に、正騎。身体はもう大丈夫なのよね?」

「ああ。今日からは鍛錬するつもりだし、警備隊にも近々復帰するつもりだ」

「そう、なら良かったわ。それじゃあ隠し事を聞かせてもらえるかしら?」

 

とか言いながらニヤニヤしてる華琳

これ絶対気づいているよな

 

「いやっ、そのっ、隠し事なんて!」

「落ち着いて桂花。一応聞いてみるけど、なんのことかわかってる?」

「さあ?わからないからこうして聞いているのよ」

 

その顔は説得力がないって

華琳に言ったところでどうこうなる訳ないから正直に言うか

もしダメと言われても気持ちは変わらないけど

 

「別に隠し事って訳じゃないから話す、というか時期を見て話すつもりだった。オレたちは昨日から恋人になったんだ」

「やはりね……正騎、桂花を大切にする覚悟はあるのかしら?」

 

華琳から凄い威圧を感じる

返答次第ではすぐに殺されそうな勢いだ

けど、今のオレはその威圧さえもひるまない

だって答えはひとつしかないんだから

 

「あるに決まってる、桂花はオレにとっての生きる道を示してくれる人。桂花がいなくなればオレは生きる意味もなくなる。それくらいオレは桂花を大切に思ってるし、好きなんだ。いずれは夫婦にもなるつもりだし」

 

これが今のオレの答え

きっとこれからもずっと隣にいればもっと好きになるだろう

 

「……だそうよ?桂花?」

 

威圧が消えた

華琳が認めるような答えは出来たってことかな

桂花の方を見ると

 

「〜〜〜っ!!!」

 

顔を真っ赤にして声にならない叫び声をだしてる

人って恥ずかしい気持ちでいっぱいになるとこうなるんだな

 

「正騎なら桂花を泣かせる事はないから任せられるわね。けど心配はたくさんかけられそになると思うけれど」

「はい……、いつ無茶をするかわかりませんから」

 

うっ……前科があるからな。何も言えない

そこはこれからの行動で示さないと

 

「ともかく、私はあなた達を祝福するわ。おめでとう、桂花、正騎」

「ありがとう」

「ありがとうございます!華琳さま!」

 

こう祝福されると嬉しいな

しかも相手は華琳からだからなおさらだ

 

「要件はそれだけよ。聞けるものは聞けたし良かったわ。それと正騎、完治したんだからこれからは無茶はするんじゃないわよ?」

「わかってるよ。いくら治ったとはいえ無茶してまた怪我人生活を送るわけにはいかないからね」

 

そんなことしたらまた桂花に心配をさせてしまう

 

「そう、分かってるならいいわ。二人とも下がっていいわよ」

「わかった、それじゃあオレたちはいくな」

「失礼しました、華琳さま」

 

と、ようやく玉座の間から出れた

さて、今日は久しぶりに稽古だ。思いっきり身体を動かすとしますか

 

「あなた何言ってるのよ!」

「ちょっ、痛い!何って君を大切にするかって聞かれたからそれを答えただけだろ!」

「だからってあそこまで言うとは思わなかったわよ!隣であんな事言われればああなっちゃうでしょ馬鹿!」

「つまり、照れ隠しか?」

 

あの時の桂花とってもかわいかったもんな

本人からしたら隠したくなるのもわかるよ

 

「うるさい!」

「悪かったって!そんなに怒るなよ!」

「まったく、今回は華琳さまの前だから仕方なかったけれど、他の人の前ではその……あ、ああいうこと言うんじゃないわよ!?」

「わかったよ、そういうことはいつも桂花に直接言うからさ」

 

想いはちゃんと口にしないとわからないってこともあるからな

 

「それならいいけど……、あんまり多くは言わないでよね?嬉しいけど恥ずかしいから」

 

約束事がまた増えた?のかな

世の中には褒め殺しなんてのもあるんだし程よくって感じがいいのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからオレは春蘭とさっそく手合わせをすることに

他には星と霞がここにいる

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

両手に干将・莫耶を持ち、春蘭の攻撃を防ぎ、あるいは避けている

攻める時は一瞬。それ以外は防御に徹して相手の動きを見極める

 

「どうした!怪我で身体が鈍って攻めれないのか!」

「まさか!」

 

相手のペースには乗らない

一瞬の攻撃で勝利を手繰り寄せる。こうしなければこの世界でオレが戦うには他には弓で遠距離だけだ

春蘭と本気で打ち合い、夫婦剣が甲高い音を立てて壊れる

すぐさまに投影し、武器がない状態を作らない

思えば投影のスピードもかなり上がった

 

「はああああっ!!!」

 

春蘭の一撃を受け止め、夫婦剣を弾き飛ばされる

 

「貰ったぁぁ!!!」

投影、開始(トレース・オン)

 

もう一度手元に干将・莫耶を

そして手元に干将・莫耶があるから、空中にあった干将・莫耶が磁石のようにこちらに戻ってくる

 

鶴翼二連(かくよくにれん)!!」

 

前後からの二重攻撃

鶴翼三連とは違い抜け道はあるが相手の動き方によって次手を決めることが出来る

これで一撃を──

 

「せぇやぁぁぁぁぁ!!!」

 

嘘だろ、春蘭のやつ剣を後ろから大きく振りかざして背後の剣を壊しつつ攻撃してきやがった

背後を見てないけど、ただの戦闘本能で動いたのか?

その一撃は重すぎて、両手の武器は壊され膝をついてしまった

 

「わたしの勝ちだな」

「負けたかぁ……。よくもまぁあんな方法で背後の剣を壊したよ」

「なんか後ろから来ると感じたから大きく振ったが、弾き飛ばした剣が戻ってきてたのか」

「やっぱり見て判断したとかじゃなかったのか……」

 

生まれながらの才能だろうからオレもそこまで技を増やそうとは思わない

だけど経験で技術を身につけ本当に強くなった人だっている

オレはそういう人を目指せばいいだけだ

 

「では正騎殿、次は私が稽古つけて差し上げしょう」

「ちょいまち、次はウチと手合わせしてもらうで」

「霞か。ふむ、確かに正騎殿の経験を増やすにはまだ手合わせしてない霞が良いかもしれんな」

 

確かに、春蘭と星、霞じゃ戦い方も違うはず

相手を変えてこそわかる事もあるし経験にもなる

 

「じゃあ霞、手合わせ願うよ。前は怪我してて出来なかったしな」

「よっしゃ!準備がええならすぐ始めるで!」

「大丈夫、今すぐ始められる」

 

干将・莫耶を投影し、手元に構える

霞はどんな戦闘スタイルかわからないから守りに徹していつも以上に相手を見ておかなければ

 

「ほな、行くで!」

 

霞が真っ直ぐ突っ込んでくる

その一撃を受け止める

春蘭よりは軽いがそれでも一撃は強い

弾き、後方へ下がる

干将を前に、莫耶を上へ弧を描くように投げる

上へ投げた莫耶が干将と重力に引き寄せられ、前と上からの二段攻撃

 

「そんなもん通用せえへんで!」

 

霞は干将を弾いた

それを予測してもう一回投影し、霞に斬り掛かる

 

「同じ武器が手元にある、なるほど。それが正騎の魔術っていうやつやな」

 

それを受け止められた

こんなので倒せるとは思ってなかったから想定内だ

勝負は始まったばかり

昔と違い、ここですぐやられるような奴にはなってない!

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

正騎と別れた後も少し顔が赤かったのがわかった

華琳さまの前で言ってたことがとても嬉しく、正騎と恋人になれたんだって改めて思った

 

「変な感覚ね。一言一言に意識しちゃうなんて」

 

正騎はそういうことは私の前でしか言わないって言ってくれた

その時が待ち遠しくてたまらないなんて

私もかなり変わっちゃったわね

 

「桂花さま」

「……理央」

 

この子がいたからこそ今の私になれたのね

 

「正騎さまとお付き合いなされたんですね、おめでとうございます!」

「そうなるようにしたのはあなたでしょ。でも……、感謝してるわ。それと星にも」

「星さまののとお気づきになっていらっしゃったのですか?」

「初めて会った時から正騎のことを狙っていたからさすがにわかっていたわ。ただ、正騎の気持ちを優先したから遠回しにするような言い方をしたりしてたんでしょうね」

 

旅もしていたんだし、私とは違っていつも仲良さそうにしていた

星が本気で思いを伝えていたら多分あの二人が結ばれていたはず……

でも星はそんなことしなかった。正騎が私の事を他のみんなとは違う、特別なように見えていたから

 

「……正騎さまは桂花さまを幸せにしてくれるはずです。だから桂花さまも正騎さまを幸せにしてあげないとダメですからね?」

「わかってるわ、少しづつでも彼と幸せになるわよ」

 

そうじゃないと私たちの背中を押してくれたこの子と星に申し訳が立たないわ

 

「あれ、あれは正騎さまと霞さま?手合わせ中のようですね」

 

無茶をしないと言ったそばからさっそく手合わせしてるなんて、この先が思いやられるわね

でも、戦ってるその姿がとてもカッコよく見えちゃうんだもの

それに私から見ても前と動きが違うのがわかる。華琳さまや私のために強くなってくれているのね

もっと見てたいとも思ってしまったわ

 

「せっかくですので近くで見ましょうよ、桂花さまのお声があれば、正騎さまももっと頑張れると思いますよ?」

「そうよ桂花、せっかく恋仲になれたのだもの。桂花の声があればより強くなる、あの子はそういう子よ」

「華琳さま!いつからそこに!?」

 

まさか華琳さまが近づいていたのがわからなかったなんて

どれだけ見入ってたのよ私は!なんか恥ずかしいわね……

 

「華琳さまはお二人がお付き合いなさったことご存知だったのですね」

「二人の雰囲気が違ったもの、何かあったのはすぐわかったわ。理央は正騎のすぐ近くにいるからいちはやく気づいてたようね」

「気づいてたというより二人の手助けをしてあげました。何かのきっかけがなければお二人共絶対に結ばれることはなかったと思いますので」

 

ほんとにお世話になったけどこう言われっぱなしだと嫌ね、何か弱みを握られたようで

 

「私も近くに行くわ、桂花は何か声をかけてあげなさい」

「そんな、華琳さままで!」

 

もう!こうなったら!

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

「最初の勢いはどないした!守りに入ってばっかやと勝てへんで!」

「くっ……」

 

長物相手は星相手しか経験がないからやりずらい

しかもこっちは星のような速さ重視じゃなく春蘭や香風に近い気がする

霞の偃月刀を弾いて距離をとる

さっきよりは動きがわかってきた。後はどう動いて攻撃していくか……

 

「正騎!!」

 

桂花?いつ見に来てたんだろう

それに華琳と理央もいるし

 

「無様な姿を見せないで、私の前ぐらいは霞に勝ちなさいよ!!」

 

────まったく、無茶言ってくれるよ

でもものすごく、力が出てくる気がする

 

「口角が緩んでるで、桂花の声援がそんなに嬉しいんか?」

「ああ、とっても嬉しいさ。桂花から一言があるかないかで随分と変われる。────体は剣で出来ている」

 

無限の剣製の一節目を言う。ただの言霊だが、この言葉を言うとより武器から情報を得られる

干将・莫耶から情報を読み取る

今まで使ってた剣技、鶴翼三連以外の使い方を使う

それは強化し、性能を引き上げるもの

 

「────投影、装填(トリガー・オフ)

 

干将・莫耶を強化し、刀身を伸ばし、宝具のランクを引き上げる

そのまま身体を魔術で強化し、一気に近づく

ここからは、守りじゃなくて攻めだ

 

「なっ!さっきと全然ちゃうやないか!」

 

弾かれるのを利用し、上へ飛び、干将・莫耶を投げつける

距離をとったらもう一度双剣を投影し、魔力を込めて全力で投擲する

 

「────心技、泰山ニ至リ(ちからやまをぬき)

「ちっ、やかましいわ!」

 

投擲した二本で互いを弾く

弾かなければこの攻撃は始まらない

避けられるか、そのまま喰らえばそこで止まってしまうからだ

もう一度投影、手元に武器を出す

 

「────心技黄河ヲ渡ル(つるぎみずをわかつ)

 

手元の二本を投擲し

四方から攻撃し、回避不能の状況を作る

さらにもう一度投影、今度は宝具を強化した状態で投影する

四方からの投擲、そこから一気に畳み込む

 

鶴翼三連(かくよくさんれん)!!!」

 

呂布との時と違い、制度、タイミング、威力が全てを上回っていた

回避不能の必殺技。未熟だったオレですら呂布に手傷を負わせることのできたこの剣技を今のオレが使ったんだから、そう破ることは出来ない

 

「勝負あったわね」

 

華琳のその声でわかった

霞との手合わせで勝てた

魔術というオレだけの力を最大限に活かし、霞はオレのことを知らないからこその結果だ

次は上手くは行かないだろう

けれど……確実に強なってる

 

「ウチの負けか、これは恋とやりあえたのも納得いくわ」

「次は負けると思うよ、今回は無我夢中になれたからな。でも次やる時はもっと強くなってみせるから」

 

桂花から応援してもらったって言うのもあるから

でもあの時は魔術回路がいつもよりも多く開いてた気がするんだけどな

 

「桂花、正騎はあなたのために勝ったのよ?何かご褒美でもしてあげたらどうかしら」

「わ、わかりました。……正騎、こっち来なさい」

「あっ、うん」

 

ご褒美とか聞こえたし何かくれるんだろうか

 

 

「目をつぶりなさい」

「でもそれじゃ見えないんじゃ」

「いいからつぶりなさい!」

 

 

なんだろう

くれるんじゃなく何かしてくれるのかな?

 

「……ちゅ」

 

今唇に何か柔らかいものが当たったんだけど

でも昨日こんな感覚があったような──

えっ!もしかして!

 

「桂花、いま口づ──」

「言うな馬鹿!」

 

と言われ思いっきり蹴られた

桂花は赤くなってるし、華琳はニヤニヤしてるし霞は

 

「なんや、そういう関係やったんか、そりゃ嬉しいし強くなるわなぁ」

 

なんて言ってるし、春蘭は

 

「これはどういうことだ?なんでみんなわかったようにしてるんだ?」

 

なんて困ってる

なんかはやくこの場から抜け出したい気分だ

 

「ふむ、遂にそういう関係に。……であれば……」

 

星は星で何か思いついた様なこと言ってるけど……

 

「…………」

 

理央だけはとても切なそうな顔をしていたんだ

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