真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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43話

 

昨日の出来事からもう夜が明け、新しい日が始まってる

星が恋人……実質恋人が2人もできたのだ

幸せにはするし、平和な世界になったら夫婦になりたいとは思うが、元の時代でこれをやっていたらろくでもない男だったよな

いや、今は三国志の時代、今と昔とでは法律その他もろもろが違う。気にするなオレ

 

「正騎さま?どうかなさいましたか?」

「いや、なんでもないよ……ん?なんか騒がしいな」

「向こうの方で華侖さまと柳琳さまが揉めていらっしゃいますね」

「あれは──、うん。いつものことだな」

 

華侖があれに乗って柳琳がそれから下ろそうとしてるんだろう

というかあれはなんだ?

木製の櫓らしきもの、けれど車輪が付いている

ふむ、少し気になるな

 

「とりあえずオレたちも行ってみるか。あの華侖が乗ってるの気になるし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり大きいな

けど、なにか致命的なミスがないか?

それに警備隊のみんなが居たりと揃ってる

 

「一刀。どういう状況か聞いていいか?」

「見ての通り華侖がこれに登って、柳琳がそれを止めてるんだよ」

 

やっぱりか

まぁそれ以外考えられないな

 

「隊長ー!副隊長ー!真桜ちゃんがひどいのー!」

「ひどい?……また、何やったんだ?」

 

また何やったんだって……

真桜はどれだけ何かをやらかしてるんだよ

 

「別に何もしてへんよ」

「……凪。今日は真桜、何やったんだ?」

「ちょっ!なんでウチやのうて凪に聞くん!」

「そりゃ凪に聞けば素直に答えてくれるしな。誰だってそうするだろ」

 

まぁその酷いっていう内容がこれが何か教えてくれないって事だろうけど

 

「……で、これ何なんだ?華侖のおもちゃじゃないんだろ」

「ふっふー。見て分からへん?」

「いや、見たら大方わかった」

「副隊長ー!言うたらあかんからな!」

「えっ?あぁ、内緒にして問題形式になってるのか。じゃあ答えは黙っておくよ」

 

けれどあのミスは言った方がいいのか?

でもそうしないとどうしようもないからなぁ

かと言ってなんのために作ったのかわからないからまだ口出ししないでおくか

 

「あれが何なのかわかったのですか?」

「まぁね。いろいろな物作りをやってるからだいたい見てわかったんだ。それに理央もちょっと考えればわかると思うぞ?」

 

この子の知識はかなりのものだからな

土地、農業、兵法、工作、軍略と幅広いジャンルだから相当なものだ

史実の司馬懿とは生まれは同じだが育ちが違うから知ってる知識は多分違うだろう。だけどどちらも天才的な頭脳は持っているはず

 

「……あっ、わかりましたよ!けど、おかしい所がございませんか?」

「そこまで気付いたなんてさすが理央だ。でもそれをここで答えていいのかわからなくてな」

 

さて、作ってるのは真桜だけどその指示した人に報告でもしておくべきか

 

「……まぁいいや。けど、中庭であんまり大きなモン作ってると華琳や桂花に叱られるから、程々にな」

「叱らないわよ。私の指示で作らせているのだから。華琳さまにも許可をいただいているわ」

 

華琳から許可を貰って桂花が指示してたのか

それなら言いやすいな

 

「なぁ桂花。これについて少しいいか?」

「あら、いいわよ?正騎はよく物を作っていたりもするし、私たちが思いつかない何かいい考えでも思いついたのかしら?」

「あぁ、ごめん、いい考えとかじゃないんだ。一つだけダメな部分があってな」

「なんや。ウチの最高傑作にダメな部分があるなんて言うんか。それならハッキリ言うてや」

「それじゃハッキリ言わせてもらうが、基部でこの大きさなのに完成させたらどうやって門を通して城から出すんだ?」

「…………あ」

「はぁ……」

 

大きさのことしか考えていなくて、その後のことを考えていなかったようだな

全く、そういうところが真桜らしいんだが

 

「さすが正騎ね。どうすればいいかわかるかしら?」

「それなら後でわかりやすく設計図を書いておくよ。ある程度はここから少し解体すればオレが書く設計図の手順通りに出来るはずだ。もし上手くいかないようならその時にまた声をかけてもらえば手伝うし」

「ありがとう正騎。やっぱり頼りになるわね」

「桂花からそう言って貰えて嬉しいよ。ただこういう細かいことまで気が付かないだろうから、真桜の他にもオレにも聞いてくれると助かるよ。桂花のことだからオレの忙しさを気にしてくれたんだろ?」

「そうね。後から正騎の負担になるようじゃ意味ないものね。次からは正騎にも聞くことにするわ」

「あぁ。頼むな」

 

この子自身もものすごく忙しいというのに

オレのことを気遣ってくれてるんだよな

よし、これから頑張るか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、華侖をなんとか下ろし広間に集まってやっと軍議が始まった

 

「……呂布が見つかった?」

 

呂布……

あの時は完敗したけど、今なら多少は結果が変わるだろう

投影射出が出来たのはかなりの力になった

けれど、固有結界かバーサーカー、真名ヘラクレスの憑依経験が出来れば戦力差を一気に変えることが出来るんだが……

まだ出来ないのは仕方ない、今できることで考えよう

 

呂布は陳宮、華雄を連れて南西の小さな城にいるという

野放しにしては危険だ

けれど華琳は

 

「……今は放っておきましょう」

 

と言う

理由としては呂布がいる辺りは治安が悪く、南蛮の動きもあるから何をするにしても、しばらくは動けないと予測してるため

今は監視だけに留めることになった

 

「それに今はもっと警戒すべき相手がいるわ。秋蘭、情報は集まっている?」

「はっ。先日の袁紹と公孫瓚の争いですが……予想通り、袁紹が勝ちました。公孫瓚は徐州の劉備の所に落ち延びたようです」

 

そうか、劉備さんが徐州を治めてるのか

あの人の考えとオレの考えは違う

あの時言った理想を抱いて溺死する覚悟……

あの人は何か気がついてくれたのだろうか

それに憶測だけど、あの人は今天子様と董卓さんを連れているという

 

「……さて。随分話が逸れたわね。何の話だったかしら?」

「はい。南皮の袁紹が、公孫瓚を破った話です」

「袁紹は青州や并州にも勢力を伸ばし、河北四州をほぼ手中に納めてます。もはやこれ以上は進めませんから、後は南へ下るだけかと」

 

北は北狄の地、オレらが住めない地らしい

この先の時代の事だけど確か異民族が攻めてきたりすることもあるよな

西は司隸、天子様のお膝元と

 

「つまり位置的に狙われるのは劉備さんになるのか?」

「いえ、そうなるとは限りませんよ」

「どいうこと?」

「相手の性格を考えてみてください。反董卓連合のときにあの人の性格は分かりきってるはずです」

 

なるほど、小さい領土の劉備さんより、大きい領土のこちらが狙われる可能性もあるっていうことか

 

「河南の袁術はどうなっていて?」

「特に大きな動きはありません。州境を偵察する兵は散見されますが……その程度です」

「あれも袁紹に負けず劣らずな俗物だけど、動きがないというのも気味が悪いわね。警戒を怠らないようにしなさい」

「はっ。そちらにも既に指示は出してます」

 

袁術か、あそこには孫策さんがいるから強敵だよな

それに桂花はさすがだよなぁ、なんでも仕事ができるし、尊敬するよ

 

「桂花も大変だよな……」

「これが華琳さまから与えられた私の仕事だもの。名誉に思いこそすれ、大変と思ったことはないわ」

 

そう考えるのも凄いことだ

オレは魔術の鍛錬でなんど大変と思ったことか

何回も死にかけたこともあった

それは恐らくオレが自分の魔術の属性を真に掴めていないのが原因だろうが

 

「そうね。手の空いてる誰かに手伝わせたい所だけれど、秋蘭は色々任せているから無理として……」

「燈は?」

「女狐なんて絶対にお断り」

「……あらあら、嫌われたものね」

 

なんか知ってて言ってないか?

 

「後は……栄華は勘定方だし、柳琳も秋蘭の補佐があるだろ。他は……」

「「「「…………」」」」

「……正騎と理央、それに多少なりとも理解は出来そうだから星ぐらいしか使えそうなのがいませんから、いりません」

 

ん?オレか?

理央はわかるし、星はなんやかんや物分りがいいし戦術なども隊を率いてできるからオレよりも頭がいいのはわかる。だけどオレなんかが桂花の手伝いなんて出来ることが数知れてるが

 

「なんだとぅ!」

「……まぁそりゃそうか。秋蘭の補佐や軍の仕切りくらいならともかく、軍師の手伝いは無理やで。ウチらは所詮、殴り合いをする係やからなぁ」

「なら、正騎と理央は桂花の補佐に回りなさい。あとは星もそちらに着きなさい。それとちゃんと話はしておく事ね。桂花たちは、そちらの作業を引き続き進めておくように。……他の皆は、いつ異変が起きても良いように準備を怠らないこと。いいわね」

「はいっ!」

「わかった……今なんと?」

「話はしておきなさいと言ったのよ。意味はあなたならわかるでしょ?」

 

……うちの君主様は何でもお見通しだな

隠し事はできないと思った方がよさそうだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桂花、理央は補佐が出来るだろうけどオレもいていいのか?前はそんなに役に立たなかったじゃないか」

「当たり前よ。あなたじゃなきゃダメだわ」

 

オレじゃなきゃダメ?

うーん、どういうことだ?

 

「悪いが思いつかないから理由を聞いていいか?オレが役に立つなんて思えないし」

 

と、理由を聞いてみたら、顔が赤くなりながら桂花の方から手を繋いできて

 

「…………役に立つ立たない関係なく一緒にいたいからに決まってるでしょ、馬鹿」

「あ……えっと、その……オレも一緒にいたいよ」

 

桂花に一緒にいたいと言われたんだ

ものすごく嬉しい、今こんなに幸せなんだなって実感してる

 

「おや、残念ながら私と理央もいるぞ桂花。それに何より正騎殿の愛情は桂花1人のものではないからな」

「そうだったわね。星も正騎に想いを伝えたんでしょ?」

「……もしかして気づいてた?」

「初めて会った時からそういう意味を含めた言葉を聞いてきたからわかってたわ。それに私たちが恋人という関係になったらきっと星も気にするものがないから想いを伝えたと思っていたし、正騎のことだから断らないと言うことも予想していたし」

 

女の子ってこんなに他人の恋愛事情に敏感なのか……?

それともわかっている事だがオレが鈍感過ぎたのか……?

 

「正騎殿は我らのことは差などないように愛してくれると仰ってる。それで構わんのだろ?」

「もちろんよ。正騎だからこそ誰かの気持ちを蔑ろにするなんて出来ないのは私はよくわかってるから」

「あ、ありがとう」

 

どうやら星とも恋人になったってのは受け入れてもらったようだ

みんなが言うように誰か一人とかじゃなくて、オレはみんなに幸せになって欲しいと思ってるからな

この大切にしたいって気持ちはみんなにちゃんと伝わるようにしないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は言いたいことは伝え、気持ちが通じあった。理央も言葉にすればよい」

「わたしはお二人のように長い時間を過ごした訳ではありません。なのでもう少し、もう少しだけこのままでいたいと思っています」

「ふむ、理央がそう言うなら。想いを伝えるにも覚悟や勇気が必要だからな。それらが準備できる時間はいくらでもあろう」

「はい。正騎様はお優しいお方ですから、きっと待っていてくれます」

 

想いを言葉にして伝えれば多分上手くいくだろう

正騎さまはきっと桂花さまや星さまと同じように愛情をくださるはず

でも……その言葉を言う勇気が今のわたしにはありません

 

「理央?桂花の手伝いに行くよ?」

「あっ、はい!」

「オレはあんまり力になれないだろうから、その分理央が桂花の力になってあげて欲しい。桂花も理央が優秀なことわかってるから頼りにしてるだろうからさ」

「お任せ下さい。正騎さまの分までわたしが頑張りますね」

 

ですので、もうしばらくは今のままであなたのお傍にいさせてくださいね

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