真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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44話

 

あの会議から数日と経ってない日の事、非常召集が掛けられた

どうやら袁紹が動き出したらしい

……いくらなんでも早すぎだろ

柳琳からの情報で旗印は袁、文、顔の主力全て揃っていて州境に三万も

けれど秋蘭からによると敵の動きは遅く、奇襲はなさそうでこちらを挑発しているような印象らしい

 

「恐らく威力偵察でしょう」

「威力偵察?」

「情報を探るのではなく、一度軍をぶつけそれで実力を計る偵察のことです。兵の練度を知るのは刃を交わすのが早いですからね」

「自分たちの実力を誇示したいのよ。見栄っ張りの袁本初らしいやり口だわ」

 

偵察を出して情報を知り、有利に戦うのではなく、兵を戦わせて情報を知るというのか

確かにこの時代、機械とかがないから相手の情報を知るには斥候とかになるが、それも相手の領地に入ったりと危険が付き物だ

だがそれを行わず軍を直接ぶつけることにより相手、自軍の両方の兵の練度を知る方法か……

それってかなりの兵を犠牲にしようとしてる事だろ……

確か袁紹の軍師って有名な人だと田豊や郭図やら辺りだが、反董卓連合の時には田豊しかいなかったからきっと1人なんだろう

被害等の計算は恐らく出来ていただろうが、1人じゃあのワガママな君主様を納得させることは出来なかっただろうな

 

「で、報告のあった城に兵はどのくらいいるのだ?三千か?五千か?」

「それが……およそ七百」

 

な、七百だって!?

そんな数で三万もの軍勢がきたら一溜りもないぞ……

この聖剣を真の力で解放出来れば対城宝具の部類に入るから何とか出来るが、オレにはそこまでの魔力放出はできない

 

「桂花、今すぐ動かせる兵士はどれくらいいる?」

「はい。半日あれば敵の城から五千、明日には遠征に出ている季衣と流琉が戻りますから、もう一万。北部の駐留軍をかき集めてさらに一万……計二万五千ほどかと」

「少ないわね。親衛隊を加えればどうなる?」

「華琳さま!」

「非常時に兵だけ遊ばせておいても仕方ないでしょう。どうなの?」

「なら、もう三千は……」

 

それでもまだ三万はいかないか

数がほぼ互角ともなればこちらには春蘭や星もいるし、桂花の知略があるから覆すことは不可能じゃなくなるが、数の差というのは侮れない

確実に被害を減らすためにはやはり数で勝らなければいけないが……

 

「理央、君ならどうする?」

「そうですね……、その前に桂花さんと同じ考えだといいのですが」

 

桂花の考え……か

とりあえず聞いてみないことには始まらない

 

「ならば策は?」

「はい。ここは城の放棄を提案をいたします。袁紹のことですから、小城とはいえ城やわ落とせば調子に乗ってもっと大きな城を狙いに来るでしょう。その間にこちらも戦力を整え、万全な状態で挑むべきかと」

 

確かにあの袁紹の事だ。一つ城を落とせばそのまま勢いに乗ってくるだろう

それに今回がそうだろうから軍師がいたとしても話なんて聞きはしないだろうし

 

「……あの」

「なに、柳琳も不満なの?」

「いえ、お話し中のところ、本当に申し訳ないのですが……城からの報告には、まだ続きがありまして」

「何かしら」

「兵の増援は不要だと」

 

兵の増援がいらない?

戦う……は無理だろうから撤退……しかないだろう

 

「撤退するの?」

「いえ、守りきるそうで」

「はぁぁ!?」

「おや、わたしと同じ考えの方が向こうにはいるらしいですね。なら安心しました」

「理央は元から守りきることを考えてたのか?」

「はい、わたしは強襲奇襲を除けば攻めることより守ることの方が得意なので。でも今回の場合は極めて簡単ですよ」

 

今回の場合が極めて簡単だって……?

この子知略は一体どれほどまでなんだろうか

 

「では、正騎さまにだけ少しだけお教え致しますね。まずは相手のことを知ることが前提となりますが、今回はその情報がありますし、どういう人物かがよくわかります」

「相手は袁紹、主力は全部揃ってる。ここまではわかってるな」

「相手のことがわかればその人がどのような人物なのか、なぜ攻めるのか、何を考えてるのかわかれば答えにたどり着くと思いますよ」

 

袁紹がどんな人か……、何を考えてるか……?

確か袁紹さんは小さいものよりも大きいものを選ぶような見栄っ張りの人だったよな……

もしかして?

 

「もしかして少数だから攻める必要はない……だから袁紹さんが撤退するかもしれないってこと?」

「さすが正騎さまですね。わたしは少なくともそう思います。城に残ってる方もそう考えたか、また違う考えなのかはわかりませんけどね」

 

なるほど、そういう考え方もあるというのか

やはりどの時代でも情報、特に相手のことを知るっていうのはやっぱり重要だな

 

城にいる指揮官は程昱と郭嘉……どちらも三国志に置いて有名になるほどの知略を持ってる人物だ

この二人なら理央と同じ考えにたどり着くこともあるかもしれないのか

 

「皆も勝手に兵は動かさないこと。これは命令よ。……守れなかったものは厳罰に処すから、そのつもりでなさい」

 

まあ動かす兵士なんていないし、オレも華琳の命令には従うからその二人が来るまでは待機しておくか

 

「────ぐっ……」

 

体の内側から少し痺れを感じる……

時々だが、左手なんかはプルプル震えて何回か食器を落としてしまうことがあった

生まれてこの方皿とかなんて落として割ったことなどなかったというのに

未だにこんな状態なんて、あの時に無理しすぎたのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し休んだらそれなりに軽くはなったけど体の感覚が少しだけおかしい。まだ違和感を感じてしまう

といっても戦闘には影響はないぐらいだから問題は無い……はずだが……

 

「正騎さま?どうかなされましたか?」

「いや、なんでもないよ」

「正騎殿、少しよろしいですか?」

 

星に呼ばれ、近寄ると左手を握られる

だがその触り方はまるで割れ物に触れるように、優しく丁寧だった

 

「まだお身体の左側が?」

「あぁ……だけど理央には内緒にして欲しいんだ。あまり心配をかけたくない」

「承知しました。ならば当面は私も補佐致します。2人ならば問題はないでしょう?」

「ありがとう星」

「おふたりともどうかなされましたか?」

「いや、何でも……少々外が騒がしいな?」

 

星がそう言ったから外に気を配る

……確かになんかガヤガヤしてんな

 

「──さま!出撃──したで!」

 

今の声は真桜?誰かと話してたように聞こえたけど……

いや、それより出撃だって!?

 

「何を考えてるんだみんな!理央!星!止めにいくぞ!」

「は、はい!」

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

「あれは、春蘭と霞!?」

 

騒ぎの元にたどり着いたと思ったら春蘭と霞が戦ってた

見たところ春蘭を止めてるのか?

 

「何やってんだ二人とも!やめろよ!」

「正騎、お前まで止めるつもりか!」

「来たのはありがたいけど、春蘭はウチが止めるから正騎は手ぇ出すんやないで!」

 

そんなことやってる場合じゃないのに!

霞には悪いけどここは介入させてもらう!

 

投影(トレース)──ぐっ!!」

 

また痛みが……

半身が麻痺してる感覚みたいだ……

 

 

「正騎さま!?大丈夫ですか!?」

「だ、大丈──ぐぁぁ!」

「正騎殿!?これは前よりも悪化しておられるか……!?」

 

魔術を使おうとすると痛みが出てくる

これじゃ戦いを止められないじゃないか!

 

「華琳!こっちだ!」

「何をしているの!」

 

よかった、一刀が華琳を呼びに行ってたのか

 

「春蘭、霞。それに正騎……は答えられなさそうね。星に理央、これはどういう事?説明なさい」

 

「ここに来た時に春蘭さまと霞さまが戦っておられて、正騎さまは止めようとしたのですが急に苦しまられて!」

「ごめん、止めようと思ったんだけど何も出来なくて……」

「ご無理はなさらず。我らで説明致しますのでまずは息を整える方が」

 

内側からの痛みだから耐えるしかない……

喋るのすら辛い

 

「今ええ所なんやから、邪魔せんといてっ!てええええええいっ!」

「……くぅっ!」

「おー。勝負あり」

 

霞の勝ちか

なんとか止めれたんだ

 

「さて、今度はウチの勝ちやなぁ。春蘭」

 

何故このようなことが起きたかというと、春蘭が今回の件で納得していないからだそうだ

袁紹さんごときに華琳の領地を穢されたくないと

 

「……はぁ。あなたにはもう少し、説明しておくべきだったわね。いいわ、出撃なさい」

 

って、えっ?

いいのか?せっかく止めたのに

 

「ただし、これだけの兵を連れて行くことは許さないわ。あなたの最精鋭……そうね

三百だけ動かすことを許しましょう」

 

三百……それだけなら増えても構わないってことか?いや、それ以上増えるとマズイともとられられるな

華琳もわかってるってこと……だよな

春蘭が着く頃には終わってるって言ってたし

 

「それで、あなたには何が起きたの?」

「 先日春蘭との戦いにおいて、空中にて武器を投影する魔術を見られたと思いますが、それは正騎殿にとって非常に負担がある技らしいのです。それ故に数日は半身の不調で済んでおられたのですが魔術を使おうとしたところこのようになりまして」

「そう、今までの無茶がようやく回ってきたわね。これに懲りたら無茶は控えるように、今は体を休めておきなさい」

「そう……だな、戦いが始まる前にはちゃんと治しておくから」

 

といってもこのようなことは初めてだ

父さんに聞ければいいんだけど今は通じない

となると自分で見つけるしかないか

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ──」

 

体の左側が、魔術刻印がある方が痛む

やはりあの投影をしたのがいけなかったのか

まだ未熟なオレには、早かった技なのか

 

「正騎さま、春蘭さまたちがお戻りになられました。緊急で軍議が始まるそうなのですが、華琳さまは休みなさいと申しておりますが……」

「いや、オレもいくよ。戦いじゃないんだから参加しないと」

 

麻痺してるとはいえ、体が動かないわけじゃない

ただ物を持つとなると落としてしまう程度だ

 

「わかりました。桂花さまは軍師なので先に広間で準備をなさっておられるので星さまを呼んできますね。今の正騎さま1人で歩かれるのもお辛そうなので……」

「ごめん、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレが着いた頃には、みんなが集まっていた

どうやら俺たちが最後だったようだ

 

「すまない、遅くなった」

「全く、休みなさいと言ったでしょ?けれど来たから参加はしていきなさい。理央、星、正騎のことを頼むわね」

「もちろんです!」

「えぇ」

 

星に支えられつつ、いつもの定位置につく

桂花と目が合ったけど怒ってるのと心配をしているのがわかった

……後で謝らないと

 

「……さて。それでは、説明してもらいましょうか。どうしてあの状況で、増援がいらないと言ったのか」

 

あれが郭嘉と程昱か

これで魏の軍師がそろったっていうことかな

 

「やはり風と稟だったか。あの二人ならば確かに少数でも袁紹が相手ならどうにかできそうであったな」

「星の知り合い?」

「はい。香風と旅をしていた頃一緒におりました」

 

てなるとオレと出会う前に香風と一緒に旅してたってことか

趙雲に徐晃と武に長けた2人、程昱に郭嘉と知に長けた2人の4人旅……確かにある程度は何でも出来そうだな

 

話に戻ると程昱は考えは

三万の袁紹軍、しかも文醜が率いているから七百なら相手にしないだろうと考えたらしい

もし増援がきたら、向こうにケンカを売ったと思われるとも

袁紹がケンカを買うのは絶対になるから戦ったら全滅すると

 

「理央の考えと合っていたね」

「はい、あの方たちは優秀な軍師になられると思われますね」

「もしもで構わぬ、もし攻められてたら理央はどう対処する」

「……おそらくわたしも死ぬと思います。いくら守る方が得意とはいえ、兵力と武将の戦力に差がありすぎます。呂布さん並の武の持ち主がいるか、星さまが支えつつ、正騎さまが万全で春蘭さまと戦ったときに使われた技を使うことが出来れば勝算はあるのですが……」

 

今回は相手が相手だったからということか

ほとんど賭け事見たなものだったんだ

 

「けれど人数が少ないから城に火を放ちます。七百程度なら逃げれると思いますし」

 

そこまで考えてたんだ

この子は戦う、逃げる両方のパターンを思いついてたとは

 

「郭嘉。あなたは程昱のその作戦、どう見たの?」

「…………」

「郭嘉。華琳さまのご質問だ。答えろ」

「…………」

「…………郭嘉?」

「…………ふはっ」

 

なにか様子がおかしいと思ったら鼻血を出した!?しかも漫画とかそういうのでしか見た事ない量が出たぞ!?

でも戦ってないから傷はないはず……?

 

「あー。やっぱり出ちゃいましたかー。ほら、稟ちゃん、とんとんしますよ、とんとーん」

「……ふがふが……ありがとうございます、風」

 

手馴れてる感じがするけど、いつもあんな感じなのか?

 

「星、いつもあんな感じなの?」

「えぇ。あれを見るのも久しぶりですな」

 

あんな量をいつも出してたら出血多量で死ぬだろ……

そのあと華琳が心配したように声をかけたらまた出した

どういう構造してんだか……

 

郭嘉は城に火を放つことを考えていたらしい

これなら春蘭が増援は必要ないということだ

でも増援に向かわせたのは、二人の護衛というわけで向かわせたらしい

しかも霞が奇襲を仕掛けてたと……

 

「二人は今後は城に戻らず、ここで私の軍師として働きなさい」

「!?華琳さまっ!それは……!」

「別に桂花が不要というわけではないのよ。軍も大きくなってきたし、これからは複数の戦局を指揮する場面も出てくるはず。そうなったとき……将がいても軍師が足りない、では済まされないわ」

「おや、そこの黒い羽扇を持ってる子は軍師じゃないのですかー?」

「ええ、彼女は訳あって隣にいる正騎の専属の軍師なの。どんな状況でも正騎のことを優先するわ」

「そうだったのですかー」

 

今や結構な国力を持ってるんだ

桂花一人で支えるのも限界があるだろう

それに理央はオレの専属の軍師

オレが華琳の力になるように今は華琳の軍師とも言えるが、何よりもオレのことを優先してくれるんだから場合によっては桂花に頼りっきりになってしまう

虎牢関でのオレみたいに死にかけたりする場面とかはきっと……

 

「私は、いくつの戦局でも支えてみせます!」

「そうやって無理して、自分から崩れていった軍師を何人も知っていますけどー」

「し、知った風な口を……!」

「オレも、軍師が増えるのは賛成だ。その、最近桂花がちゃんと寝てないのは知ってるんだ。今のオレが言うのもアレだけど、君が倒れるところなんて見たくない」

 

オレがいってもあまり説得力なんてないと思うけど、それでも桂花が苦しんでたりするのを見るのなんて絶対に嫌なんだ

なら軍師が増えれば、少しでも桂花の負担を減らせられる

 

「正騎……」

「正騎の言う通りよ桂花。私はね、あなたにそうなって欲しくないの。そんなに心配なら、今宵はその身にしっかりと教え込んで上げましょうか?」

 

なっ!?何を言ってるんだ華琳は!

 

「か……華琳さま!それは……まさか!」

 

桂花も満更ではない顔してる……

いや、元々は桂花は華琳に惚れてここに来るって決めたんだから……そうなっても……だけどやっぱりモヤモヤするな

 

「……でも、その……」

「ふふっ、彼が嫉妬しているものね。冗談はここら辺でやめておくわ」

「ちょ、ちょっと!何を言ってるんだ!」

「あら、顔に出てるわよ?」

 

……やっぱり顔に出てたか

今のはちょっと隠しきれてないの自分でもわかってたな

 

「なら、今宵の軍議は解散よ。程昱と郭嘉は部屋を用意させてあるから、今日はゆっくり休みなさい。香風と一刀は彼女たちを部屋まで案内してあげて。もし食事が入り用なら、流琉と正騎に任せるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀たちが案内する前に二人に一言、挨拶をしないとな

 

「稟、風、久しぶりだな」

「おや、星ちゃんもいらしてたんですねー。それでそちらが?」

「オレは衛宮正騎、二人ともこれからよろしく」

「やはりお兄さんと同じ天の御遣いの一人でしたかー」

「お兄さん?」

「はい、もう一人の天の御遣いのことですよー。風は程昱、真名は風ですー。よろしくお願いしますねー、正騎くん」

 

正騎くんか

呼び捨てとかは言われてたけどこの呼び方も初めてだな

 

「あぁ、よろしく。風」

「私は郭嘉、字を奉考、真名を稟と申します。これからよろしくおねかいします」

 

リンだって!?

真名が母さんと同じの人がいるなんてちょっと抵抗があるな……

 

「う、うん。よろしく」

「わたしは司馬仲達です。真名は理央と申します。風さま、稟さま、これからよろしくお願い致しますね!」

「おや、司馬一族の方でしたかー。そのような方を専属にするなんて、やりますねー」

 

司馬一族ってそんなに有名なのか……

そう考えるとこうしてぼくの元にいるってことが奇跡なんだな

 

「正騎さまはわたしの命の恩人なので……、ですからその御恩を一生掛けてお返ししていくためにこうしておそばに仕えているのです」

「何やら事情がおありのようですね。それに信頼関係も見てわかります」

「そう見えますか!?ありがとうございます!」

 

とても喜んでるな

やっぱり信頼関係が見てわかることが嬉しかったんだろう

 

「それから正騎殿は私のいずれ夫となるお方だ」

「せ、星!?」

「おやおや、星ちゃん離れてた時期に素敵なお相手を見つけたんですねー」

「夫……ということはもしや……ふはっ」

「はーい稟ちゃんとんとんしますよー」

「相変わらずだな稟は。では2人とも、これからもよろしく頼む」

「オレもこれからよろしく頼むな。もしお腹が空いていたりしたら言ってくれ。ご飯なら何時でも作るからな」

 

真名も教えて貰ったし挨拶もすんだ

さて、オレも休むとするか

 

「……正騎」

「桂花?どうしたの?」

「その、……さっきは」

 

もしかして、華琳の誘いに嬉しそうにしたのが悪いと思っちゃったのかな

 

「大丈夫だよ、それに桂花は最初華琳に惚れたから仕えたんだろ?それを言うとオレが華琳から君を取っちゃったみたいなもなんだから気にしないで」

「……そう言ってもらえると助かるわ」

「それに謝るのはオレの方だ、あんな姿見せて、また心配させたんだし」

 

あの時の桂花の表情から心配してたのがわかったからな

 

「けれど生活には支障はないのでしょう?それに今はまだ戦いも起きてないからそこまで怒ってはないわ」

「怒ってはいるんだね」

「当たり前よ、無茶しようとするなら私はいつでも怒るわ」

「ありがとう桂花」

 

そう言ってオレは彼女を抱きしめる

彼女の方が背が低いから、オレの腕の中にすっぽりと収まる

 

「こうしていたいけど、今は体を休めるのが先だわ。あなたはすぐに寝なさい」

「それを言うのなら桂花も、ちゃんと休んで欲しいな」

「わかってるわ、今からちゃんと休むから。おやすみなさい、正騎」

「うん。おやすみ、桂花」

 

今は少しでも休んで、体を万全にしておかないと……

魔術が使えないんじゃオレは何も出来ないんだから

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