真・恋姫†夢想 正義の後継者   作:シバヤ

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46話

 

「さて、今から予算案を出しに行くわけだけど……」

 

なんなんだこのおかしいもの

発明費と、おしゃれ費?

 

「真桜、これはなに?」

「それはウチの大事な発明に使うための費用や!」

「凪、悪いけどここ消しておいて」

「わかりました」

 

不要なものは削除だ

予算というのは必要なものを買うためのお金

警備に関わるもの以外に使うのは当たり前だけどダメだ

発明でも警備に関わればいいが……真桜だと違う方向に進むだろうし

 

「なんでえ!それも必要な予算やんかぁっ!」

「今現状、オレたちには余裕がない。剣は何とかできるけど鎧に関してはもうオレじゃどうしようもないからな」

 

剣は投影品を使えばいい

ただし鎧は投影が出来ないためちゃんとしたものを用意しておかなければならない

 

「むぅ……もうちょっとそれらしく書いといたほうがよかったな」

「発明ならオレに言えば揃えれるものは揃えるし、工房散らさなきゃある程度は好きに使っていいから」

「ホンマに!?なら次からは副隊長に言うわ!」

「ただ魔術関連の物も置いてあるから触れるのは自分の知識があるものだけだからな」

 

道具は貂蝉と卑弥呼に言えば低予算で良質な物が買えるからな

それに魔術工房と言ってもオレのはそんな専門的なのでは無い

物を作ったり金属を加工してアクセサリーを作ったり、文字通りの工房みたいなものだ

 

「さて次、このおしゃれ費というのは?」

「みんなの心を癒すために、必要な費用なの!」

「一刀、却下でいいよな?」

「うん、頼む」

 

これも削除っと

 

「隊長も副隊長もひどいのぉっ!二人のためでもあるのにぃっ!」

「おしゃれに関してはオレが提案を出して、いろんな服を作ってもらってるからそこの費用を使ってくれ。服屋の店主にオレの名前出せば通るから」

「副隊長そんなことしてたの?初耳なの!」

 

売上は少しだけ回してもらい、そこからまた卑弥呼からいろいろ生地を買って案を出して売るというループをしてる

もちろん許可は貰ってるからなんにも問題がない

 

「それじゃこれで問題ないな。栄華にこれで申請してみるから」

「ああ、頼むな。俺たちは見回りに行くから」

「おう、話が済んだら詰め所に行って報告するよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、入るか

 

《コンコン》

 

……あれ、ノックしても返事がない。いないのか?

それに中から話し声どころか物音すらしてない

けど鍵はかかってないからいるってことだよな

 

「栄華いる?」

 

人の気配はする、なんだいるじゃないか

けれど、椅子に座ってる栄華は机に伏せてる

 

「もしかして寝てるのか?」

 

ちょっと顔を覗いてみる

…………すごいかわいい寝顔……って何を思ってるんだ!

けど寝てるとなると予算は後で、何か毛布とかは……ないか

今来てるオレのパーカーでも羽織らせてっと

起きた時にオレが近くにいたら驚くよな、また時間をおいて様子を見に来るか

その時に目覚めがスッキリするような紅茶でも入れて持ってこようかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ……ああ、思ったよりも長く眠ってしまったようね……。んんーっ、んっ、……ふぅ……おかげで頭もスッキリしたし、お仕事を再開させて……あらっ?」

 

このようなもの羽織った覚えはないけれど……

それにこれは……確か衛宮さんの服では?

けれど衛宮さんは居ませんわね

ならわたくしが眠ってたから間を置いてくださったのかしら?

 

「けど、ここに来たってことは……もしかして寝顔を見られ!?」

 

なぜかあの方だったら恥ずかしく思えてきましたわ……!

それに、この服からあの方のにおいがしますわね

他の男とは違い、安心していられるにおい……

やっぱりあの方は他の男とは違いますのね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軽い仮眠ならそろそろ起きてる頃かな

紅茶は我ながらバッチリの出来だ

 

「栄華、いる?」

 

とノックして言うと

 

「え、ええ。どうぞ。」

 

と返事が来たから部屋の中に

うん、顔色も良さそう。寝てスッキリしたのかな

 

「おはよう。ごめん、さっきちょっと用があって部屋に入っちゃったんだ」

「やっぱりこの服は衛宮さんのものでしたのね」

「そうだよ。何も羽織ってなかったから風邪をひかないようにってね。それとこれ、紅茶持ってきたよ。寝起きだから喉乾いてると思うし、目も覚めるぞ」

「ありがとうございます。ではいただきますね」

 

オレも一緒に紅茶を飲む

緑茶もいいけど昔っから紅茶が好きだったしよく家で飲んでたんだよな

 

「とても美味しいですわ。それに落ち着きもします」

「紅茶にはストレス、心労とかを解消する効果もあるからな。美味しいしとってもいいものなんだ」

 

こういう効果もあって美味しいんだからいつも飲んでるんだよな

おかげで鍛錬の前に飲むと落ち着いて魔術を使うことが出来るし、戦闘時も落ち着いて判断をすることができる

 

「それで、わたくしになんの用ですの?」

「これを見てもらおうと思ってな」

「これは……警備隊の予算案ですか?」

「あぁ、必要な物から優先順位をつけたんだ。警備隊には顔出せてなかった時あったからこういうことぐらいはやらないと」

 

まずは装備品

身を守ることができなければ警備をすることが出来なくなってしまう

それにいつ凶悪な人が出てくるかわからないし

次に施設関係の修繕費

他にも詰所を建てるための材料と人件費と手が回らなかったりするため予算が必要になる

これらは理央が計算してくれたから間違いはないはず

 

「ふむ、なるほど……どれも数字の上では妥当と言えるものですわね……」

「これで検討してもらえるかな」

「ええ、納得のいく資料も調っていますから、予算の方はこれで検討いたしますわ」

「ありがとう、頼むな」

 

見てもらったけど今のところは何も問題はなさそうだ

あとは栄華の判断に任せて何かあったら言ってもらうのがいいかな

 

「要件はこれだけですか?」

「そうだよ、今日は予算案を出しに来ただけだからな」

 

他には用もないし、一刀たちに報告しておかないとな

それにしても──

 

「──今は大丈夫そうだな」

「何がですの?」

「いや、前より顔色もいいし疲れもなさそうだなって思ってな」

 

前はオレが気がついただけだけど、そういうのは放置しておくとだんだんと積み重なっていずれ倒れてしまうから

少しづつの積み重ねが1番気が付きにくく、怖いもんだからな

 

「お気遣いありがとうございます。けれど衛宮さんの方が心配することが多いですのに、わたくしの方が心配をさせてはなりませんもの」

「ははっ、確かにその通りだ。それに栄華はしっかりしてるから大丈夫だな」

 

それと違ってオレは誰かに言ってもらわないとまだ少し気が付かないことがある

どれだけ自分を大切にしなかったことにしていたことか

 

「さて、それじゃオレはそろそろ行くよ」

「あ、あのっ!」

「ん?」

「あの……少しだけお待ちになっていただけますか?」

「特に急いでるわけじゃないから大丈夫だよ」

 

今日中にというわけじゃないし、予算の方だってすぐにってわけじゃないからな

 

「それで、呼び止めたのって」

「その……あなたはどうしてわたくしのことを気遣って下さるのですか?先日だってお仕事を手伝っていただいたというのに……」

「そんなの決まってるよ。相手が栄華だからじゃないか」

 

栄華は初めて予算案を出す時にオレを叱ってくれた

自分を大切にって

オレのことを少しでも想ってくれてるんだ。そんな相手を放っておくなんて事は出来ない

 

「前に理央さんが仰ってたことと同じ答えですわね……」

「初めて予算案を出した時にオレに言ってくれたよな、自分を大切にって。その時から栄華はオレのことを心配してくれてたんだ。オレは自分の守れる人を守る。その近くに栄華はいたんだよ」

「……やはりわたくしは…………衛宮さん」

「なんだい?」

「わたくしは、あなたをお慕い申しておりますわ」

「……栄華」

 

これって告白されたってことだよな

この雰囲気、栄華の表情からしてほかの意味に捉えることが出来ない

 

「けれどあなたには桂花さんが──」

「君も幸せにする」

「──えっ……」

「君も、桂花も幸せにするから。オレを慕ってくれた人を幸せに出来ずに他の人を幸せになんて出来ない。オレなんかでよければ、君の気持ちに応えたい。君と付き合って、これから幸せになりたいと思ってるよ」

「────正騎さん」

 

気持ちを確かめあったらオレ達は抱きしめ合っていた

 

「あなたとこうしていると、あなたに包まれているからとても落ち着きますわ」

「そっか、そう言ってくれるのは嬉しい。君が安らぐ存在になれてるって事だからな」

「……正騎さん」

「……栄華」

 

お互いに見つめ合い、顔が近づく

目をつぶり、唇がもう少しで触れ合う

────人の気配!?

 

「待って栄華!誰か近づいてきてる!」

「ええっ!?ど、どうしましょう!?」

「平静を保って、さっきみたいにしてれば大丈夫だ。栄華ならできるだろ?」

 

キスしてるところなんて見られたらめんどくさいことになるからな

気配に敏感でよかったよ

 

「副隊長ー、あんまり遅いから様子見に来たでー」

「あー!二人でお茶してるのー!」

「あぁ、これ?予算ってなると話が長くなると思ってな。オレが準備してきたんだ」

「沙和!真桜!待ってろって言っただろ!」

「すみません、副隊長、栄華さま。二人が気になるからと勝手に飛び出してしまいまして……」

「お話はちょうど終わりましたし、大丈夫ですわよ。正騎さんを長い間お借りして、申し訳ありませんでしたわ」

 

さすが栄華だ。表情が先程までとは違い、いつも通りに話してる風になっている

平静を保ってるからこれなら予算について話してたってことしか思われないな

 

「それじゃ詰め所に行こうか、そこで話すから」

「わかった。それじゃみんな行くぞ」

 

一刀の後に三人がついて行く

さすがにこの流れはオレも向かわないと

でもその前に、な

 

「ごめん栄華、そういうことだからオレは行くよ」

「ええ、わかりましたわ」

「よく心配をさせちゃうかもしれないかもしれないこんなオレだけど、これからもよろしく。それからさっき途中だったから」

「えっ……ん……んちゅ……」

 

少しだけ長めにキスをする

これが栄華との初めてのキス

 

「正騎さん……」

「今はこれだけでごめん、それじゃ行ってくる」

「はい、行ってらっしゃいませ」

 

栄華と付き合うことになったのはいいよ。とても嬉しいことだ

……3人、オレも一刀と同じようになってきたな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事も終わり探してみようとするけどこういう時ってなかなか見つからないパターンが多いよな

 

「こんな所で突っ立ってどうしたの?」

「あっ桂花」

 

こんなあっさり見つかるなんて思ってもなかった

……受け入れてくれるだろうが、言わないと

 

「桂花。少し報告したいことがあるんだけど」

「なに?栄華とも付き合うことにでもなったの?」

「へっ!?なんでそれを!?」

「やっぱりそうなのね。栄華が正騎のことを気にかけてたのは知ってたし、あなたのことだから断ることがないからそう思っただけよ」

 

なんかいろいろ知られてる感じがする

でもオレのことを理解してくれてるってことだよな、それは嬉しい

 

「それで、その事についてなんだけど……」

「私は別に構わないわよ。もう星だっているし、今更もう1人や2人増えても驚かないわ。それに正騎のことはわかってるしちゃんとみんな幸せにできるって思ってるんだから」

「それはもちろん、ちゃんとオレが守って幸せにするから」

「ならいいわ。それにあなたと一番初めに付き合ったのは私なんだからね」

 

オレと初めに付き合ったってことは重要なのか?まぁそれはいいか

守るべき存在が増えた。だけどそれはオレの力となってくれる

オレは……もっと強い魔術師になってみせる

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