ちさたき見たさに千束になったのに何で作品が違うのよぉ…… 作:ちさとかわいい
頭上に満点の星空が浮かび、人々の営みの証拠である人工的な光が無数に見る事が出来る時間帯。まるでカメラのフラッシュの如く強い光の共に二回、何か破裂したような爆発音が響く。後に残るは硝煙の香り、何か重い物が倒れる音が暗闇と静けさに満ち満ちた誰も居ない公園に広がった。そして、その中心点には1人の少女が立って居た。
「本部、こちらエージェント09。目標を確保しました、回収お願いします」
【こちら本部了解。最後の任務ご苦労様でした09】
「今までありがとねオペコちゃん♪」
赤い血だまりを作りながら倒れた男を見下ろす少女は右手でその耳に付ける無線の電源を切りながら左手へと持ち替えたある物を背負っている鞄に収納。その後右手で耳から無線機を外し握り潰すとその場に捨て、目の前の男に興味を無くしたかのように振り返るとまるで楽し気にスキップを挟みながら鼻歌を歌い、その場を後にした。
何処にでも居そうな見た目は普通の
「何でリコリスでも無いのに、こうなっちゃったんだろうなぁ……」
まん丸に丸い満月を見上げ、そう呟いた少女である
※※※
俺の名前は
「それにしてもふぁ~、別に私は別にヒーローになんてなりたくないのに強制的にヒーロー科入学とか……全く手切れ金代わりのハズの表世界での高校進学だってのに、上の連中は私の才能をコレから先も腐らせるなって暗黙に命令しているもんだよね……」
そんでもって女になった今となっては関係無いが、それに先の理由に加えてどうやら俺が元男だったと言う理由も転生に大きく絡むらしい。
「ま、この世界は超人社会。だからこんな私でも普通の高校生活を送れるかな?」
絡む理由は率直に言って性癖だ、それも相当に拗らせてた性癖。何で二次限定とは言え、女の子同士の恋愛に関しての記憶がこんなに色濃いの……前世の俺変態すぎじゃん。お陰で今世の
「あぁーあぁー、せめて普通の理由で女の子として生まれたかったなぁ~」
────ちとたき、つまりは女の子同士の組み合わせをリアル当事者として体験したかったから……らしい。
今の俺である
劇中での相棒、
「ま、アレコレ考えても仕方ない。いつも道理私らしく行こう!」
青々と雲一つない晴天の空に天高く上りつつある朝日の眩しい時間帯。それを横目に俺は他の生徒に紛れながらどんな大きさの人間でも軽々と潜れる大きな門を潜る。雄英高校……この世界にてプロのヒーローを目指すならば誰しも目指す、トップクラスヒーローを排出してきた学校に今日、私は入学したのだった。
「1のA、1のA……」
長い廊下を進み、数々のバリアフリーの進んだ大変大きな扉を横切る。それにしてもいくら何でもバリアフリーとは言え俺の二倍もの大きさがあるとか大きすぎない? 何て考えながら進んでると誰かの話し声が聞こえた。そんでもってそちらの方向へと目を向けると……何通かもさもさっとした髪の男の子の姿があった。アレかな、組章を見るに同じクラスのクラスメイトかな?
「おはよー!」
第一印象は大切。元気よくその二人に挨拶しながら俺は彼の元へと駆け寄った。
「お、おはようご、ございます……」
小声でもそもそと話す彼は何処か緊張した様子。アレか、いわゆる女の子と喋り馴れて無い系男子か……新鮮だ。俺ってば女子中出身だからある意味男の子と喋るのも新鮮だ。
「私の名前は錦木 千束! よろしくね」
そう言って握手の為に手を差し出すと彼はプルプルと震えた手でそれを取ってくれた。
「み、緑谷 出久です」
「出久くんかぁー! コレからよろしくぅー!!!」
彼の手はこの歳の男の子にしてはゴツゴツとした、硬い手だった。触った感触的に出来たマメが何度も潰れ、治ったような感じがするので彼は相当な多分努力家なんだろう。すごいなぁー、この歳でここまでの努力が出来るだなんて尊敬するなぁ。
「ち、ちかいし名前ぇ……」
ん? 何か言った? ちょっとした疑問も生まれたが、左腕に身に着けて居る腕時計がバイブレーションで始業5分前と知らせて来たので思考を放棄。やっぺ、初日から遅刻するのは不味すぎる。
「え、っちょ手が……」
「早くいかないと遅刻しちゃうじゃん、このままレッツゴー!」
俺は出久くんの手を引きながら教室へ急いだ。速足で目的の扉の前に到着すると俺は一度息を整える。さてさて、事前にアレコレ考えないとは言ったモノのこの扉の向こうには恐らく、コレからの高校生活3年間で苦楽を共にする出久君以外のメンバーが居るはずだ。だったらその子達への変なイメージを与えたらメンドクサイ事に成りそうだからね!
「おっはようございまぁー……す?」
そんでもって俺が最初に元気な挨拶と共に扉を開けて教室に入った、んだけど……ナニコレ?
「机の上に足を乗せるのは止めるんだ!これまでに使って来た先輩方に申し訳なく思わないのか!」
「思わねぇわ角張り眼鏡! 思うとしたらどうも俺達の糧となり経験となってくれてありがとう、この後にちゃんと綺麗な布で拭いてやるから感謝しろってぐらいだな。てか、てめぇ何処中出身だよ、あ?」
「俺は私立聡明学園出身の飯田天哉だ」
「クソエリートじゃねぇか。頭の良い良い子ちゃんみたいだからぶっ殺しがのありそうだな」
「ぶっ殺すって…君、本当にヒーロー志望か?」
「ヒーロー志望だが?」
とんがり系白髪ワイルド君が机に脚を乗せてふんぞり返り、委員長系真面目メガネ君がそれを注意してやがる。嫌だなぁ。入学早々に何かメンドイ事に巻き込まれる予感がビンビン……「あぁ?」あ、ワイルド君がこっち見てそれに釣られてメガネ君もこっち向いた。
「おはよう!俺は私立聡明学園の――――」
「わ!えっと―――」
「聞いてたよ、僕の名前は緑谷出久。よろしくね飯田君!」
おっと突然の自己紹介。ビックリして固まってた俺だが、出久君は咄嗟にそれを返した。やっぱ駄目だな……俺ってば戦闘モードじゃなきゃ突然の事に対応出来ねぇぜ。何て考えながらもそう言えば俺は挨拶の途中だったと思い出した俺はこっちも元気に挨拶を返した。
「私は錦木 千束、おはよう飯田君!」
その後、出久くんと知り合いらしいふんわり系が登場したり、ボサボサっとしたとしたロン毛でどう見てもやべー人にしか見えない担任の先生の指示に従って体操着姿に着替えた後でグラウンドに集められた俺達。そんで言い渡された指示が俺にとっては衝撃的過ぎた。
「「「「個性把握テスト!?」」」」
クラスメイトの驚く声が響く中、俺だけは声が出なかった。
「……え"」
個性把握テストって、あの俺……無個性なんですけど?