二人、この世界にて   作:一般ラインハルト

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10話 活路

翌日、ルフィを連れて訪れたのは地下の書庫…の、跡だった。

いつの間にか崩れさっていたそこを修復すれば、すぐに元の薄暗い空間に戻る。

 

 

ここに来た理由は、ここから出る手段を調べること。

ルフィにはそう伝えた。

とりあえず何か適当な本でも探してみようということで、ルフィが飛び出していく。

こちらも適当に彷徨くと見せかけ、まっすぐ目的の場所に進んだ。

 

かつて封印されたそれが眠っていた場所にたどり着く。

封印を開け、中を覗いてみる…が、目当てのものはやはりなかった。

 

トットムジカ。

この状況を打開する策の1つだったが、やはりあの時使ったとき楽譜は消滅してしまっているらしい。

もしかしたら時間が経てばまた復活するのかもしれないが、それでもこの世界にまた現れてくれる確率は低いだろう。

こうなっては仕方ないと、こちらも別の手を探しにあたりの本を探そうとしたときだった。

少し離れたところで大きな破壊音がした。

 

音の先に向かっていると、風船のように肥大化した─確かギア4という姿─ルフィと、壊れた人型の何かがあった。

どうやら襲ってきたので粉砕したらしい。

後ろにまだ何体も影が見える。

あまり戦っても不毛だろうと、何冊かそれらしい本を抱えてとりあえず出ることとなった。

 

脱出して、たどり着いたのは最初のあの建物だった。

ルフィにはやはり本というのは難しいのか、頭から湯気を出していたので

少し探検でも行ってきたらどうかと勧めてみると飛んでいった。

どうやらしばらく戦ってなくて体が鈍ってしまいそうだということだ。

どのみち現実の体は鈍りに鈍っているだろうにと苦笑してしまう。

どうやらあの人形の相手をしつつ、また本でも持ってくるとのことだ。

 

 

今回自分で見繕えた本は、悪魔の実についてやこの島の伝承についてだった。

少しでもウタウタの実についてやトットムジカについて何か記載されていれば幸いだと思ったが、やはりと言うべきか収穫は薄い。

どうしようかとしばらく頭を悩ませながら本を何度も読み返していると、やがてルフィが帰ってきた。

流石に疲れたということで昼寝を始めてしまったが、また倍近い本を持ってきてくれている。

本当なら感謝したいところだが、肝心の本の中身はというと…。

 

 

「…まぁ、ルフィは内容まで分かんないか」

 

 

本当に目についたのを適当に持ってきたのだろう。

音楽の歴史の本もあればただ作曲のための本や、なんなら全く関係なさそうな本まで様々だ。

思わず笑ってしまうが、せっかく持ってきてくれた本なのだ。

何か頼りになるかもと一つずつ開いていく。

そんな作業も進み、ある一冊を手に取った時だった。

 

本から、古びた五線譜がはみ出している。

思わず心臓が高ぶるのを感じる。

そんな訳はない。そう思いつつも、期待が膨らんでしまう。

震える手で、その数枚の古びた紙を手にし、引っ張り出した。

 

 

…結果から言えば、それは望んでいたものではない、ただの何のメロディも書かれていない五線譜だった。

作曲用の紙なのだろう。この本はかつてこのエレジアで書かれた音楽をまとめた一冊らしい。

開けば、自分が生まれるより前に作られた曲達が並んでいる。

自分がこれまでの曲に様々な思いを込めたように、

この一曲一曲に、彼らの魂がこもっているのだろう。

 

 

 

─作る?込める?

 

 

電流が走ったかのようだった。

霧が晴れるかのような、暗雲が去っていくかのような感覚になる。

 

何故、今まで思いつかなかったのだろう。

こんな単純な方法があったというのに。

 

すぐに本を膝に置き、代わりに五線譜の書かれた紙とペンを出した。

膝の本を机かわりに、早速思いついたメロディを書き始める。

 

やがて目覚めたルフィが、いつの間にか横で何かを進めているこちらに気づいたようだ。

「…?ウタ、何書いてるんだ?」

 

 

「ちょっとね、新しい曲作ってたの。」

「曲?どんなのだ?」

そう言ってルフィが覗き込んでくる。

今のルフィにどう説明すればいいのかわからないが、

そのまま伝えてしまっていいだろう。

「うーん、完全な新曲じゃないんだけど…なんと言うかな」

 

 

 

 

「新しいトットムジカ…かな?」

 

 

 




to be continued 『讃歌』
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