気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 西暦勇者は奉火祭決行前日の夕方からです。一番御影が強い時期ですね。ほんっと、強いんすよ······。
 また一つ爆弾が増えた········。



花結いのきらめき【11】

 

 

 

 

 無事あの後自己紹介を終え、多少は雰囲気が明るくなった。まぁ、新たに問題が発生したのだが·····

 

「サインおなしゃす!」

 

「おなしゃす!」

 

 キラキラと輝いた目でこちらに色紙を差し出す同一人物である二人の三ノ輪 銀。更に後ろには高嶋にそっくりな結城がニコニコして待っている。

 

 そんな光景に思わず頭を抱え、ひなたに助けを求める。

 

「してあげてください。四国の大英雄さん」

 

「いや、俺はそんなんじゃ······あ〜もう、わかったよ。サイン書くのは初だから文句は受け付けねぇぞ」

 

 ペンと色紙を受け取り、名前を書く。続け書きすれば、それっぽくなる筈·······だよな?

 

「ほい」

 

「おぉ〜!ありがとうございますっ!」

 

 むず痒いような······小っ恥ずかしいというか······まぁ、いいか。いくら書こうが減るもんじゃねぇし。

 

「お願いしますっ!」

 

 う〜ん、何処からどう見ようが······いや、髪飾りが違うな。逆を言えばそこしか違う場所がない。

 先程同様にそれっぽく書き、手渡す。

 

「家宝にしますっ!」

 

「するな。押入れにでも仕舞っといてくれ」

 

 こんなヘンテコなサインを飾られるというのは恥でしかない。そんなことされた夜は落ち落ち寝れないぞ。

 よし、これで最後······おっと、まだ一人······。

 

「お願いしますっ!」

 

「·········高嶋は貰う必要ねぇだろ?」

 

 なにしれっと並んでんだよ········同じ時代から来ただろうが。

 

「あっ、つい·······」

 

 他の人が並ぶのを見て並んじゃうタイプの人だな、こりゃあ。悪い方向に転ばなければいいんだが······。

 

「それにしても、士郎くんは一躍有名人だね」

 

「全く凄いことをした覚えはねぇんだがなぁ·······」

 

 ただバーテックスを斬って、ワイワイして、ブチ切れて、逆転して·········碌な記憶がないな。もう考えるのはよそう。

 

「士郎くんは十分凄いよ。だってほら、あっちでタマちゃんが」

 

 高嶋の視線の先には小学生組とシャルルマーニュにタマと杏がなにか言い聞かせてる。微かに聞こえる内容からして俺達の戦いのような気が·········

 

「めっっっ·····ちゃ恥ずかしいな。今すぐ帰っていいか?」

 

「駄目ですよ、士郎さん。まだまだ沢山時間はありますからね」

 

 コレ、なんて言う地獄だ?戦場よりも救いがないような気がする。

 三十分の辛抱だ、俺·······耐えろ。耐えろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局三十分経つまで生き地獄を味わされたが、なんとか生存することが出来た。これぞ忍耐力ってやつだな。

 

 今日の勇者部(と言うらしい)は解散となり、俺達はひなたに案内された家でテーブルを囲んでいた。

 

「今日はいいお肉が届いたので今日は無礼講です」

 

「うぉー!」

 

 タマがいつもよりハイテンションだな。その気持ちよーくわかる。

 次々に下味をつけた肉が続々と焼かれていく。正直言って、匂いだけで米が進む。

 

「焼き肉なんていつ振りだろ?」

 

「·······久しくやっていなかったな。だいたい四年振りぐらいか?」

 

「仕方ないでしょ。領土を失った分飼育スペースも狭くなるものよ」

 

 若干千景もテンションが上がってんな。これがお肉パワーってやつか。

 

 焼き肉か········確かに初めて見る食い方だな。美味しい海鮮料理は旅館で食べたことはあるが、肉はなぁ·····。

 

「300年もあれば、ここまで復旧出来るんですね」

 

「そりゃあな。逆に同じ状態なら命の賭け損ってヤツだ」

 

 流石にちょっと大社に殴り込みに行かんといけなくなる。でも、貰った肉は美味しく頂きます。

 

 あぁ、美味い······焼き肉のタレつけて食うだけで何故こうも美味いのか。この食べ方を考えだ人は天才だな。間違いない。

 

「········ん、どうした?焦げちまうぞ」

 

 妙に肉の減りが遅いと思ったら、皆の手が動いていない。さっきまであんなはしゃいでいたタマでさえも箸を止めている。

 

「士郎さんは······死ぬのが怖くないんですか?」

 

「いや、別にって感じだが」

 

 死の恐怖は三回ぐらい感じたが、体が動かなくなる程の恐怖を持ったことはない。

 腕チョンパした時と、千景にやられそうになった時と、完成体と相対した時だな。

 

「いやまぁ、感じるちゃ感じるが·······こう、なんというか······次に繋げるなら命の賭け甲斐ってのがあるもんだ。事実、乃木 園子って奴がいるしな」

 

 俺がやったことに一切の間違いがないってことの証明だな、アイツは。

 

「そして、肉が美味い」

 

 ほんっと命賭けて良かった〜。こんな美味い肉が食えるなんてな。魚もいいが、やっぱ肉だ。

 

「········あっ、士郎!タマのだぞ、ソレ!」

 

「焦がすよかいいだろ」

 

「ぐぬぬ······士郎のを寄越せ!」

 

「あっ、俺の!」

 

 許せん······俺の肉を取るとは······!米を没収したろか!?

 

「コラコラ、球子。お行儀がわ――」

 

「若葉のもらい!」

 

 若葉がタマの餌食に······あ、タマが一瞬で吊るされた。

 

「タマっち、自業自得だよ········」

 

「先輩をつけろー!」

 

 南無三········タマの肉は俺が食っとくからな。安心して吊るされてくれ。

 

「はい、ぐんちゃん焼けたよ」

 

「え、えぇ·······」

 

 高嶋は動じないな········めっちゃ千景が助けを求めてるが無視しとこう。肉うめー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「電気消すぞ」

 

 若葉の言葉と共に電気が落とされる。

 まぁ、まずは一つ突っ込んでおこう。なんで俺達は布団並べて寝てんだ?俺は男なんだが·······いや、もういい。さっさと寝よ。

 

「皆さん、明日はお引越しがあるので早く寝てくださいね」

 

「はーい、おやすみなさーい」

 

「千景は夜更かしすんなよー」

 

「しないわよ。貴方こそ変な気は起こさないでね」

 

「起こすか。てか巻き込んだのはお前らだろうが」 

 

 リビングで寝ようとしたら強制で運び込まれたからな。被害者は俺の方だぞ。まぁ、変な気を起こさないうちに寝ねぇと

 

 瞼を閉じ、羊を数える。

 羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹········うっ、右腕に重みが········―――。

 

 

 

 

 

 





 お肉美味しい。お肉美味しい。お肉美味しい。お肉美味しい。

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