気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 ピピ。地雷原を感知、撤去作業に移ります。策戦決行、――失敗しました。不貞寝しますっ!



花結いのきらめき【13】

 

 

 

 猫探しの翌日。平日ということもあり、普段通り授業を受けて········いたのだが、敵はそんなこと気にせず襲撃してくる。

 

 樹海の根に並び立ち、こちらへ近づいてきている星屑を遠目で見る。

 

「今日も多いですね····」

 

「この量を以前のスペックで、と考えるとゾッとするな·······」

 

「完成体来るよかいいだろ。あんな硬え奴二度と相手したくねぇよ」

 

 西暦での戦闘風景は映像で見たことはあるが、勇者システムは現在のスペックとは雲泥の差だった。精霊バリアなし、武器は自由自在に変形しない。

 

 例えるならば······fgo初期のようなものだろうか。あれは本当に低レアしかいなかった。星五なんて奇跡みたいなもんだ。

 

「それでは、今回も俺が一掃しようか」

 

「ちゃちゃっとブチかましてやんなさい」

 

 もうこれ、完全に作業だな。まぁ、これが一番安全だから文句はないんだが·······周りの成長を潰してるような気がしてしまう。

 

 そんなこと思いつつ、どかーん。

 

「やっぱり、シャルル君はいつ見ても綺麗ね」

 

「それじゃあ、シャルが綺麗ってことになるわよ?」

 

「? そういう意味よ?」

 

 なんか後ろで俺にダメージ来るような話してるな?綺麗じゃなくてカッコイイでおなしゃす。

 

「これで星屑共は·······げっ、完成体来やがった」

 

 煙の中から登場とは·······水瓶座、中々わかってるな。でも、見分けるのに時間かかるから出来るだけしてほしくない。

 

「見たことない形のやつだな。よぉし、ここはタマが·········って、あれ?」

 

 なにかを投げるような動作をしたものの何も飛ばず、自身の腕を見入る。

 ·········あっ、そういえば以前の戦闘で盾が砕け散ってたな。この場合······どうすんだ?素手か?いや、そんな訳ない·······よな?

 

「そういやそうだったな。ほれ、タマ。腕の良い鍛治師が治しといてくれたぞ」

 

「よしきた!そーちゃくっ!」

 

 体内から取り出された盾を無造作に球子へと投げる。それを危なげなくキャッチし、腕へと装着。

 

 腕の良い鍛治師········村正か?こういう形の疑似サーヴァントは初めて見るな。てことは毎回取り出してる刀は村正製······一本ぐらい盗んでもバレんか。

 

「これが本物の四次元ポケットか〜」

 

「いや、これ多分違う感じのヤツじゃないか?」

 

「人間技ではないわね·····」

 

 これについては後でじっくり考察するとして、まずはバーテックスを倒すか。ついでに俺ではない俺も。

 

「どうにかしてここから倒せないかな?」

 

「ここから、ですか?」

 

 高嶋の言いたいことはわかる。

 前に出れば、奴から奇襲される可能性が出てくる。ならば、ここからバーテックスを倒すのが安全ではないか、そういう考えだろう。だが、あのバーテックスには

 

「あのバーテックスは水球によって遠距離攻撃の勢いを殺します。ここから倒すとするなら、水球ごと貫く程の一撃を放たなければ出来ません」

 

「あの水の味は最初ソーダ味で途中からウーロン茶になりましたっ!」

 

 以前戦い知ることが出来た情報を知らない西暦組へと伝える。食レポがあったような気がするが、聞き間違いだろう。

 

「········よし、それなら俺が斬ってやらぁ」

 

「斬る?この距離から斬るって······どんだけ長い剣使うのよ?」

 

「まぁ、夏凜。ここは信じて待ってくれ」

 

 士郎の手に刀が握られ、それを根へと刺す。なにかの準備をするように何度も繰り返し根へと刺していく。

 

「もう帰る準備していいかしら?」

 

「そうですね。もう帰る準備しときましょう」

 

「ふむ·······ならば、俺も帰る支度をするとしよう」

 

「ちょ、アンタら。まだ終わってないわよ?」

 

 この感じ、西暦組が見たことある技か。なら、その破壊力も知っている筈。ここは帰る支度をするのが最善だな。

 

「破却、―――収束」

 

 根に刺さっていた刀達がその言葉と共に粒子となり、御影の手で一本の刀と化す。

 引き込まれるような刀身。そして、何もかも斬るであろう鋭さ。正に究極の一と呼ぶに相応しい。

 

「うぉ、らぁぁあ!!」

 

 振るう、たったそれだけの動作で斬撃が生じ、障害となるもの全てを両断する。バーテックスを通過しても尚、勢いは止まらず彼方へと消えていった。これには西暦組以外言葉が出ない。

 

「疑似宝具か」

 

「ほうぐ······なんだそりゃ?」

 

「········いや、知らないなら良い」

 

 無意識か·······よくこの技に辿り着いたな。てか宝具を知らないってことは魔術的知識ゼロ······つまり魔力放出なしでこの身体能力か·······ばけもんだな。

 

「また滅茶苦茶な奴が増えたな······いや、頼もしい限りなんだけどさ」

 

「男性勇者にはなにかあるのかしら?」

 

「腕力、かな?」

 

「友奈さん、それは関係ないんじゃ······」

 

 まぁ、友奈の言う通り身体能力から違うだろうな。俺の場合はいくつかバフを盛ってはいるが、御影はこれが素の身体能力だ。存在が置換されているとは言え、流石にこれは予想外。

 

「さて、第二波だ。どう迎え撃つ?」

 

 大量の星屑+射手座、蟹座、蠍座の仲良し三人組がのそのそとこちらに近づいてきている。

 

「蠍、蠍ねぇ·······確かに毒はある。厄介極まりねぇな」

 

「蠍はタマが殺る。」

 

「いいや、球子。蠍は私が斬る」

 

「わぁ〜、ご先祖様やる気だ〜」

 

「いや、あれはやる気というより殺る気······」

 

 急に殺意が高まった西暦組は一先ず触れずに、作戦を練る。

 俺と御影抜いて六、三、五だな。これをいい感じに別けるには·······戦力的にまだシステムに慣れてない西暦に神樹館入れて、神世紀組はこのままでいいな。

 

「―――いや、ここで一度試すか」

 

「試す、ってなにをだ?」

 

 それはもちろん―――

 

「千変万化の我が剣を此処に」

 

 ジュワユーズに輝きが灯る。全員の視線を()()()にする程の眩い光と共に魔力が剣へと奔っていく。

 

「無限の色彩よ。我が王剣よ。」

 

 十二本のジュワユーズが加算。三対、計六の翼を羽ばたかせる。ここまでは問題なし。

 

「全て―――」

 

 矛先はバーテックス共に。制御権に異常なく、正常に動いている。

 

「全て、この輝きに屈せよ―――ッ!

 その名は―――」

 

 蟹座の盾が障害として立ち塞がる。だが、その程度で止まる王勇は持ち合わせていない。

 

「――王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣(ジュワユーズ・オルドル)!」

 

 世界が轟音と共に光に包まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、終わった終わったぁ······」

 

 消滅していくバーテックス共を眺めながら一息つく。そして、体の状態も確認する。どうやらこちらの世界でも一回は一回のようだ。

 

「降りよ、大天狗―――ッ!」

 

「きゃっ!」

 

「若葉さん、なにを·····っ!?」

 

 突風が吹き荒れる。なにかに引っ張られるように風が俺を過ぎていく。

 西暦時代の勇者が使用したとされる切り札。精霊を体内と入れ爆発的な火力を手に入れる。代償はあるが、この世界でならなしで行えるだろう。

 

「ハァー!」

 

「チッ······!」

 

 切り札によって底上げされた飛翔力を用いた圧倒的な速度。一呼吸で御影との距離を縮め、その勢いのまま太刀を振るう。それを顔を顰めながら防ぐ。

 

「輪入道!薙ぎ払え!」

 

「力を貸して、酒呑童子―――ッ!」

 

 そこへ元の大きさの倍々になった火車のような盾で追撃を入れる。今度は防がれることはなく直撃し、火車ごと樹海の奥へと―――途中で抜けたのが見えた。

 西暦勇者達はトドメを刺すためか、その人影へと駆けて行った。

 

「仲間割れ!?」

 

「待て、風先輩。コレはなんかありそうな感じだ」

 

「なんかってなに―――」

 

 風先輩の言葉を遮るように樹海の根へと何かが叩きつけられる。段々と散っていた木片が落ちていき、その全貌が見えてきた。

 

 叩きつけられた人物は―――

 

「いったぁ·······、これが四国の大英雄·······人間じゃないなぁ。よっと、と·····」

 

「三人目!?」

 

 少しバランスを崩しながらもなんとか立ち、吹っ飛んできた方向を睨む。奇しくもその顔は友奈にそっくりだった。

 

「―――火色舞うよ·····そうカッコつけた割には弱っちいな。ちゃんと飯食ってんのか?」

 

「貴方基準なら全員弱いでしょ。西暦勇者だって貴方にとっては足枷·······だよね?」

 

「侮辱か?侮辱だな。楽に死んでいけよ」

 

 煽りには煽り。侮辱には腹の底から湧き上がる怒りを。

 

 てか御影じゃん!?てことは、さっきいたのは·····あぁ、なるほど。全て把握した。さて、次にすることは·····なんだ?どうすべきだ、コレ······。

 

「私とわっしーで士郎先輩を援護しますっ!」

 

「! よぉし!俺達は御影のそっくりさんぶっ倒すぞ!」

 

 切り札で手加減なしの状態だが、奴の戦い方は面倒臭い。弱点を突かれたら誰だって負ける可能性が出てくる。

 

 ジュワユーズを目映きは閃光の魔盾にし、走り出す。友奈そっくりな奴は御影がなんとかしてくれるだろう。まぁ、絶対に全滅はありえない。

 

 

 

 

 

 

 





 結構ガチに殺しに行ってるの怖すぎ········前回の恨みが高すぎる。そして御影は手加減してやれよ、大人気ねぇ。

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