気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 今までのを自分で見直したのですが、とても多くのミスがありました····。しかも、シナリオに関わる所も···本当にすいません。今後はこういう事が減るように努めます。




休日

 

 

 

 

 

 今日は待ちに待った休日。日曜に遊ぶために今日中に全て終わらさないといけないな。

 

「まずはキッチンだな」

 

 コンロ周り、冷蔵庫の中身の整頓&中を空っぽにしてからの清掃。一人暮らしは基本的に冷蔵庫の中身はガラガラだからこういう時は便利だよなー。

 

「次に水周り」

 

 排水溝に少し溜まっている生ゴミを袋に入れて、ゴミ袋へと入れる。

 

「······」

 

 トイレはまだ一回も使ってないから、床や壁の掃除だけでいい。排泄しなくていいのは普通に嬉しいな。水道代も浮くしな、まぁトイレットペーパーは念のため、準備はしている。

 

「あとは使ってない部屋だけだな。」

 

 俺が使っている部屋は起きて早々に掃除して、布団はベランダに干している。

 

「果たしてこの部屋達は使うときがくるのか·····?」

 

 一階、二階に二部屋ずつある。一階の一室は俺が使っている。

 

「よし、今日は念入りにやるか!」

 

 今日までしなかった、押入れも掃除しちゃうぜ。まず、床と窓を雑巾で拭いて、押入れの扉を外して中を雑巾で拭く。

 

「埃ヤバいな·····」

 

 毎回するべきだな······。

 

「あと一部屋だな」

 

 二階の端にある部屋がラストとなる。ここも前と同じように掃除していく。

 

「よいしょっと」

 

 押入れの扉を外して、中を見る。

 

「これは······箱か?」

 

 隅っこに埃を被った箱が置いてある。とりあえず吹いてみる。

 

「めっちゃ古いな。」

 

 一目で分かる程のボロボロさ···‥

 

「何が入ってんだ?」

 

 箱の蓋を開けると中には一冊の本が入っている。

 

「えぇーっと······『勇者御記』?」

 

 何だコレ?ペラペラとめくったが、見た感じ古代文字とかでなく、普通に日本語だな。

 

「勇者······か」

 

 勇者とついてる以上、御役目に関係している事ということは分かる。

 

「後でしっかり読むか。」

 

 何で此処にあるのか、中身は何についてなのか、とかいろいろ気になるが、掃除の途中だからここはぐっとこらえて中に仕舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー、終わったー。」

 

 全ての場所の掃除が終わった。あの箱は忘れないように俺の部屋に置いている。

 

「あとは消耗品の補充だな。」

 

 午後はイネスに行って、消耗品を買う。ついでに昼も済ませるか。

 

 

 

 

 

 

「さて····何処で食うか。」

 

 こんな時にはフードコートで美味しそうなのを食べるに限るな。そうと決まれば、早速······ 

 

「ん·······あれは····?」

 

 なんか、見覚えある二人が見えたが······

 

「······なにやってんだ、アイツら」

 

 観葉植物で身を隠して誰かを監視してんのか?二人の頭の向きを辿って何を見ているのかを確認する。

 

「·····銀か」

 

 三ノ輪さんを監視してるのか?どういうことか、さっぱり分からん····。

 

「あっ」

 

 偶然、通りかかった女性の鞄の中から蜜柑や林檎などの果物が溢れ落ちる。·······ここでもか。

 

「手伝いますよ。」

 

「すいません·····ありがとうございます。」

 

 あの量を二人じゃ時間かかるし、俺も行くか。····ついでにあの二人も

 

「オレ達も手伝いますよ。」

 

「ありが―――ってシャル!」 

 

「よっ」

 

「よっじゃなくて······今、俺()って·····」

 

「おう!乃木ー、鷲尾ー、手伝ってくれー!」

 

「うん!」

 

「ぇ、えぇ!」

 

「須美も園子もいるのか····」

 

「まっ、とりあえず拾おうぜ。」

 

「う······うん。」

 

 一気に人数が増えたし、これで一瞬で終わるな。

 

 

 

 

 

 

「うぇ〜、朝から全部見られてたのか····それは恥ずいな·····」

 

「ううん、ミノさんカッコよかったんよ〜」

 

「そうね。」

 

「銀はカッコイイぞ!」

 

 あの後、成り行きでお昼を一緒にする事になった。俺はハンバーグ定食を頼んだ。ってか朝から尾行してたのか、俺よりヤバいな。

 

「うぅぅ〜·····」

 

「それで、シャルルマーニュ君はどうして此処に?」

 

「オレは買い物だな。いつも土日にイネスに消耗品を買いに来てんだ。」

 

「イネスは·····いいぞ····。」

 

「お、おう。」

 

 何か····もう、うん·······何も言えない。どこぞの主人公より不幸体質してんな·······いや、あっちはそうあれとしてるだけか。

 

「元気出して、ミノさん。私のうどん、残り食べていいから」

 

「マジ!」

 

 復活、はっや!

 四国の人はうどんが大好きと聞いていたが、ここまでとは········恐れ入ります。

 

「やっぱ、うどんは美味しいな!」

 

「そんな、急いだら喉に詰まっちゃうわよ。」

 

「じっー····」

 

 乃木さんがめっちゃ俺のハンバーグ見てんだけど····。

 

「ハンバーグ食うか?」

 

「うん♪」

 

 まぁ、もう米はないしいいか。

 

「あ〜ん」

 

「―――」

 

「「ッッ!!」」

 

 ―――ハッ、危ねえ一瞬、思考が停止したわ。これはやるのが正解か?いやでも·····!これやったら完全に事案なんだけど!

 

「はい、あ〜ん」

 

「んっ」

 

 シャルルマーニュ!!これ完全に俺、牢屋行きなんだけど!

 くそっ、体が勝手に甘やかしてしまう·····なんか、そういう雰囲気が乃木さんから出てるな、これは。

 

「んん〜〜!美味しい。」

 

「そりゃあ良かった。」

 

「な、な、なな!」

 

「·····今のって·····間接キス?」

 

「き、き、KISU!」

 

 とりあえず、鷲尾さんは落ち着け。なかなかにカオスだな。まぁ·····当事者は幸せそうにハンバーグ食べてるけどな。······もうどうでもいいや

 

「!」

 

 言い知れない感覚が背筋をなぞる。これが第六感というものだろうか······とりあえず、こっから離れないと

 

「落ち着けよ須美」

 

「え、えぇ、ごめんなさい。」

 

「あれ、どうしたのシャル?」

 

「ちょっとオレ、水注いでくるな」

 

 席から速く立たねぇと······!

 

「うん、いってらしゃい」

 

「すぐに戻るな。」

 

 よし!席から立てた。後は三人から見えない所まで―――

 

 ――――チリン、チリン

 

「―――っ!」

 

 全然、離れなかった·····!

 

「あぁ〜、休日気分が台無しだな·····」

 

「······シャル、動いてないね。」

 

「確かにそうね」

 

「まだ、勘ぐってたのかよ····」

 

「これで彼は容疑者から外せるわね」

 

「容疑者って······」

 

 呼吸を止めろ、音を出すな。死人みたく動くな。この一瞬だけは死ぬんだ。

 

「さっ、今日もガンバロー!」

 

「おう、そうだな!」

 

「えぇ、御役目を果たすわ。」

 

 変身してる今のうちに霊体化して、ここを離れる。これでひとまず、ばれる事はないな。あとは樹海化を待つだけだ。

 

「――――」

 

 視界が花弁一杯になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界が一転した。

 

「――――ここは·····何処だ?」

 

 見渡すが、いつもの樹海ではなく中世あたりのドラマで出てきそうな城(?)の中にいった。

 

「――ってか、この体は····!」

 

 シャルルマーニュの肉体ではなく、昔、前世の肉体に戻っている。どうなってんだ····これ、全く理解が出来ない。

 

「·······進むか」

 

 ここで頭抱えても意味ないし、とりあえず前に進むことにする。

 

「すごいな·····」

 

 歩きながら、壁や天井を見るが、どこの部分も細部まで丁寧に装飾をつけられている。

 

「おっ······あれは·····!」

 

 そのうち、広間のように出た。玉座がある。······誰かいる····!

 

「―――おっ、来たみたいだな!」

 

「まさか、····本物の·····」

 

 本物なのか?――――いや、俺が見間違う訳がない。

 

「おうともさ。正真正銘本物だよ!」

 

「―――」

 

「俺の真名()はシャルルマーニュ――」 

 

「フランス、フランク国の国王である·····なーんてなっ!」

 

 間違いない。彼が正真正銘のシャルルマーニュ。ってことは此処は英霊の座なのか·····でもシャルルマーニュは英霊の座にいないはず·····

 

「アンタを呼んだのは他でもない俺だ。」

 

「!······どうしてオレなんかを呼んだんですか?」

 

 俺の体を勝手に使いやがって殺す!····とかならないよな····?

 

「まだ、使えないスキルがあるだろ?」

 

「はい、あります。」

 

「それについてのアドバイスをしてやろうと思ってな」 

 

「おぉ〜!それはどうも」

 

 今、俺がシャルルマーニュとして使えないスキルは『聖騎士帝』『王道踏破』が発動出来ない。

 

「最初に言っておくぞ」

 

「·······」

 

「今のままじゃ、絶対に使えない。」

 

「―――それ、は···オレが偽物だからですか?」 

 

「いや、アンタの今の状態は俺の分霊に魂が入って活動している。」

 

「········」

 

「入ってるモノが違うだけで、スペックは俺が分霊になって召喚された時と完全に同じだ。」

 

 じゃあ、俺がスキルを発動出来たないのは他に理由があるのか······

 

「発動出来ない理由はいたってシンプルだ。」

 

「········」

 

「ハッキリ言うぞ。」

 

「はい。」

 

「――――カッコよくない!!」

 

「―――――え?」

 

「今のアンタは俺に縋りついてるだけだ!」

 

「―――――」

 

「俺を憧れにしてくれるのは正直、めちゃくちゃ嬉しい!」

 

「でもな、結局行動するのは自分自身なんだ。自分の足で前に進むんだ。俺じゃなく、アンタが自分の足でだ。」

 

「――――」

 

「王勇は何だ?」

 

「それは········万人を救う―――」

 

「違う!違う!ちがーう!」

 

「――――っ!」 

 

「アンタの心から出た言葉を聞きたいんだ、俺は!」

 

「······」

 

 俺の······王勇·····それは――――

 

「――――守りたい。

 

「もっとハキハキと!」

 

「世界を平和にできなくても―――」

 

「万人を救えなくても―――」

 

オレは····俺は―――!」

 

「せめて――せめて友達だけでも―――守らせてくれ!!」

 

「――いいじゃねぇか。今のアンタ、最高にカッコよかったぜ!」

 

 何か、喉につかかっていた小骨が取れた感じがするな。

 

「あぁ、俺は――そうだったのか」

 

 こんな簡単な事に何で気づかなかったのか。

 

「その気持ちをゼッータイ忘れるなよ」

 

「この気持ちだけは絶対に忘れませんよ。」

 

「あとは、十二勇士だが····俺から言ってみとくから安心してくれ。」

 

「それはありがたいんですけど·····こっからどうやって、帰ればいいですか?」

 

「ここに来るまでの道を戻れば帰れるぞ。」

 

「·····ただ、あっちじゃ何日か進んでんだよな」 

 

「·····何日ぐらいですか?」

 

「もう3日ぐらい進んでる。」

 

 つまり、あっちじゃもう火曜日か·····やべぇ、北野の約束、ばっくれたみたいじゃねぇか····!

 

「それじゃあ、俺は帰りますね」

 

「そっか·····それじゃあな!」

 

「いろいろとありがとうございました!」

 

「アンタの旅路に希望があることを願ってるよ。」

 

 速く戻らねぇと―――!

 

 

 

 

 

 

 






 補足
・この世界線では月の聖杯戦争はない事にします。
・カール大帝はあっち側にいます。
・地の神が抑止力ということは····天の神は
・英雄達は多分これからほとんど出ません。


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  • 天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
  • のわゆの後日談[西暦勇者、知らん奴]
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