空気最悪で終わってんな、前回······しかも珍しくシャルルマーニュが発端か。いや、須佐之男か?
「カール大帝の名を借り受けた······?」
「これまた曖昧な返しだな」
「仕方なかろう。詳しく説明すると小一時間かかるぞ」
魔術関連以前に事情がややこしすぎる。元は村正でなんか転生してシャルルマーニュになりましたー、とか自分が解っても他人が理解出来るかどうか·······。
この中で小一時間に耐えたのは中園子と中銀のみ。どちらもドヤ顔しながら離れでお茶を飲んでいる。
「包み隠さず言えば良かろう。“貴様らは信用出来ない”とな」
「········発言は赦していないぞ」
「これは失敬」
そのある意味での爆弾発言に流石にドヤ顔を維持出来ず、湯呑みを机に置く中園子と中銀。
西暦組としてはシャルルと関わりを持ち三週間やそこら。だが、勇者部の面子は最長一年半。そこまでの付き合いがあっても尚シャルルの信頼はない。ただ守られているだけの存在········そう解釈出来る。
沈黙。重苦しい空気だな、と思いつつ打開策を出すために頭を絞る。 御影がシャルルへとアイコンタクトを送るも返しは首を横に振るのみ。
そんな空間ではあれどいつまでもそう黙りこくっていてはなにも始まらない。ならば誰かが口を開くしかあるまい。
「シャルくんは私たちを信頼してないの?」
「している、とは一概に言えない。友奈達が信頼出来ないのではない·······ただ、少しこの問題は難しいというだけだ」
見た目を偽っていることになにも言わないだろう。そんな者達ではないと言い切れる。だが、俺が騙していたと受け取られたのならば·········悲しむだろうか。
「シャルの信頼度稼ぎが重要ってことね」
「確かに信頼度で発生するシナリオはあるものね」
「そんなゲームみたいな······」
「まずは捕縛して·······その後じっくり·····」
「じっくり?じっくりなにをするのよ?」
「くすぐりを」
「拷問!?」
「っ―――!」
「あ、逃げた」
その言葉が聞こえた瞬間すぐさま荷物を持ち離脱。やはり、シャルルの弱点はくすぐり、とメモ帳に記す園子s。いつか使われそうで怖いな。
さて、これで重苦しい空気は払えた。と言っても事の始まりを起こした者が未だ顕在ではあるが·······
「喜劇だったな」
「そう言うなら笑っとけ」
起伏がない声で喜劇と言われても説得力は皆無だ。それに何処ぞの蝙蝠は喜劇を笑うものとした称した。なら笑うしか他に選択肢はない。
「それで、私に聞きたいことがあるのだろう?」
「それは······そうだが·····」
全員の視線が御影へと向けられる。左腕から血が出てるからとかではない。物珍しさ、だろうか。
御影はあまり空気を読め········いや、読めるには読めるが、あまりにもスパスパ言う。良くも悪くもな。そんな彼が歯切れを悪くしている。それだけでもう異変だ。
「ふと思ったんだが········俺と村正って同一人物だったりするか?」
歯切れ悪くその質問を須佐之男へとぶつけた。質問を受けた須佐之男は鼻で笑いながら答えを口にする。
「肉体だけ見ればYES、心だけを見ればNO、全くの同一人物かと問われればNOだ」
「あー·······わかった」
そんな適当な答えで全て納得したのか追求はなかった。だが、それは彼のみ。他の者を置き去りにしている。まぁ、そんなことをすれば苦情の一つや二つ出てくるだろう。
「ふむ。やはり、御影と村正は別人のようだな」
「うおっ、シャル先輩!」
「やはり、とは?」
校内を猛ダッシュで一周してきたシャルルが荷物を置き、先程まで座っていた席へ座る。
「記憶喪失のその後は二種類ある。記憶が戻るか、新しい人格が形成されるか」
「新しい人格が形成された、ということか······」
「あれ、士郎って記憶喪失してたの?」
「常識とかの記憶以外なかったな」
シャルルの言葉に若葉が納得するもその前提である記憶喪失について風先輩が問いかける。それに答える御影。人数が多すぎてややこしくなっているが、そこはご愛嬌。
ちなみに常識などの記憶は抑止力から提供されているが知る由もなく。
「藤森 水都が壁付近へと命からがら運び、神樹内の神々が回収した。そこからは貴様達が知ってのとおりだ」
「水都さんは·······」
「さぁ?神樹は抜け殻しか回収しなかった。それを運んでいた者など眼中にないだろう。星屑に貪られたか、やりきった後力尽きたか········どちらにせよ地に伏している」
「っ·······!」
ひなたのその問いに表情を崩さず答える。濁された藤森 水都の結末········それは、水都とあまり仲良くない千景ですら眉間の皺を寄せるに値する。
そこに白鳥 歌野や諏訪の人々の協力があったとしても神々は一切の興味はない。ただ、運ばれている抜け殻のみに注視した。
「何故抜け殻のみか、だろ?」
「ああ」
何故、神樹はただの抜け殻を注視したのか。その問いへの答えは至ってシンプル。
「天の神に利用される可能性があった。それだけだ」
「·······どう利用される?」
「神樹が拾えば勇者。天の神が拾えば天蓋。即ち人類の敵として勇者の前に立つことになる」
中身がない英霊の肉体。それは染めやすく、利用しやすい。つまり、あれやれこれやれと指示するとロボットのように従わせれる。そこから人格が形成されるが·······それはいいや。
要約すると御影 士郎は
「士郎が、敵······?」
「まぁ、そうなってしまえば人類の敗北だな」
人類の敗北·······そう考えると諏訪の人々はMVPだな。捉え方としては地獄を存続させた悪魔としても考え得るが、勇者にそう考える奴はいない。
「それにしても········」
「? なんだ、まだなんかあんのか?」
「一年で良くもまぁここまで狂えたな。誰の影響だ?西暦勇者か?」
「「「「「「―――――――ッ!?」」」」」」
「···········」
以前、若葉が御影を常識を備わっている分質が悪いと言っていたがそれは誤りだ。いや、誤りとは言いきれないが··········ちょっと違う。多分本人ですら自覚していない。
「悪を滅せ、正義と共に肩を並べろ、人類を存続させろ。
そんな周りの為だけに刀を振るう·········正に四国の大英雄だな」
「なにを言ってやがる、須佐之男?
これは俺のだ。俺の為だけのモノだ。断じて他人のモノなんかじゃない」
「だから貴様は狂っているのだ。他人のものと自身のものの区別がつかない。
そもそも貴様は若い。人格形成から一年、一度でも社会全体を見たか?狭い囲いの中でいいように使われて満足なのか?」
御影 士郎は言わば赤児である。人の性格はその者を取り巻く環境によって形作られる。
殺人鬼は酷い家庭環境で育った者が多い。たまにバグのような存在もいるが今回は例外とさせてもらう。
※酷い家庭環境=そこの子は犯罪を犯す、なんて法則はありません。偏見の目で見ないようお願いします。
そして、勇者という聖者にも似通う者達と苦楽を共にした御影は聖者········う〜ん、聖者、かなぁ。まっ、まぁ基本的には優しいしぃ?聖者の分類だと思い、たい。
「だから俺は親玉ぶっ倒して世界見ようと夢見てんだろ」
それは遠征調査で若葉達と語った夢。美しい景色を見てみたいと望んでいた。
「それはただのゴールを設置しただけだ。貴様がやる必要のない事を正当化するためのな」
「ああ゛·······?」
「ちょ、ちょっと二人共落ち着いて······!」
高嶋が仲裁に入り込もうがその程度で止まらない。もうちょい覇気と語気を強くして、御影の頭をポカリと殴れば仲裁出来るだろう。しないとは思うが。
「須佐之男、もう喋るな」
「··········まぁ、いい。いずれわかることだ」
シャルルのその言葉を聞き届けたのかは不明だが、姿が見えなくなり何処かへと消えていった。
「·········なぁ、シャル。村正の年齢って何歳だ?」
「肉体、精神。どちらだ?」
「どっちも」
「肉体が16、精神が28·······俺の記憶が正しければな」
「28!?同年代じゃないの?!」
「若作りねぇ。秘訣でもあるのかしら?」
「衝撃の事実がさらっと······」
身長は170cm手前。その後伸びたのは2cm程度·······中学で成長期が終わったとは本人談。
「そして俺の精神年齢は1歳と······参ったな、こりゃあ」
御影ぇ·······須佐之男がいい的ついてんなぁ。荒ぶる神はめっちゃ知的、とメモメモ。まぁセイバークラス(三騎士)以外だったらちゃんと荒ぶっていそうですがね。ちなみに三騎士云々はfakeのアルケイデスが参考例です。
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犬吠埼 風
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犬吠埼 樹
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にぼっ······三好夏凜
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乃木 若葉
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上里 ひなた
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高嶋 友奈
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郡 千景
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土居 球子
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伊予島 杏
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白鳥 歌野
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藤森 水都
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乃木 園子
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三ノ輪 銀
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その他(北野とか柚葉とか)