気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 奏章Ⅱで情緒ぐちゃぐちゃになっている者です、どうも。
 さて、前回は·······なんだっけ。シャルルと御影がPKしたぐらいしか覚えてない·····。まっ、いっか。それでは、どうぞ。



花結いのきらめき【36】

 

 

 

 

 歩き続けて数十分程。やはりと言うか、何と言うか·····

 目の前に広がる星屑の群れ。先程蹴散らした二倍以上の数がうじゃうじゃと動き回っている。集合体恐怖症の人が見れば卒倒待ったなしの光景だ。

 

「案の定だな」

 

「G?」

 

「「っ·····!」」

 

 思ったことを口にしたのだろう。けれど、その呼称は聞くだけでもぞわっとするもの。東郷と須美のように真っ青となるだろう。

 

「ぎ、銀っ!!」

 

「ごめんごめん。つい」

 

 ぽかぽかと殴られている幼い自分を見ながら思う。言った方が良かったか?と。そうすれば小さい須美から·······いや、言ったらズガンだわ。

 

「シャルルマーニュ、もう一度頼めるか?」

 

「おう、任せてくれ」

 

 楽に一掃できるのならそれに越したことはない。

 どの台詞にしようかな〜、と思いながら少女達を巻き込まないように数歩前に出る。決めると同時にジュワユーズの柄を握り締め、輝きを放つ。

 

「じゃじゃ〜ん!

 どうだい、見てくれよ俺の武器っ!」

 

 前回と打って変わっての陽気さ。これには御影も目を見開き驚いている。というか初対面組全員驚いている。

 

「これこそ世界で最も陽気な聖剣、―――即ちジュワユーズ!

 もんじゅわ〜〜〜、って感じだぜッ!!」

 

 侮るなかれ。放たれるは至高の十三連撃、触れるもの全てを灼き尽くす。絶対的で不変たる破壊力。だがしかし、その光景は幻想的で美しい。正に王たる技と言って相違ない。

 

「殲滅完了、とまではいかなかったな」

 

 ほとんどの星屑は消え去ったが、殲滅まではいかなかった。その理由が蟹座による盾。何枚か砕いた手応えがあったが、本体を倒した感覚はない。

 

「こっからは残党狩りだな」

 

「そうするとするか」

 

「結局かぁ」

 

 目標は蟹座の打倒&残った星屑の殲滅。

 楽出来ると思っていた雪花だが、結局いつもも同じになってしまったことにため息をつきながら槍を投げる。

 何度でも武器を出せる勇者システムの特性を利用した単純明快かつ強力な戦法だ。

 

「シャル、蟹行くぞっ!」

 

「わかった!」

 

 シャル&御影で蟹座、残るは星屑といったふうに別け、走り出す。最早あの二人に追いつける者はいない。

 蟹座は未だ盾の後ろに隠れているが、この二人にとってそんなことは関係ない。道を塞ぐのなら切り拓くまで。

 

「トルナードッ!!」

 

「一つ、二つ、そして三つ!」

 

 一枚は氷として砕き、もう一枚は三刀によって砕かれる。これにより、道は拓かれた。そして現れたる根本を―――

 

「なにっ!?」

 

 大きく開かれた口らしき空洞。そこから這い出たるは白い怪物、即ち星屑。何匹も何匹も岩の下にいる虫のように際限なく出てくる。

 

「コイツが源流か?!」

 

 御影の推測通りコイツが星屑を生み出している大元。いや、正しくは造阪神が星屑を生産するために作り出した怪物。

 本来であれば浮遊している胴体が地に接している。考察するにあのぶくぶくと太っている腹の中に星屑を作り出す機関或いは転送機でもあるのだろう。

 

「輝けよっ!」

 

 大元であれば、直ちに潰すに限ると考えるや否や十二勇士と共に突貫。最早防ぐ術も避けることも出来ない怪物はシャルルの攻撃を受け、()()()()()

 

「ッ―――、爆撃開始!!」

 

 溢れ出てきた星屑を一掃するため、すぐさま上空で待機していた十二勇士を落とす。それに伴い纏わせていた五大元素が破裂。爆風により、溢れ出てきた星屑は消滅。一匹も逃れることは出来なかった。

 

「ふぃ、焦ったぁ·····」

 

「一段落してるとこ悪いが、まだだぞ。見ろ、あの変な星屑」

 

「ん〜?なんか、禍々しくね?」

 

「だろ?やっぱ、おかしいだろ」

 

 御影が指差す方向にいる禍々しい星屑。明らかに他の星屑とは違う。造阪神がアレンジしたものだろうか。

 

「おっ、あっちにもいるな」

 

「一匹じゃねぇのか」

 

 どうやら一匹ではないようだ。いつもの星屑に紛れ、勇者達へ襲いかかっている。習性は変わらないらしい。

 

 二人揃って観察していると若葉が禍々しい星屑を一刀両断してみせた。特に他とは違う点は見受けられないが·······ただ禍々しい、と結論づけようとした時だった。

 

「―――ふっ、増えた!!?」

 

 すぐさま声がした方向に首を曲げる。

 声がした場所では、髪が赤いため高嶋の方の友奈が驚きながら後ろへ大きく飛んでいた。予想外の出来事があったため反射的に後ろへと飛んだのだろう。

 

「ふんっ!!」

 

 いつの間にか高嶋の前に立っていた御影が力任せに抜き身刀を一人振るい。たったそれだけで前方5mにいた星屑が消滅した。

 

「大丈夫か、高嶋?」

 

「士郎くんのおかげで大丈夫だよ。それよりも今の·······」

 

「どう増えた?禍々しかったか?」

 

「禍々しい·······うん、なんか変なオーラ纏ってたよ。そして、攻撃したら口からバーテックスを出したんだ」

 

「やっぱか」

 

 禍々しい星屑は増えるとメモしながらシャルルは思考する。“何故、若葉の時は増えなかったのに高嶋の時は増えたのか。”

 禍々しいでも違う禍々しいのがいるのか。それとも何らかの条件を満たさないと増えないのか。一先ず考えるのを止め、行動に移る。

 

「オーラ出てるのは無視!!俺が対処する!!」

 

 全体に行き届くように最大声量で号令する。シャルルマーニュが有するカリスマと相まって良く行き渡り、従わざるを得ない。

 

「検証するか」

 

 一先ず最も近くにいた禍々しいジュワユーズで斬る。若葉の時同様増えることなく消滅した。

 

「若葉と高嶋での違う点·······まさか?」

 

 若葉と俺の際の同じ点は星屑を斬ったこと。そして高嶋は·······

 ジュワユーズを鞘へ収め、拳で禍々しい星屑を応戦する。もちろん、ただ殴るだけでは消滅までに至らない。

 

「あらよっと!」

 

 アッパーカットを星屑の腹へと叩き込み、上空へと飛ばす。すると、思った通り星屑を吐き出した。

 

「打撃もしくは一発で仕留めきれなかったら、だろうな」

 

 そう結論づけ、増えた星屑ごと鞘から解き放たれたジュワユーズで両断する。

 打撃形の武器を扱う奴は·····友奈s、タマ、歌野、棗だな。そこまで脅威とはなりえないと思うが、念には念を入れておこう。

 

「禍々しい奴は一発でやれば増えないっ!!」

 

 すぐさま情報伝達。これで間違えていれば大事になる可能性があるが、速やかな情報共有は大事だ。誤った知識を与えない然り。不安を与えない然り。

 

 その後、特に語ることもなく制圧した。

 

 

 樹海化が解かれ、いつも通り教室へと戻ってきた。

 初の奪還としては成果は上々。誰一人脱落せずに終われたのは良いことだ。まぁ、一人サボっていた者がいるのだが。

 

「サボってた訳じゃねぇよ!?」

 

「本当かしら」

 

 ジトーっとした目が村正を射抜く。これに関してはしょうがない。元々敵であったため印象最悪、信頼度が0なのだ。

 

「迷子になってたんですか?」

 

「迷子でもねぇ。単に合流する前に終わってたってだけだ」

 

「そんなに遠い所から始まったんスか?」

 

「ンまぁ······そうだな」

 

 実際、彼が働いているカフェから讃州中学までの距離は徒歩で30分程ある。だが、それは英霊にとって屁でもない距離だ。それが最弱を自称する英霊であっても。よって、別の何らかの要因があるのは明白だが彼はそれを話すつもりはないらしい。

 

「今の間は·····」

 

「何かはぐらかそうとしてる時の間ね」

 

 もちろん、長い付き合いである水都と歌野を騙せる訳がなく。

 

「あー、悪かった。次はちゃんとやっから許してくれ」

 

 事態がややこしくなる前に素直に謝罪。反省の色が全く見えない謝罪ではあったが、今の段階では特におかしな行動をしていないため許すことになった。

 

「それでは話しますね」

 

「頼んだ」

 

 ひなたの一言により、大騒ぎ(シャルルを中心に)していた部室が静まり返る。やはり、そういった所が出来ているのは良いことだ。

 

「今回の戦闘によって土地を一つ取り戻せました。大戦果です♪」

 

「いよっしゃぁ!!!」

 

「そこ、静かに」

 

「あ、すんません」

 

 全員でやる代わりとばかりに一人でガッツポーズを取ったシャルルであったが、風の一撃により撃沈。周りも心臓に悪そうな顔をしているので今後は控えようと思ったシャルルでした。

 

「土地一つ、って香川を確保したでいいんだよな?」

 

「そうですね。この調子なら後三回か四回で全て取り戻せると思います」

 

「今回みたいなのを三回するだけで終わるの?楽すぎない?」

 

 今回みたいなの。つまり、シャルルがどかーん。御影が

ジャキン。たったそれだけで終わった戦いなら何度やっても苦労はない。ただ安全に戦っていれば終わる。

 そんな甘い考えは後に砕け散るのだが、それはまた後のお話。

 

「おいおい、赤嶺のこと忘れたのか?まだ造阪神側には戦力残ってんぞ」

 

「赤嶺か·······彼女も勇者と考えていいのか?」

 

「ああ。正真正銘勇者だ、アレは。と言っても、お前らみたく怪物戦特化ではなく、対人戦特化だがな」

 

「対人戦?」

 

「まぁ、俺みたいに楽に········いや、そもそも真正面から戦うかどうか·······」

 

 彼女との数少ない会話を思い出しながら考える。

 果たして英霊であった御影の仕留め方について賛同した奴が正々堂々戦うか否か。否寄りではあるが、あれは全く歯が立たない敵に対して有効であったがためのようにも思える。

 

「まっ、いいや。御影とシャルルいんなら大抵は突破出来るだろ」

 

「村正、もしてかしてだけど平和ボケしてる?」

 

 脳を止めている所を見たことがない雪花にとっては信じ難い姿だ。だが、彼も英霊であり人理の防人であっても一人の人間である。そういう一面もあるだろう。

 

「するだろ。こんな状況じゃな」

 

「それはそう。ちょっとでもこんな楽し放題の場所にいたら離れたくないよね〜」

 

「········嫌でも帰ることになるがな」

 

「そっ。やっぱりそう答えるんだ」

 

 呆れとはこのこと。やはり平和ボケしようがなにしようが彼は⬛⬛だ。例え終わりが決定しようが止まることはない。何なら決定しているからこそ走れるのかもしれない。ただ我武者羅に。

 

「今ん所急かされる理由ないし、まったり行きましょ」

 

「さんせ〜い」

 

「·······そうですね。ゆっくり過ごしましょう」

 

 この非日常であるが限りなく日常に近い世界から離れたくないと思うのは道理だ。それが、本来であれば数時間後に仲間が供物と捧げられると知っていると尚膨らむ。

 

「·········」

 

 そんな少女らの選択に供物は口を閉ざした。

 

 

 

 

 

 

 





 とりあえず、ゆっくりしてけよ。な?此処にいれば真の意味で死ぬことも、離れ離れになる心配はいらない。拒否する理由なんてないだろ?だから、な?

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