気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 梔子ユメて········死人に口なしってか。ハハ、人の心とかないんか?



花結いのきらめき【40】

 

 

 

 

 

 

 彼は秀才だった。

 

 磨けば磨くほど輝きを増す原石。絶えず磨き続けた彼の原石はダイヤモンドと見間違うものであった。

 

 しかし、終ぞ届くことはなかった。

 彼が未だ磨き続けるのならば、―――いや、そうだったとしても届き得ない。天地がひっくり返ったとしても彼が究極の一に勝りはしない。

 

 生き方にせよ、結末にせよ。そういう運命(fate)だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 樹海化が解け、いつもの部室へ。今回も誰も欠けることなく戻ってこれたことに安堵しつつ、彼からの解答を待つ。と言っても、もうほとんど真相は明かされてはいる。 

 

「てことでまぁ、俺の正体は村正だったという訳だ」

 

 なんなら本人が言ってる。これ以上の説明などないと思われるが、一点だけ疑問点が浮上した。

 

「つまり、士郎は生き延びたということか?」

 

「んーっと·······どういうことだ?」

 

 定位置に座らず、何故か立っているシャルルに若葉が問う。しかし、若葉の問の意味がわからない。何をどうしたら御影が生き延びたという結論に至るのか。

 

「士郎が村正の抜け殻から産まれたのだと聞いた。それなら、シャルルマーニュも同じようにして産まれたのではないのか?」

 

「あー、すまないがそれは違う」

 

「そうか······」

 

 質問の意味を理解し、淡々と答えを口にする。些か酷使だと思うが真実を語るためしょうがない。それに士郎が生き残るなど万に一つないだろう。

 

「じゃあ、なんで村正が二人いるの?」

 

「そりゃあ··········村正、説明頼んだ」

 

「丸投げしたな、お前。後で覚えとけよ」 

 

 ということで説明担当は村正へ。シャルルはそのまま立った状態で腕組み待機しており、他の面々は村正の説明に耳を傾けている。

 

「霊基にシャルルマーニュの名を着名した俺、以上で説明終了だ」

 

「········はい?」

 

「なんか、知らない専門用語がでてましたけど、その説明はー·········」

 

「各自調べてくれ」

 

「マジか、お前」

 

 この一文で内容が把握できたのはシャルルのみ。他はチンプンカンプンである。丁寧に、とまではいかないと察してはいたが、これは予想外。

 

「ちゃんと説明しんしゃいっ」

 

「いてェ········はいはい、丁寧に教えてやんよ」

 

 ぽかりと歌野に小突かれた村正は心を入れ替え、丁寧に説明してくれるようだ。

 黒板へと移動し、チョークを手に取る。そして慣れた手つきで黒板に先程口にした用語を書いていく。

 

「ざっくり説明してくぞ。俺はさっさカフェに戻らなくちゃなんねぇからな」

 

 そう、この男現在進行系でバックレているのだ。一刻も早く戻るべきだというのに、何故説明を引き受けたのか。不思議でたまらない。

 

「俺やシャルルは英霊、またはサーヴァントと称される存在だ。本来は存在できねぇが、召喚とか招集とかでたまに出てこれる。まぁ、滅多にそんなことありゃしねぇがな」

 

「·····あ、この前シャルルマーニュさんがおっしゃっていた降霊術ですか?」

 

「なんだ、もう聞いてたか。まっ、本題はこっからだ」

 

 ここまでは前座。ここからが少しややこしい。というより上手く説明出来るかが怪しい。これ程までに型月世界の設定を知らない者との会話など一度も経験したことがないのだから、どれだけ省いていいのか未知数だ。

 

「さっき言った霊基ってのは英霊にとっての肉体だ」

 

「普通の肉体との違いはなに?」

 

「魔力が基、つってもわかんねぇよな········まぁ、同じと考えてくれ。本当は違うがな」

 

「魔力、ってことは魔法使えるのか!!?」

 

「そんなもん使えるかよ」

 

「えー」

 

 魔法が使えたら第一話で完結してしまいそうだ。根源到達者ならそもそも物語など起きない。あれはあらゆる法則を凌駕する者なのだから。

 

「ンでだ。霊基ってのに着名、ギフトとも言うが······簡単に言えば存在の上書き。英霊だからこそ出来る芸当だな」

 

「それで村正さんはシャルくんになってたんだ。·······あれ?でも、どうして村正さんは二人いるの?」

 

 御影を含むと三人ではあるが、あちらは既に種が割れている。時代も地続きのため問題はないが、シャルルと村正は違う。何たって300年生きた時代が違うのだ。長生きという話ではない。

 

「さっき召喚される、ってのを説明したろ」

 

「座、という場所からだろう?」

 

「そうだ。そんで、その座には俺の本体がある」

 

「本体·······?それじゃあ、村正さんは偽物なの?」

 

「そうだなぁ·······偽物と言うよりは分身に近いか?召喚される際に本体を基に出力されんだ。だから、こうやって俺が二人いるんだが········」

 

「身長が違う、だろ?」

 

「·······本当ね。3cm程シャルル君の方が高いわ」

 

 そこまでは村正も解る。だが、疑問点はそこにある。

 そもそも分霊というのは本体と同じスペックである。一字の狂いもなくだ。だと言うのに、シャルルの肉体は村正よりも成長した姿。丁度、完全に身長が止まった頃だろうか。しかし、そんなことはありえない。身長が違うなどというバグは起きる筈がない。

 

「マジで謎だ。お前が英霊なのかもわからん」

 

「英霊だろ。じゃなけきゃ、ここにいる説明が出来ないぞ」

 

 そうだ。英霊として呼ばれたのでないのなら、どうやって彼はこの世界に来たのか。ましてや、どうやってシャルルマーニュの名を着名したのか。

 

「お前、まだ腰痛むだろ。それにジャージ姿だし」

 

「それは········そうだが····」

 

「だから立ってたんだ」

 

 一つ謎が解けたことでスッキリしながら、次の問題へ。しかし、この問題について答えを知っている者はいない。なら、答えを知るのみだ。

 金色の瞳を因果すらも見抜く瞳へと差し替える。

 

「―――、っ······お前、まさか·····!」

 

 途端に雰囲気が兇変する。

 眉間に皺を寄せ、立ち上がる。周りなど一切気にもとめずシャルルへと近づき、ジャージの一番上まで上げられているジッパーへと手をかける。

 

「なっなんだ!?」

 

 腰の痛みのせいで動けないため村正から逃れられない。無防備にジッパーを首あたりが見える所まで下げられてしまった。

 

「やっぱか·······」

 

 直接目にしたことは一度もない。見たというのなれば、それは死後か幽体離脱した後だろうか。。つまりソレは自身の死因となった跡。彼にとっては―――

 

「縄の、跡········?」

 

 

 

 

 

 

 

 





 短めすんませんっ!ちょっと時間が········リアルの方が落ち着いてきたら戻ると思います。ではっ。

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