ども。久しぶりの本編更新ですね。まさか、200話記念に一年かけるとは思ってもみませんでした。
と言うことで前回のあらすじ!
⬛⬛は上下に別れ、シャルルは退去、御影は人類悪落ちを回避。以上!
―――ああ、しくじった。
須佐之男命の宝具なんて一番警戒されてるに決まってるし、事態の収束を急ぎすぎた。あの場でなら、シャルルマーニュと共に虎視眈々と機を伺うのが最善手だった。
歌野と水都とその他大勢が心配ではあるが、俺には信じることしかできない。まあ、どうにもならなかったら人類史終了だが。
と言うか、何で俺はまだ思考できてるんだ?あの世界で死ねば元の世界に戻される筈―――え?
「どうか、どうか須佐之男命様······!この娘にはこれから先があるのです!!」
·······え?は???????
「はっ。ならば、貴様が言う“これから”を私に寄越せ。さすれば、八つ首の蛇とやらを打ち倒して見せよう」
今しがた尊大な態度でものを言ったのは目の前にいる老夫婦ではない。まるで自分から発せられたかのように思えた。
「それで良いな、櫛名田とやら」
「はい、もちろんでございます」
これは··········どうやら、俺は須佐之男と同じ視線で世界を見ているようだ。
樹海が解け、俺達は勇者部部室に戻ってきた。ただ、いつものように日常に戻ってきた感覚がない。
慌しく指示を飛ばすシャルル、顔を青くしながら何処かへ連絡をしているひなた。そして、目を覚まさない5名。村正は五体満足で何処にも損傷はないが、他の4名は時折痛みで顔を顰めている。
自分の体を見る。
何故か震えているこの手足が仲間を傷つけた。その記憶も感触もまだある。
おかしな話だ。傷つけたのは俺だと言うのに、その事実に打ちのめされている。本当におかしな話だ。
「··········士郎さん?」
伏せていた顔を覗き込むようにして心配そうにしているひなたの視線とかち合う。
もし、この状況が俺の意思によって起こされた事だと知れば、ひなたは―――それどころかこの場にいる全員が俺を非難するだろう。
これまで仲良し小好しで事に当たっていた全員が俺を罵る。そんな起こり得る未来を想像して、俺は逃げた。
義務も責務もほっぽり出して、勇者部部室から出て、そのままの勢いで校庭へと出た。そうして顔を上げた先には、三人の大赦の神官が立っていた。
「御影 士郎様、誠に遺憾ながら身柄を拘束させてもらいます」
そう告げ、左右の二名が恐る恐るゆっくりと近づいてくる。真ん中に立っていた小柄な女性は動かず、こちらを見つめている。
逃げようと足に力を入れると同時に気づいた。
「ひなた·········?」
「―――再会がこのような形になってすみません。逃亡の手伝いを、と思いましたが、士郎さんが敵となったのは事実。ですので、罰を与えなければいけません」
「罰·········」
罪には罰。
ああ、それは当然だ。しでかした事にはそれ相応の罰が落ちる。バーテックス共に俺がしてきた事だ。だから、俺は罰を受け入れなければいけない。
―――そうだ。罰を受ければ、俺はまた皆と共に過ごすことができる筈だ。
走り出す体勢を解き、ただその場に立ち尽くす。
「罰してくれ、ひなた。俺は、まだ皆と―――」
「“罰してくれ”だと?」
俺の言葉を遮るように、後ろから声が挙がる。その声からは怒りが聞いて取れる。思わず、視線を後ろへ向ける。
視線の先には、見たこともない程怒りを顕にしたシャルル。その怒りに呑み込まれそうで、反射的に一歩後退った。
血が頭に昇るのを自覚し、呼吸を安定させようと努める。この問いかけが意味あるものとなるように願う。
「罪を理解せず、罰を理解せず。形だけの贖罪で満足する程度の誇りだったのか?」
「っ·······」
返答はなく、ただ眉が八の字に吊り上がり、苦痛だと感じているのか顔が歪んでいる。
「まして、他者からの罰で罪を清算しようなどと。
ッ、誇りとは誰かに捧げるものではない!!誇りとは、揺がぬ信念であり指針だ。断じて、他者に委ねるものではない!!!」
怒号が辺りに轟く。
やはりと言うか何と言うか怒りを堪えきれず、声を大にして叫ぶ。これだけは叫ばずにはいられない。
「じゃあ、俺は、·····俺は········どうすればいいんだよ·······?」
「解答など俺が知る訳がない。お前が、御影 士郎としての解答を出すしかない」
「俺だけの·········」
この解答を出すのは御影 士郎にとってどんな問題よりも難題だろう。だが、出してもらうしかない。確固たる自分を得るために。御影が大切にしている誇りのために。
「叱咤激励は以上ですか?では、身柄を拘束させてもらいます」
「駄目だ」
柚葉の言葉で動き出した二名の神官の足元に一本ずつ十二勇士を落とす。これには、堅物の神官も動作を止めるしかない。
その間に俺は御影へと歩み寄っていく。
「お前らに御影を渡すつもりはない。御影は俺達が持っていく」
「·········あんな出来事の後だと言うのに、みなさんの元で暮らすと?士郎さんが耐えられませんよ」
「ああ、わかっている。だからまず、山に籠る」
そう言い、御影の襟首を掴み飛翔する。目指すは誰の目も手も届かない山奥。一先ずは、そこで心を休ませることにする。
赤く染め上げられた住宅街。そこら中に斬り捨てられた屍が横たわっている。
そんな光景を気にもとめず、ゆったりと歩く青年がいた。瞳は金色、ではなく水底のような暗い青。そんな青年の前に突如として誰かが降り立つ。
「満足したろ、さっさと帰れよ」
荒々しく捨てるように言葉を投げる。親しい間柄なのだろうか。青年はと言うと―――
「敵対者は殺す。定石であろうよ」
「誰の体を使ってると思ってんだ、須佐之男」
青年もとい須佐之男。そして、その体の所有者である⬛⬛の親友である赤松 宗全。険悪な雰囲気を撒き散らしながら、睨み合う。一触即発とは当にこの事だろう。
「正しいがどうのやら間違っていないだの、何故敵対者を擁護する?自己満足で殺される。正しく人間のようだな。
浅ましく、愚かで、馬鹿馬鹿しい。」
「それは否定しねえが、さっさと帰れ。帰らないってなら、帰らせてやろうか?」
「見せてみろ」
刹那、流れ星が須佐神社に飛来した。
当然、落下地点である須佐神社の社は大爆破が起きたかのように弾け飛んだ。一から修復しなければいけないだろう。
「さっさと帰れって言ってんだろうが」
「はっ!やるではないか!!もっと魅せてみ―――」
宗全目掛けて飛び上がる須佐之男であるが、軽く振るわれた平手打ちで再度地面に叩きつけられ、意識を手放した。
大衆の自己満足で裁かれた⬛⬛VS自己満足で裁かれようとした御影
ファイ!!
人気投票をしようっ!←バカに付き合って下さい。お願いしますっ!
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シャルルマーニュ
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御影 士郎
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⬛⬛ ⬛⬛
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結城 友奈
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東郷 美森
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犬吠埼 風
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犬吠埼 樹
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にぼっ······三好夏凜
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乃木 若葉
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上里 ひなた
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高嶋 友奈
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郡 千景
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土居 球子
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伊予島 杏
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白鳥 歌野
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藤森 水都
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乃木 園子
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三ノ輪 銀
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その他(北野とか柚葉とか)