最初ちょい本編に関わる内容です。
意を決して部屋の扉を開ける。
ブレていた解答がくっきりと見えてくる。そうはならないと高をくくっていた皺寄せが自身の首を絞める感覚がした。
既に事切れた親友が宙に吊られていた。
「勇斗·········」
即座に首に繋がっている縄を手刀で切断し、ゆっくりと地面に寝かす。
わかりきっているが、脈拍を確認するために右手を首に添える。次に瞼を上げ、ライトで瞳を照らす。金色の瞳は濁ったままで瞳孔が開きっぱなしで光を反射することはない。確実に死亡している。
(魂がない。死後の世界にすら行かずに再利用か。これじゃ、蘇生はできない。)
使用した道具を箱にしまい、亡き親友の体をおぶる。
「最期のお別れぐらい、付き合ってくれよ」
そう言った青年はその場から姿を消し、親友と縁深い人達を回った。九州から関東、しまいにはアメリカとフランス、そしてイギリス。総勢37人。本当にどういう人脈をしているのか。
そうしてお別れを済ました青年は、唯一大喧嘩した時に殺し合った河川敷に来ていた。時刻はもう0時を回り、星空輝く真夜中だ。
おぶっていた親友を草むらに寝かせる。青年もその横に横たわり、星空を一望する。
「お前に出会うまでの15年間。俺にとっては、お前に会うための15年間だった。
家出も普通のフリも世界征服も、ぜーんぶ我慢して期待してた。最初会った時、ただ優しいだけの奴かと思ったが
············予想以上だった。」
上体だけを起こし、右手で繊細に愛しい者を撫でるように親友の閉じられた瞳にかかった髪を横に流す。
そんな右手の甲に雫が落ちた。
「ほんっっと、楽しい10年間だった。こんな幸福に満ちた日常をありがとう。
また、どっかの物語でバカしようぜ」
涙に濡れた顔で笑いながら語りかける。が、親友からの返答も同意もなかった。ただただ虚しい静寂が青年の嗚咽を包みこんだ。
自称天才の一問一答、はっじまるよー!!
「自他共に認める天才だろ。てか、温度差考えろマジ」
Q.まず最初に、何故負けたんですか?
「順番考えろよ。
負けた理由は三つ。
一つ目は俺の戦闘経験の浅さ。俺は勇斗と今回のシャルル戦しか勝負という勝負をしたことがない。バーテックスは瞬殺だから数えない。最適解、答えが頭にあってもそれ通りにしか動かないから、相手から読まれやすい。シャルルマーニュなら尚更。
二つ目は俺がステゴロ苦手ということ。俺の肉体は人類の最高峰で、作中通り人の体を地球一周させる事ができる。だが、俺は殴るとか蹴るとか苦手だ。あの肉を打つ感じがマジで、うぇっ、ってなる。
三つ目はシャルルの主人公補正。黒耀 優斗の石斧、御影 士郎の介入。御影は識っていたが、石斧に関しては本編出てないしでノーマークだった。解答出す頃には俺の才は再編纂中だったしで、やられたぜ本当」
Q.黒耀 優斗の石斧ってなんですか?
「お前が出せよ、その情報。シャルル(偽)には関係ないだろうが、名前と武器出した以上、本編か蛇足で触れろよ。
黒耀 優斗の石斧ってのは神世紀14年に起きた侵攻時に黒耀 優斗が持って、振るった武器だ。勇者システムなしにそれ一本で撃退したんだから凄いもんだ。流石、肉体的に勇斗の息子。··········ややこしいな」
Q.運命の再編纂ってのは?
「仕切り直しが変にねじ曲がって進化したヤツだ。運命の再編纂なんて大袈裟な言い方だが、やってるのはサイコロの振り直しに過ぎない。ただし、サイコロの出る目は決まってる。
今回は俺の才が餌食になったが、振るった者の任意で決めれるんだと。剣が喰らったら、一時消えるし、人が喰らったら、一時消える。そんな恐ろしい武器だ。だいたい十分ぐらいで戻ってくるから手品にでも使えばいいんじゃないか」
Q.結城 友奈見てプロット変えたのは何故ですか?
「俺の才ってのは必要に思ったものしか解答を持ってこない。例えば、俺が黒耀 勇斗について知りたい、と思えば生没年から血液型、何年何月何日何分何秒に〜〜をする、まで持ってきやがる。だが、友奈の天の逆手については持ってこなかった。何故か、―――それが俺の地雷になるからだ。
ほんと、不思議なもんでな。俺の才は意志を持っているのか、はたまた持ったのか、情報の取捨選択をしている。まあ、捨てたとしても直に会ったら持ってくるんだが。
んで友奈に会って天の逆手を知るとあら不思議。奉火祭だの人身御供だの出てくる出てくる。確かにこれは俺の地雷踏んでるなと思ったよ。だから、悪棲を第一目標に据えながら、第二目標を友奈の保護と観察にした」
Q.保護と観察と言うと?
「そのまんまだ。やり方は汚いが、友奈を好きなフリをして愛想を振り撒いた。そうすれば、あのお人好しは俺を疑うこともしないし、俺の側を心地良い場所だと思うだろう。
俺が良い奴と思った奴はすぐ死ぬ。どんな方法を使ったとしても救わないといけない」
Q.あの後、結婚しました?
「結婚した。東郷の目が突き刺さったが、いつも通りだ。にしても、神樹館組がいつの間にかシャルルを囲っててな。俺が言えた口じゃないが、もうちょい綺麗なやり方なかったか?」
Q.?使わないのでは?
「全知全能と言っても、人間の脳はそれに耐えられる程頑丈じゃない。すぐ取り出せるものと保留にしとくもので分ける事が重要だ。人の恋愛事に口出しする程不粋ではないつもりだ。それと俺は入念に計画を組むタイプだ。計画を立てていない今は全知全能って言えないだろうな」
Q.話題反らしましたね?
「家庭に首突っ込んで何か楽しいか?こちとら友奈の言動に細心の注意が必要なんだよ。どうして、ああ死にに行くんかな?勇斗は実力伴って········はいないが、余りある主人公力でどうにかしてきたが、友奈にはそれがない。ほんと、勘弁して欲しい」
Q.でも、余りある主人公力でも死にましたよね?
「殺すぞ」
Q.中編で満開について独り言漏らしてましたけど、あの真意は?
「満開は勇者を神に等しくするためのシステムだ。その方法をざっくり言うと、勇者を神の領域にどっぷり漬ける。つまり、勇者を引っ張るということだ。まあ、強引に引っ張りすぎて散華とか言う後遺症が残る訳だが。
んで、俺は根源到達者なんだが、その際にした到達の仕方だが、根源そのものを俺の方に寄せた。虚空を作って引力や腕力と魔力でのゴリ押しでな。そして、根源に触れた訳だが、ガッカリした。全部識ってる事だったからな。平行世界の俺と記憶共有できるようになっただけだ」
Q.前編で言っていた最速ルートというのは?
「元々俺は戦う予定じゃなかった。そもそも俺が出たら舞台が崩れる。だが、友奈の保護と観察を第二目標に据えて計画を練ったから俺が戦うハメになった。
つまり、最初俺が言っていた最短ルートってのはシャルル頼りで俺は後方支援って訳だ。散華も途中で教えなかったし、あの時点で天の神倒す予定でもなかった。本編と似た感じで、シャルルが気を反らして御影が一刀両断。んで、俺は裏で悪棲を捻り潰す。これなら俺は戦わず、アイツらから敵視されることもなかった。まあ、御影は本編通り退去するんだが」
Q.そのルートでもシャルルに負けますか?
「いや、このルートじゃシャルルに負ける必要はない。悪棲が俺の実力を知らずに見くびってくれるから、逃げることはない。なんなら、勇斗の親友と知って、嬉々として殺しに来るぞ。まあ、負ける訳がないんだが。
どうして、あの悪神は全敗してんのにあんな自信満々なんだ?日本武尊にも負けて、上里ひなたに知能比べで負けて、勇斗に精神力で負けて··········ほんと、どうなってんだか」
Q.今回のルートでシャルルに負ける必要があったのは何故ですか?
「簡単な話だ。そうでもしないと悪棲が絶対に姿を現さないからだ。
アイツ、自分は最強だ最強だとか言ってんのに天の神に挑まず逃げたんだぜ。気づいてないんだろうが、アイツ自身はただの弱者であり臆病者だ。それも超がつく。だから、俺が瀕死にならないと出てこない。それが理由だ」
Q.悪棲をそこまで殺したいのは何故ですか?
「親友の身体を好き勝手使われて怒らない奴はいない。いたら、それは親友じゃねえよ」
Q.高く黒耀 勇斗を評価しすぎでは?
「妥当な評価だ。
前半部分で挙げた俺の妹含めての37名だが、全員何らかの形で勇斗に救われた奴らだ。男女に区分すれば、男28名、女9名。もちろんそいつらの友人関係、家族関係、恋人関係の問題で救われた奴もいる。それを含めると軽く百以上はいくだろうさ。
もし、九州から関東まででなく、北海道まででなら勇斗は自殺しなかったろうさ。これに関しては俺が計画を立てるのが遅かった。高校卒業から計画組んで、一緒に旅行という形で大学中時間があればいろんな場所行ったんだが、東北方面までは間に合わなかった。俺の失態だ。
という訳で黒耀 勇斗は弱いが強い。俺から見れば、アイツの代わりは何処にもいない」
Q.どんな事例がありましたか?
「別個で出せよ。わかったわかった、軽くな軽く。
鹿児島県で出会った
やった事はもう一回立つ後押し。
勇斗と透が出会う一ヶ月前、妻子を飲酒運転していた車によって亡くしている。失意のドン底にいた透は仕事場にも行けず、日々を死人のように生きていた。そんなある日、桜島を俺と一緒に観光しに来ていた勇斗と出会った。
そんな感じだ。
今回は重めのを選んだが、軽いヤツだってある。彼女と大喧嘩しただの、お母さんの誕生日にケーキ買おうにもお金が足りないだの。
まあ、その本人達からしたら本当に困ってたんだろうな。それも他人から見てわかるぐらいに」
Q.37人、全員言えますか?
「··········言っていいのか?ブラックボックスにしといた方が後々便利だと思うぞ。
わかったよ、じゃあ出会った順に―――
以上だ。」
Q.勇斗は全員覚えてますが?
「この37人+俺は覚えられてるぞ。LINEにもあったし、葬儀にも来てくれたしな。まあ、これ以外の奴らは覚えてないだろうがな。例え、勇斗を愛していようが尊敬していようが」
Q.園子と料理対決したのは何故ですか?
「俺が作った焼きそばは最適解通り作った物だ。対して、園子は何度か練習して身につけた焼きそばだ。つまり、俺が最適解を実行する際には癖も騙しもないということ。その伏線だったんだが、まあ必要なかったな。折角ヒント出してんのに全無視だからな、シャルル。本当に酷い」
Q.最初から散華や戦い方について教えれば、敵視される事はなかったのでは?
「俺は舞台作りはするが舞台に出ないスタンスだ。それに、全部俺がすればいいに陥るからな。成長的にも物語的にもそれはいかん。これがメインだが、敵視してもらわないと俺のプロットが崩れちまう」
Q.原作とは違って犬吠埼両親が生き残っていたのは何故ですか?
「シャルルがいたからだ。本編じゃまだ勇斗はシャルルのスペックに振り回されてたが、本人ならあの程度の火球は宝具で相殺可能だ。だから、瀬戸大橋は壊れず、救助活動する必要もなかった。よって、犬吠埼両親は生存する。」
Q.友奈に神樹館組と知り合いであることを隠したのは何故ですか?
「初めて東郷と友奈が会った時に俺の事がバレていたら、俺への信頼度より不信感が勝つ。だから、均衡するであろうまで信頼度高めたあの時バラすしかなかった。
これが勇斗ならなぁ、人誑しと人誑しで良い感じになってたんだがなぁ。」
Q.シャルルマーニュの生前の夢見て何を思いましたか?
「脚色されてたが、まあ愚かな王だな。シャルルマーニュ伝説関連の話は話の起点として王であるシャルルを愚かにする必要があるのは解るが、あまりにもカール大帝から逸脱している。と言っても、長年の付き合いの奴を信用したいという気持ちは解るつもりだ。俺だって勇斗が理由もなく殺人し始めたら思考が止まるだろうな」
Q.逆に見られた時は何を思いましたか?
「なにも。ヒントとしても良いだろうし、名前伏せて見せてやった。」
Q.勇斗がブレるというのはどういうことですか?
「偶然の最高出力を出すことも、未来の縁でジュワユーズを、十二勇士が来るのも識っていた。だが、それでも勇斗は負ける。その程度では俺には届かない。しかし、勇斗は勝った。
あの不可解な動き、―――あれは識らなかった。死んでも尚動いたアレはなんだ?強すぎる念、想いがああいった動きをするのを識ってるが、実例は少ない。よくもまあ、あの土壇場でやったな。流石勇斗」
Q.つまり、勇斗の動きは完全には見えない?
「視えてはいる。ただ、実際にその動きが来るとも限らない。もしかしたら、ジュワユーズや十二勇士以外の何かが来るかもしれない。今回は識っている通りだったが、次はどうなるかわからん。
その稀有な事例があったからこそ、勇斗を青森に行かせたんだが、そうはならなかった。」
Q.青森までりんご買わせに行ったのは何故ですか?
「理由は二つ。
一つ目は生存する可能性が一番高いのが青森行きだったことだ。ルートも俺が書いて渡したし·········いや、まさか逸れたのか?関東を通らない筈だ。そう出た筈だ。でも九里 日出は···········合点がいった。なら納得だ。
二つ目は1日でも福岡にいさせないこと。あの騒動で勇斗の個人情報全部出されたし、住所も知られた。正義を盾にした暴徒が100%来る。10人以上なら凶器を持ってるだろうし、例え勝ったとしても死にかけの状態になっていると俺の才が結論づけた。もし、そこらの住人が人質にでもされれば勇斗はそのままお陀仏だ。俺は否定するための証拠回収と論の作成にかかりっきりになってるから助けられない。」
Q.関東は何故避けたんですか?
「人が多い。頭の可笑しい奴も多い。正しい情報、馬鹿な情報が行き来してるあの場所を勇斗が通れば、間違いなく衰弱する。その状態で知り合いなしの東北に行けば、間違いなく持ってかれる。事実、ナイフ背後から刺されてるし。」
Q.真言提訴でどうにかならなかったんですか?
「真言提訴ってのは真実を横からぶっ刺すスタイルだ。決して、最初からそうだったと辻褄合わせをしてくれる都合の良いものじゃない。アレで記憶消したとしても、ネットには残ってるし、勇斗への怒り、不満、嫉妬は残る。どう消したって湧き上がってくるだろうさ。人の感情ってのは呪いと言われる程だからな。」
Q.全人類殺そうとは思わなかったんですか?
「しようとは思った。思ったが、誤情報ばら撒いた26人を殺したら落ち着いた。と言うか、有頂天になってな。琴葉と両親に心配された。そしたらまあ·········な?家族は大事にしないと勇斗にキレられちまう。ほんと怒った勇斗は怖いから」
Q.ばら撒いたのは誰ですか?
「勇斗の親父以外知らねえよ。知りたくもない。にしても、アレと勇斗が血縁だなんて笑わせる。どこが似てんだか。托卵か?」
Q.シャルルと御影、受肉させたのは何故ですか?
「そっちの方が幸せになる人物多いだろ?勇者部もお別れを経験せず、上里ひなたは300年経ての報酬を受け取れる。な?」
Q.では最後に、何故名を偽って黒耀 勇斗と名乗ったんですか?
「そもそも黒耀 勇斗が死後、魂の状態であっちに送られたのは矛盾を無くすためだ。それを、今回俺が真言提訴で俺を黒耀 勇斗として行ったって訳だ。これで英霊の座には黒耀 勇斗が座だけ確保される。中身は分霊が還れば自動的に補完される。
だから、俺はあっちの世界行った後真名を言っても良かったんだが、ノリでそのままでやり遂げた。」
Q.という事はそっちの世界では勇斗は生存してますか?
「おう。離れかけてた魂掴んで戻して、胸骨圧迫&AEDで蘇生を成功させてる。その代わり、俺が三年間出張してる扱いになってる。その間勇斗は俺の家に住まわせてるから大丈夫だ。」
以上をもちまして自称天才の一問一答を終わります。
「自他共に認める天才な?」
多分全回収した筈。不思議に思った事は是非是非感想に投げてください。不思議じゃなくても合計約6万文字の4話についても感想ください、泣きます。
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