気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 遠征って何日間で行ったのかがどこにも書いてないんですよね·····。小説ならワンちゃん·····ここでは二日間という事にします。




遠征

 

 

 

 

 ✕月✕✕日

 生存者は確認出来なかった。最初で最後の遠征は無駄足になった。いや、確かに得る物はしっかりあった。白鳥歌野からのバトンはちゃんと若葉に届いた。後は俺達がやらなくちゃぁな····一人で三年間も耐えたんだ。六人もいれば無敵だ。次の襲撃も楽勝だ。油断せず誰も欠けずにこの戦いを終わらせてやる。

 

 

 

 

 

 

「こりゃあ····ひでぇな····」

 

「倉敷の景観が見る影も·····」

 

「行こう。次の街にはきっと生存者がいるさ」

 

 今、俺達は大侵攻の隙を利用して壁の外の調査に来ていた。四国から瀬戸大橋を通って一路北へ行く予定だ。

 

「ここが、神戸か······」

 

 高層ビルはボロボロになっているものの何とか形を保っている。

 

「ここは広い、二手に分かれよう。」

 

「俺は高い所から、ここら一帯を見渡してくる。」

 

「単体行動は危険だぞ!」

 

「じゃ、そういうことで」

 

「あっ!待て!」

 

 ······何かおかしい。腹の底からグツグツとドス黒いモノが·····気持ち悪いな。前までこんな事はなかったんだが。

 

「すぅー、はぁー·····」

 

 一旦深呼吸で落ち着こう。····左から来てるな。

 

「―――死ね。」

 

 この程度じゃ、もう何も驚かねぇな。

 

「·····誰もいねぇな」

 

 高層ビルの屋上までジャンプで上がって来たが····見渡しても誰もいねぇな。

 

「戻るか·····。」

 

 屋内に立て籠もっている可能性があるし、戻りながら確認するか。

 

 

 

 

 

「よっ、戻ったぜ」

 

「···生存者はいたか?」

 

「残念ながら·····」

 

「そうか·····」

 

「ここも····全滅ね」

 

「まだ決まったわけじゃない。」

 

「···気休めを」

 

 ここまで来て、成果なしは流石に気が滅入るな····。

 

「――――ッ!」

 

「どうした千景!?」

 

「千景!?」

 

 路地に入って行きやがった。すぐに追いかけるか。

 

「お前たちがッ!!」

 

 星屑がいやがったのか·····既に終わってるな。

 

「千景····もう···そいつらは···」

 

「······」

 

「ふー···行きましょう。」

 

「気分は晴れたか?」

 

「少しわね····」

 

「千景·····」

 

 やっぱり千景に友奈を近くに置いとかないといけないかな······。

 

 

 

 

 

 

 

「みんなよく聞けっ今晩はここをキャンプ地とするっ!」

 

「おぉ····キャンプか」

 

 ここは兵庫県南部に位置する六甲山····豊かな自然が取り柄だった·····筈。そう知識にある。

 

「それで···何する?」

 

「みんなで火を囲むぞ!」

 

「ご飯でしょ?」

 

「·····うどんか?」

 

「正解♪」

 

 クソっ!しっかり常備してやがる!ずっとうどんしか食べてないんだが!?

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜〜〜美味しかった。外で食べるうどんは格別だね!」

 

「····うん···。」

 

「外で食べると美味しくなる現象だな。」

 

「タマ大活躍だな!」

 

「流石だな。」

 

「さすがアウトドア好き」

 

「もっと褒めタマえ〜」

 

 めっちゃ天狗になってる。

 

「·····タマっち先輩が本当に先輩に見える···。」

 

「あ〜〜ん〜〜ず〜〜?」

 

「いたたたた!」

 

「やっぱあの二人は仲が良いな」

 

「そうですね」

 

「そ、そうなのか?」

 

 あぁやって本音を互いに言い合える仲ってのいいもんだ。

 

「それにしても良かったですね。キャンプ場の倉庫にテントが残ってて」

 

「そうだな。屋根の下で寝れるのはありがたいな。」

 

「お前らの日頃の行いがいいからだろうな。」

 

「士郎さんですよ。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

「·····そうか。」

 

 そう言われると俺がした事が正しいと思えるよ。····本当に正しいかわからないがな。

 

「····生存者、いると思うか?」

 

「いる····と言いたいが可能性は低いな。そもそも、あれから三年がたってんだろ。食料が持つとは思えねぇな···」

 

「そうか·····」

 

「·········」

 

 生きていたとしても、病気になってる可能性もある。無傷で生きてるやつなんていねぇだろ。今の所、一番可能性があるのは諏訪か······若葉から聞いたが、三年間は持ったらしい。

 

「若葉ちゃん、士郎さん、しんみりしすぎですよ」

 

「まだ一日目だぞっ!無事な地域はきっとあるっ!」

 

「····そうだな。」

 

「よしっ、切り替えていくか」

 

 考えるより先に体を動かした方がいいな。暗い方向に行っちまう。

 

「はいはーい!暗い気分は水浴びで流そう!!」

 

「ちょっと寒くないですか?」

 

「賛成!廃墟の探索で体が埃っぽいし!」

 

 肌寒い季節なのに水浴びて····風邪引かなきゃいいけど

 

「それにキャンプ感が高まるしな!!」

 

「·····野営にここを推したのはタマっちがキャンプしたかっただけ···?」

 

「そ、そんな事ないぞ!?ここなら水もあるし!焚き火の木枝もあるし!」

 

「はいはい、水浴びに行くんでしょタマっち」

 

「先輩をつけろー!!」

 

 内心、大爆笑だ。····さて、俺一人で火を見とくか

 

「士郎さん」

 

「何だ、ひなた?」

 

「若葉ちゃんを覗きに来たら·····分かってますね?」 

 

「は、ハイ!分かっています!」

 

「それなら良かったです。」

 

 ひぇ····あのお姉さん怖い。覗きに行ったら殺される。まぁ、するつもりはないけどな。

 

「?···ひなた、行かないのか?」

 

「あっ、今行きます。」

 

「行ってらー」

 

 ········こうやって焚き火を見るのって···なんか落ち着くな。

 

「――――」

 

 バチバチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――んっ、アイツらか····」

 

 喋り声が段々と近くなってくる。あっという間に時間が過ぎたな。

 

「余計に疲れたな····」

 

「楽しかったな!」

 

「明日もしたいなー♪」

 

「勘弁して下さい····。」

 

「元気が有り余ってますね。」

 

「······。」

 

「何したんだ?」

 

 タマと友奈はめっちゃイキイキしてんな。杏と若葉···ドンマイ。

 

「みんなで水掛けしたんだ。」

 

「めっちゃ白熱したな!」

 

「そりゃあ、良かったな。」 

 

 楽しそうでなによりだ。この二人は暗いの言葉を知らなさそうだな。

 

「じゃ、俺もちょっくら浴びてくるか。」

 

「ゆっくりしてこいよー」

 

「肩まで浸かるんだぞ」

 

「はいはい」

 

 オカンみたいな奴が一人いたが···ここは流しておくか。体温が奪われる前にささっと浴びよう。

 

 

 

 

 

「!····思ったより冷てぇな。」

 

 爪先をちょこっと入れてみたが、冷たくて体がブルッときたね。

 

「早めに上がったほうが良さそうだな。」

 

 体の汚れをさっさっと落として、水から上がる。当然、地面に足をつけるんだから足がまた汚れる。これに関しちゃあしょうがないな。

 

「·····よし、戻るか。」

 

 早く焚き火に当たりてぇー······小走りで戻るか。

 

「·····千景じゃねぇか。こんな所でどうした?」

 

「······散歩よ。」

 

 こっからテントまで結構遠いが····一人になりたいとかそういう所か。それかワンチャン覗き、んなわけ絶対ないな。

 

「·····まぁ、あまり遠くに行くなよ。危険だからな」

 

「わかってるわよ····」

 

「あと、相談は出来るだけ早めにしとけよ」

 

「··別に····悩みなんて···」

 

「鬱憤があるなら友奈、アドバイスが欲しいならひなたか杏にな」

 

 友奈は聞き上手だから例え鬱憤を言っても肯定して聞いてくれるだろう。このメンバーで一番の聞き上手だからな。その分、自分の事について話さないけどな。

 

「余計なお世話よ·····」

 

「そっか····それじゃあな」

 

 千景に背を向け、歩き出す。なんの進捗はなしっと···どうしたもんか······

 

 

 

 

 

 

「ふぅー、さみぃー·····」

 

 焚き火にあたって、体を温めねぇとな。こんな寒い中、水の掛け合いとかよく出来たもんだ。·····若葉と友奈に焚き火前が占拠されてる·····。

 

「·····なに話してんだ?」

 

「あっ、士郎くんだ」

 

「士郎も一緒に話さないか?」

 

「そうだな。」

 

「ささ、ここに座りなよ。」

 

「おう、ありがとな」 

 

「どういたしまして」

 

 あったけぇー·····

 

「それで······なに話してたんだ?」

 

「今後の話だ。士郎は平和になったら何がしたい?」

 

「平和になったらか·····うーん、そうだな····」

 

 記憶を戻すとかダラダラしたいとかいろいろあるが····やっぱり―――

 

「世界一周をしてみたいな····」

 

「いいね、それ!」

 

「確かに胸が踊るな」

 

「何故か記憶に行った覚えのない各地の光景がはっきりと残ってんだよな。とても綺麗で····心が安らぐ記憶だ。」

 

 あぁ····本当にとても懐かしくて·····何故だか泣きたくなる思い出だ。

 

「そっか····実現出来るように一緒に頑張ろうね」

 

「あぁ、絶対に世界を取り戻してみせる。」

 

「そうだな。精一杯努力しよう。」

 

 天の神が直々に来れば楽なんだがな·····草薙剣で真っ二つに出来るのに·····

 

「見張りは俺がしとくから二人は寝てきていいぞ。」

 

「えっでも、今は私が···」

 

「俺は寝なくても平気だからさ」

 

「····友奈。こうなった士郎は手強いぞ」

 

「う〜ん···わかった。お願いしていい?」

 

「任せとけって」

 

「ありがとう、それじゃあおやすみ。」

 

「おう。」

 

「なにかあったらすぐ私達を起こすんだぞ。」

 

「分かってる分かってる。若葉はゆっくり休んどけって」

 

「····あぁ」

 

 今はアイツらに少しでも休む事が大事だ。気を張りパッなしはあの年代には心身共にキツイだろうに····人の心配をしやがって

 

「ほんといい仲間だよ。·····千景もそう思うだろ?」

 

「!····気づいてたの?」

 

「そりゃあ友奈に集中する視線があったら、お前だって誰でも気づけるぞ。」

 

「····そう。」

 

「千景もなんか話すか?」

 

「····私は、いいわ···おやすみなさい。」

 

「いい夢見ろよ。」

 

「·······ありがと

 

「····」

 

 全く素直じゃねぇな。·····何で勇者に選ばれた奴らはあんな·····だからこそ勇者なんだろうな。俺は―――

 

 

 

 

 

 

 





 これだけで結構字数が多くなったのでここで一旦終了です。今回は一瞬で書き終われたましたが次は難航するかもしれません。投稿が遅かったら、難航してるんだなっと思って下さい。

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