今回はレクリエーションだけです。襲撃までしちゃうと量が半端なくなるのでやめました。さて、誰が勇者王になるか······
2025/3/23 雑だったので修正しときました。
✕月✕✕日
いやぁー今日は楽しかった。毎日こんぐらい面白おかしければ退屈しないんだけどな。まぁ、人生そこまで楽じゃねぇな。次の襲撃も誰も欠けずに終わらせてやる。そしてまた···今日みたいに···
遠征から帰還して3日後の昼下がり。俺達勇者は若葉の集合の一言で普段授業を受けている教室に集まった。
「レクリエーションをしよう!!」
ドンッと擬音がつきそうな勢いでホワイトボードにそう書き、言い放ったのはもちろん集めた張本人である若葉。
それだけ書いても何も伝わらないだろうよ、若葉。
「れくりえーしょん?」
「それって何をするんですか?」
「ずばり模擬戦だ」
「模擬戦か。具体的には?」
「戦場は丸亀城の敷地全体。勝ち残った者は他のメンバーへ自由に命令できて敗者はそれに必ず従う」
「それ、俺が優勝したら不味くないか?」
必ず他者には自分では思いもしない超えてはならない線がある。それが男女というのなら尚更のこと。
「士郎さん、ですからねぇ」
「私達の嫌な事は言わないだろ?」
「そりゃあそうだが····危機感ないのか?」
何故こうと信頼されているのか疑問だが、記憶喪失から一年も経ってない。自分で言うのもあれだが逆鱗に触れまくる説あるぞ。
「それに優勝するのは私だからな」
「言ったな?その自信、叩き直してやる」
「望む所だ」
「いいや、優勝するのはタマだっ!」
「わぁ、みんなやる気だね!私も負けてられない!」
「これって強制参加?じゃないのなら帰りたいのだけど··········」
「強制参加だと思いますよ」
「はあ·······」
「それじゃあ、みなさん―――」
「―――――勇者王決定戦開催ですっ」
各自一定の距離を置いた位置に着いたことが確認されると共に合図がひなたより宣言される。
距離が離れていれば自由、ということもあり俺は見晴らしが悪く隠れやすい木々が鬱蒼としているここにした。これなら奇襲も逃げもしやすい。我ながらいい場所を選んだと思う。
そんなことを考えながら歩いていると背後で凄い勢いで枝を踏みつけた音がした。
「!―――友奈!?」
胴への正拳突きを体を仰け反らせることで躱し、空の左手を地面に着けて半回転することで距離を取る。
体勢を整えると共に攻撃してきた相手をみるが予想通り友奈。どうやら、同じ思考のようだ。
拳を二つ、胸の前で構える。
「手加減なしで行くよ」
「いいぜ。俺も全力でやるからな」
友奈は徒手空拳の名手だ。小回りの効かない、手加減の仕様がない木刀では不利だ。よって俺がすることは木刀を地面に突き刺し、無手になる。
「使わないの?」
「こんな場所じゃこっちの方が良いだろ」
「確かにね!」
相槌代わりにと放たれる流れるような蹴り。彼女の性格からは想像出来ない鋭い足への一撃。まず当たれば骨折までは行かなくても動けなくなるような痛みがくるだろう。
だがしかし、それは打たれたらの話。
「っぶねぇ······!」
「わわっ!?」
まだ初速で上がりきっていない蹴りをこちら側から太腿を蹴ることで止める。
体勢崩す勢いでやったのだが、勢いを体ごと回転させることで消しやがった。咄嗟の判断でそんなことできるのか?
「まだまだ行くよっ!」
「そうでなくっちゃな!」
全力でぶつかり合う。バーテックスも外の事も何もかも忘れて今この瞬間に意識を向ける。
現実逃避にも似たコレが今はただただ楽しい。
「せやっ!」
「ほいっ」
拳を避け、伸び切った腕を掴んで空中に投げ捨てる。だが、何ともないと言いたげな顔で着地して再び襲いかかってくる。
友奈は手に籠手をつけてるのに対し俺は何もつけていない。拳同士で殴り合えば俺の負けは絶対だ。ここはカウンターに全てをかける。
「ほらっ足元がお留守だぞっ!」
「わかってるよ!」
上に集中し始めていると思い、足払いを仕掛けるが読んでましたと軽く跳んで避けられ、逆に隙を晒して蹴りを脇腹に喰らう。
「っくそ。守りの上からコレか」
(ちゃんと入れたはずなんだけどな。やっぱり士郎くんは凄いや)
「さて、そろそろか」
「えっ、今なんて―――ッ!」
体を右に逸らすと二本の矢が通り抜けていった。もう二本飛んできていたが、そちらは友奈に向けて放たれた矢のようだ。その矢も辛うじて防がれてはいるが。
いることだけは知っていたが、何処にいるかがだけが不明だった。だが今ので居場所もおおかた把握した。
「そこか―――」
木刀を持ち、狙撃手である杏の元へ走る。いくら杏だからと言ってクロスボウガンへの装填には数秒かかる。その数秒に仕留めればいい。
「とった!」
「っ······!?」
唖然とした顔。確実に意表を突き、隙だらけの状態だ。この一撃は絶対に決まる。
クロスボウガン目掛けて木刀を振るう。
「あんずは取らせないぞっ!」
「なっ―――!??」
回転音で気づいた頃には頬スレスレに飛来してきていた円盤もといタマの盾。それを攻撃を辞め、頭を下げて避ける。次いで装填が終わったクロスボウガンからの矢を後ろに飛ぶことで避ける。そうしてやっと体勢を整え、二人を見入る。
タマ!?何処に隠れてやがった!·····そうか、小さいからそこら中の木や草で隠れることができるのか。それは盲点だった。
「タマっち先輩ありがとう!」
「どうってもんよ!」
くそ、今ので仕留めきれなかったのは痛手だ。ここで杏を逃がせば試合終了まで姿を出さないだろう。何せそれしか勝利する方法はないからだ。言わば弓兵の常套句。それをやらせてしまった。俺の失態だ。
一先ずここは俺も離脱しよう。
「一旦引かせて貰うぞ」
「あっコラ!」
森を抜けるため木々より高く飛翔する。目的地点は境内に設置された落下防止の木の柵。そこから境内に上ろう。
「逃さないぞっ!」
「!」
木の柵を掴んだと同時にタマが盾を射出する。大社作のレプリカだが本物に近い再現度だ。
この場で追撃してくるのは予想外だった。しかし、回転の仕方を見るに俺には当たらない軌道だ。無視しても―――、矢が盾を掠る。
「神業だな、たくっ!」
軌道が変わり俺の胴体目掛けてくる盾を避けるため木の柵から手を離して木々へ落下する。ただ落下すると危ないので枝を左手で掴み勢いを殺してから地面に降りる。
降りると同時にタマ目掛けて猛ダッシュを開始する。
「うぁ、派手に落ちてった。ありゃ痛いぞ」
俺が受け身なしに落下したとばかり思っているタマの背後を取り、木刀を頭目掛けてゆっくりと·······
「おかげさまでな」
「あいてっ」
コツンと小気味良い音が小さく鳴った。これでルール上タマは失格となる。他がどうなっているかは不明だが初脱落者ではないだろうか。
「なにすんだよ、士郎!?バカになったらどうすんだ!」
「心配すんな、元からだ」
「元からじゃないわい!士郎の方も大概だろ!」
「はあ!?俺は本気出したら凄いタイプだからな!?もうそりゃ凄いからな!!」
「それだったらタマもだしー!」
その後ひなたの警告がくるまで言い合った。
タマとの言い合いを勝利で終えた俺は無事境内に上がり、既に始まっていた若葉VS友奈の戦いを観戦するため草葉の影に身を隠した。
身を隠して数分後、俺とは別の場所に隠れていた千景が友奈の助太刀に入ったが健闘虚しく若葉に敗れた。
「やっぱ若葉は強ぇな」
友奈と千景を倒した際に使った居合は経験者ですらない俺から見ても鮮やかで綺麗なものだった。
後で居合習いに行こうかな。
残るは俺、若葉、杏のみ。当然杏は好機まで動くことはないだろう。つまり、ここは俺が場に出ないと状況は変わらないということ。
だから、こうするしかない。
「よっ」
「士郎。出てきたということは·······」
「戦うか」
「ああ」
最早これしか道はない。例え、杏によって妨害されたとしても全力で若葉と打ち合わないといけない。
使用回数2回程度の木刀をダラリと構える。対して若葉は剣道で見るような構えをしている。
竹刀を持って、刀を持ってここに立っている若葉と、刀を持ってすぐの俺。どちらに勝利の女神が振り向くか問われれば若葉だろう。だが、それだけの理由では負けられない。俺にも意地がある。だからこそ全力で―――
「飛ばしていくぞ」
「ッ!以前より速くなってないか!?」
地を蹴り、防御を崩すために振り上げるが微動だにしない。反撃を喰らう前に下がるとしよう。
「俺も日々成長してるってことだな!」
「だが!―――私も日々強くなっている!」
先程見た構え。そう居合だ。
乃木若葉が戦場で命を預ける絶技に近しい技。真正面から防ぐのはまず無理。なら、打たさなければいいだけのこと。
「これ貰っていくぞ」
「なっ鞘を!?」
刀を仕舞う鞘がなければ、それは居合ではない。そもそも鞘走りを利用しての居合であろう。加速不十分では俺には届かない。
驚愕している絶好の隙に打ち込むべく鞘と木刀を握りしめる。
「二天一流、貰っときなっ!」
「まだだッ!!」
怒涛の四連撃―――若葉は体を捻り、木刀で反らして全部防ぎやがった。
これで倒せないのならどやって倒すんだよ、コイツ。正直人間かどうか疑うぞ。
「居合はな鞘がなくても出来るんだ、――ぞっ!」
「――――」
視認出来るスピードだ。防いでカウンターを入れる余裕もある。しかしそれは、後ろからくる矢を無視すればの話だが。
―――気張れよ、俺。
「ふっ!!」
「――手で!?」
右手の木刀で矢を弾き、左手で居合の出だしを掴む。掴めたはいいがこの後どうするか·····投げるか。
「おっ、らあぁぁ!!」
「うっ、わあぁぁ!??」
杏方面に投げたが当たった気配はない。既に移動したか、それとも若葉がぶつからないように寸での所で回避したか。
そんなことを考えていると前からタマの盾が飛んでくる。
どうやら、後者のようだ。
「ここまで来て、それで終わりは味気ないぞ」
杏が投げたんだろうがかなり遅い。ここは弾かずに回避を選択。そして、いるであろう場所目掛けて走る。
そんな中、抵抗だろうか二本の矢が放たれる。
「二本程度じゃ無駄だそ」
走りながら二本の矢を叩き落とす。どれだけ撃とうが自力では速射は不可能。神器であれば速射可能だろうが、これはあくまでレプリカ。そんな芸当―――
「つッ·····!!?」
背中に何かが勢いよく当たった。それも先がなめならかに尖っていて······そうまるで円盤のような物だ。つまるところ俺の背中に当たったのは
「タマの·······あっ、ワイヤー忘れてた」
つまりそうゆう事である。
矢によるミスディレクションとは、まんまと引っ掛かってしまった。流石杏としか言いようがない。
「勝者は杏さんです!」
「やった、勝った····!」
「すごいぞっ!あんずー!」
「策士ね」
「士郎くんを倒すなんて、あんちゃんかっこ良い!」
「予想外の結果だったか?」
「·····そりゃあな、結構ガチだったんだぜ?」
1位報酬以前にこういった遊び的なのは初だからな。せっかくなら勝ちたいと思うのは俺だけではないと思う。
「それで····杏の命令はなんだ?何でも聞くぞ」
「ふっふっ。それはですね―――」
「「「「?????」」」」
「珠子、私のモノになれ···」
「わ、私には他に好きな人が······」
「止めなよ!珠子さんが嫌がってる!」
「高嶋くん····ドキ」
突如として始まったこのラブコメの行方はいったいどうなるんだ――――!?
「――――ってなんだコレはぁぁーー!!」
「ああー!いい所だったのにー!」
なんだコレ·····?
「恋愛小説の再現がこんなキツイものだったのか···!」
「士郎はなにもやってないだろっ!」
「良かったぞタマ!」
「くぅ~····!」
タマがしっかり制服着てるの初めて見たかもしれん···にしても若葉達····男性用の制服、俺より似合ってね?
「士郎さんと千景さんは――――」
「おおっと····(逃げる準備をする)」
「待ちなさい···逃さないわよ。」
「ぐっ!離すんだ千景ぇ!」
「そんな、暴れないで大丈夫ですよ。二人にはこれを受け取って欲しいんです。」
「―――コレは····」
「卒業証書····?」
めっちゃ字が綺麗だな····機械で打ち込んだのか。
「私お手制だ。どうだ?」
「達筆だな····それより何で卒業証書?」
「まぁ、形だけでもと思ってな。」
「来年も場所は変わらないけどな」
「士郎くん、ぐんちゃん!卒業おめでとうっ!」
あぁ―――――そうか·····これが、俺の――
「あぁ、ありがとなっ!」
「ありがとう····!」
「―――さっ、続きをしましょう!」
「まだ、やるのか!?」
「満足するまでやりますよぉ〜!」
「もう、勘弁してくれぇ〜!」
補足
・盾の軌道についてはノーコメントでお願いします。(自分でも何書いてるか謎でした。ハハッ)
100話記念はなにがいいですか?
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天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
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のわゆの後日談[西暦勇者、知らん奴]
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誰かとの√[シャルル、誰か]
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その他(感想へゴー!)