気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 自分は何のリスクのない所から人を貶す····気色悪いな·····吐き気がする。それで自分がされたら、相手が悪いの一点張り――――本当に巫山戯るなよ·····!!



狂宴

 

 

 

 

 ✕月✕日

 元々、俺は人類のためだとか世界のだとか···正直どうでもいい。俺はそんな聖人じゃねぇ、アイツらさえ生きてれば心底どうでもいい。それなのに――――ここから破けていて読めない―――

 

 

 

 

「······若葉、起きてるかな····」

 

 俺一人でいったとしても、どうにもならない。あの感じからして、大分病んでる·····。今の時間は五時···若葉ならわんちゃん起きてる。起きてないなら起きるまでドアを叩く。

 

「よし。······若葉ー!起きてるかぁ!」

 

 近所に住むお爺さん並みに規則正しい生活をしている若葉の事だ。五時でもワンちゃん····ぉ!

 

「―――こんな朝早くからどうした·····?」

 

「ちょっと、友奈起こして来てくれないか?」

 

 流石、若葉だな。今回は素直に合掌だ····じゃなくて要件をさっさと伝えるか。

 

「····何でだ?」

 

「今から千景の実家に突撃しようと思ってな。それで若葉と友奈に付いてきて貰いたくてな。」

 

「友奈は分かるが·····私もか····?」

 

「念の為にな·····。」

 

「わかった。友奈を起こしてくる····士郎は準備しててくれ。」

 

「スマホを忘れずにな。」

 

「わかっている。」

 

 変身して、全速力で追いかければ追いつける筈だ。···こんな事なら交通機関に細工すればよかった·····っ!

 

 

 

 

 

 

「·····。」

 

 変身する。······服装が変わったな。由緒正しき屋敷に生まれた人が着るような·····左側の裾はブラブラしてるな。ってかこっからめっちゃ冷気が入ってくるんだが···結んだ方がいいかもな。

 

「―――お待たせー!」

 

「····士郎、その格好は····着替えてきたのか?」

 

「この服をこの短時間で着れるかよ。変身したんだよ」

 

「服装が変わるなんてあるのか·······」

 

「もしかしたら、私のも·····へーんしんっ!···いつも通りだ···。」

 

「····私もだ。」

 

「俺だけって事か·····所で若葉、左の裾を結んで絞めてくれねぇか?寒くてたまったもんじゃねぇからな。」

 

「わかった。·····よし、出来たぞ。」

 

「おう。ありがとな」

 

「それじゃあ向かおうか!······それで、そのー···ぐんちゃの実家ってどこ?」

 

「私もわからない·····士郎、わかるか?」

 

「ふっふっ······大社から聞いてるから安心しろ。」

 

 あっぶねぇ····昨日、大社に聞いておいてよかったぜ。

 

        〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『千景の実家の位置を知りたいんだが?』

 

『ですから、····プライバシーの権利が―――』

 

『もし、言わなかったら····草薙剣を手から滑らせて本部を真っ二つにしちゃいそうだな〜〜♪』

 

『!―――わかりましたっ!言います!言います!』

 

        〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「俺が前を走るから、頑張ってついてきてくれ。」

 

「入院で体力が落ちてるんじゃなかったのか?」

 

「安心しろ。体力がなくなる前に着くから。」

 

「ここは、無理せずゆっくり行かない?」

 

「いや、大丈夫だ。急いで行くぞ······遅れるなよ――」

 

「なっ―――!」

 

「速い!」

 

 うぉぉーー!すげぇ!まるで風になったみたいで気分が良いなぁ!若葉達はしっかり後ろを着いて来てるし、このまま行けば何とか追いつけるな。

 

 

 

 

 

 

「ここか·····」

 

 なんとか····高知にある千景の実家に着けたな。····あれ、若葉達がいねぇな·····置いてきちまったか。

 

「ちょっと待つか·····。」

 

 千景の家の屋根に立ち、周りを見渡す。·····豆粒みたいに小さいが若葉と友奈が家と家を渡りながらこっちらに来ている。······変身は解除しといたほうが良さそうだな。

 

「········」

 

 町を見渡す。·····この町に千景がああいう性格になった原因があると思ったんだが·····特に変わりはないな。皆、それぞれ自分が行くべき所に出勤してるだけだ····朝ならではの光景だな。········何か妙だな――――

 

‘‘―――!――――!!’’ 

 

「·····?」

 

 誰かが怒鳴ってる。何処からだ··········あぁ、なるほど―――原因はすぐそばにあったな。探す手間が省けた。

 

「―――――」

 

 屋根から飛び降り、最短距離で家の中に入る。不法侵入なんてもんはない。

 

「この役立たっ、――ぐぇッ!」

 

「えっ――――なんで·····?」

 

「―――口を開けるなよ、愚者····。」

 

 千景の父親だろうが関係ねぇ·····ぶち殺してやる···!

 

「な、なんだ君は!?」 

 

「聞こえなかったか?俺は口を開けるなと言ったんだ···」

 

「け、警察を―――」

 

「話しが通じねぇなぁ····はぁ、」

 

 ―――刀を取り出す。   

 

、ひぃぃ!!」

 

「!―――ま、待って!この人は私のお父さんで····!」

 

「―――退け」

 

「だからぁ····!この人は私のお父さんなのっ!!」

 

「それがどうした?お前を侮辱したのに変わりはねぇ。だから殺す。·····千景なら退いてくれるよな?退かねぇなら――――」

 

 諦めるしかないよな······退いてくれねぇかなぁ。出来ればここで、この愚者は殺しておきたいんだが。

 

「ッッ·····!!」 

 

「そうか。それならしょうがねぇ―――」 

 

 ゴホッゴホッ

 

「誰か他にいるのか?」

 

「·······。」

 

 ······言わないなら、自分で探すからいいよ。

 

「こっちか····こっち側か····おっ」

 

 この人は·····千景のお母さんか。·····この袋は···なるほど天空恐怖症か·····

 

「ゴホッゴホッ!」

 

「こりゃあまじぃな····設備が整った病院に早く連れていかねぇと·····」

 

 症状がかなり進んでいる。このままじゃ衰弱死してしまう。千景の母親はきっと優しいに決まっている。母親つーもんはそうならなくちゃいけぇねぇ·····

 

「おい。」

 

「ふぅー―――ふぅー―――」

 

 ちっ·····こんぐらいで呼吸困難に陥りやがった。なんだこの····子どもが大人になったようなヤツは····これが千景の父親?·······母親似なんだろうな。

 

「千景。」

 

「―――!」

 

「今から病院に電話するから、ちょっとそいつら見といてくれ」

 

「·····貴方は何がしたいの····?」

 

「····ちょっと腹が立っちまってな····すまねぇ。」

 

「·······」

 

 千景との仲直りの方法·····友奈に聞いたら分かるかなー·····?

 

「······」

 

 最寄りの病院に電話をかける。

 

『はい、こちら高知病院です。緊急ですか?』

 

「はい···天空恐怖症の患者が様態が急変しました。···あと、呼吸困難になってる人もいます。」

 

『分かりました。すぐ救急車を手配します。住所を言って下さい。』

 

「えぇ〜···✕✕市✕✕区✕番✕✕ー✕✕ー✕です。」

 

『待っていて下さい。』

 

 よし、これでいいな。正直、父親はどうでもいいけどな。

 

「若葉達に説明しねぇと·······んっ?」

 

 グシャ

 玄関を出て、足を前に出した。·····なにか···紙を踏んだ。

 

「何の紙だ――――ッッ〜〜!!!」

 

 『死ね』『ゴミクズ』『最底辺勇者が』『この町から出てけ』―――――様々な罵倒が書かれている。きっと···これが毎日だったのだろう····郵便入れから溢れかえて地面に落ちている。

 

「――――ふぅ〜、決めた·····この街の奴ら全員コロス。」

 

 赤ん坊だろうが老人だろが全員コロス。千景を馬鹿にしやがって·····地獄に叩き落としてやる。生きてる事に後悔させてやる····!

 

「――――何だテメェら?」

 

 この人だかりは――――まさか·····コイツらが···! 

 

「欠陥勇者だ····」

 

「片腕がない······キモっ」

 

 随分と辛辣だな。あと、二人目は自分がなったらどうすんだろ?····気になるし、試してみようかな。

 

「税金を無駄使いしやがって····!」

 

「お前のせいで何人死んだと思ってんだ····」

 

 有象無象共がなに言っても俺の心には響かないぞ。こういうのは反応するから調子に乗るんだ。無視無視―――

 

「どうせ、重症を負った二人も欠陥勇者だったんだろな」

 

「―――――」

 

「確か···土居球子と···伊予島杏だっけ?」

 

「そうそう。ほんと、ゴミみたいな名―――あれ?俺の腕が·····ぁ゛あぁ゛あぁあ゛!!!」

 

 ――きゃああぁぁ!!!!

 

「俺とお揃いだな。―――ほら、喜べよ。」

 

「ぁああ!―――こんな事して許されるとでも思ってんのか!!?」

 

「ぷっ、ハハハ!―――こりゃあ傑作だな!今の状況が理解出来てねぇのか?」

 

「勇者だろ!?俺の――市民様の命を守るのがお前らの仕事だろ!??」

 

「俺は基本―――お前が死のうがどこのどいつが死のうと····心底どうでもいい。何とも思わねぇよ···ってことでお前もさっさと逃げたらどうだ?」

 

「はっ?·······ナニ言って?」

 

「逃げていいって言ったんだ。ほら、這ってでも逃げろよ。出来なきゃ、お前はゴミ以下だぞ。」

 

「ッ!俺を馬鹿にしやがって···っ!」

 

「ほら、さっさと立て―――よっ!」 

 

「うっ!」

 

 立つ手伝いで腹を蹴飛ばす。これで立てるだろ·····

 

「う、ぅえぇええぇ····!!」

 

「汚ねぇな····こんぐらいでへこたれるなよ····」

 

「うぅ、俺は····まだ生きる····!生きるんだ···!」

 

「おっ!いいぞ!はい、いっちに、いっちに」

 

「うぉおおぉぉ――――!!」

 

 この調子なら俺から逃げれるな。·····俺が何もしなければだけどな。

 

「まっ―――無駄でした···と」

 

 刀を首へと―――――

 

「――――士郎!!!!!

 

「·····ちっ、運がいいな。······ほら、今から救急車が来るから眠ってな。」

 

「うぐっ····!」

 

 刀の逆刃で打ち気絶させる。ついでに止血もしておく。

 

「――――士郎くん····何しようとしたの?」

 

「なにって·····殺そうとしただけぞ。」

 

「その意味を分かっているのか····士郎···!??」

 

「きっと····若葉の考える意味と俺の考える意味は違うんだろな······。」

 

 ·····前ならもっと上手く出来たんだがなぁ·····ブランクを感じまうな。

 

「······身柄を拘束させて貰うぞ···士郎。」

 

「いいぞ。ほら·····あっ、片手しかないから縛れねぇな。切り落とすか?」

 

「――――し··ろ···ぅ····ぁぁ――ぁ―!」

 

「どうした?どこか痛むのか····見せてみろ」

 

「――――違う!」

 

「若葉ちゃん·····」

 

「あっそうだ、千景は家の中にいるから」

 

「·····うん、わかった。」

 

 ······言い訳はしない。言ったところで何も変わりはしない·······あぁ···自分という存在がわからなくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

「·······。」

 

 ――――という事で謹慎をくらいました。···まぁ、謹慎だけで済んだことにびっくりだ。ついでにスマホも没収されました。·····俺にはいらないし、いいんだけど···千景が心配だな。

 

「暇だな·····ゲームでもするか·····。」

 

 謹慎は二週間····その間は千景にオススメされたゲームをすることにする。

 

「埃被ってんな····」

 

 押入れからカサット、媒体を取り出す。

 

「コントローラーを······諦めるか。」

 

 コントローラーを持って気づいた·····片腕無理じゃね?·······寝よう。

 

「おっと、日記日記·····」

 

 

 





 補足
・外の様子を見に行くイベントは入院中に若葉と友奈、千景が行きました。無傷で生還·····最初から三人がかりだったのでね。
・友奈が家に入ると―――彼女は何かにずっと謝り続けていた――。

 

100話記念はなにがいいですか?

  • 天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
  • のわゆの後日談[西暦勇者、知らん奴]
  • 誰かとの√[シャルル、誰か]
  • その他(感想へゴー!)
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