セーフ!セーフでお願いします!!!よし、許されたな·····。
千景·····すまない。今年の誕生日はこれで勘弁してくれ······。来年はもっと····楽しくやるからな··。
ってことで、今年の千景の誕生日会(仮)です。
✕月✕日
全く、変な勘違いしやがって·····千景が無価値?はっ、例え勇者じゃなくても千景は千景だ。そこに替えは存在しない。自分の上位互換が世界にうじゃうじゃいるのは普通だ。だが、その人の替えは絶対にいない。絶対どこかで違いがある。故に人類史とは戦争の歴史になったんだ。いつもいつも人は他人を貶め、傷つける。だから、世界平和なんて夢のまた夢の話になってしまったんだ。世界を取り戻した所で平和になるなんて確証はないんだ。
「―――·····?」
何か····腹に違和感····なんか乗ってんのか?
「―――すぅ··すぅ···」
「タマか·····」
椅子に座ったまま、頭を俺のお腹に置いたまま寝ている。
「·······どうしたもんか。」
時刻は朝の六時·····体の痛みは大分減った。これなら少しの時間だけだが全力ダッシュ出来るな。あとは···千景が何処にいるかだな····。
ガラガラァ〜
「んっ?」
こんな朝早くに誰だ?
「·····あっ、士郎さん。起きたんですね」
「杏か。·····こんな朝早くからどうした?」
「タマっち先輩と一緒にお世話を·····と思ったんですが·····寝ちゃいましたか····。」
「······まぁ、よく寝る子は育つって言うしな。いっぱい寝て、早く完治してほしいもんだ。」
「ふふっ、やっぱり···士郎さんはいつも通りですね。」
「····?」
何か笑う所あったか?
「一般人を斬った····と聞きましたが、何か···士郎さんが怒るような事を言われたんですか?」
「あぁ〜。····まぁ、そんな感じだな····。」
そんな事もあったな。あれに関しちゃー、俺の判断ミスだな。千景の負担になるなんて考えもしなかった····。
「····千景さんを····馬鹿にされたんですか···?」
「·····調べたのか?」
「はい。大社にお願いして千景さんが通っていた学校の同級生、近所の人、父親の仕事仲間、母親の不倫相手···全て調べて貰いました····。」
「······それで、どうだった?」
「酷い、···ものでした。····学校では、両親の評判からいじめられ···家では常に両親の罵声の声を聞く····千景さんがあんな優しい性格に育ったのかが不思議に思える程でした····。」
「そうか。······やっぱり、潰してくる―――」
「落ち着いて下さい。また、千景さんに負担をかける気ですか?」
「·······。」
そうだ····これも千景のため····深呼吸、深呼吸――
「―――んぅん、····士郎··?」
「····おはよう、タマ。」
「―――士郎!?」
「それ以外の誰に見るんだ?」
全く····寝起きから元気だな。
「ほら、タマっち先輩顔洗いに行こ?」
「う、うん····。」
松葉杖をつきながら退室していく。杏もタマに付き添って退室していく。·······千景の場所を聞き忘れた。
「ちょっと待つか·····。」
「お待たせしました。」
「気にしてないぞ。」
あれから数分程度で帰ってきた。
「士郎·····体は大丈夫なのか?」
「あぁ。ある程度は動けるようになったさ。」
腕を上げてへっちゃらな事を伝える。
「それで一つ聞きたいんだが·····」
「はい。私がわかる範囲で答えれますよ。」
「ドンッと来い!全部あんずが答えるぞっ!」
「タマっち!?」
·····よし、ここは杏のスリーサイズを―――じゃなくて
「今、千景が何処にいるか分かるか?」
「千景さんですか····今は謹慎を貰い、寮の自室にいると思います。······行くんですか?」
「もちろん。」
「千景も····士郎の誇り、だからか?」
「そうに決まってんだろ。」
「そっか。」
それが、俺の行動原理だであり···俺の王勇だ。
「ってことで·····今から脱走します!」
「·····凄い行動力ですね。」
「士郎らしいなっ!」
「二人にはお留守番頼むぞ。」
「わかりました。誰も入れなければいいんですね。」
「タマにまかせタマえっ!」
「そりゃあ頼もしい·····じゃ、そういうことで」
窓から飛び降りながら変身をし、地面についたら再度飛翔·····全速力で寮に向かう。
「·······。」
‘‘―――!――――!’’
「····若葉の声だ。」
それに、ドアを叩く音もする。
「千景ぇーっ!聞いているんだろ!?開けてくれぇ!一緒に謝りに行こう!!きっと士郎も赦してくれる!!」
「えぇーっと······若葉さーん?」
「―――――んっ?――しっ、士郎!どうしてここに!?」
「抜け出して来ちゃった♪―――じゃなくて····今、若葉なにしてた?」
茶目っ気たっぷりってな。·····本題はそこじゃないんだ。
「私は千景を連れて病院に行こうと·····」
「それで怒鳴ってたと····逆効果じゃねぇか···。」
「·····じゃあ···どうしたら····?」
「ふっ、ここは俺に任せろ。」
「····わかった。」
俺の奥義を見せてやる。これを使えば、千景は絶対に出てくる。
「ん゛ん゛っ!―――ぐんちゃー―――ぐふっ!!」
扉か開いたと思ったら、目覚まし時計が飛んできやがった···!
「何がいけなかったんだ···!?」
「士郎······正直、気持ち悪かったぞ····。」
「そうだ!―――友奈だ!友奈を連れて来い!」
「友奈も····駄目だった。」
「どうすることも出来ないッッ―――!」
「だが、友奈が助っ人を連れて来ると言っていた。」
「マジか!····ここは一旦待つか。」
「そうするしかなさそうだ。」
助っ人·····ひなたか?····いや。でもそこまで親しいという感じじゃないし····他の誰かだな。
プルプルプルプル
「私だ。···はい、乃木若――」
『―――若葉さん!近くに士郎さんがいたら早く代わって下さいっ!』
「わ、わかった!」
杏か····何かあったのか?
「代わったぞ」
『士郎さん!友奈さんに何したんですか!?ひっきりなしに扉を叩いてるんですが!!』
「·····友奈、そっちにいるのか?」
あれ?友奈は助っ人を呼びに行ったんじゃ·····あっ。
『言ってるじゃないですか!』
「あー、えぇーっと····とりあえず、扉開けて戻って来るように伝えてくれ······」←助っ人
『えぇー···わかりました。』
「すまん。頼んだ····」
杏達にはあとで何かお土産でも買っていくか·····。
「ふぅー····ほいっ、返す。」
「あぁ。·····友奈が言う助っ人とは士郎の事だったのか·····」
「入れ違いになっちまったみたいだな。」
助っ人が俺って······千景特攻を持ってるのは友奈だろうに······友奈と話してる時が心から笑ってるように見える。
「·····。」
待つしかないな。
「―――ごめんね!遅れちゃって···。」
「大丈夫だ。まだ時間は沢山ある····と思いたい。」
「それよりも·····作戦を立てよう。」
「うん!」
まずは現状を知らないと始まらないな。
「最初に状況をまとめよう。俺が来るまで何があったか···若葉、教えてくれるか?」
「わかった。···朝、私と友奈は千景が心配になり声をかけた。だが、反応はなく扉が開かなかった。」
「そこで、私が助っ人として士郎くんを呼びに行ったんだ。」
「····俺は病室を杏達に任せて脱出し、ここに来た。そこで俺も千景に声をかけた。·····結果は目覚まし時計が飛んできただけ······手詰まりだな。」
「えっ、····飛んできたって····何処から?」
「?――部屋からに決まってんだろ。」
「じゃあ····扉が開いたってこと?」
「·····そうなるな。」
「そうだな。―――!」
「えっ!何したの!??」
「俺が友奈の声真似をしただけだぞ。」
完璧だと思ったんだが····友奈愛好家にはバレるか。
「士郎くん、もう一回してみて!」
「わっーた。··ん゛ン゛っ!――ぐんちゃーん♪扉を開け―――フッ、二度目はな―ぐぇっ!」
次はTVのリモコンが投げられたが難なくキャッチ。だが第二投目のコントローラーが顔面にクリーンヒット···上手いじゃねぇか······ぐっ。
「――今だ!!」
「ぐんちゃん!!」
「そこだ。」
扉が少し入った瞬間―――若葉と友奈がこじ開けた。その隙間を狙い、俺だけ部屋に入る。
「なっ―――士郎!?」
「コレは俺の問題だ。」
「ぐんちゃんをお願いね。」
「任せろ。友奈並に元気にしてやるよ。」
扉を閉め鍵をかける。さて······
「―――朝飯は食ったか?」
「―――えっ?···急に何を―― 」
「いや、だから···朝ご飯は食べたのか?その顔ぶりを見るとどうせ食べてないんだろ?」
折角の綺麗な髪がボサボサになってやがる。しかも目の下にクマをつけて·····まったく、世話がかかる奴だ。
「·····食べてない。」
「そうか。じゃ、キッチン借りるぞ」
「······。」
部屋の造りは俺の部屋と同じで安心したよ。さっとキッチンに行けた。冷蔵庫の中身を見る。······あるのは水と俺が以前渡した米ぐらいだ····結構前だが···まだ食べれるな。
「おにぎりでいいか?」
「·····なんでもいい···」
「じゃあ、ちょっと待っててくれ。」
タッパに入れたまま米をレンジでチンをし、熱いうちに片手で素早く握っていく。その前に手をしっかり洗うのは忘れずに·····
「ほいっ、よく噛んで食べろよ。」
「うん·····。」
今ん所は安定しているな。······このままでいて欲しいんだけどな。
「····ごちそうさまでした··。」
「どうだ、美味しかったか?」
「美味しかった······。」
「そりゃあよかった。」
米がまだ使えてよかったぜ。あとはゆっくりとしとくか。
「·······」
「·······。」
「·······」
「······ねぇ·····」
「···んっ、何だ?」
おっ、やっと喋る気になったか。
「貴方は、此処になにしに来たの····?」
「なにしに来たって言われてもな······」
正直な所·····飯食わせに来たぐらいしかないぞ。
「私を外に出すとか····元気づけるとか·····」
「外に出たいのか?」
「·····やだ。」
「俺に励まされたいのか?」
「····それもなんかやだ。」
何かそれは傷つくな·······ぐすっ。
「じゃあいいじゃねぇか。ゆっくりしていこうぜ」
「····貴方には帰って欲しいのだけれど···。」
「酷くねぇか!?」
「―――――ふふっ。」
あぁ、―――やっと笑ってくれた。
「その顔止めなさい。」
「まぁまぁ」
「はぁー······」
「ため息ついたら、幸せが逃げるぞ。」
「そんなの迷信よ。」
「そういうのは気持ちの有り様だぞ。」
またの名をプラシーボ効果という。
「·····ごめんなさい。」
「――――突然に言うな。」
「私は、貴方を···殺そうとした····。」
「ゆっくりでいいぞ。」
「貴方、を殺せば···きっと···村の人達は、私をまた見てくれる····!」
「·······」
「私を、価値ある存在として、見てくれる····!」
「·······」
「····ほんと、私は馬鹿ね····。そんな事をしても··誰も私を見てくれない·······わかってたのに···」
誰も見てくれないか······何か勘違いしてるな。
「·····何言ってんだ?」
「―――!」
「お前の事は皆見てるよ。若葉だって、千景の事を心配して声をかけてたろ?」
「····私を怒鳴ってると思ってたわ。」
「ん〜〜!そこは気にしないでくれ。」
「·······うん。」
「俺が言いたいのは······えぇーっと·····」
若葉のせいでなに言おうか忘れちまったじゃねぇか····!
「·····シャッキとしなさいよ。」
「あっ、そうだった。·····千景は千景であり、それ以外の誰でもない。勇者の千景も千景だし、精神が不安定の千景も千景だ」
「私の名前を連呼しないほしいのだけど·····。」
「おおっと、すまねぇ。とりあえず、俺が言いたいのは―――」
「そこまで、言われたら私でもわかるわよ。」
「―――そうか。····それで、どうする?なんかしたい事はあるか?」
「そうね·······一緒にゲームしましょ。」
「いいぜ。·····っとその前に、ほら後ろ向け。」
「?···いいけど··変な事はしないでね。」
「俺をなんだと思ってやがる。じっとしとけよ···」
「――――!!」
櫛を使い、髪を梳いていく。優しく、少しでも触ったら壊れる物を扱うようにゆっくりとしていく。
「結構····上手ね。妹でもいたの?」
「う〜〜ん····いなかったと思うぞ。」
「·····そう。」
俺は、感覚的に一人っ子だと思うが····実際は分からない。
「――――よし、出来たぞ。」
「んっ····ありがと。」
「おう。·····さて、ゲームやるか」
「えぇ·····でも、貴方····ゲーム出来るの?」
「ふっ····舐めてると痛い目みるぜ。」
「·····望む所よ···!」
片手というハンデがあって五分という事を見せてやる。―――――この後、白熱した戦いが続いた事は言うまでもない。
「士郎····遅いな·····。」
「士郎くんとぐんちゃんなら大丈夫だよ。待っとこうよ」
「あぁ。·····しかし冷えるな···」
「だね。私、二つホッカイロ持ってるから一つあげるよ。」
「それはありがたい。―――温かいな。」
「うん。」
―――この二時間後に士郎が二人の事を思い出し、千景と一緒に出てきたのは言うまでもない。
補足
・友奈が病室に来た時、タマは扉の前で構えてました。
・片手でおにぎりを握る。←凄いスピードで握る。
あと、2話か3話でのわゆ編は終わると思います。最後まで気合を入れて頑張ります。どうぞ宜しくお願いします。
100話記念はなにがいいですか?
-
天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
-
のわゆの後日談[西暦勇者、知らん奴]
-
誰かとの√[シャルル、誰か]
-
その他(感想へゴー!)