気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 これがのわゆでの最後の日常回か······

 作者が考えるのわゆの時系列(大雑把)
・四国への初の襲撃が7月
・千景の問題が多分、3月か4月
・最後の戦いが7月か8月ぐらい?
・そして、外の調査が若葉復帰の11月か12月(漫画の描写的に)
 戦いはだいたい一年ぐらいの出来事····なのか?分かってる人がいたら教えて下さい。
 


この一時だけでも

 

 

 

 ✕月✕日

 今日は皆の事について知れてよかった。俺の事についてはあまり喋れなかったが、まぁそれでも楽しい一時だった。にしても男女比率6対1っておかしくねぇか。歩いてる時、めっちゃ視線を感じたんだけど····

 

 

 

 

 

 

 

「····大手一の門だったけな」

 

 友奈に言われた場所はたしかここの筈·····そもそも大手一の門っていうのが分からん。とりあえず一番デカい門の前に立っておく。これで誰もこなければ電話かけるしかないな。

 

「········」

 

 暇潰しできる物など一切ないため、ぼーっと立ち尽くす。

 そんなこんなでぼーっとし始めて二分程で私服姿のひなたが来た。贔屓なしに美少女だと言える。

 

「士郎さん。早いんですね」

 

「おっ、ひなたか····若葉と一緒じゃないんだな」

 

「ずぅーっと、一緒っていう訳にはいきませんからね。ずっと一緒にいれたらいいんですけど········」

 

 何か聞こえたような気がするが、聞こえないフリをしよう。それがベストの筈だ。

 

「ひなたー、士郎ー!」

 

「おっ、若―――」

 

「若葉ちゃ―――ん?」

 

「?···どうしたんだ?」

 

 元気一杯の声と共に登場したのは普段運動している際に着ているジャージ姿に顔を隠すためだけのひょっとこお面。

 完全不審者スタイル止めてもろて。

 

「こっちのセリフだ。何でそんな格好になってやがる?」

 

「これじゃあ·····不審者ですよ」

 

「有名人の変装は―――基本っ!」

 

「そうなのかっ!」

 

「違いますからね。はぁ、幸先不安です·······」

 

 自信満々に言うものだから思わず本当の事かと思ってしまった。流石、我らがリーダー。影響力が断トツである。

 

「ひなちゃん、大丈夫?」

 

「この声は友奈さ――――」

 

「デジャブッ!」

 

 優しさを振りまく友奈が来たはいいものの、こちらも若葉同様変装して来たようだ。

 友奈は何だよその仮面みたいな······マジで誰だよ、この二人に変な知識覚えさせたヤツは······赦さんからな。

 

「やっぱり、変装するのが普通だな」

 

「うんっ。そうだね♪」

 

「二人とも····早く着替えてきて下さい····」   

 

「えっ、なんで?」

 

いいから····っ!」

 

「は、はい!友奈行くぞっ!」

 

「う、うん!」

 

 怒らせたらいけないのはひなた····っと、しっかりメモしとく。

 ちなみに他にメモしている事は六つしかない。あまり役立っているようには思えないが、やる事が大事と聞いたことがある。

 

「な、なに?今の······乃木さんと···高嶋さん?」

 

 っと、ここで遅れて千景の登場。どうやら、先程までいた二人とは違い、ちゃんとした服を着ている。もちろん変なお面もつけてない。

 

「気にすんな。ただの不審者だ」  

 

「千景さんはあんな風になったらいけませんよ」

 

「どういうことッ!?まったく意味がわからないのだけど······!?」

 

 到着早々意味不明文なことを言われ、戸惑う千景だったとさ。これには同情せずを得ない。

 

 

 

 

 

 

 ということで仕切り直し。開始早々やらかした若葉と友奈を先頭に目的地へと歩き出していく。

 

「じゃ、行こっか」

 

「まずばタマと杏に合流しないとだな」

 

「ここから徒歩だと····こっちからの方が近いな」

 

 あれから四ヶ月ぐらい経ち、タマの足もそろそろ完治するらしい。完治したら、次はキツイリハビリが待ってるだろうが····タマの事だし、絶対に諦めないだろうな。

 

「·····こうやって皆で出かけるのは久しぶりだね」

 

「前回揃ったのは·····うどん食べに行った時か?」   

 

「その時もひなたがいなかったからな」

 

「あっそうか」

 

「私を除け者にしないで下さい。」

 

「すみません·····」

 

「ふふっ、そんなに怒ってませんよ」

 

 全員で集まったの····一回もなくねぇか。だいたい俺かひなた、千景がいねぇからな。

 流石に周り全員女子というのは落ち着かないと言うか何と言うかだな·········他に男性の勇者はいないものなのか。

 

「喋りながら歩くのっていいよね、ぐんちゃん」

 

「!·····えぇ、そうね」

 

「時間かけすぎると、タマが『退屈だぁー!』って騒ぎだすと思うぞ」

 

「その姿がはっきり目に浮かぶな」

 

 足をバタつかせて杏に宥められてる、そんな姿を想像出来るな。本当にしているかどうかとして。

 

「速歩きにしますか?」

 

「いや、ゆっくりでいいだろ。予定の時間にはまだ余裕あるしな」

 

 腕時計が指す本時刻を見ながら若葉の問いに返す。

 もし、遅れたとしても杏がどうにかしてくれる。頼んだ、杏。頑張れ、杏。

 

「そうだな」

 

「まぁ····最初、ふざけて変な格好してきた問題児のせいで時間が押してるんだがな」

 

「「―――ん(ぐ)っ!!」」

 

 ったく、笑いを堪えるのに苦労したぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなぁー!!こっちだぞーっ!!」

 

「相変わらず元気だな」

 

「あはは········」

 

 病院についたと思ったら、タマの熱烈な歓迎をうける。アイツ本当に病人か?隣で杏が苦笑いしてますけど

 

「みなさん、早かったですね」

 

「千景!久しぶりだなぁー!」

 

「うん。····久しぶり····」

 

「暗いぞっ!もっと元気に行くゾ!」

 

「う、うん」

 

「タマちゃん···凄い元気だね」 

 

 ······本当にな。めっちゃ千景にグイグイ行くな。

 

「元気な事はいいことですよ」

 

 それはそうだけども。

 一先ず、これで前提条件は達せられた。ここからの指示は何一つない。よって、俺達を集めた友奈に聞くしかない。

 

「どこに行く予定なんだ、友奈?」

 

「―――海に行こう!!」

 

「海???」

 

「泳ぐのか!?」

 

 季節的にはちょうどいいが、水着とか誰も持ってきてないぞ。······あと、俺はパスするからな。

 

「いや、えぇーっと·····話しが、したいんだ」  

 

 何か考えあっての事のようだ。なら、俺達はそれを信じてついていくしかない。うん、いつも通りだ。

 

「·····わかった。海に行くかぁ!!」

 

「ああ、そうだな」

 

「たまには何も考えなくてもいいですもんね。」

 

「タマにはっ!」

 

「タマっち·····?」

 

「つ、つい、····出来心で····」

 

 あー、うん、·····まぁ気持ちはわからなくはない。タマが言わなかったら俺が言ってた。

 

「千景もそれでいいか?」

 

「この空気で嫌とは言えないでしょ····」

 

「嫌なら嫌でいいぞ?」

 

「そうだよ、ぐんちゃん。」

 

「うぅ···大丈夫よ。海は嫌いじゃないし···」

 

 ここには嫌って言って、責める人間なんて一人もいないんだかな。

 

「――レッツゴー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 てことで海への道中。通路を塞がないよう配慮しながら歩いていると先頭で俺、若葉と話していたひなたが唐突に店に貼られているポスターを見て、足を止めた。

 

「······このポスター·····」

 

「···おっ、今年も夏祭りするんだな」

 

「今年も行きたいね」

 

「そうですね。今年はみんなで行きたいですね」

 

 前回は行ってないというか·····記憶が失くなって日が浅かったから、そういう余裕はなかったな。あっ、ちなみにタマは俺が背負って歩いてます。力仕事は俺に任せい!

  

「夏祭りといえば·····浴衣ですね!」

 

「ッ――!」

 

 若葉が途端に嫌な顔になったな。

 

「い、今はその時じゃないし····なっ?」

 

「そう、···ですね。夏祭りの時に堪能しましょう♪」

 

「結局·····か····」

 

「若葉、頑張れ」

 

「何を言ってるんですか?士郎さんも着るんですよ?」

 

「ぅぇぇ······俺この日に予定が出来るから―――」

 

「士郎さんって、私達以外に友達いるんですか?」

 

「ぐぅぅッッ―――!!!」

 

 止めてくれ、ひなた。その言葉は男友達いない歴=年齢(事実上1歳)の俺に効く。

 男友達が欲しい(切実)····!

 

「ってことで、決定ですね」 

 

「若葉····ひなたの手綱をしっかり握ってくれ」

 

「無理だ·····諦めるしかない」

 

「うぅっ····!」

 

「そんなに凹まなくても·····」 

 

「―――ここは皆で着よう!」

 

 俺と若葉だけでは心身共に疲労するのみ。それなら、皆でやれば楽しくいけるだろう。ということで、他人事にしている友奈達を道づ―――、仲間に入れなけれる。

 

「それもそうですね。みんなで浴衣を着ますか」

 

「なっ!タマもか!?」

 

「もちろんです♪」

 

「タマっち先輩、ここは諦めるしかないよ···」

 

「·····なんで、私も····」

 

「ぐんちゃんの浴衣姿、楽しみだなー♪」

 

「······」

 

 千景からの視線が痛いがここは無視。これで全員巻き込めたな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 歩き続けて二時間程経ってようやく目的地である海に到着した。時刻は昼前で太陽は昇りきってないが、海面で反射している光は輝いている。

 潮風を肌に受けながら、一呼吸。

 

「·····涼しいな」

 

「ちょうどいいくらいの風ですね」

 

 ざぁー、ざぁーと波の音が聞こえる····。あぁ、心が落ち着くな。自然に還るとはこのことだろうか。

 

「タマ、座るか?」

 

「ん〜···このままで」

 

「わかった」

 

 そろそろ片腕がつりそうだが気合で耐える。タマがこのままと言うなら一生このままを維持する。それが俺の役目なのだから。

 

「友奈、話しってのはなんだ?」

 

「·········私の事を話したくて」

 

 重い口を開き、少女は罪を自白するかのように御影に応じる。

 

「友奈のことか······そうだな。友奈の事、あんまり知らないな」

 

「そうですね。友奈さんは聞き上手でついつい、私の話しをしてしまいます」

 

「あぁ。いつも友奈には助けられてるな」

 

「高嶋さん·····」

 

「······」 

 

「出身地ぐらいしか聞いてないですね」

 

 やっと、友奈について聞けるのか······よかった。何と言うか安心した。独り善がりな安心で嫌になるが、今はどうでもいい。

 

「最近、士郎くんがよく怪我するよね」

 

「―――俺ぇ!?」

 

 友奈の話になるかと思えば、何故か俺の名が上がる。何か友奈を傷つけるようなことをしただろうか。

 

「·····あぁ。怪我といえば士郎だな。」

 

「怪我=俺じゃないからな!?」

 

 変な勘違いしないでくれよ。痛みに興奮するようなヤツじゃないからな!?断じて違うからな!

 

「「っっ····!」」

 

「別にお前らを責めてる訳じゃないぞ」

 

「うん·····」

 

「·····わかってる」

 

「·····もしかしたら次·····誰かが、死ぬんじゃないかと思って·······そしたら、私は誰にも覚えられないじゃと思っちゃうと怖くて······」

 

「········」

 

「そんなことはない」

 

 誰の記憶にも残らない。······あぁ、それ程怖い事はない。

 

「これが、私の勘違いだって·······それでも、やっぱり怖くて·····だから、私について知って欲しいの」

 

「高嶋さんの事ならなんでも、········聞くわ」

 

「聞くよ。どんな事でも」

 

「―――ありがとう」

 

 高嶋友奈について。勇者じゃない彼女のこと―――

 

「私は――――高嶋友奈。勇者、高知県出身、好きな食べ物はうどん。身長は154cm、1月11日生まれの中学二年生。」

 

「小さい頃は、山とか森で遊び回ってて、よく男の子に間違われたの。」

 

 友奈らしいと言えば友奈らしいな。付き合いは一年にも満たないけど、それでも少しは友奈の性分については知っている。

 

「格闘技が得意で、空手、ボクシング、あとカンフーとかやってます」

 

「―――こんな感じでいいのかな?」

 

「ああ、十分だ」

 

 内容は短かったが、それでも話すのが得意じゃない友奈が精一杯考えて話したんだ····しっかりと伝わる。

 

「じゃあ次は私だな」

 

「あれ?待ってくれ」

 

「―――なんだ?」

 

「全員する流れか?」

 

「?····そうだが」

 

「俺も?」

 

「当然だ」

 

「·····何も話す事ないんだが?」

 

「気合だぞ、士郎!」

 

「行ってみよぉ!」

 

「なんか、やけになってないか?」

 

 しょうがない、捻りだすか。

 

「よし、話すぞ。私は――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。これで私も終わりです。次、士郎さんですよ。」

 

「ぐっ····!」

 

「気楽に行こう!」

 

 若葉、千景、タマ、杏、ひなたが終わり、次は俺の番になった。―――あぁ、もう!当たって砕けてやる!

 

「俺は御影士郎。勇者····多分。えぇー、出身地は···わからん。生まれた日も····知らねぇな。」

 

「好きな食べ物は、焼き芋と干し柿だな。趣味は···料理と日記を書くことだな。」

 

「嫌いな食べ物は····特にないな。出されたもんは何でも食べてるようにしている。······こんぐらいだな。なんか質問はあるか?」

 

 自己紹介ぽっくやったが·····不明な点が多いな。 

 

「·····誕生日····ないの?」

 

「ないな。」

 

「·······」

 

「そんな顔すんなって·····う〜ん、そうだな····3月11日を俺の誕生日にするか」

 

 大社に保護されて、一度起きたがすぐ寝て、次起きて大社の人に聞いた時は3月12日だったから3月11日。ってことにしよう。

 

「そんな適当でいいんですか?」

 

「覚えてないんだからしょうがないだろ」

 

「もう、過ぎてるな」

 

「来年はパァってやるからなっ!」

 

「·····おう。楽しみにしとくな」

 

 俺に来年があるのかなぁー····

 

「まずは·····夏祭りだな」

 

「イベントはたくさんありますからね」

 

「思い出をたっっくさん!作ろうね!」

 

「えぇ、そうね」

 

「―――だな」

 

 この一時だけでも、何もかも忘れて未来を語る。例え、確定しない未来だとしても――――

 とても心温まる時間だった。

 

 

 

 

 





 補足
・タマはずっと士郎に背負われます。
・士郎が見られていたのは片腕がなかったのに目が惹かれただけです。(義手はつけてない)

100話記念はなにがいいですか?

  • 天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
  • のわゆの後日談[西暦勇者、知らん奴]
  • 誰かとの√[シャルル、誰か]
  • その他(感想へゴー!)
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