玉藻前を使うか使わないか·····もう、ネタのボックスは空·····能力は考えれない。文献からのイメージで補うしかない····!―――コレが、俺の玉藻前だぁ!!
✕月✕日
何ヶ月前かの襲撃で俺は全てを出し切った。なのに、俺はまだ生きている。記憶はちゃんとある。おかしい。確かに俺は草薙剣を使って、友奈の負けを逆転させて勝利にした。なのに、俺という存在がまだ息をしている。いくら考えても何故こうなったのかはわからない。でも、これだけは言える。全員無事に生きて終える事ができて良かった。
「初っ端から進化体六体か······」
「これは····出し惜しみ出来ないな。」
「えぇ、そうね。」
「全力で行くよ!」
視認出来るのはこちらに近づいてくる進化体六体。いつも通りするだけじゃ絶対に勝てない。命を削る覚悟で挑まなければいけない。
「降りよ――――!」
「力を貸して―――――!」
「来い―――――!」
ここで俺が切り札を使えないのが悔やまれるな。俺が切り札使えたら一人でぶっ倒しに行けるんだが····。
「大天狗―――!!」
「玉藻前――!!」
「酒呑童子―――!!」
いつものとは違う精霊での切り札····日本の三代悪妖怪―――故に、体への負担はいつもの並ではない。短期決着で済まさないと····先に体が朽ちるだろうな。
「絶対に生きて帰るぞっ!!」
「うんっ!」
「もちろん!」
「当たり前に決まってんだろ!!」
一斉に進化体へと向かう。それを感知したのか迎撃の動作を入れる。何体か猛スピードでこちらに向かってくる。
「こっちは私が!」
「俺もこっちを片付ける!!」
「わかったっ!前は私と千景で抑える!」
「任せて――!」
前に出てきたヤツを相手していたら、後ろのヤツらも来て、挟み撃ちにあうのが一番ヤバい。ここは二手に別れるしかない。
「う――あ゛ぁぁ!!」
「ナイスだっ!――おら、――よっ!!」
友奈が地中に潜ったヤツを引っ張り出し、無防備に出てきた所を大剣程の大きさの刀でぶった斬る。溢れはないからこれで終了。
「まず一体!!」
「あと、二体いるよ!」
「わかってる。次いくぞっ!」
「りょーかい!」
あとは天秤みたいなヤツと····なんだあれ?―――いや、考えるな。倒す事だけを考えろ。
「――――天秤は俺がやる!」
「じゃあ、私はよくわからない方っ!」
やっぱ、そうだよな。よくわからないよな······
「お前の相手は―――――俺なっ!!」
とりあえず、片方の棒部分を斬り落とす。バランスを崩し、転倒する。
「―――あっぶねぇなぁ!!」
――何か、顔目掛けて飛んできた。少しでも気づくのが遅れればそのままお陀仏だったろう。避けれはしたが、頭から血が流れる。左目に血が入り、視界が真っ赤になる。
「お返し、―――ダッ!!」
あれが、最後の抵抗だったのか無抵抗だった····これでコイツは終わりだな。友奈の方に行かねぇと――
「よし。次だ―――」
「あ゛、あ゛――あぁあぁああ゛!!」
「友奈ッ!!」
盾のような物を粉砕しながらも敵を砕く。正に破壊の権化だな。―――だが、体が負担に耐えれないのか血を垂れ流しながら戦っている。
「ラス―――トォォォ!!」
「·····これで、こっちは片付いたな。」
「ハァ·―ハァ··―··ぐんちゃん、達の手、伝いに行か、なきゃ··―·―」
「俺が行くから友奈は休んどけ····その体で行っても足手まといだ······。」
「でも―――うん、わかった。ありがとう―――。」
「······。」
きっと、若葉達も体の負担を無視して戦っている。速く――速く、行かねぇと···!!
「――千景!手伝うぞっ!」
友奈程ではないが、血を流し、白無垢を紅く染めている。だが、敵からの攻撃は受けていないのか破れていたり、擦り傷が出来ていたりはない。
「―――!···私が惹きつける。」
「わかった。俺が止めを刺す···。」
進化体についてる口(?)が開き、弾丸のような物が千景の命を奪おうと迫る――――千景の体がボヤけた。
「―――こっちよ。」
――――今は千景を見るのが優先じゃない。先にヤツを倒す。視界に映らないように側面に回り込む。手には刀を打つ時に使う金槌を握る――――まず、その口を――
「―――打ち直すッ!!」
口の形が変形し、思うように放射を出来ないようにする。これでコイツはもう攻撃出来ない。
「そこよ····朽ちなさい。」
そこを千景の九つの尾が貫く。抜くと同時に紫色の炎が勢いよく燃え立つ。――――跡形もなく焼け消えた。
「次·····」
「これが、玉藻前か····」
鎌を持たずに戦うのは邪魔だから·······いや、必要ないのか。
「――――ハァァーーッッ!!!」
「!?」
「若葉!?」
若葉の声が聞こえたと思ったら····敵を押しながら通っていたんだが·····アイツが単騎最強じゃね。
「ハァー···ハァー··!」
「·····これで、あと一体·····一番デカいやつだな。」
「えぇ、そうね·····。」
ゆっくりとこちらに近づいて来ている。他のヤツらを先に行かせたのは何でだ――――まとめて俺達に始末させない気か····面倒臭いヤツがいるもんだな。―――!!?
「―――千景っ!士郎!退避するぞっ!!」
「いや、―――――やるしかない。」
「何してるの!!早く避けるわよ!」
あの火球を避けるのは容易い。―――だが、あれを避けると―――
「後ろに友奈がいる。――――避けるわけにはいかない。」
「なっ····!高嶋さんっ!!」
「·····出来るか?」
「もちろん。そのための俺だ」
手に刀を出しては適当に投げる。ここは一本でも多く出さなきゃいけない。あの火球を無力化するには今までで出した事のない、一撃が必要だ。
「危ないから離れてろよ。」
「わかった――――奴は私が斬る。」
「任せた。」
ここで、止めないと友奈と千景が死ぬだろう。それだけは阻止しないといけない。俺が死んだとしても、絶対にアレは通さない·····!!
「――――。」
――――放たれた。樹海の根を燃やしながらこちらに迫る。まだ――――まだだ。ギリギリになるまで刀を出し続ける。····熱気がここまで伝わる。
「―――――破却、」
―――求めるは一振り、宿業、縁、定め―――自分すらをも断つ、究極の一振り。
「―――収束。」
総数四百本程度―――刀から脈を打つように炎が噴出する。何かが燃えていく――――大切なナニかが
「う゛、ぁ゛――――う゛お゛ぉぉぉらぁ!!!!」
ボガァァァァァン
火球に亀裂が入り爆発四散した。これで―――
「―――ぐッ···!!」
右腕に激痛が入る。歯が軋むほど食いしばり、なんとか耐える。ここで倒れるのだけは駄目だ。
残り本数はニ百本程度。若葉に早く合流しねぇと····
右腕の痛みは無視しろ。第ニ射が放たれる前にアイツを倒さないと俺達に未来はない。次、来たらもう防げない。
「――――ッ!」
小さい火球を出せるのか!?····いや、あのスピードなら避けれる。若葉にとっては止まって見えるだろう。
「!――追尾出来るのか!?――若葉、後ろだっ!!!」
若葉が躱した火球は軌道を曲げ、若葉の背中を捉えた。
「!――ッ、甘い!」
即座に振り向き、全部まとめて薙ぎ払う。···すげぇな、アイツ。反射神経どうなってんだ····。
「士郎、助かった。」
「あの火球····厄介だな。」
「あぁ。処理を怠ると不味い事になるな。」
自動追尾でも厄介なのに、それをポンポン出してくるのがダルいな。
「―――あの火球を対処すればいいのね?」
「おっ、千景じゃねぇか。」
「!千景····何か策があるということだな?」
「えぇ、もちろん。」
どういった策で、どれだけの成功率があるかもわからない。だが、今はそれに乗るしかないな。
「わかった。俺と若葉で奴を削る····千景、火球は任せた」
「任せて頂戴」
「―――作戦開始だッ!」
千景を先頭に駆け出す。····この中で一番スピードが遅いのは俺か·····。
「―――頼んだ!」
「――――」
火球が飛んでくる。――――だが、何もいない方向に飛んでいっている。·····これが玉藻前の能力か。
「ハァァァ――――!」
「―――――セイッ!!」
「おらっ、―――よっ!!」
―――かってぇな!全力で振り下ろしたのにちょっとヒビが入っただけか!!若葉の一撃も俺よりちょっとデカいヒビが出来ているだけ·····このままじゃ不味いな。
「若葉ぁぁ!!気合入れていくぞっ!!」
「あぁ!!」
―――若葉と千景の体から際限なく血が流れていっている。このままだと多量出血で死んでしまう。それだけは絶対に避けないとだが
「「―――う゛ぉぉぉぉぉぉぉぉお゛!!!!」」
一撃一撃が必殺―――それでも倒れない。どうなっていやがる····!どういう耐久をしてやがるってんだ!?
「――――ゴフッ。」
「千景ッ!!――ぐっ!」
「速く!速く!倒れやがれ!!!」
不味い―――このままだと全員死ぬ!それだけは――それだけは―――!
「勇者ぁぁぁぁ――――!!」
この声は―――
「――――パァァァァンチッッ!!!」
「友奈!!」
ピクリともしなかった、巨体が傾く。――ここで決めきる!
「う゛あぁああぁああ――――!!!!」
「あぁあ゛ぁぁ゛ああ―――!!!!」
若葉と千景の努力は絶対に無駄にしな――――い?
「はっ?」
日輪の輝きが頭上から降り注ぐ。
――いつの間に準備してやがったんだ!?そんな動作····一度もなかったぞ!?あぁ!!クソっ!
「破却、―――収束。」
砕け散ったのを再利用するのは初だが、案外いけるもんだな·······。集中。
「消えろォォォ!!!!!」
――――――せめて威力を少しでも下げる····!!
「ォォ、おぉぉおおおお゛!!!!」
煙で周りが全く見えない中、傷がない場所の方が少ない体で周りを見渡す。が、それではわからないが故に死に体の体を引き摺り歩く。
「ハァ―··ハァ―··若葉、··―千景、―·―友奈··!!」
誰でもいい、誰か返事を―――返事をしてくれ···!
「――若葉!千景!」
若葉と千景が仰向けに倒れているのを見つけた。急いで駆け寄り口の前に手を当てる。
「――·――···―·――··。」
「····!」
微かにだが二人共息をしている。でも····かなり衰弱している。······このままだと死んでしまう事は考えずとも解る。
「ッ゛ッ·····!!」
体を起こすということだけで激痛が体全体を襲う。だが、あと一人―――あと一人を見つけるまで止まる訳にはいかない。
「まだ····!」
「!」
弱々しく、今にも消えそうな―――だけど、燻る熱が未だ上がり続けるような声が微かに聞こえた。すぐさま声がした方向へ足を運ぶ。
「みんなを、守るんだ····!!」
「――友奈っ!!」
這いながらも敵へと向かっている。まだ、友奈の意志は死んでない。―――でも、これ以上戦うと友奈は·······
「! よかった!士郎くん、肩を―――」
「 ぃぃ」
「――え?」
「もういいんだ。友奈はもう戦わなくていい。―――あとは俺に任せて、友奈は休んどいてくれ」
「なに、言ってるの?」
「じゃ、俺は行くよ」
「あっ――えっ、まっ――
壊れていく音と共にその場から飛翔。あと数秒もあれば獅子座に辿り着けるだろう。
―――痛いし、怖いし、寒い。だけど撤退はない。逃げることなんて出来ない。ココで、奴には死んでもらう。
「これで····三連敗かぁ····」
最初は勝ってんだけどなぁ·····どっから負け続けたっけな······まぁ、今はそんな事考えなくていいな。考えるのは目の前の事だけだ。
敗者として獅子座の前に立ち塞がる。
「俺達、勇者の完全敗北だ。」
見上げる、神が創り出した怪物を。嘗て人々の天井であった存在を。
「まぁ、でも勝ったからって――――」
取り出す。
「――――『生きれる』なんて保証はないんだけどな」
怪物の体が崩れていく。ボロボロと····アイツらにとって負けとは死を意味する。
―――何かが途切れた。
「 」
―――意識が堕ちていく。深い水の底へと堕ちていく。
‘‘あぁ。ここまでかぁ―――’’
神様が使うような剣を振るってたんだ·····ここまで来れた方がすげぇか······。
‘‘―――眠いし、もう寝よう。おやすみなさい。’’
そこで、俺の意識は完全に落ちた。
―――手を引っ張られるような感覚がした。
『―――もう、行くのかい?』
『あぁ。ここが私の潮時らしい』
―――誰かが話している。····いや、片方のお爺さんみたいな人はわかる。刀を打っていた人だ。
『そうかい······片付けは
『ふっ。それは頼もしい限りだ。······最後に一つ仕事を頼まれてくれないか?』
『どんな内容だ?』
『この体の主―――少年の行く末を見てやってはくれないか?』
『言われるまでもねぇよ。だが、その仕事―――この千子村正が承った。』
『対価は必ず―――――』
『······逝きやがったか。何もまだ解決してねぇだろうに―――』
「――――ハッ!」
「―――起きた····。―――士郎が起きたぞーっ!!」
「士郎さん、私がわかりますか?」
「えっ、あ、あぁ。もちろん···杏だろ。」
「記憶は問題なしっと····」
「――――それは本当····か――よかった〜〜〜!」
「騒いで、どう···した···の――――あぁ、そういうことね。」
「士郎くん起きたんだ!」
「コラコラみなさん、ここは病院ですよ。静かにして下さい。」
「「「は(ー)い······」」」
「えっ、あれ?·····俺はあの時····確かに―――」
草薙剣を使って······なのに何で····俺は――
「どうしたんですか?」
「どこか痛いのか?」
「なに!?すぐに医者を―――」
「待て待て!大丈夫!大丈夫だから!」
「そうか·····」
「ってか····若葉達、怪我はもう大丈夫なのか?」
「·····あぁ。私達は士郎よりも二ヶ月早く起きて、治療に専念していたからな。」
「······ちなみに、今何月?」
「12月よ。」
「五ヶ月たってやがる······。」
「起きるのは士郎くんが最後だよ。」
「·····寝坊しちまったか。」
「寝坊ではないと思いますが······」
「寝る子は育つっ!」
「育ったか?」
「うるさい!タマはこれからだっ!」
「タマっち先輩······」
「そんな目でタマを見るなあぁ!!」
「―――ふふ····。」
「あっ!士郎くんが笑った!」
「士郎さんが笑うなんて珍しいですね。」
「あぁ、そうだな。」
「····笑わない人と思ってたわ。」
「俺を何だと思ってんだ······。」
俺だって、面白いことがあったら笑うわ。
「―――士郎ぅぅぅ!!」
「うわっ!ちょ!杏!タマを剥がしてくれ!」
「·······。」
「嫉妬してないで早く剥がしてくれ!頼む!」
「がるるるる!!」
「獣化してるって!」
噛み付いてきそうな感じになってるんだが!?
「球子、病人を噛んだらいけないぞ。」
「はい·····。」
子犬みたいにシュンってなった。若葉が飼い主なのか?
「ふぅ····助かった。ありがとな若葉。」
「お安い御用だ。」
若葉がいつもより数段頼もしく見える······幻想か。
「それじゃあ、私達は帰りますね。しっかり体を休めて下さい。」
「おう。一瞬で退院してやるよ。」
「それは頼もしいですね。でも、無茶はダメですよ。」
「わかってる。わかってる。」
「絶対ですよ····?」
「は、はい!」
「それは良かったです。それではまた明日」
やっぱり、ひなたが一番怖いな·····若葉もビクッってなってたしな。
「士郎!よく食べて、よく寝れば、全て治る!」
「凄い説得力だな······。」
「もうそろそろで元通りになるそうなんですよ。」
「·····やっぱり、タマには勝てそうにないな。」
キツイリハビリを何度も耐えるなんて····やっぱりタマはすげぇよ。
「じゃあなぁー!」
「あぁ。」
最後のタマと杏が退室した。これで病室には俺一人。
「····生き延びたんだな。」
自分が何故かはわからないが全員生きてる事には変わりない、それだけでも――――
「―――良かった。」
あの時の俺の判断は正しかったんだと言えるよ·····。
玉藻前の能力について
・相手を惑わす。(幻惑を見せる)
・炎、風、水を操る。
・九つの尾で攻撃
※惑わしながら攻撃は無理。一つずつしか使えない。
だいたいこんな感じですね。
100話記念はなにがいいですか?
-
天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
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のわゆの後日談[西暦勇者、知らん奴]
-
誰かとの√[シャルル、誰か]
-
その他(感想へゴー!)