気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 清姫だったらデッドエンド直行だったな。風先輩もなかなか運がいい。



優しい嘘

 

 

 

「あれ····ここって」

 

「戻ってきたな。」

 

 友奈の一撃によってバーテックスは倒された。防衛戦は終わり、学校へと戻ってきた。

 

「東郷さん!大丈夫だった?」

 

「友奈ちゃん····えぇ、私は大丈夫よ。友奈ちゃんこそどこも怪我はない?」

 

「うんっ。どこも怪我してないよ。」

 

 とりあえず全員無事、っと。

 

「こっちはなにも起きてないんだ····」

 

「そうね。あっちでなにがあったかは私達しか知らない。みんな、いつもの木曜日を過ごしてるわ。」

 

 いつもの·····いつものか。代わりにこの子達が非日常へと足を突っ込んだけどな。

 

「うん····うん゛····〜!」

 

「よしよし。」

 

「怖かったよ〜····!」

 

 歯痒い。俺一人で出来ると思った·····敵の強大さへの楽観。そのせいで負ける所だった。それは本当にカッコ悪い。気を引き締めていかないとだな。

 

「頑張ったわね、樹。冷蔵庫のプリン、半分食べていいわよ」

 

「元は私のだよ〜」

 

「自分のプリンには名前書いとけよ」

 

 カッコいいお姉ちゃん像がぶっ壊れたぞ。てか半分て、あげるなら全部あげろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日の放課後。俺達はいつも通り勇者部の部室にいた。

 

「牛鬼っていうのか。」

 

「うん。ビーフジャーキーが好物なんだ。」

 

「ふむふむ·····俺はビーフジャーキーじゃないんだが?」

 

 さっきから頭をガブガブと噛んでくる。我慢してるが、結構痛い。

 

「アンタがビーフジャーキーに見えるんでしょ」

 

「失礼だよ、お姉ちゃん····」

 

「そうだぞ、風先輩。そういう風先輩だってうどんに見えるときあるからな」

 

「女子力の塊ってことね!」

 

「あー·····うん、ソウダナー」

 

「諦めないでください!」

 

 皮肉で言ったのにな。なんでその発想が出てくるのか不思議でしかない。

 

「風先輩、本題に入ってくれますか?」

 

「あぁ、ごめんごめん。うちのシャルがうるさくて」

 

「おい。」

 

 流れるように擦り付けてきやがった。

 

「さてと、みんな元気でよかったわ。早速だけど、昨日のことについていろいろ説明していくわ。」

 

「よろしくお願いします。」

 

「戦い方とかはアプリに書いてあるから、今は何故戦うかについての話しをするわね。」

 

 何故戦うか·····

 

「コイツ、バーテックス。人類の敵があっちから壁を越えて十二体攻めてくるのが神樹様からの神託でわかったの。」

 

「十二体じゃない、十二種類だ。」

 

 十二種類のバーテックス全て見たわけじゃないが、アイツらはまた生誕して襲来し、倒され、また生誕するを繰り返している。

 

「十二体と十二種類····なんか違うの?」

 

「同じのように聞こえるのだけど····」

 

「例え、俺達が十二体倒したとしてもバーテックスの襲来は逃れられない。永遠と戦い続けることになる。」

 

「アンタ·····大赦が、嘘を···ついてるって言いたいの?」

 

「大赦は嘘つき集団だ。信じすぎると酷い目にあっちまう······」

 

 お金だけ巻き上げて潰してやろうか。

 

「シャルくんは、なんでそんな事を知ってるの·····?」

 

「俺は前の勇者と共に戦い、この世界の真実についてだいたい把握した。」

 

「真実·····それって」

 

「この世界は壁の中以外は燃え盛る大地になっている。当然、そんな場所に生物は生存出来ない。」

 

「私たちが最後、ってことですか····?」

 

「あぁ。」

 

 今は、ガイアとアラヤについては黙っておこう。

 

そんなことを·····っ!」

 

「どうした、東郷?」

 

「どうして、風先輩とシャルル君はそんな大切なことを黙ってたんですか······!?」

 

「·····アタシたちが勇者として戦う可能性は100%とは言えなかったし、戦わない可能性だってあった。」

 

「もしかしたら、友奈ちゃんは死んでたかもしれないんですよ!」

 

「······誰も死なせない。俺がいる限り、俺の友達は死なせない。」

 

 もちろん、俺が先に死ぬぜ!ってことなんだがな。

 

「なら、シャルル君はなんで·····私たちに言ってくれなかったの?」

 

「言いたくなかった········これに尽きるな。勇者部での活動は凄く楽しくて、今でも色褪せない思い出だ。そんな楽しい時間を壊したくなかった。そんな、自己中心的な理由だ。」

 

 軽蔑されても、こんな理由じゃあしょうがない。俺という人間は自己中心的な馬鹿だ。どうしようもない馬鹿だ。

 

「っ····、もういいです····。」

 

 車椅子を自身で動かし部室を退出する。ここで追うという選択肢は俺にない。俺が行っても解決にならない。

 

「あ、待って!東郷さん!」

 

「········」

 

「アンタは追わなくていいの?」

 

「火に油は注ぎたくないからな。」

 

 さらに関係が拗れたら―――まだ、修復可能だと思ってんのか?本当に救いようがないな。

 

「はぁー·······」

 

「シャル先輩が溜め息を······」

 

「俺だって、溜め息ぐらいするよ」

 

 どうしたもんか······

 

「ねぇ····」

 

「なんだー·····?」

 

「アンタが言った壁の外の話しってほんと?」

 

「大マジだよ。これ関係で嘘はつかないからな」

 

 つく必要がない。

 

「そっか······よし、まずは東郷に謝る練習をするわよー!シャルも当然、やるわよね?」

 

「·····だな。やるか」

 

「誠心誠意謝れば許してもらえると思うよ····?」

 

 誠心誠意、か······俺が誠心誠意謝ったことあったけな。周りに恵まれた環境だったから―――いや、あったな。懐かしい·····まさか結構着痩せするタイプだったとは····。

 

「じゃ、まずはシャルが東郷役ね」

 

「そういう感じ?」

 

「えぇ。とことんやるわよ」

 

「いいぜ。辛口評価でやってやる····ドンと来――!」

 

 テロリン♪テロリン♪

 

「――お前はドンと来るなー!!」

 

「こんな時に·····」

 

「まったく、空気読まないわねぇ·····!」

 

 あぁ、クソ····本当にタイミングが悪い。コンディションは最悪だが、やるしかないな。

 

 ―――花弁が舞う。

 

 

 

 

 





 前書きは無視してください。なにも思いつかずに適当にやったやつなので。にしても、絶対壁の外について喋る場面じゃないのに口からポロリと言いやがって····アニメだと二話だぞ。

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