カール大帝の一人称
公的場では『余』
私的場では『私』
〜〜が、って言う時は『我』ですね。
例 我が栄光 我が愛
「力を貸してくれ、か·······貴様は力を得てなにをなす?」
「天の神を打倒する。」
天の神は必ず打倒しないといけない。出来なければ、これからも地獄を見ることになる。それだけは避ける。
「打倒し、どうする?最早、星喰らいの生物達によって地球の資源は尽きた。打倒したところで、敵が人間になるだけだぞ。」
「そんなのは百も承知だ。だが、なにもせずただじっと待っているのはどうあれ········カッコ悪い!」
「·······それ程までに執着する理由は?」
「人間てのはいずれ死ぬとわかっていながら、自分は死なないと思い込むようになっている。アンタもそうだったろ?」
「我が臣下達には迷惑をかけたと思っている。」
カール大帝は死ぬ間際まで自身の死を信じず、何処に埋葬するかを伝えずに逝ってしまった。そのため、臣下や神官達が頭を悩ました、と俺が読んだ本に書かれていた。
「でもな·······アイツらは違う。今日、明日死ぬかもしれないという恐怖と隣り合わせに生きている。だから、俺は証明したい。今日は悪くても、明日はいい日になる。そんな定番な考え方を!」
100人中100が知ってる、この定番フレーズをアイツらに定着させたいな〜。
「·······いいだろう。力を貸そう」
「ほん―――」
「ただしッ!」
「!?」
「それ相応の覚悟を示してもらおう。」
「覚悟········?」
おいおい、まさかこの流れは········
「余に負けを認めさせろ。簡単なルールだろう?」
「簡単なルール=半端ない難易度ってのを知ってますか?」
「初耳だなぁ。なに、心配するな。余は武具も魔力も使わない。我が肉体のみで戦ってやろう。」
「俺、一般人なんだが!?」
サーヴァントの肉体は優に人間の身体能力を超越している。ある最弱サーヴァント以外は、だがな。
「であれば、余の攻撃はカウンターのみにしてやろう。それで文句はないな。」
「一撃でも喰らえば即死、か·······まぁ、そんぐらいのハンデはいつも通りだな。」
最近は相手が優位な状況で勝ってきたんだ。これぐらいは楽勝だな。ははっ·········大丈夫かな、これ。
「いつでも始めるがいい。」
「それじゃあ·····遠慮、なくッ!!」
足に力を込め、地を蹴る。瞬く間にカール大帝との距離を詰め、俺自身にカウンターがこない位置から刀を振るう。
「甘いっ!」
「ッ――、なっ?!」
一撃目で刀の側面を叩き、軌道を反らした。そして、距離を詰められ、二撃目が顔面に向けて放たれる。それを紙一重で躱し、距離を取るため後ろへとバックステップする。
「あっぶねぇな······」
「今のを避けるとは······殺す気だったのだがな。」
今のがカール大帝の現段階での最高スピードと考えていいだろう。今のままでは確実に殺られる。
·········作戦を変えるか。
「フッ!」
「むッ······これは····」
先程の直に首を取りにくる一撃ではなく、相手の防御を崩すような一撃に変化した。
「なるほど······そうくるか。」
二撃目に対して構えていると、予想に反し奴は徹底を選んだ。
この戦い方を知っている。生前、我が手で降した者の戦い方に似ている······いや、それ以上のものだ。
「貴様、サクソン人の英雄ヴィドゥキントを知っているな?」
「さぁ?」
「しらを切るつもりか。フッ······それも戦略のうちということか」
攻撃したかと思えば、予想出来ない所で撤退する。勇敢であると同時に優れた頭脳を持つことで可能になる戦闘方法。
本来ならば追撃する場面で退避する。本来ならば退避する場面で追撃する。正に神出鬼没だ。
「その勇気と賢明さは讃えよう。」
「ハッ!」
「だが―――」
「―――ッ!?」
繰り返すに六回。刀は側面を叩くとすぐ折れる。例え、鍛えた者が一を生み出すものでもそれは変わりない。
「刀は保たなかったようだな?」
「まだまだぁ!!」
「なっ―――!?」
折れて飛び散った破片を瞬時に掴み、我が首へと迫る。
「ぐぅ!!」
「うぉぉぉぉお゛!!!!」
両腕を重ね、首を守る。だが、勢いは落ちない。このままでは腕を貫き首に刺さるだろう。
「ぬぅ·····!!」
「あがっ―――!」
空いている脚を使い、無防備な腹を蹴り上げる。
「っ······!」
「·······」
ポタポタと血の雫が落ちる音がする。
今の攻防で両者共に負傷した。あやつは破片によって右手が、余は防御した右腕が。最早、双方使い物にならない。
「さぁ、続けようぜ。王様ぁ·····!」
「········よい。負けを認めよう。」
「·········はぁ?」
え、今なんて?俺の聞き間違いでなければ負けを認める、って·········
「このままではどちらかが死ぬまで続くだろう。余はそれを避けたい。我が身が朽ちるとこれ以降召喚されることはなくなる。」
「アンタ、分霊とかじゃないのか?」
「いいや。此処にいる余が正真正銘本物のカール大帝である。」
「マジか·········」
あっぶねぇ········相打ち覚悟で挑んでたんだけど。だってさぁ、目の前にいるのが本体とは思わないじゃん?
「それでは、お望み通り力を貸してやる。それ」
「うおっ·······んっ?」
眩い光の塊が投げられ、俺の体に入っていった。
「一部のみであるが、貴様の助けになるだろう。」
「おぉ〜!ありがとうございますっ!」
よっしゃあ!これで天の神打倒に近づいた!
「一発限りだ。我が王剣の輝きを再現するのは」
「一発限り·······全てがかかってんな。」
打つのはもちろん、天の神にだが·······絶対に当たるって時を見逃さないようにしたいと。
「そして忘れるな。勝利とは永遠のものでなく、一時の状態を表すものである。肝に銘じておけ」
「わかってますよ。」
果たして俺は復活出来るのかっていう疑問が出てくるが、今は無視しておこう。
「それで?誰を娶るのだ?」
「はい?」
娶る?誰を?
「子とは良いものだ。貴様も一人二人拵えないか。」
「だから、アンタはなにを言ってんだ·····」
先程までの偉大な皇帝はどこにいったんだ?
「あの中で貴様が好いている者は?」
「―――ぶふっー!ゴホッゴホッ·····!」
親戚のおじさんみたいなこと言いやがって·······この親バカは。
「どうなのだ?」
「アイツらは友達だ。それ以上もそれ以下もあるもんか。」
「ふうむ······まぁ、良い。いずれわかることだ。」
そもそも俺が生きてる保証なんてないしな。
「それでは下がれ。御影 士郎が貴様を待っているぞ。あやつと協力して天の神を打倒するがいい。」
「当然だ。」
天の神は必ず仕留める。例え、それで俺が死ぬとしてもだ。
「
カール大帝に背を向け、来た道を戻る。そして、扉を開け外に―――
「おっ、無事に帰ってこれたみたいだな。」
「お陰様でな。」
あの刀がなければ普通に負けていた。俺が殴ったところで致命傷にはならなっただろう。
「それじゃ、天の神打倒の作戦を伝える。」
「っと、その前に俺から言うことが一つ」
「なんだ?」
「全力で放てるのは一発のみだ。」
「なぁに、一発あれば問題ねぇ。一瞬で片がつく。」
一気に畳み掛けるってことか。まぁ、それが一番可能性としてはデカいな。
「アンタの宝具で天の神の目を惹きつけてくれ。そこで、俺が究極の一を振るう。」
「作戦決行は?」
「神樹の結界がなくなった瞬間だ。この時であれば、天の神は姿を表す。」
「結界がなくなるのはいつだ?」
「この一年間で確実になくなる。それまで準備しといてくれ。」
「了解した。········所で、俺って復活出来るの?」
「出来る。神樹の苗木を一本使うことになるが、しょうがない。必要経費だ。」
「苗木······?」
乃木 若葉との会話中に出た二本のナニかのことか?
「わかるように言うと·······魔力の塊のようなものだ。三百年で二本しか出来なかったが······その分、凄い魔力量を秘めている。」
「令呪みたいなものか。」
「れいじゅ······まっ、多分そんな感じだ。あ、復活後は神樹にパスを通して貰いな。触れるだけでいい。」
「わかってる。」
一度触った時にパスが通ったのか。まぁ、なんかと繋がった感触はあったしな。
「それじゃあ、これで話しは終わりだ。今から、アンタを元の世界に戻す。」
「おう。」
「何処に出るかはわからない。現世に戻ったらすぐさま神樹に向かえ。」
「―――御影」
「なんだ?」
「絶対に打ち倒すぞ。」
「あぁ。当然だ」
例え、倒した先が地獄だとしても。明るい未来を切り拓いて、そこで俺は死ぬ。それまで常に前進して行こう。
それが、俺みたいなどうしようもない先達に出来ることだ。
この二人がのわゆにいれば、即座に物語終了だったんだけどな。まだ完成しきってない、天の神なら楽勝だったろうに········
100話記念はなにがいいですか?
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天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
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のわゆの後日談[西暦勇者、知らん奴]
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誰かとの√[シャルル、誰か]
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その他(感想へゴー!)