気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 解りにくかったと思うので⬛⬛の行動履歴を置いときます。

1.東郷の奉火際が決行。⬛⬛が詰みポイントを察知。

2.⬛⬛が本来の体を放置。その後に再度召喚される。

3.御影の座に不法アクセス。霊基貸してー、と交渉。無事成立。

4.ブラックホールに顔パスで侵入。東郷に伝言を託す。そして脱出。

5.座に戻って本来の体に戻ろうと中心部に向かう。

6.放置していた体が悪神に乗っ取られる。戦闘開始!

 以上となります。



空は巡らず

 

 

 

 あれから何日か東郷の手伝いをしていたが、無事勇者部の皆にバレ、説教を喰らった。

 園子からは私も混ぜて〜、と。もれなく園子も説教に追加された。銀からは呆れた表情で見られました。グスン·······

 

「アンタらのブレーキぶっ壊れてじゃないの?」

 

「夏凜、ブレーキとは踏み間違えるためにあるものだ。」

 

「なんのための安全装置なのよ!」

 

「うんうん。ブレーキは踏み間違えるものなんよ〜」

 

「え、そうなの!?」

 

「ああもう!少し黙んなさい!そして、友奈は簡単に信じない!」

 

「そうだぞ〜、友奈。世間にはこういう嘘つく大人が沢山いるからな〜」

 

 今日も今日とて夏凜は元気だ。そして、友奈はもう少し人を疑うことを知りなさい。マジで将来心配だから

 

「夏凜は今日も元気ねぇ」

 

「だいだいアンタらのせいよ!」

 

「えっ······夏凜はアタシ達と過ごすことで元気になる、ってこと」

 

「どうしたらその考えに至るの!?」

 

 確かに今の否定の仕方だと、俺達のお陰で元気になってるような言い方だ。ほんと日本語って難しい。

 

「えっ、夏凜ちゃん、元気じゃないの······?」

 

「うっ······!」

 

 全力で否定する夏凜に友奈の心へ訴えかける攻撃が炸裂する。余程効いたのか体を仰け反らせて少し後ろへと下がる。

 

「夏凜さん、大丈夫ですか?」

 

「こんぐらいへっちゃらよ·····っ、っ。」

 

「その割には随分と体が震えているようだが?」

 

「武者震いよ·····っ!」

 

 どうやは、友奈は夏凜への特攻を持っているようだ。今度から、ご飯持っていく時は友奈と共に行って様子を見るのも一興だろう。

 

「もしかして······風邪!?」

 

「そのっち!」

 

「まっかせて〜!」

 

 友奈が悲鳴に似たような声を上げた瞬間、東郷と園子が立ち上がり夏凜を挟むように横へと移動する。

 

「「健康健康健康健康健康健康健康健康健康健康健康健康健康健康」」

 

「えっ!?ちょ、なっ、なによ!」

 

 なんだアレ?正直言って理解不能なんだが?

 園子と東郷が夏凜の横で両手をぐるぐるし、健康と呟き続けている。俺達から見ても異様な光景であるがため、夏凜からすると更に意味がわからないことになってるだろう。

 

「混ぜるな危険じゃない、アレ?」

 

「お姉ちゃん、そんな化学薬品みたいに······」

 

「あながち間違いじゃないかもですね。元々、須美と園子は正反対な性格だったし」

 

「なるほど。両極端である東郷と園子が同位置にいると新たに三つ目の極端が産まれるということだな」

 

「いや、それは意味わかんないけど」

 

 不真面目な園子と真面目な東郷。その二人が混ざれば、敵う者はいなくなるだろう。というよりはついていけない。

 

「それよりもだ。」

 

 時期尚早かもしれないが、ここが瀬戸際だ。この問題は放置すると本当に手がつけられない。

 混ぜた危険物から目を離し、隣でぼーっとしている友奈を見る。

 

「友奈、少しいいか?」

 

「―――ぅん、なに?」

 

「二人だけで話しがしたい。ついてきてくれないか?」

 

「う、うん·····」

 

 東郷と園子に視線が集まっているうちに俺と友奈は部室から離脱し、皆から距離を離していく。だいたい体育館裏まで行けば問題ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだまだ夏ということもあり、少し暑いかもだが友奈には我慢してもらうしかない。ここが最適の筈だ。

 そんなことはさて置き、本題に入る。友奈の目を見る。

 

「さて、友奈。俺達にナニか隠し事をしているな?」

 

「っ!そんなこと、ないよ········?」

 

 嘘が下手いな、この子は。これで十割八分は俺の推測が当たっていることを確信した。

 

「天の神からの影響·······そして、ナニかの理由で俺達に言えない。そんな状況か?」

 

「·········っ。」

 

「辛いか?痛いか?悲しいか?」

 

 天の神の影響などは正直どうでもいい。問題はそれで友奈がキツイ思いをしているかしてないかだ。

 

「う、ん······っ!」

 

「そうか―――ッ!」

 

 友奈の涙を拭おうと手を伸ばした瞬間、突如として悪寒に襲われる。途轍もなく嫌な感じがする。これ以上は踏み入るな、と本能が警告してくる。だが、俺は―――

 

「―――友奈ちゃん!?」

 

「東郷、さん·····」

 

 東郷が猛スピードで友奈に駆け寄ったのを見て、右手を引っ込める。そして、東郷に続き続々と勇者部の皆が集まってくる。

 これ以上は駄目だな。今回はここまでにしよう。

 

「シャル、なんの話を、してたんだ·······?」

 

 たどたどしく銀が会話の内容について聞いてくるが、こればっかりは話せない。俺ははぐらかすことを選択するぜ。

 

「うどんかそばかで議論してただけだ」

 

「うどんでしょ」

 

 流石、風先輩。決してうどん派から動かないな。

 園子にはなんの話をしてたかはバレているだろう。完全にあれはわかってるときの目だ。だからこそ、敢えて俺を無視し東郷と共に健康を連呼しているんだろう。

 

「それでアンタが友奈を泣かせたと······いいわ、ボコボコにしてあげる。ちょっと顔貸しなさい」

 

「夏凜さん落ち着いて!」

 

 額から嫌な汗が出る。

 マジギレですね、コレ。ちょっと不味いな·······いや、ここは素直に受けるべきか?

 

「夏凜ちゃん、私は、大丈夫だよ。ただ、ちょっと、目に砂埃が入っちゃただけだから」

 

「········そっ」

 

 なんとか怒りの矛先を仕舞ってくれたみたいだ。俺が夏凜とやり合っても負けるのは俺だからな。痛い思いは出来るだけ勘弁したい。

 

「園子、何故この場に?」

 

「ん〜、私達はミノさんについてきただけだよ〜」

 

「いや〜、友奈とシャルが二人で出ていく所を見てさ。それで〜·········」

 

「ついてきたと」

 

 静かに頷く。

 ぐっ、俺の完璧な隠密行動を見破るとは中々だな。

 

「銀ちゃん、どこから聞いてたの········?」

 

 恐る恐るという感じに友奈が銀へと聞く。

 

「え〜っと、だいたい·········友奈が泣いた所から?」

 

「そ、っか········うん、それなら―――」

 

 銀の言葉を聞き、胸を撫で下ろす。どうやら、話せない状況ってのは天の神関連だけか。友奈の言葉全てになんか発動してる訳ではない、って感じだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから今日の活動は終了ということで解散した。そして、その後の下校中の出来事。俺はいつものように園子と銀と共に帰路を進んでいた。

 

「シャル、もし私達の中で誰か一人を犠牲にしないといけないって時がきたら·········どうする?」

 

「俺が引き受けよう。」

 

 そこに迷いはない。それが俺の王勇であり、自身に対する戒めだ。その刃は俺が貰い受けよう。

 

「急にどうしたんだよ、園子?」

 

「前さ、シャルが奇跡を起こすって言ってたでしょ?」

 

「うん、言ってた。でも、それは代償があって駄目ってなったよな?」

 

 デュランダルを用いた奇跡。それにはそれ相応の覚悟と代償がいる。この世界に純度100%の奇跡は起きない。

 

「私達の散華した部分が戻ってきたのって、シャルが奇跡を起こしたからじゃないかな〜?」

 

「だから、一ヶ月間ぐらいいなかったのか?そこん所どうなんだ、シャル?」

 

「いや、俺は奇跡を起こす間もなく退去した。その後、御影と会い、現実100%のシャルルマーニュと対話した。そして、力を借り受け此処に再度顕現した。」

 

「現実100%········ってことはシャルは天の神の内部にいたの?」

 

「そうなるな」

 

 天の神側から英霊の座を強制的に見る権限がなければ、俺の存在は見えないだろう。だが、もし見られていたとするならば········それは―――

 

「それって大丈―――」

 

 全力でアクセルを踏んでるかのようなスピードでトラックが銀へと迫る。当たれば即死は免れない。

 

「――銀ッ!」

 

「ミノさん!」

 

「えっ――」

 

 即座に霊基を換装。銀の前に立ち、トラックを左手で勢いを殺す。その間に園子が思考停止している銀を引っ張り、トラックの走行上から外れる。

 

「よしっ、二人共、無事、だな·····っ!」

 

「シャル!」

 

 トラックの運転席に目をやる。そこに運転手が座っている筈なのだ·······いない。それは絶対に有り得ない。だとしたら、これは何故スピードが落ちない!?

 

「シャル!それはなにか可笑しい!早く離れないと――!」

 

「わかっている、が、これは······勇士達よッ!」

 

 俺一人では対処不可能と断定し、十二勇士の霊体化を解き顕在化する。

 

「リナルド、ブラダマンテは銀と園子の護衛を!他は走行不可能までトラックを切り刻めッ!タイヤは破裂させるな!」

 

 もし、この場でタイヤを破裂すると間違いなく全員鼓膜がやられる。最悪、脳まで影響をもたらす。

 俺の号令と共に勇士達が飛び回る。護り、攻めていく。

 

「銀、園子はもっと離れておけ·····っ!」

 

「で、でも―――!」

 

「これは命令だ!」

 

「ミノさん、下がるよ!」

 

 銀と園子に視線をやった瞬間だった。左手から重みが消えた。直ぐ様視線を戻す。が―――

 

「なっ―――!?」

 

「「   !」」

 

 二人の声が遥か遠くに聞こえる。ほんの瞬きの間も何時間にも感じる。それ程までに俺は今、死を身近に感じている。

 

 ―――星屑が大きく口を開けている。

 

「グッ、オォォォ――!!」

 

 左腕が星屑の口へと入った。噛み千切られはしないものの、鋭い歯が噛み千切らんと力強く立ててくる。

 

「「―――ッ!」」

 

 銀と園子が共に勇者システムを起動する。

 この状態は非常に不味い!十二勇士の刃ですら通らないこの異常な星屑に挑むのは蛮勇に等しい。ナニか!ナニか、コイツを倒す方法を―――よぉし!やってやらぁ!!

 

「―――王の威光を受けよッ!!」

 

 左腕と共に五大元素を星屑の内部で破裂させる。これこそ、外から駄目なら内から大作戦。犠牲は俺の左腕一本だけだ!痛いぜ、ちくしょう!

 作戦は見事に成功し、星屑は体内から爆発して塵となった。

 

「―――ふぅー、難は逃れたな」

 

 既に消え去った左腕から血を垂らしながら、周囲を警戒するが増援はないようだ。これにて難を退けた。一件落着ってな。

 

「シャル、早く病院に······!」

 

「大丈夫だよね、シャル·······?いなくならないよね·····?」

 

「この程度で俺が死ぬわけなかろう。だから、泣くな」

 

 左腕が欠損した。この状態ではジュワユーズは放てない。放てたとしても威力は激減だろうな。どうすっかな、コレ········ん?

 

「青い、鳥······?」

 

「枝、それをどう―――!?」

 

「ッ!?」

 

 青い鳥兼乃木 若葉が咥えていた枝を俺の左腕の切断面に刺す。すると、徐々に腕の形となり俺の左腕となった。ちょっと透けてるけど

 

「治った·········治った!!」

 

「シャル、動く?」

 

「あぁ、問題ない。元通りのように自由自在に動く」

 

 グッパしながら動作確認をする。その間、青い鳥は園子をじっと見ている。自分の子孫になにか思うことがあるのだろう。

 

「ありがとな、鳥さん」

 

「ありがと〜!」

 

「助かった」

 

『――それで最後だ。これ以降の無茶は控えるんだな』

 

 コイツ、直接脳内に·······っ!?

 これで最後とは、この枝についてだろう。御影の言葉通りなら、これは令呪に似たような魔力の塊。作るのにとても時間がいるようだ。

 

「わ〜♪」

 

「お〜、好かれてんな園子」

 

 翼を羽ばたかせ、飛んだと思いきや園子の頭に一度停まる。

 ちょっと若葉さん!?子孫がカワイイのは解りますが、アピールし過ぎでは?!

 

「あっ····またね〜♪」

 

「元気でな〜!」

 

 銀と園子と共に青い鳥へ手を振る。

 流石だな、あの人。にしても、こういう時以外、何処でなにしてんだろ?ちょっと気になる。

 

 

 

 

 





 御影は誇りをプライドとか言いませんし、千景の血云々も知りません。本当に300年間天の神内部で刀を打ち続けてます。村正の弟子的なポジションで

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