気持ちのいいバカ(偽物)をブチ込んでみた   作:王勇を示す者

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 ちょっと一旦、うちの馬鹿達の違いについて書いときます。
御影······間違えた方向に行ったら、しれっと助けてくれる。あ、ついでに進む道のゴミ掃除しとくね。基本は成り行き任せ。

⬛⬛········歌野と水都しか勝たん。

シャルル·······それが本心なら応援する。なんなら最後まで協力するとも。



真偽

 

 

 

 

 最初、友奈がなにを言ったのか理解出来なかった。

 友奈が神樹と結婚することで皆救われる。天の神なんて考えなくていい·······?

 それはお前―――

 

「友奈ちゃんはそれでいいの·······?」

 

「うんっ、これは私しか出来ないことだから」

 

 そんな笑みをするな。そんな何もかも諦めたような顔をするな。

 人類の総上げ········それは机上の空論に過ぎない。そんなものが実現していれば、俺達はここまで悩んでいない。文字通り悩んでいない。

 

「ゆーゆ、まだ時間はあるから皆で模索しよ?」

 

「っ、···こうすれば、もう誰も苦しまなくていいんだ」

 

「ッ―――?」

 

 ノイズまみれの記憶が走る。

 目の前にぶら下げられている縄。ちょうど頭を通せるように輪っかが作られている。絞首刑でも実行されるかのように立っている。

 

「友奈、ちょっと落ち着きなさい。どうせ、また大赦がいい嘘ついてるだけよ」

 

「そうそう。大赦の提案なんて全て蹴っていいからさ」

 

「でも、これしか·······もう·····っ!」

 

 誰かのすらわからない記憶を振り切り、状況を再度整理する。いや、やっぱ意味わからん。それに中学生で結婚······相手は神様的存在······どういうことだ?

 

「アンタ一人が無理しなくてもいいの」

 

「私、わたしは―――っ····!」

 

 この状況は不味い。多対一は非常に不味い。

 友奈の性格から考えるにこの討論はほとんど意味がない。友奈は正しいと思った方向に全力ダッシュを続けるような頑固者だ。どこぞの正義の味方同様そこに自分の意志は介入しない。

 

 人類の総意。生きたいという人間のエゴを掻き集めて作られた人形。実に厄介極まりない。

 

「勇者は·····!勇んで、進んで、困ってるみんなを助けるんだ······っ!」

 

「結城 友奈」

 

「ッ······!」

 

「―――っ、シャル先輩·······?」

 

 余程俺の介入が予想外だったのか全員口を閉じる。これまで目を閉じていた樹も思わず目を開く。

 流石にそれは聞き捨てならん。これ以上の様子見はない。 昨日まで死ぬ気だった俺が説得するってのも不思議な感覚だが、皆赦してくれるだろう。

 

「神婚というものをすれば、それが最期であろう。本当にそれで良いのか?」

 

「なるべく諦めないっ!」

 

「それをしてしまえば、なにも残らない。それでもするというのか?」

 

「なせば大抵なんとかなる······っ!」

 

 その上辺は棄ててくれないみたいだな。であれば、しょうがない。暴挙に出よう。

 風先輩に視線を合わせる。

 

「今日、この時をもって勇者部を解散する。構わないな、風」

 

「は、えっ?」

 

「打ち上げをアンタの奢りで出来るならいいわよ〜」

 

「おかわりはなしだぞ」

 

 あっ、目逸しやがったコイツ········俺の財布が悲鳴を上げることが確定した。明日から園子のヒモとして生きていきます。

 

「さて、これで縛るものはないな。」

 

 目逸した風先輩から友奈へ視線を移す。なんか、キョドキョドしてんな。まるで信じ難い行動を見たかのような。誰がそんな暴挙を取ったんだ。

 

「結城 友奈。誰でもないお前の本心を聞きたい」

 

 友奈の眉間のシワが吊り上がっていく。相当精神に来ているだろうが、こうでもしなければ本心は聞けないだろう。

 

「〜っ゛―――!」

 

「友奈ちゃん!」

 

 俺の問いに答えることなく走り去ってしまった。

 やべっ、勇者部終わらせたのになんも成果得てないんだけど?

 

「逃げられちゃったね、シャル」

 

「これならば、と思ったのだが·······」

 

 園子とのほほんとしながら、安芸先生の電話番号に電話をかける。数コール程して反応があった。

 

「シャルルマーニュだ」

 

『用件は把握してるわ。神婚についてよね?』

 

「あぁ、話が早くて助かる········貴様が提案したのではないな?」

 

『それについては私はなんとも言えないわ。大赦という組織に加担しているという点を見れば、私が提案したという見方も出来るのだから』

 

 これ以上はよそう。本題はそこではない。

 大赦はあとで潰そうと決め、安芸先生に問いかける。

 

「神婚は何時、何処で実行する?」

 

『今日、剣山にある本宮の更に奥に位置する滝······貴方が一度訪れたことがある場所よ。勇者システムのアップデートの時、と言った方がいいかしら』

 

「わかった。これで電話を―――」

 

『もし、貴方が天の神を討ったなら、その先は安心な日常を送れることを絶対に保証する。だから何としても生―――』

 

 電話を切る。それ以上聞いたのなら、俺は確実に迷う。覚悟は既に決まっている。

 次に上里 柚葉の電話番号を打っていく。かけた瞬間、反応があった。ずっと待機してた並の速さだな。

 

「シャルルマーニュだ。」

 

『神婚の阻止ですか?天の神への暗躍ですか?どちらでも構いませんよ』

 

「何故、草薙剣の欠片を持っていた?」

 

 ずっと後回しにしていた謎だが、今答えが必要だ。

 

『御影 士郎が遺した最後の遺産です。天の神への絶対的なカウンター······私には全く意味が解りませんが、きっとシャル君なら解ると思います。』

 

「·········あぁ、そういうことか」

 

 絶対的なカウンター·······なるほど、確かにどちらが来ようが絶対的なカウンターになり得る。

 

「最後に一つ、暗躍を頼まれてくれるか?」

 

『勿論です。どのようなものでも遂行してみせます』

 

「それは助かる。それでは、剣山の本宮前に立っていてくれ。内容はそこでじっくりと説明する。」

 

『承知しました。』

 

「俺もこの後すぐ向かう。」

 

 電話を切る。これで友奈は必ず取り戻せる。

 そして、この後だが〜········皆の目が怖い。これが俗に言う圧迫面接というものだろう。

 

「俺はこのまま剣山へ向かう。お前達はここで待機。打ち上げに行く準備をしておけ」

 

「ちょい待ち」

 

「なんだ?」

 

 早速部室から出ようとした俺に風先輩の声によって待ったがかかる。

 

「勇者部は続けるわ。さっきのは形だけよ」

 

「ん?そんなことはわかっているとも·········打ち上げというのは友奈奪還成功のだぞ?」

 

「あ、そっち?········コホン。」

 

 勘違いが解けて良かったです。それでは、俺はここで失礼させてもらいます。

 

「一人で行くとか言わないよな?」

 

「昨日、団体戦を仕掛けるとか言ったご本人が一人で行くわけないわよね〜?」

 

 ぬるりと現れた銀と夏凜によって両肩を凄まじい力で掴まれる。

 怖いよ、この二人········。そして、両肩からミシミシという何か軋む音がしてくる。

 

「団体戦だとも。俺は友奈を奪還する。その間、お前達は打ち上げの準備をする·······分担だ」

 

「片方だけ負担凄いですけど·······?」

 

 樹からの言葉が一番耳に痛いが、ここは我慢。

 まぁ、正直言うとこの奪還に多数で行ったとしても、先程同様の状況になるだけだからな。

 

「シャルル君、私は引かないわよ」

 

 ··········ヤバイ、東郷を撒く策がない。二人だし、問題·······ないか?ここは素直に折れとこう。

 

「わかった。しかし、俺の作戦に従ってもらう」

 

「もちろん。」

 

 園子が何か言いたそうな顔をしているが、これ以上は時間をかけてられない。園子には悪いが、スルーさせてもらう。

 

 東郷と共に部室を出て、屋上へと出る。

 

「変身した方がいい?」

 

「·······そうだな。最速で向かわなわなければいけないからな」

 

 俺は霊基を換装し、東郷は勇者システムを起動する。

 神秘の秘匿だとかは気にしない。今、友奈が最優先だ。

 

「目標地点は剣山。俺が先頭を走る」

 

「了解」

 

 俺達なら数十分もあれば到着出来る。そこで柚葉と合流し、作戦内容を伝える。

 勝ったな·········。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十三分後。無事、俺達は剣山に位置する大赦の本宮についた。本宮前には、綺麗な黒髪を腰まで伸ばした女性が立っている。

 

「お待ちしていました。シャル君······と、東郷様」

 

「··········」

 

「あぁ。早速だが、腕を触らせてくれ」

 

「?はい、構いませんよ」

 

 険悪な雰囲気を漂わせている柚葉と東郷の間に入り、柚葉の腕を触る。

 目を閉じ、神経―――更にその奥底まで集中する。そして、ちょっぴりとだけ魔力を流す。閉じていたであろう、魔力回路をこじ開けておく。

 

「んっ·····」

 

 うぇ········凄いなコレ。

 この人、fateの世界にいたなら、冠位に行けそうな感じだな。属性まではわからないが、適当にガンド撃つだけでそこらの英霊は倒せるだろう。尚、妨害の有無は考えないものとする。

 遠坂の魔術刻印つけてみたい。

 

「これがお前の魔術回路だ。全て把握しろ。」

 

 また、魔力を流す。

 いやぁ〜、結構な運頼みだったけど成功してよかった。あとは聖杯なしで召喚出来るかどうかだが·······そこは無理矢理にでも喚んでやる。

 

「んっ、は、はい·······」

 

「起動の仕方は自身で見つけるしかない。どんなイメージの仕方で構わない」

 

 俺の場合は輝く物を握り潰すイメージで起動している。一応、遠坂とか衛宮の仕方でもやってみたが、起動することはなかった。

 

「よし、これで問題はないな。」

 

「問題大ありです。シャルル君、帰ったらじっくり話し合いましょう」

 

「いや、これは至って真面目な行動で········はい、すんません。」

 

 また吊るされちゃう·········友奈から減刑を言ってもらおう。そうすれば、俺の明日が来る筈だ。

 

「柚葉、この紙を持っておけ」

 

 ノートから破いて持ってきた紙を柚葉に渡す。これに、召喚用の長ったらしい言葉が書かれている。

 

「シャル君、これは·······?」

 

「俺が合図したら上から読んでくれ。さすれば、応えてくれる」

 

 どちらが来ようが勝利は絶対だ。どのような敵でも打倒してくれるだろう。そして、そのまま天の神も·······いや、それは虫が良すぎる話だな。

 

「さて、行動開始とい――」

 

 突如としてアラームが東郷のスマホから流れる。

 この、アラーム········聞き覚えが······まさか!?

 

「樹海化········なんで、今·····っ!」

 

「柚葉、樹海に入り込むことは可能か?」

 

「はい、可能です。その為にも手を」

 

「了解した」

 

「むっ·······」

 

 一般人?である柚葉が樹海に入れるか心配だったが、どうやら可能なようだ。

 差し伸ばされた手を握る。そして、俺の空いた手を東郷が握る。

 

 ―――世界が花弁に満ちる。

 

 

 





 疲れたよ、パトラッシュ········。
 魔術回路について勉強したんですが、全く理解出来ませんでした。なんか可笑しいかもしれません。その時、ま〜たバカがミスってるよ、って笑っといてください。

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  • 天の神打倒RTA[御影、⬛⬛、シャルル]
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