FILM RED 炎の剣士   作:ジャンカー

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pixivに載せていたものをこちらにも転載致しました。
何故かこれを投稿したら仮面ライダー×ONEPIECEクロスオーバーものが増えたので、皆にももっと知ってもらいたくハーメルンにも投稿致します。
誤字修正などを行い、定期更新を目指していきます。


炎の剣士、ライブと麦わらと

目が冷めるとそこには曇りなき青空が広がっていた。

いつもなら寝室の天井が見えるはずだが、それはどこにもない。

 

「……ここは……?」

 

男が放った第一声、それは当然の反応だった。見た事も聞いたこともない街。周りの人々は男を見てどよめいている。

男は右手に赤い剣を握り、鞘(?)のような物体を腰に巻いている。

 

「おいあんちゃん、これ…あんたのか?」

 

そう言って一人の中年男性が差し出したものは、『BraveDRAGON』と書かれた手の平サイズの本。

 

「…あ…あぁ、ありがとうございます。…すみません、ここって…?」

「……?あんちゃん頭でも打ったのか?ここはブレイア島シック街」

 

その小さい本を受け取りながら男性に質問をするが、全く聞いたことが無い土地だった。そんな島、地図のどこにも記されていない。

続けて男性はこう言った。

 

「かつての王国、エレジアに一番近い島だよ」

「エレ……ジア?」

 

またしても知らない国の名前に男は混乱していた。周りの人々は興味が無くなったのか、一人、また一人と離れていく。

 

「なんだあんた…物騒なもんも持って…本当に変だなぁ…じゃあ、あのプリンセス・ウタがライブをやるっていうことも知らんのか」

「プリンセス……ライブ…………あぁ歌姫か」

「ところであんちゃん…名前は?ライブに行くんなら送ってやらんこともないが……」

 

男はライブには興味は無かった。しかしそこに行けば大勢人がいる、何か情報を得られるかもしれないと思い男性に頼み込む。

 

「俺は飛羽真…………神山飛羽真」

 

男が放った名、それはかつて全てを救った英雄の名であった……。

 

飛羽真は波に揺れる甲板に立ち、澄み渡る青空を見上げていた。

なぜこうなったのか、見当もつかない。思い出そうとすると記憶に靄がかかるように思い出すことが難しい。すると突然、男性は飛羽真に話しかける。

 

「あんちゃん、トウマって言ったか……なんか、本に出てくる名前みたいだな!あの…なんていったっけな?ワ、ワ…」

「ワ?」

(和…?)日本みたいな名前の国だ。

「ワノ国だ!そうだよ、言葉の響きがこっちじゃ聞かないもんだからね」

 

そう言って男性は船の舵を握る。また、この時代は海賊が蔓延っており、海軍や世界政府も思った以上には取り締まってくれないどころか本部から離れればその分暴君のように君臨する海兵もいるらしい。

ワノ国の人(?)というていで話を聞いていると、この世界はより危険な時代だということもわかった。

 

「こんなんじゃ子供たちも安心して暮らせない…」

 

海賊は物語でも悪として描かれており、飛羽真がいた世界でも彼らは変わらず客船を狙って金品を強奪する奴らである。身近に思っていなかったものが今現実にある。そう思うと海賊に対して静かな怒りが湧いてくるのがわかる。

男性の話を聞き終わり、「少なくとも海賊と俺が元の世界に戻ることとは関係はなさそうだ」そう思っていた頃。辺りが霧に包まれていく。

「ほら、もうすぐ着くぞ」

 

周りには同じようにライブに来たのだろうか、「ウタグッズ」を身に付け参列する人々が目に入る。

 

「このチケットもな、本当は妻とくるはずだったんだ。でも、海賊に…殺されちまった……。

あんたに一枚やるよ、見知らぬあんただが、随分優しい人なんだな。怒ってくれるなんて…」

 

そう言って飛羽真に手渡されたライブチケット。受け取る彼の手は怒りで小刻みに震えていた。

飛羽真は、たとえ初対面にでも優しく友人のように振る舞う青年。男性の妻の話を聞くと、「殺された」というこのワードで怒るのは当然だった。その彼を見た男性は、「優しい」、この言葉以外思いつかなかった。

チケットを握り、男性に礼を言うとその場を後にする。

奥に進んで行くと、ステージが見えるように不自然に配置された岩にある程度くつろげるスペースがある。そこに腰を下ろしライブの開始を待つ。

 

(何でライブに来ているんだろうな。そんなことしている場合じゃないはず…)

 

それでも、ここにいなきゃいけない、何かが自分を待っている気がしてならない。

 

 

観客たちがざわざわと騒ぎ始めている。どうやらライブが始まるようだ。

 

 

『新時代はこの未来だ。世界中全部 変えてしまえば…変えてしまえば……』

 

 

 

 

 

聞こえてきたのは、この世のものとは信じられない程、美しく、力強く、輝かしく、そしてどこかに悲しさが混じった歌声だった。

 

 

世界の歌姫・ウタ。彼女の歌声はまさに世界一である。聞いているだけで気分が上がり、幸せな気持ちになるようだった。

このライブに来ている人は一般市民だけではなく、海賊や政府関係者もいる。

このまま無事に、楽しくライブが終わると人々は思っていた。ただ一般人だけは。

 

 

 

 

「みんな、やっと会えたね!ウタだよ!」

 

彼女がそう言うと会場はとてつもない盛り上がりを見せる。彼女を生で見ることができ、観客たちのボルテージは最高潮に上がる…。

その時、彼女の前に麦わら帽子を被った少年が立つ。彼の名はモンキー・D・ルフィ。今や五番目の皇帝とも呼ばれる新世界で名を轟かす海賊だ。

 

「お前、ウタだろ」

「え?」

 

少年は懐かしいとでも言うように「俺だよ俺!」とウタに話しかける。

はっとした彼女の赤と白のツートンカラーの髪、そのうさ耳のような後ろ髪がぴょこんと跳ねる。

 

「…ルフィ?ルフィ!」

 

二人は再会を喜び、お互いに抱き合った。観客はざわめいており、中には彼女に惚れたレベルの大ファンもいるだろうが、大勢などお構いなしにしばらく抱き合った二人。

彼の仲間である者達も二人の関係に驚愕しており、「紹介くらいしろ」「何で仲良しなんだ」など、口々に言い出す始末。

ルフィはにししっと笑い、

 

「だってこいつ、シャンクスの娘だもん」

 

その一言に、会場は驚愕の嵐だった。とうの彼女は呆れたように「あぁ、」と声を漏らす。

シャンクス…通称『赤髪』。彼はこの新世界に、皇帝のように居座る四人の大海賊『四皇』の一角。その彼に娘がいた、周囲からすればこの事実はとんでもなく、誰もが驚くのは当然とも言えた。

 

「シャンクス…四皇…」

 

遠くからその様子を見ていた飛羽真は聞いた話を思い出す。どんな悪人だろうと、家族がいる。それは今までの戦いでもわかっていたが、いざ「家族」と言うものを考えると妻を海賊に奪われた男性のことを考えてしまう。自身の周りにも、家族を大事にしている仲間がいる。息子をもつ者、自らが所属する組織を家族と思い、大切にしている者。

 

「この世界は…思ったより複雑だ」

 

飛羽真は話を聞くかぎり海賊=悪というイメージであったが、家族というものを踏まえると全てがそうではないのではないか、そう思っていた。

その時、何者かがステージに降り立った。

 

「なんだお前ら」

 

ルフィは彼らに聞くが、どう見ても海賊。髑髏を模したデザインの海賊帽にサーベル、人相が悪い奴ら。彼らは『クラゲ海賊団』

 

「ウタちゃん、悪いなぁ。あの赤髪に娘がいたとは。残念だがライブは中止だ、お前を攫えば赤髪の弱点にもなる!」

 

船長らしき服装の男、エボシがウタに近づく。

 

「他の有力な海賊に引き渡せばいい金になる」

 

剣を持った船員、カギノテが彼女に向かって刃を突き立てるその時

 

「熱風拳!!」

 

衝撃と猛烈な熱風が吹き荒れ、カギノテは吹き飛ばれてしまう。

乱入してきたのは、かの四皇ビッグマム海賊団、オーブン。彼のすぐ隣に「ウィ〜ウィッウィッウィッ」としゃっくりのような笑い声で女性が現れる。同じくビッグマム海賊団の一人ブリュレ。

ルフィはその姿を見て、「お前は…枝!」とはっと目を見開く。ウタは「枝?」と首を傾げるが、とうの本人は「ブリュレだよ!」とツッコミを入れる。

 

「隣の人は?」

 

ウタが聞くと、「同じくビッグマム海賊団四男、オーブンだ。楽しそうだな、混ぜてくれよ」と答える。ブリュレの手に鏡のような空間ができ、そこから戦闘員が大量に出現する。

観客は「せっかくのライブを」「また海賊かよ」と次々に文句を言い放つ。

そんな中、ルフィの仲間、麦わらの一味はウタを守るため動き出す。

 

「おいおい、ウタちゃんを狙うなんてクソ野郎どもは俺が始末してやる」

「素晴らしいライブの邪魔をする不届きものたちは、黙って見過ごすわけにはいきませんね」

 

サンジ、ブルックはすぐさま戦闘体制に入る。

 

「ようやく面白くなってきやがった!」

 

ゾロはエボシを斬り飛ばすと、それに続いて次々と行動に入る。

 

「掠り歌ーーー吹雪斬り」

ブルックも負けじと技を放つ。

サンジも敵を蹴り飛ばし、情けない声をあげ倒れる者もいる。

 

「全く…しょうがないわね」

「ライブはまだ始まったばっかりなんだ!」

「やるぞ、ウタを守るために!」

 

ナミやチョッパーそしてフランキーが加勢のためにステージに向かって走る。

ジンベエは腕を大きく振りかぶる。

 

「魚人空手・槍波!」

 

槍のように鋭い水柱はオーブンの高熱を帯びた右手に阻まれ、水蒸気となって消滅した。

「ヌゥ、」と唸り声を上げるジンベエ。「後はスーパー任せとけ!」と、フランキーはオーブンに殴りかかる。互いの拳がぶつかりあい、その衝撃で戦闘員は数名吹き飛んだ。

 

「ゴムゴムの!JET銃乱打!!」

 

ルフィは高く飛び上がり、技を放ち敵を一掃する。それを読んだロビンは「百花繚乱・蜘蛛の華」で海賊達を捕らえる。

この大乱闘の中、狙われているウタ本人は異様なまでに落ち着いていた。

ロビンが敵を捕縛したのと同時に、一人の男が加勢するようにステージに降り立った。

誰もが知らぬ者の登場に顔を見合わす。

手には剣を携え、真剣な眼差しで海賊達を一瞥する。この男、神山飛羽真。

 

「な、何だお前は?」

 

クラゲ海賊団の一人が聞くが飛羽真は無視、一言。

 

「海賊とか、何だかわからないが…一人の女の子を攫うのは人として間違ってる。ライブを楽しんでいる人たちだっているんだ。こんなことはやめろ」

 

そう言うが、海賊達は「何を言っているんだ」と軽くあしらう。

飛羽真は「仕方がない」と呟き、手にもつ剣…『火炎剣烈火』を腰に装着したドライバーに装填。次に小さいが不思議な力を持つ本、『ブレイブドラゴンワンダーライドブック』を開く。

 

『ブレイブドラゴン』

『かつて、全てを滅ぼすほど偉大な力を持った神獣がいた』

 

まるで物語の始まりを示すかのような声が響き、ブックがドライバーのホルダーに装填されると彼の背後に巨大な本と赤い竜が出現する。

 

「なな、何だありゃあ!」

 

ウソップは目の前に起きていることが不思議でしかならなかった。見たことないものに、幻想の動物。彼も悪魔の実の能力者かと想像する。他の面々もそうだったのだろう、互いに攻撃が止んでいた。

 

「変身」

 

飛羽真が呟き、剣を引き抜くと『烈火、抜刀!』と聞こえ彼の体が炎に包まれる。

 

『ブレイブドラゴン!』

 

現れたのは、赤、白、黒の三色の戦士。その場にいるものは誰も知らない剣士。

しかし彼はこう呼ばれている───世界を救った英雄、仮面ライダー、又の名を────。

 

「俺は仮面ライダー、セイバー。炎の剣士だ」

 




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