イラストの仕事のせいで投稿できず申し訳なさすぎる
あんなに楽しい空気は一体どこへ行ったのだろうか?今や彼女は光なき眼でルフィ達を、いや『幼馴染』だけを見ている。それしか見えていないと言わんばかりにその目線はルフィから離さない。
「ウタ、あなたの歌は好きだけど一生ってのは────きゃあっ!」
「!ナミさ─おわ!!」
ウタに意見したナミ、彼女を止めようとしたサンジも五線譜に捕らえられ、上空へ。
「ねぇみんな!また悪い海賊を見つけたよ!…どうしようか?」
ウタはそう観客に言うと、「妻を殺された」「全て奪われた」「母ちゃんを返せ」と、海賊への恨みのこもった怒声が次々と聞こえてくる。
「ウタ!二人を返せ!」
ルフィのそんな言葉もウタには届かない。「ルフィが悪いんだよ。海賊だなんて言うから」と、まるで彼が『海賊』であるから仲間を捕らえたかのような言い方だった。
海賊嫌いの歌姫、世間でそう言われている彼女は観客の期待に応えるため戦う。ウタが合図をすると音符が出現、槍を持った兵士『音符の戦士』へと変化する。
「いくらルフィの幼馴染でもこいつはやりすぎだぜ!」
ゾロは刀を抜き、戦闘態勢へ。他の一味も同じく音符の戦士に応戦している。
「お、お前──いや…やめだ。乗らねぇ」
拳を構えたルフィはすぐに構えをやめ、帽子を深く被る。
「戦う理由がねぇ」
「あんたがやらなくても、私はやるよ」
二人の間には、少しの間沈黙があった。哀しそうな目をした後ウタはステージ上へと戻り、歌う。
「───散々な思い出は悲しみを穿つほど」
『逆光』、海賊や悪党への怒りを込めた激しい曲調の歌。彼女の力強い歌声に感心している場合ではないが、いつまでも聴いていたくなる程引き込まれる。
「なんで…こんなことになるんだ!!変身!!」
飛羽真は烈火を抜刀、ドラゴニックナイトへと変身する。
『Don`t miss it! (The knight appears.When you side,) ドメタリックアーマー! (you have no grief and the flame is bright.)
ドハデニックブースター! (Ride on the dragon, fight.) ドハクリョックライダー! (Dragonic knight.)
ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い! 』
「うおおおおおおおお!!」
雄叫びを上げながら音符の戦士を斬り捨てていく。彼らの槍が刺さるが、ドラゴニックナイトの装甲『シルバリオンスケイル』の前では歯が立たない。邪悪な敵は触れることすらできない特性を持つこの鎧に触れることができる戦士に正直驚いた。と言うことは、彼女の思いは邪悪などではなく、単純な『海賊への怒り』そのものだったと直感する。
『ドラゴニック必殺読破! ドラゴニック必殺撃!』
ブックを2回押し込み必殺のキック技、龍神鉄鋼弾を放つ。受けた敵は爆散するが、すぐさま音符へと戻ってしまう。
「これじゃキリがねぇな…」
ゾロが弱音を吐くレベル、それほど敵は無限に湧き続ける。ついには一味全員五線譜に捕らえられてしまった。
残ったのはセイバーだけ、一人ひたすらに敵を斬っていく。左腕の竜の頭を模した武器、ドラゴニックブースターに烈火を読み込み必殺を放つ。
『スペシャル!ふむふむふーむ…
完全読破一閃!!』
「豪火大革命!!」
巨大な炎の斬撃を放つ。その斬撃はウタに向かって飛んでいくが、彼女はそんな攻撃をものともせず歌い続ける。
ルフィあっけなく捕まってしまった。
「はぁ、はぁ…なんで…なんで友達を!」
「あんたは海賊?違うよね、でもあたしの邪魔をしないで。新時代の邪魔をしないで」
「新…時代……」
彼女は飛羽真を後にしルフィへと近づく。
「ルフィ、あたしの友達なら海賊は諦めて」
「返せ!俺の仲間!!」
縛られても仲間を心配する彼には、なんとも言えない魅力がある。危機に陥っても仲間を大切にする様子はかつてセイバーも同じだった。強敵・ストリウスとの戦い、世界を救うため仲間達と決戦に赴いた時、自身が傷ついても仲間を諦めなかった。セイバーはルフィを救出しようとステージに向かう。
「邪魔しないでって言ってるでしょ」
ウタはそれを逃すはずがなかった。セイバーからドラゴニックナイトとブレイブドラゴンのブックを強奪。変身が解除され音符の戦士に襲われてしまう。
「この本?がなかったら何もできないんだよね。しばらく預かってるよ」
「返すんだ…ブックを…っ!」
音符の戦士に蹴られ、槍で殴られながらもルフィへ向かおうとする。飛羽真はルフィを、彼の仲間を諦めきれない。そんな様子を見て彼も焦りを感じる。
「トウマ!……やめろウタ!俺の仲間に手を出すな!!」
彼女はその言葉を聴いて、より一層哀しい目でルフィを見つめる。
「だめだよ…ルフィが海賊なんて。」
「返せ!俺の仲間ァ!」
「………どうして私の側にいてくれないの」
すると、ルフィの体を縛っていたものが解け、彼は即座に起き上がる。
「ウタ!俺の仲間〜〜……ァぁ」
「ウタちゃんに近づくな、海賊!」
「海水に浸かった能力者なんか怖くないぞ!」
ルフィに海水をかけた女性や、農具を武器に彼に近づく数人の観客。ルフィが危機に陥ったその時!彼に救世主が現る。
「バリアボール!!!」
彼と、その人物の周囲に青い透明な球状のバリアが出現。
指を結び、緑髪でトサカのような髪型が特徴の、人相の悪い男が助けに入った。彼の名はバルトロメオ。バリバリの実を食べたバリア人間。そのバリアはいかなる攻撃も通さない、無敵の概念。
ウタグッズに身を固め、ライブを楽しんでいたであろう服装であった。
「あの男は…?」
飛羽真は急に現れたバルトロメオに驚きながらも、ルフィが無事であることに安堵した。
「ロメ男…?」
「ルフィ先輩、なんだかウタ様はヤベェべ…勝てる気がしねぇべ」
その瞬間、ステージ上から飛羽真がいた場所まで青い色相に空間が変色。瞬きの一瞬にも満たない速さで彼らは消え、かわりに岩が出現した。
「…なんだ、他にも海賊がいたのか」
ウタは怒りで爪が手のひらに食い込むほど拳を握りしめる。
「私のルフィを、取り返さなきゃ」
「どこだべ!?ここは」
「あの一瞬で…ここは城の跡地…?」
「いや〜助かった!サンキューな、トラ男!」
見ると、白黒で豹柄の帽子を被った青年、トラファルガー・ローがいた。彼の能力は異常なまでに便利すぎる。オペオペの実、改造自在人間。彼の生成したサークル内であれば全てを自在に操ることができる最強クラスの能力者だ。
「ところでお前、麦わら屋の仲間か」
ローは飛羽真を見て一言。
「ああ!俺の仲間だ!」
「あっちょっと、いやでも決まった訳じゃ」
「お前またなんでも勧誘してんのか麦わら屋!……はぁ、困ったことになったな」
「な、なんだべトラ男、お前もウタ様のライブを聞きに来たんだっぺ?」
バルトロメオはファン仲間がいることに嬉しそうであったが、ローは否定する。
「いや、付き添いだ………ベポの」
電飾にウタへの愛を記した派手なウタグッズを纏い、白熊がローの背後から現れた。
「…え、白熊?二足歩行……」
「なんかすんません」
飛羽真はチョッパーのこともそうだったが、動物が難なく人語を話す様子に驚愕していた。
「しゃべっ…てる?」
「……なんか…すんません」
約束超人、ブックを奪われる
「ライダーなのに本ねぇじゃあああん!」