ダンジョンに闇の王子が迷い込むのは間違っているだろうか。 作:即席社会人
「どうした。まだ終わってはいないぞ」
地に伏せる俺と、その前に立ちはだかる男、スキアーズ。既に泥まみれだった俺の体は、血と痣でさらに醜く汚れていた。
「……こんなこと、頼んでない」
「そうだな」
俺がポツリと漏らした独り言に、スキアーズは無慈悲に答える。
「だが、お前は拒まず俺に立ち向かってきた? どうしてだ?」
「……こう言いたいんだろう? 『人々を魔獣から守れるぐらい強くなれ』って……」
「誰がそんなことを言った」
余計なことをするなと叫ぼうとした時、彼の冷たい返事が全身に突き刺さる。小雨が降り始めたかと思えば、大雨が廃村を襲い始める。雷鳴が轟き、地が揺れ動く。まるでこの男の感情を表しているかのようだった。
「死ね。絶望し、世界を呪うことしか出来ぬのなら──」
スキアーズは俺の頭上で剣を振り上げる。
「お前の命に、価値はない!」
俺の体を引き裂こうと、その大剣が振り下ろされる。俺は咄嗟に剣を構え、今出せる力を振り絞って受け止める。スキアーズは感心したような、驚いたような唸り声を上げ、さらに力を込める。その力を前に、ズルズルと押しつぶされていく。
「あんたこそ、何を考えている?」
俺はスキアーズを睨みつけ、持てる力を全て使って奴の体を押し戻す。
「殺す気なら、手加減はいらないだろう!? なんのつもりだ!?」
今の一撃は、確かに俺を殺そうとするものだった。だが、今までの攻撃にはそれがなかったのだ。何がしたいのか分からないスキアーズに対し、俺の怒りは頂点へと到達する。俺は奴の剣を弾き、腕が跳ね上がってがら空きとなった胴体へと突撃した。
「──フン!」
「……ぐうっ!!」
しかしスキアーズは、それすら計算のうちだと言わんばかりに俺の腹を蹴りあげる。それをモロに食らった俺は息が止まり、やつの目の前で膝を着いた。
「気まぐれだ」
その言葉に、余計に腹が立つ。
「気まぐれで生かし、気まぐれで殺すのか……!!」
「そうだ」
「なんの権利があって!」
「言えば納得するか?」
そう言って再び立ち上がろうとする俺の顔に、スキアーズの蹴りが炸裂する。口の中に鉄の味が広がり、鼻からは息が出来ないほど血が流れる。
「権利は、ある。貴様には会うことすら叶わぬ誰かが、それを持っている」
鼻を押さえる俺の前に、再び奴は立ちはだかる。
「それは真理だ。だが心理を知ってどうする? 理由さえあれば従うか?」
「……『闇の王』のことかっ!」
「そうだ。闇の王に従うは、黒なる民の宿命」
「あんたは王じゃないだろう!」
減らず口を叩く俺に、スキアーズは容赦なく剣を振るい、その命を狙ってくる。咄嗟に後ろへと身を捩り、腕で奴の剣をガードする。致命傷には至らなかったが、己を守った両腕は深く傷つき、血が止まらなかった。思わず俺も叫び声をあげる。
「……そうだな、俺は、王では無い……」
殺されると覚悟したその時、奴は剣を下ろしそう呟いた。
「王に『なりかけた』半端者だ」
「何を言って……」
「命冥加な小僧め。また来るぞ」
そう言い残し、スキアーズは俺の元を去っていく。俺を殺すわけでもなく、二度と来ないわけでもなく。
「なんなんだ……あいつ……!!」
結局何がしたかったのか分からない奴の行動に、俺は翻弄されるばかりだった。とにかく雨のしのげる屋根へ移動する。そして俺は着ている服を引き裂き、腕の出血を抑え込む。血が止まりだした頃、ようやく一息つけたのかそのまま泥沼に沈むかのように、俺の意識は闇へと落ちていった。
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夢の中の俺が意識を落とした瞬間、ベッドの上で寝る現実の俺が目を覚ます。しかし霞んだ瞳に映るのは、いつも通りの古小屋の低い天井ではなく、豪奢な照明がついた高い天井だった。
ここは、どこだ? 確か……俺はオッタルと戦ってて……。
「……うぐっ……!」
体を起こそうとした瞬間、全身に砕けるような痛みを感じる。その上今まで感じたことの無い倦怠感が精神を蝕む。苦悶の表情を浮かべてもう一度ベッドに横たわる。その時、向こう側に取り付けられた扉がガチャリ、と音を立てて開かれる。
「……あ、起きたんだ」
「あんたは……」
そこに居たのは金色の髪と瞳を持つ少女、『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインだった。
彼女は俺に無言で近寄り、ペタペタと全身をくまなく触る。動くことの出来ない俺は、それに抵抗できなかった。
「……うん、大丈夫そう」
そう呟いた彼女は、入ってきた扉へと手をかける。
「ちょっと待ってて……」
そう言って再び扉を開け、彼女は外へ出ていった。声すら出せない俺は、彼女を止めることも出来なかった。
☥
「やっと目ぇ覚めたんか、心配したんやで〜。いやホンマに」
十分ほど待たされて再び扉が開かれる。そこから現れたのは、酒場でも見た独特の発音で喋る朱色の髪を持った細目の女だった。アイズ・ヴァレンシュタインもその後ろで立っている。
「……じゃ、こっから先はちょっと二人きりになりたいから、アイズたんは外で待っててや〜」
「……はい」
「あ〜ん、そんな寂しそうな顔せんといてぇや。すぐ終わるから、なあ?」
細目の女はアイズ・ヴァレンシュタインの胸を揉みながらそうからかう。
「やめてください」
「へぶっ……!?」
しかし彼女からは拒絶され、細目の女は顔を平手打ちされていた。
「そんなアイズたんも可愛いわー! 好き!」
なんで俺は満身創痍でこんな茶番を見せられてるんだ。そう思っていたのがバレたのか、細目の女がこちらをチラッと覗く。
「ま、そういうことやから……教えてくれてありがとな、アイズたん」
そう言って話を切り上げた細目の女は、扉を閉めて俺のベッドの近くにある椅子にドカッと豪快に座り込む。
「いやいや悪いなー、ウチらのラブラブな会話に付き合わせてしもうて」
ニコニコと笑いながら、今の状況から的外れな会話をし出す彼女に俺は調子が狂いそうになる。
「……そんなことは、どうでもいい……ここはどこだ……? なんで俺はここに……」
軋む体に力を入れて、精一杯の声で彼女に質問する。すると彼女は、まあ待てと言わんばかりに俺の前に手をかざし、言葉を遮る。
「一気に質問されても答えれんわ。まず、ここは【ロキ・ファミリア】のホーム、『黄昏の館』や。そしてウチはロキ、ここの主神をしとる」
「……あんたがロキか」
「せめて『様』ぐらいつけたらどうや、これでも一応神様なんやで? ……それに、助けて貰った礼も無しかいな」
不気味な笑みを浮かべるロキに、俺は敵意の目を向ける。例外を除いて、神というのはつくづく食えない性格をしているとあの時学んだからだった。
「おーおー、怖い顔するなー。こりゃ
ロキは俺の図星を言い当てる。
「酒場のこと、まだ根に持っとんのか?」
「当たり前だ! あんた達のせいでベルは……うッ!?」
『
『……なんのためにだ?』
『それは言えないわ……でも、あなたのお友達の白い子や、あなたを助けてくれた小さな神様が危険に巻き込まれることは間違いないでしょうね?』
ベルという単語に反応した頭が突如激痛を発し始め、あの時の記憶を断片的に甦らせる。それはフレイヤとの会話。ベルとヘスティア様を襲うと語ったあの女との会話だった。
「俺がここに来て……どれぐらい経った?」
「何を急に……そうやな、まあ丸一日はとうに過ぎとるわ」
「もうそんなに……!!」
ロキの答えに、俺は混濁していた意識が戻り、目を大きく見開く。体の痛みも忘れてベッドから起き上がり、彼女の両肩を掴んだ。
「ベルは……ヘスティア様は大丈夫なのか!? 二人は無事なのか!?」
「な、なんや急に!? ドチビのことは知っててもベルって子のことまで、ウチが知ってるわけないやろ! そもそもモンスターが街で暴れててんぞ、そんなん探してる余裕ないわ!」
大声で二人の安否を確認する俺に、ロキがそう言って困った顔をする。だがそんなことは分かっていた、そう吐き捨てられることも重々承知していた。だが聞かずにはいられなかったのだ。
そんな押し問答を繰り返していた時、玄関の扉が再び開いた。
「あの子は……ベルは無事だよ」
そこに居たのは、アイズ・ヴァレンシュタインだった。
「あ、アイズたん!? な、なんでまだここに……!?」
「すぐ終わるから外で待ってて、って言ったのはロキ様です」
「あのなぁ……それは言葉の綾っちゅうやつで……」
彼女は溜息をつきながらブツブツと小言を言うロキから目を外し、俺の方を見る。
「私は彼を、あの時見たから……」
「え、あの時って、どの時や?」
無視されたロキがアイズの横にひょこっと顔を出して尋ねる。
「……ダイダロス通りです。シルバーバックを倒したのはその、ベルという子です」
「そりゃおかしいやろ、そのベルって子はアイズたんが五階層で見た時はまだペーペーの新人やったって話やないか。そんなやつが、この短期間で十一階層に出現するシルバーバックに勝つなんて無理な話や。人違いやないか?」
「……いえ、私は何度も彼の顔を見ました。間違いないです」
「いやでもそんな……」
ロキはアイズ・ヴァレンシュタインの言葉に困惑しながら顎に手を着いて再びブツブツと呟き出した。
とりあえず俺はベルの身が無事なことに胸を撫で下ろす。
「……ヘスティア様は? 一緒じゃなかったのか?」
「……分からないけど、ベルは黒髪の小さな女の子を抱えて走ってたよ。特に怪我もしてなかった」
黒髪の小さな女の子……多分ヘスティア様なのだろうが、これだけじゃどうも確証に欠ける。
「黒髪以外の特徴はないか?」
「……たしか、髪の毛の両側が結ばれてて……その……」
彼女は顔を赤らめて、少し恥ずかしそうに口を開ける。
「胸が……大きかった」
「多分そりゃ
というかおってたまるか、と悪態をつくロキを前に俺の心はようやく落ち着いた。ヘスティア様の無事も確認できた俺は、ここを早々に出ようと一歩を踏み出す。
「……うぐっ!?」
しかし安堵した体に再び異変が起きる。精神が安定した結果、忘れていた激痛が一気に押し寄せる。それに耐えられなかった俺は力が抜けて、膝から崩れ落ちた。
何してんねん……と、呆れ顔なロキと無表情なアイズ・ヴァレンシュタインの肩に腕をかけ、ベッドへと運ばれる。
「そんな慌てる必要ないやろ。ま、怪我が治ってようが治ってまいが、まだ返す訳にはいかんのや……なあ、グレン?」
「……どうして、俺の名を?」
「ドチビから聞いた……今はそれでええやろ?」
そう言ってロキは再び椅子に座り込み、膝に肘を置いて指を組む。
「あの二人の身が無事やったって情報を渡したんや……今度はこっちの質問に答えてもらうで」
そう言った瞬間、ロキの目が鋭く吊り上がるのを感じた。
「あんた、あそこで何してたんや?」
ロキの一つ目の質問。それを聞いた俺は俯いて目を瞑る。その瞬間、奴との戦いの記憶が順を追って甦る。
「オッタルと……戦ってた」
いや、本当は分かってる。戦いにすらなっていなかった。目覚めた闇の力の一部を使おうとも、奴はそれを全てあしらった。戦いを挑んだ敵に相手にもされないという、えも言われぬ敗北感が胸を締め付ける。
そうだ……俺は……。
「負けたのか……」
そう呟く俺に、ロキは溜息をつく。
「嘘はついてないみたいやな……なんかなぁ、無茶どころか無謀すら通り越して呆れてモノも言えんわ」
「そんなこと分かってる!」
ロキの正論に、俺は怒りをぶつけてしまう。そんな自分がますます嫌になる。力を失っていたはずの腕に、無意識に力が篭もる。爪がくい込み、手に血が滲むほど拳を握りしめる。
「ま、まだ握る拳があることに感謝しとき」
ロキは俺の心情には触れず、淡々と話を進める。
「てことはなんや、フレイヤの奴もおったんか?」
フレイヤ、美の女神、ベルを襲った張本人。奴ももちろんあの場にいた。
「あんの色ボケ女神め。次は何企んどるんや……」
俺の答えに、ロキはそう言って組んだ指をトントンと打ち付ける。その仕草は、あからさまに苛立ちを表していた。しばらくして、一息ついたロキは動きを止め「ま、今はええわ」と感情に区切りをつけ、俺に二つ目の質問をぶつけようとしてくる。
「騒がしいと思って来てみれば、どうやら目覚めていたようだな」
ロキの話の途中、緑髪のエルフが扉を開けて入ってくる。
「リ、リヴェリア!? な、なんで
「彼を運んできたのはこの私だロキ。何をしようとしていたのかは知らないが、重要な話なら私にも聞く権利があるとは思わないか?」
そう言ってリヴェリアと呼ばれたエルフは俺の方を見つめる。心做しか他の二人よりも俺を警戒しているように思えた。
「それは、そうやけど……だーっ! なんでウチの子たちはこうもタイミングが悪いんやー!?」
そう叫びながら、ロキはガシガシと頭を掻きむしる。しばらくして、ふうっと一息ついた彼女は落ち着いたのか諦めたのか、ボサボサの髪のまま俺の前に座る。
「……ま、ここまで来たらしゃあないわ。確かにママには話を聞いてもらった方がええしな」
そう言ったロキは、再び真剣な目付きになって俺に問いかけ始める。
「単刀直入に聞くわ。グレン、あんたは一体……どこの世界から来たんや?」
「……!!」
あまりにも予想外な、そして核心へと迫る質問に俺は大きく目を見開く。
「……どこの世界って?」
「とぼけんなやアホゥ、そのまんまの意味や。あんた、この世界の人間ちゃうやろ?」
目を開くロキの言葉に、俺は終始黙ってしまう。その沈黙は肯定を意味していた。
「もちろん、そう思った証拠もあるで……これや」
ニヤけたロキが、一枚の紙を取り出す。それは、更新したステイタスを写して確認するためによく使われる用紙だった。そこには既に何かが書かれており、それを俺に渡してくる。
「本来はこういうのご法度なんやけどな、ママに言われて確認することにしたんや。そしたらどうや、こんなもんが見つかったって訳や」
「……これは!!」
何かが書かれている面を見た俺は、驚愕の声を上げる。そこに写し出されていたのは俺のステイタスだった。しかし、驚いたのはそこじゃない。俺が驚いたのは魔法の欄に書かれていたあるものだった。
《魔法》
【ᚾᛁᚷᚢᚱᛟ】
・ᚲᛁᛃᛟᚢᚲᚨᛗᚨᚺᛟᚢ
・ᚺᚢᛃᛟᛗᚨᚺᛟᚢ
・ᛃᚨᛗᛁᛉᛟᚲᚢᛋᛖᛁ
・ᛖᛁᛋᛁᛃᛟᚢ【ᚺᛁᛋᛁᛃᛟᚢᛋᛖᛃᛟ】
ヘスティア様が以前書き出してくれた
しかし、俺はこの字を見た事がある。この文字は俺がここに来る前の世界で使われたいた文字『ルーン文字』だったのだ。
「やっぱ読めるんやな。なんて書いてんねん?」
ロキはそう言ってもう一枚の紙と羽根ペンを差し出す。俺はそれを手に取って、背中に書き出された文字をここの言葉で翻訳し始めた。
《魔法》
【
・強化魔法。
・付与魔法。
・闇属性。
・詠唱式【飛翔せよ】
「まさか……本当に……」
「へぇ……面白いやないか」
翻訳した俺に対してリヴェリアは驚愕の声を、ロキは好奇の声を上げる。
「ただの魔法が書かれていただけだ……別に大したことじゃ」
「いや、大事どころの騒ぎちゃうわ」
ロキが俺の言葉を遮って続ける。
「こんな文字、ウチらの歴史の中じゃいっぺんも見たことがない。神であるウチらがや、これがどれだけ異常なことか分かるか?」
俺は冷や汗を垂らしてロキと対面する。
「そしてこの世界の神すら読めん字を、あんたは何の苦もなく読んだ。内容やない、読めたこと自体が問題なんや」
ロキは立ち上がり、ベッドに座る俺を見下ろす。
「質問を追加するわグレン。あんたはどこの世界の人間や? なんでこの世界に来てん?」
「……確かに、俺はこの世界の人間じゃない」
もう隠し通すことは出来ないと悟った俺は、ロキとアイズ・ヴァレンシュタイン、リヴェリアに、この世界に来る前、俺の身に何が起きたのかについて語ることとした。白の王国、黒の王国、光の王、闇の王の衝突。自分が闇の王の後継者であること。そして世界の全てを巻き込んだ《大崩壊》のことも。
ここの世界の住人からしてみれば突拍子もない話だろう、バカにされて笑われる覚悟だってしてる。だが、彼女らは俺の話を聞いても笑い声一つあげず、ただ淡々と真剣に俺の話に向き合っていた。
「……つまり、その闇の王とやらが世界を丸ごと飲み込もうとしとったけど、それに抵抗した光の王ってやつが最後の最後の手段として世界の《大崩壊》を巻き起こしたって訳か」
「……ああ、強くなりすぎた闇の王を封じ込めるには、もうそれしか残されてなかった。『始祖のルーン』の力を失った天空大陸は静かに崩れていった、その中で多くの『闇』を封じながら……」
語る度に俺の頭の中によぎる彼女との記憶──記憶を辿る度に涙が目の底から溢れ出す。
「……俺は、全てを背負って犠牲になる彼女を助けることが出来なかった……!! 崩れゆく大陸の中で、闇へと消える彼女に手を差し伸べることすら出来なかったんだ……!!」
俺の悲痛な叫びを聞き、その場にいる全員が沈黙する。
「みんなが笑顔になれる、平和な世界を作ろうって──そのためなら、どんな事があっても君を守るって……!!」
約束したのに……!!
今まで押しとどめていた全ての感情が爆発し、とめどなく涙が溢れ出る。そんな俺に、一人が手をそっと差し伸べる。
「そりゃ辛かったな……いくらでも泣けや、ここにおる子以外には誰にも言わん」
「信じるのか……俺の話を……」
「当たり前やろ、あんたの心に嘘偽りがないことなんてとっくの前から気づいとる。それにこんな突拍子もない話、
その言葉を皮切りに、俺は子供のように声を上げて涙を流す。ロキはずっと優しい目をしながら、黙って俺を支えてくれていた。
「目の前で誰かを失う辛さは……ウチらにもよう分かるからな」