邪悪ヤンデレ厄災系ペットオメガスライム   作:maricaみかん

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78話 ノーラと

 最近の疲れを癒すためにしばらく家で休むことを決めたところ、リディがこちらに来るとの話があった。

 少し先の事だったので、今日は家でゆっくりする。ノーラと遊ぶつもりだ。

 

 まずはノーラと一緒に過ごすことにする。アクアが最近甘えっぱなしだったので、ノーラが少し不満を感じているように見えた。

 なので、目いっぱいノーラと遊んで過ごすつもりだ。

 

「ご主人、一体どんな遊びをしてくれるのだ? うちはご主人としっかりふれあいたいぞ」

 

 そういう事らしいので、ノーラとふれあえる遊びを考えることにする。

 まあ、いつもとあまり変わらない遊びになるかな。しっかりふれあうとなると選択肢は限られてくる。

 球遊びはノーラと離れている時間の方が多いし、前にアリシアさんとした柔軟でも試してみるか。

 

「ノーラ、それなら柔軟はどうかな? 結構ふれあえると思うけど」

 

「良いと思うぞ。ご主人、しっかりうちに触ってくれよ」

 

 触ることが目的になっちゃうと危ないと思うけど、こちらで気を付けておけばいいか。

 まずはノーラから柔軟をしてもらって、こちらがサポートしていくことにする。

 ノーラを押したり引っ張ったりしていたけど、猫型モンスターだけあってノーラの体はとても柔らかい。

 いろいろな柔軟でぴったり地面に引っ付いていて、ぼくはある種の感動を覚えた。

 ぼくも近接戦闘をする関係上ある程度柔らかくしているけど、ノーラほどではない。

 

「ノーラは本当に柔らかいね。見ていて楽しいくらいだよ」

 

「ご主人を楽しませられているのなら何よりだ。それよりも、もっといろんなところを触ってもいいのだぞ」

 

「柔軟の最中にそういうことをすると危ないから……次の遊びでにしようね」

 

「仕方ないな。だが、言質は取ったぞ。色々とご主人には触ってもらうからな」

 

 うかつなことを言ってしまったかもしれない。きわどいところには触らなくていいようにノーラを誘導しないと。

 

 次はノーラにぼくの柔軟をサポートしてもらう。ノーラは体のいろいろなところを押し付けてきたのでちょっとドキドキしたけど、慣れもあってかそこまでひどくはなかった。

 注意するべきか悩んだけれど、ぼくがケガをしないように気を付けているのは分かるので、何も言わないことに決めた。

 ノーラは何か企んでいるような顔をしていたから警戒していたけど、いつも通りだったので拍子抜けだ。

 そんなぼくの考えはノーラの発言で打ち砕かれる。

 

「ご主人、うちの胸や尻の感触はどうだった? ご主人好みだったか?」

 

 やっぱりわざと押し付けてきていたんだな。ノーラはスレンダーといった感じの体形だけれど、密着しているとなんだかんだで柔らかさを感じてしまう。

 ノーラはこちらをからかっているのか、真剣に問いかけているのか、どっちなんだろう。

 ある程度ごまかしながらの回答にするかな。ノーラが本気で聞いてきているのなら、もっと別の顔をしていたと思うし。

 

「ノーラは全部ぼく好みだよ。だから、ペットとして最高なんだよね」

 

「くっ……ごまかされているのは分かるが、ご主人の言葉を嬉しく感じてしまうぞ。ご主人は魔性の男だな」

 

 ぼくが魔性の男ならば世の中には魔性であふれているんじゃないだろうか。

 それはさておき、ノーラは今の回答である程度満足しているみたいだ。なら、このまま遊びを続けるか。

 

「ノーラはぼくにいっぱい触れてほしいんだよね。だったらノーラの耳と尻尾を触らせてもらえないかな」

 

 実はずっとノーラの耳と尻尾は気になっていたのだ。普通の猫とはかなり違うという事もあるし、単純に感触が気になるのもある。

 ノーラの耳も尻尾も良く動いているので、なんだか目が引き寄せられてしまう。

 ノーラはぼくの言葉を受けて、なんだか照れ臭そうになる。ちょっと無神経だったかな?

 

「そこを触られるのは恥ずかしいが、ご主人が望むのならば存分に触っていくといい。優しくしてくれよ?」

 

 ノーラの許可が出たので早速耳から触ってみることにする。ノーラの耳は左右それぞれが2つに分かれたような見た目だけど、どうやって音を聞いているのだろう。

 それを言ったらアクアなんてもっと不思議だよね。あの水の姿でどうやって周囲を認識しているんだろう。

 考えて答えが出ることでは無いだろうから、ノーラの耳を堪能することにする。

 ノーラの耳は暖かさと柔らかさが同居している。たぶんどの角度にも曲げられるけど、そこまでしたらノーラはきっと痛いだろうから、軽くぐにぐにする位にする。

 

「あっ……ご主人の手がうちの大切なところを蹂躙しているぞ。ご主人、そこまでしたのだから責任を取ってくれよ」

 

 責任ってノーラは何を求めているのだろう。何の対価もなかったとしても、ノーラの願いならばできるだけ叶えるつもりではあるけど。

 そのままぼくはノーラの尻尾も触っていく。ノーラの尻尾はふさふさで、こちらもまた暖かい。軽く握ったり緩めたりしながら、尻尾の先から根本まで手を動かしていった。

 ノーラの尻尾は二股に分かれているけど、どちらもしっかりと全体を触っていく。ノーラは体をびくびくさせていた。

 

「ううっ、ご主人にもてあそばれているぞ。うちは所詮ご主人のおもちゃにすぎんのだな……」

 

「ノーラはぼくの大切なペットだよ。ノーラこそ、ぼくの事をおもちゃみたいに思っていない?」

 

 ノーラの声はぼくをからかっているように聞こえたので、ぼくもからかい返してみる。

 ノーラはこちらをじっと見た後、にやりとした顔になった。

 

「気づかれてしまったか。ご主人はうちのおもちゃになる運命だぞ。うちを拾ったときからずっとな」

 

「悪いペットだね、ノーラは。そんな子にはこうだよ」

 

 ぼくは全力でノーラをくすぐる。ノーラは悶えながらも一切抵抗しようとしない。

 ちょっと楽しくなってしまったけど、ノーラの息が荒くなったころに手を止める。

 ノーラはなぜかうっとりしたような顔でこちらを見ていた。

 

「うちのご主人はペットのしつけが上手いのだな……こんな事をされてしまっては、もうご主人には逆らえん」

 

 どういう事だろう。ノーラはじつはくすぐられるのが好きだったとか? それでしつけが上手いって言うのもおかしいか。餌やりがうまいって言う方がそれっぽい。

 そもそもノーラがぼくに逆らう事なんて今までなかったし、これもノーラの冗談なのだろうか。

 なんにせよ、うっとりしたノーラの表情も可愛らしいな。ノーラは大体いつでも可愛いけど、この表情は新鮮味があっていい。

 

「別にぼくに逆らってもいいんだよ。それでノーラを嫌いになるわけじゃ無いし。でも、ノーラに嫌われちゃったら悲しいかな……」

 

 ちょっと悲しそうな表情を作ってみる。ノーラは落ち着いた様子でいたが、泣いているふりをすると慌ててこちらにすり寄ってくる。

 

「うちがご主人を嫌いになるわけが無いぞ。ご主人、顔をあげて……うちをからかったのか!? ご主人はいつの間にそんな高等技術を覚えたのだ」

 

 ぼくは声だけで泣いている真似をしていたので、ぼくの顔を見てすぐにノーラはぼくが遊んでいることを察したみたいだ。

 ノーラの驚いた顔はとても可愛くて、また見てみたくなる。

 

「人型モンスターの相手をしているうちに自然とね。あいつらは厄介だからね」

 

 人型モンスターの相手はとても大変だ。こちらの指示を聞いて邪魔をしてくるし、罠を仕掛けてきたり騙そうとしてきたりするし、単純な強さ以外に化かしあいの技術も必要になってくる。

 こちらがチャンスだと思っている時に苦しそうな顔をしてみたり、苦しい時にはったりを利かせたりというのは人型モンスターを相手するうえでとても大切なことだ。

 戦いのための技術がノーラと遊ぶうえでも役立てるというのは嬉しい。戦いは疲れるだけで楽しいことは無いと言っていいからね。

 

「うちもその人型モンスターだが、うちの事も厄介だと思っているのか……?」

 

 ノーラは目に涙を浮かべながら問いかけてくる。ぼくは慌ててノーラを落ち着かせようとする。

 

「そんなわけないでしょ? ノーラはぼくの大切な家族なんだ。厄介だなんて思うわけがないよ」

 

 ぼくの言葉を聞いたノーラはにんまりと笑う。涙も完全に引っ込んでいたので、ぼくがからかい返されただけだと分かった。

 ちょっと焦っちゃったよ。でも、ノーラがからかってきているだけで良かった。

 ぼくはノーラの悲しい顔なんてできるだけ見たくないし、ノーラにはずっと幸せでいてほしい。

 その願いが叶えられるように、これからも頑張っていかないとね。

 

「ノーラも仕返しなんてするようになったんだね。でも、可愛いよ。ノーラのいろんな表情を見られて、今日はいい日だね」

 

「ご主人はうちをどれだけ喜ばせれば気が済むのだ。今度こそ責任を取って、うちと添い遂げてもらうからな」

 

「ノーラとずっと一緒に居ることは前から決まっているよ。それ以上の事は、今は難しいかな」

 

 ぼくはノーラに恋愛感情を抱いているわけでは無いから、ノーラの望みが結婚とかだと困ってしまう。

 人とモンスターが結ばれるための障害はとても多い。ぼくにそれを乗り越えるための覚悟があるとは限らないから、安易な気持ちでノーラと結ばれるわけにはいかない。

 そんなことをしたら、結局ノーラを傷つけるだけの結果になるだろうからね。

 ノーラが大切だからこそ、簡単に良い返事をするわけにはいかないのだ。

 

「ご主人がずっと一緒に居てくれるならうちは満足だ。これはその証だぞ」

 

 ノーラはぼくに抱き着いてきて、顔中にキスをしてきた。口と口だけは避けてくれているので、ノーラもぼくに気を使ってくれているはず。

 そのままノーラはぼくの頬や首を舐めていったあと、ぼくの首筋に吸い付いてくる。少し痛みが走ったけど、ノーラが嬉しそうな顔をしていたので我慢した。

 

「これはマーキングだぞ。アクア様ともども、うちは絶対にご主人を逃がさない。永遠に一緒に居てもらうから、覚悟を決めることだ」

 

 ぼくが生きている限り、ずっとアクアとノーラと一緒に居る覚悟はできている。これからもよろしくね、ノーラ。

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