邪悪ヤンデレ厄災系ペットオメガスライム   作:maricaみかん

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34話 ふれあい

 昨日は予選だったが、今日は何もない。ぼくは明日から始まる本戦に備えて、ゆっくり休むことにしていた。

 王都を観光することも考えていたが、王都については詳しくないので、変な疲れが残ってしまいかねないと思って宿でゆっくりと過ごすことに決めた。

 1人でくつろいでいると、ステラさんがぼくの部屋へと入ってきた。

 

「ユーリ君、調子はどうですか? せっかくですから、私が何かあなたを癒すことが出来ればと思いまして」

 

 癒す、か。ステラさんは優しいけど、最近は少しそれだけじゃないところを見せてくるようにもなったので、ちょっとだけ警戒してしまう。今回も妙な誘惑をしてくるのではないかと気が気ではなかった。

 

「まあ、調子はいいと思います。ステラさんは何をするつもりでこちらに?」

 

「そうですね。今回は耳かきはありませんが、また、私の膝を枕にしてみる気はありませんか?」

 

 膝を枕にするくらいなら大丈夫かな。ステラさんは本当にぼくをドキドキさせてくるから、疲れちゃうこともあるんだよね。さすがに明日大会だし、そういう疲れ方はしたくなかった。

 

「じゃあ、お願いします」

 

「では、どうぞ。ユーリ君、安心していていいですよ。今日はちゃんとゆっくりさせてあげますから」

 

 ぼくの懸念はどうやらステラさんには見透かされていたみたいだ。本当にステラさんにはかなわないな。ぼくなんて、本当に手のひらの上なのだろう。

 でも、ステラさんの手のひらの上だと思うと、なんだか安心感もあった。ステラさんはなんだかんだで本当に優しいし、ぼくを破滅させにくるようなことは絶対にないだろう。

 だから、ステラさんに転がされていると感じても、安心して受け入れてしまえた。

 ステラさんは座った膝の上を手で軽くたたき、ぼくを誘導してくる。ステラさんの膝に寝転んだぼくは、相変わらずの安心感を感じていた。

 

「ふふっ、ユーリ君、存分に私に甘えてくれてかまいませんよ。それでユーリ君の力になれるなら、それだけで私は嬉しいんです。だから、ユーリ君がしたいことを私に何でも言ってください」

 

 何でもとステラさんは言ったけど、ぼくは今この状況が既に理想の状態だと思っていた。

 ステラさんにはなんだか母のような、姉のような感じを覚えてしまう。母親というのはよくわからないけど、ステラさんには本当に信頼して甘えてもいいと思えた。

 そのままステラさんの膝の上でまどろんでいると、ステラさんはぼくの頭を優しくなで、子守歌のようなものを歌っていた。

 ステラさんの優しい撫で方に優しい声。膝と手から感じる温かさ。ぼくは心の底から安らぎを感じていた。こんなのずっと続けてたら、ぼくは駄目になってしまうかもしれない。

 それからしばらくステラさんの膝の上でじっとしていた。ステラさんはその間ずっとぼくを落ち着かせてくれていた。

 満足したぼくはゆっくりと起き上がる。ステラさんの優しげな表情が見えて、すこしだけどきっとした。本当にこの人は魅力的だ。油断していると、どこまでも溺れて行ってしまうかもしれない。

 

「ユーリ君、ゆっくりできましたか? これからはきっと大変でしょうから、疲れた時にはいつでも私のところに来てくださいね。私があなたを癒してあげます。それ以上のことだってかまいませんが、さすがに今はそんな気分にはなれませんよね。

 ユーリ君、つらくなったら私がいますからね。だから、安心して全力を尽くしてください。仮に傷ついたとしても、私がいれば大丈夫。あなたを包み込んであげますから。ずっとそばにいますからね」

 

 ステラさんに包み込んでもらう……安心できるような、溺れ切ってしまいそうで怖いような。

 でも、ステラさんが待ってくれていると思うと、今回の大会で頑張る気力が湧いてくる。

 ぼくはもうステラさんから離れられないかもしれない。ステラさんが待ってくれているのといないのとでは、何もかもが違う。

 ステラさんがいなくなってしまったら、ぼくは頑張っていくための大きな理由を失ってしまうことになる。ステラさんと学園にいたころは、普通に尊敬できる人くらいの感じだったのに。本当にわからないものだ。

 もしかしたら、これからもそんな出会いがあるかもしれない。そう思うことによって新しい希望が生まれたような気がした。

 もともと、ぼくの世界にはアクアとカタリナ位しかいなかったのに。変われば変わるものだな。そう思った。

 

「ステラさんがいると思うと、本当に活力が湧いてきます。ステラさん、本当にありがとうございます、ぼくと一緒にいてくれて。ぼくが強くなれたのも、ステラさんの影響がとても大きいです」

 

「そうですか。案外嬉しい物ですね、頼られるというのも。ユーリ君、あなたは自分が思っているより魅力的ですよ。だから、周りの人たちも支えてくれるんです。私だって、そう思っていますよ。

 だから、ユーリ君。私にも、カタリナさんにも、アクアちゃんにも、ユーリヤさんにも、頼っていいんですよ。もちろん、ユーリ君に私たちが頼ることもあるでしょうが。今回のサーシャさんのように。

 ユーリ君、無事に帰ってきてほしいのはもちろんですが、ユーリ君が納得する結果を出せるよう、応援していますよ」

 

「はい、ありがとうございます、ステラさん。きっといい結果を出して見せます」

 

 ステラさん、本当に落ち着いているな。

 だから、ステラさんといると僕も落ち着くのだろう。

 いつか、こんな余裕を持った人になれたらいいな。ステラさんのようになれるなんて、きっと最高だろう。

 

「じゃあ、ユーリ君。次はアクアちゃんを連れてきますね。アクアちゃんも、ユーリ君と一緒に居たいでしょうし。では、ユーリ君」

 

 そう言ってステラさんは去っていく。なんだか少しだけ寂しいような気がした。

 ステラさんがそばに居ることも、いつの間にか当たり前のようになってたんだよね。ほんの短い期間といってもいいのに。

 でも、そんな人と出会えたのは本当に良かったな。一緒に居て嬉しい人ばかりじゃないのは、良くわかる。だから、本当にステラさんと出会えたことに感謝していた。

 

 少しして、アクアが部屋へとやってくる。アクアはすぐにぼくに抱きついてきた。

 ほんと、アクアに抱き着かれるのは落ち着くような気がする。アクアは無邪気に甘えてくる感じが、すっごくかわいいんだよね。

 アクアとどうやって出会ったのかは覚えてないけど、本当にアクアがぼくのペットで良かった。アクアがいなかったら、生きる希望なんてろくになかっただろうし。

 アクアと一緒に居る時間が、どれだけぼくの支えになったことだろう。

 ぼくに優しくしてくれる人なんて全然いなかったから、アクアが甘えてくることが本当に嬉しかったんだよね。

 カタリナは優しくしてくれたような、してくれなかったような怪しい感じだし。あれはあれで本当に助けられたんだけど。

 

「ユーリ、考え事? ステラの番が終わったんだから、次はアクア。ユーリも抱き返して」

 

 そう言われてしまったので、ぼくもアクアを抱き返す。アクアは本当にひんやりして気持ちいいな。

 でも、寒い時でも体温を奪われるような感じはしないし、どうなっているんだろう。

 まあ、アクアとくっつきやすくなるんだから、理由は何でもいいか。逆だったら困るけど。

 アクアはそれから、腕を伸ばしてぼくに絡みついたり、ぼくの体のいろんなところを少しだけアクアの体に入れてみたり、ずっとべったりだった。

 アクアは姿を変えられることが分かってから、あの手この手でぼくと触れ合おうとしてくる。スライムってすごいな。こんな触れ合い方はとてもほかのモンスターでは出来ないだろう。

 

「ユーリの全身でアクアが知らないところはない。これからも、ユーリの姿が変わったら、また確かめる」

 

 なんかすごいことを言ってるような気がするな、アクア。

 でも、アクアになら何を知られていてもいいかな。アクアがぼくの何を知ったところで、それがぼくに害をなすとは思えない。仮に害をなすとしても、アクアならそれでいいとすら思える。

 アクアがぼくを殺すのだとしても、アクアが操られてとかではないなら、かまわない。アクアがいない人生なんて意味はないんだし。

 ぼくも大概アクアに依存しているな。そう思ったが、改めるつもりはなかった。アクアが幸せじゃないのなら、考え直すべきだろうけど。

 アクアは嬉しそうにぼくのいろんなところを撫でている。

 少しくすぐったいけど、アクアの嬉しそうな顔を見ていると、とても文句を言う気にはなれなかった。

 アクアの表情を見られるようになったのも、アクアが進化してよかったところだな。なんとなく感情は分かるような気がしていたけど、顔を見る時ほどではなかったし。

 

「アクア、楽しい? アクアとこうして2人きりなのも、久しぶりだね。今日は目いっぱい楽しもうね」

 

「当たり前。せっかくユーリと2人きりなんだから、できる事は何でもする」

 

「なら、前みたいにぼくを取り込んでみる? あの時のアクアは本当に楽しそうだったよね」

 

「それは最後。ユーリ、後ろを向いて」

 

 言われた通りに後ろを向くと、背中にへばりついてきたアクアが、ぼくの体をマッサージし始める。ステラさんにマッサージされた時とは明らかに違う感覚だ。

 なんというか、一気に全体を刺激されているような感じかな。

 

「ステラとアクア、どっちがいい? ユーリ、答えて」

 

 そんな質問をされたら困ってしまう。でも、本当に全然感覚が違って、まるで比べるものではないような感じがする。肉料理と野菜料理より違うかもしれない。

 

「そんなことを言われても……どっちも最高じゃだめかな?」

 

「別にそれでもいい。でも、だったら、こういう事もする」

 

 アクアはぼくの顔を取り込んで、全体をマッサージし始める。

 アクアの中で目を開いたままでいると、なんだか不思議な見え方がしていて、とても面白かった。

 目や鼻に口の中までアクアに触られているような感じがしたが、全く不快ではなかった。どうやったらそんな風にできるのか気になったが、説明されたところでわからないだろうな。

 しばらくアクアにされるがままになっていると、アクアは満足げな顔でぼくを解放した。ほんと、アクアは楽しそうだな。

 まあ、アクアが楽しくなれるのなら、もうちょっといろいろされてもいいかもしれない。幸せそうなアクアを見ていると、ぼくも本当に嬉しくなる。

 

「ユーリ、今度は全身」

 

 そう言ってアクアが絡みついてきたので力を抜くと、アクアがぼくを取り込んできた。

 今回は取り込んだままじっとしているわけでは無く、ぼくの体のいろいろなところを刺激し始めた。

 本当に初めての感覚で、何と言っていいか分からなかったが、心地がいいことは確かだった。

 それからアクアはぼくを弄り回したり、アクアの中のいろいろなところに動かしたりと、ずっと何かしていた。

 

 かなりの時間がたったと感じたころ、アクアはぼくを解放する。そのままアクアはぼくに抱き着いてきた。

 

「さっきみたいなのもいいけど、こういう触れ合い方もいい」

 

 そのまま、ぼくの頭を撫でてみたり、ぼくの腕に組みついてみたり、ぼくの手を握ったり、いろいろしていたアクアだったが、その間ずっと楽しそうだった。

 

「ユーリ、大会、頑張って。一緒じゃないのは残念だけど、その分はまた堪能する」

 

 この分だと、大会が終わった後にまたアクアと何かすることになりそうだ。

 でも、ぼくも楽しみだから、大会が終わった後のお楽しみということにしておこうか。

 明日からは大会だ。ミーナと戦えたらいいな。本当に楽しみだ。

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