地下では。
「おお!? また揺れた。古城の奴張り切ってるな」
「呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ!?」
要と紗矢華が上へと向かっていた。
「スサノオを出せれば手っ取り早いんだがな――この状況で出したら」
「間違いなく市街部へダメージが行くわね。せめて島に繋がってる橋を落としてあれば良かったんだけど――」
「今はおそらく那月と古城がナラクヴェーラを押さえ込んでいるはず。とはいえ……」
要も口でこそ呑気な態度だが、表に出さないだけで内心は結構焦っていた。
(成長する兵器か――想定よりなかなか厄介だな)
降ってくる瓦礫を払い除けながら要は熟考する。
「仕方ないか――こっちも制御がきついんだが」
「どうしたのよ?」
要が急に立ち止まり俯いてブツブツ言っているのを見て紗矢華が訝しげに要を見る。
「煌坂への負担を軽減しつつ――方向を下に絞って――出力をできるだけ抑えれば」
「ちょっと! 無視しないでよ!?」
「――ああ、悪い。ところで煌坂、若干危険ではあるが、すぐに上に戻る方法を思いついた」
「本当っ!?」
要の言葉を聞き紗矢華が驚く。
「ああ、ただ少し危険でね。それに、お前に我慢してもらうことになるが、いいか?」
「我慢? 今は緊急時だから多少のことは我慢するわよ」
「そうか、なら早速」
そう言うと要は紗矢華に近づきヒョイと抱き上げた。
「えっ? ええええええええええ!?」
「ちょっ!? でかい声出すな!? 鼓膜が!!」
「な、何やってんのよ!?」
「だから、我慢しろって言っただろ。こうしてないとお前を置いていくしかなくなるんだよ」
「う、うぐぐ――!? あ、後で覚えておきなさいよ!?」
はいはい、と受け流し要は瞳を閉じる。
そして――
◆
「くそっ!」
古城は悪態を付きながらも現状を冷静に把握していた。
第四真祖の力を受け継いだためか、或は天性のものなのか、古城はこの状況下においてもヤケにならずにいた。
「ふふふ、手伝おうか?」
ヴァトラーが実に面白いと言わんばかりに瓦礫の山から古城に問いかける。
「あんたは引っ込んでてくれ……」
雪菜たちから話を聞く限り禄なことにならないと古城はある程度察していた。
だが、残念ながら現状はいいとは言い難かった。要と紗矢華は下のほうに落ちてしまった。那月も避難誘導やしまへ被害が出ないように食い止めている。バトラーはニヤニヤと笑うだけ。となれば、現状一体だけとは言え第四真祖の眷獣を持つ古城以外ナラクヴェーラを食い止めるものがいないのだ。
「レグルス・アウルム!」
古城の呼びかけに応じて雷を纏った黄金の獅子がナラクヴェーラに向けて突進する。
第四真祖の眷獣ともなればいくら出力を制御しても多大な被害出てしまうのは明白ゆえに古城は正面から海に向かって突進させるような方法でしか攻撃が行えなかった。
レグルス・アウルムの雷の熱が周囲の空気を焦がし、爆発的な衝撃が多数のナラクヴェーラをなぎ払っていく。
(攻撃範囲が足りないっ!)
出力を押さえ込んでいる関係上、今のレグルス・アウルムの攻撃は面制圧の攻撃よりも点攻撃のほうが高い(あくまで第四真祖の眷獣の中ではであるが)。実際レグルス・アウルムの攻撃力は古城が制御する前に島の一部を破壊してしまったほどだ。しかし、今そのような威力を解き放ったりしたらしまへの被害が恐ろしいことになってしまう。そんなことをする訳にはいかない古城としては、出力を押さえ込んでも広範囲へ攻撃できる手段を持つ力が欲しいところだった。
「――そういやさっきの眷獣」
学校の屋上で紗矢華に襲われたとき一瞬だけ出てきた眷獣の力を古城は思い出した。広範囲に衝撃を放ったその力――。
「アレなら――」
しかし、現状吸血鬼としてまだ未熟な古城ではその眷獣の力を自分だけで発揮するのは不可能に近かった。
「要たちが戻るまで待つしかないのかよっ!?」
現状打破することができないことに古城は苛立っていた。こんな力を持っているくせに他人に頼らなければならないのか!? と、そんな自分に苛立っていた。
「くっそおおお!!」
古城は少しヤケになりつつあった。一瞬レグルス・アウルムの制御が不安定になり爆発的な力が巻き起こる。数体のナラクヴェーラが吹き飛ぶ。そして、その爆風に煽られ古城は体勢を崩してしまった。
偶然か、狙われたのか――別のナラクヴェーラが古城に攻撃してきた。
(やられる!?)
古城は第四真祖だ。仮に身体が吹き飛ばされても再生することはできるだろう。しかし、その再生している間にナラクヴェーラは市街地へ進行してしまう。
(なんとか避けねえと!?)
だが、いくら吸血鬼の身体能力といえど自力で躱すことは不可能なタイミングだった。
――自力では
「先輩!」
ナラクヴェーラの攻撃が放たれた瞬間――古城の身体は横から来た衝撃に倒されナラクヴェーラ攻撃のコースから外れた。
「先輩、大丈夫ですか?」
「姫柊――なんで?」
古城を突き飛ばしたのは雪菜だった。その右手には雪華狼が握られている。
「私は先輩の監視役ですから!」
雪菜は胸を張ってそう言った。
◆
「ほお、中々いい仕事をしたじゃないか矢瀬」
「正直――かなりキツイんすけどねえ」
「その怪我。蛇使いが原因か」
那月の問いかけを苦笑で躱し、矢瀬は大きく息を付いた。
浅葱たちが誘拐されたのを気づいた矢瀬は追跡していたのだが、その途中でバトラーの襲撃にあっていたのだ。挙句の果てには放置されてしまったのだが、気力でここまでやってきて、船の甲板で戦う雪菜に雪霞狼を雪菜に渡すというアシストを行った。彼もまた、この島を守る者だった。
「俺は少し休めば大丈夫っす。だから那月ちゃんはアイツ等を……」
「教師をちゃん付けで呼ぶな馬鹿者。まあ、今日は勘弁してやろう」
明日はどうなるかわからんがな、と言い残し那月は転移で消えた。
「見逃してくれんのは今だけかよ――」
ぼやきながら、矢瀬はゆっくり目を閉じた。
「ふむ、転校生と合流して多少は落ち着いたか――」
ナラクヴェーラの群れ全体を確認できる場所で那月は古城を見ていた。流れ弾や古城の攻撃の余波をできるだけ押さえ込んでいるのだ。
避難はだいたい済んでいるのものの、逃げ遅れや、予測被害の範囲内から逃げきれていない者も多くいる。そのため最終防衛ラインとして那月はその場から動くのが難しかった。
古城は確かに第四真祖の力を受け継いでいるが、戦闘経験に関して言えばまだ素人だ。力はともかく精神的な余裕が若干失われつつあった。しかし、今は雪菜がいる。雪菜も見習いだが、戦闘訓練を受けた人間だ。古城の足りない部分を補うパートナーとして最適だった。
「っち!」
ナラクヴェーラから放たれた光線が那月に襲いかかってくる。
それを結界で弾く。
「要のやつは何をしている!? さっさと上がってこい!!」
その瞬間、那月の言葉に答えるように大きな地響きと轟音が起こった。
そして一瞬遅れて、ナラクヴェーラを吹き飛ばしながら地下へと落ちていた要が飛び出してきた。
◆
「う、うちは要! 貴方一体何をしたのよ!?」
要にお姫さま抱っこされた紗矢華が推定20メートルの高さで叫んだ。
「あまり大声出すなって。それと企業秘密だ」
「貴方企業の吸血鬼じゃないでしょ! さあ! 早く! 答えなさい!! 今すぐ!!!」
「ん~……奥の手?」
「あんた殴るわよ!? 眷獣出してなかったし――何かの魔術? いえでもそれなら獅子王機関から情報が来てるはずだし――ああ、もう!」
紗矢華は新たに発生した問題に頭を抱える。ちなみに右手には煌華麟をしっかりと握っているため要は内心
(あ、あぶねえな――)
と冷や汗をかいている。
「まあ、とはいえ貴方の眷獣と比べれば比較的被害は少ないわね」
「だろ?」
と行っても随分な被害が出ているのだが。
「取り敢えず下に降りるぞ。姫柊もいるようだし――」
「え? う、嘘雪菜が!?」
「ああ、取り敢えず降りるぞ」
「ちょっと待って! このままじゃ雪菜に勘違いされる――って、もう降りてるし! 違うの雪菜!! これはそのやむ得ず――見ないで⁉」
「――頼むから耳元で騒がないでくれ」
ぎゃーぎゃーと騒ぎながら降りてくる二人を古城と雪菜は何とも言えない表情でみていた。
◆
「二人とも無事か!?」
降り立った要と紗矢華に古城が話しかける。
「ふっ、鼓膜がダメかもしれん。それはそうと姫柊は自力で脱出したのか。やはり優秀だな」
「当然よ」
そう言う要に、紗矢華が大きく頷く。
「紗矢華さんご無事で何よりです」
「うん、雪菜もね」
そう言い二人は柔く微笑んだ。
「さて、残りのナラクヴェーラをなんとかしないとな――」
「うちはさん、ちょっと待ってください」
要がスサノオを呼び出そうとすると、雪菜がそれにストップをかけた。
「藍羽先輩は、ナラクヴェーラの制御コマンドを解読しながら、こっそり新しいコマンドを作ってたんです」
『ナラクヴェーラの自己修復機能を悪用して、連中を自滅させる―一種のコンピューター・ウィルスだな。名付けて『おわりの言葉』ってところか』
「ウィルスって……そんな簡単に作れるものなのか?」
「普通なら無理だな。流石は電子の女帝ってところか」
要は軽く顔を引きつらせていたが。そんなものを捉えられている状況下で作成した度胸と技量に舌を巻いている。
「ナラクヴェーラは音声コントロールです。指揮官機の中に入って、藍羽先輩が作った音声ファイルを流せば、すべての機体が停止するはずです」
「中に入るって……どうやってだ? もう俺のレグルス・アウルムの攻撃は殆ど通用しなくなってきてるぞ」
そう言って周囲のナラクヴェーラを見回す。自己修復を終えたものも含めてかなり数のナラクヴェーラが古城たちを包囲しつつあった。
『作戦会議は終わったか?』
指揮官機であるナラクヴェーラの女王からガルドシュの声が響く。
「丁寧に待ってくれるのはありがたいな。古城、そいつを使うにも、もう少し戦力があった方がいい。古城、煌坂ちょっと来てくれないか。あと、姫柊もだ」
要が手招きして三人を呼び寄せる。
「三人とも動くなよ――スサノオ!」
三人が近くに来たのを確認すると、スサノオを呼び出し天照で黒炎の壁を形成する。
「これで少しは持つか――姫柊、念のため周囲を警戒していてくれ」
「はい」
雪菜が周囲の警戒を始めたのを確認し、古城と紗矢華の肩に手を置く。
「ん?」
「ひゃっ!?」
「すまんが、引き続き緊急事態だ。少し霊力を貰うぞ。文句は後で訊くよ、多分」
「は?」
すると、要を仲介して紗矢華の霊力が古城に供給されていく。
「おい要、一体何をォォォォ!!」
突然爆発的な力が古城の中から溢れてくる。
「さっき学校で煌坂の霊力に引き寄せられる形で9番目が出てこようとしたからな。煌坂の霊力を餌に引きずり出す――。だから頑張って直ぐに制御しろ」
「制御しろって――どうやって!?」
「肉体的には問題ないはずだから、ほら、力を貸せと何とか強く思って9番目の意思を屈服させろ」
「簡単に、言い、やがって!!」
「直接叩きのめす必要がないだけマシだろ――」
「ていうか私を置いて話を進めないでよ!?」
すると要は紗矢華をみて首を傾げる。
「そんなに霊力持って行ってないはずだが――」
「そういう問題!?」
確かに使われた霊力はごく一部であるため紗矢華に負担は殆どないのだが、それとこれとは別問題のような気がすると紗矢華は言いたいのだ。簡単に言ってしまえば勝手にはじめるな! と。
「ほら、緊急時だし。文句は後で
「絶対! 絶対! 聞かせてやるんだから!! 覚悟しておきなさい!!」
紗矢華の要に対する態度を見て雪菜は目を丸くしていた。男性恐怖症の紗矢華は本来であればもっとキツイ対応を取るのが普通だった。実際にそういう姿を何度も雪菜は見てきた。
だが、今の紗矢華はどうだろう。怒っているのは間違いない。だが、雪菜の目には、要と紗矢華はじゃれ合ってるようにも見えた。
そして、古城は自身の中から溢れ出る力を必死に制御しようとしていた。
「頑張れ古城、お前がそいつを制御すれば作戦が高確率で成功しやすくなる」
要がそう言うと古城の脳裏に親しい人たちの顔が過ぎった。脳裏に過ぎった人たちを守りたい――。
「くっそォォォ! 力を――力を貸しやがれ! 双角の深緋(アルナスル・ミニウム)!!!」
緋色の双角獣が現れ周囲に膨大な魔力が吹き荒れる。その衝撃から二人を守るため橙色の巨人の上半身が三人を包み込んでいく。
衝撃が止むのとナラクヴェーラが黒炎の壁を突破するのはほぼ同時だった。だが、炎の壁を突破したナラクヴェーラたちは即座に古城の召喚した9番目の眷獣によって吹き飛ばされてしまったが。
「――お見事だ古城」
心底感心したように要は言う。第四真祖の眷獣の制御――それは並大抵のことではない。正直に言ってしまえば、もう少し時間が掛かると思っていたのだ。
「ああ……けど要。次があったら今度は先にやるって言ってくれ」
「まあ、善処しよう。後は、こいつらの動きを止めないとな」
「政治家みたいな言い方しやがって――」
一度吹き飛ばされたとは言え壊れるまではいかなかったため、ナラクヴェーラは再び集まりつつあった。そんな中に不用意に飛び込めば周囲の大量のナラクヴェーラの餌食になってしまうことは目に見えている。
「それは私がやるわ」
そう言って紗矢華が前に出た。
「――結構な量だが、大丈夫か?」
「ええ、煌華鱗の力を見せてあげる」
そう言って煌華鱗を前に突き出すと、煌華鱗の刀身が二つに割れ、鍔の部分を支点にして割れた刀身が180度動き、西洋弓へと姿を変えた。
「六式重装降魔弓。これが"煌華鱗"の本当の姿よ――」
そして流れるような美しい仕草で矢をつがえ、力強く弓を引き絞っていく紗矢華。
「――獅子の舞女たる高神の真射姫が讃え奉る」
雪菜とは異なる祝詞を紡いでいくと、"煌華鱗"が彼女の呪力を増幅し矢へと装填している。
「極光の炎駒、煌華の麒麟、其は天樂と轟雷を統べ、憤焔をまといて妖霊冥鬼を射貫く者なり―!」
祝詞を紡ぎ終わると、矢を空へと撃ち出す。大気を引き裂く甲高い飛翔音が、慟哭の声にも似た忌まわしい遠鳴りへと変わった。
「鏑矢――あの音は詠唱か?」
「そう、人体では唱えられない喪われた秘呪を詠唱するために開発されたのが"煌華鱗"よ」
なるほど、と要は納得した。
「お前がヴァトラーに付けられた理由が分かったよ。腕が立つとは思っていたが、これほどとはね」
雪菜の持つ雪霞狼もそうだが、煌華鱗は極めて扱いの難しい武器だ。それを当然のように扱えるということは紗矢華の呪術の腕前が如何に高いのかを物語っている。獅子王機関も紗矢華ならヴァトラーがもし暴走したら止められる力があると判断したのだろう。
鏑矢が唱えた呪文が上空でサブフロートを覆う魔法陣を形成し、そこから膨大な"瘴気"がナラクヴェーラへ降り注ぐ。すると機能を阻害されたナラクヴェーラたちが地面に伏せていく。
「――これで行けるな。俺が指揮官のところまで直線上の道を作るから一気に駆け抜けろ」
「わかった」
「行きます!」
それぞれの役目を果たすために動き出す。
「さて――」
要はスサノオの左腕に武器が出現した。その武器は十拳剣ではない。形で言うならば弓矢だろう。
だが、矢がない。なぜなら――
――加具土命
それは天照の炎を自在に操る技術。天照によって発生した黒炎は矢の形状に変化していき、黒炎の矢をスサノオが弓に添える。
「さて――タイミングを間違えたら不味いことになるが」
古城のアルナスル・ミニウムが周囲のナラクヴェーラを吹き飛ばす。それに合わせ黒炎の矢を放った。
だが、それだけでは終わらない。要はスサノオの弓を消し、次の行動に映る。スサノオの両手に三つ繋がった勾玉が現れる。
――八坂ノ勾玉
両手のそれを投擲。黒炎の矢に追従するように飛ぶ。黒炎の矢がナラクヴェーラを貫通していき、八坂ノ勾玉がその周囲を破砕し吹き飛ばしていく。そしてその攻撃はナラクヴェーラの女王の足場を粉砕してその役割を終えた。
要の言葉の通り、ナラクヴェーラの女王に続く直線の道ができた。
「振り返る必要はない、行け!」
古城と雪菜が走り出す。
二人の後ろでは要と紗矢華が援護し――そして。
◆
全てのナラクヴェーラが機能停止し、古城と雪菜がガルドシュと捕まえているのを見届けてから要は海上をみる。そこには、船体に大穴を穿たれ沈んでいくヴァトラーのオシアナス・グレイヴが沈んでいく光景だった。
その光景を見ながら要は心の底から思った。
ヴァトラーざまぁ!
と、性格が悪いと思うかもしれないが散々迷惑かけられたのでこれくらいは勘弁して欲しいと思う。できることなら自分で沈めたかった。
もっとも、船が沈んだところでヴァトラーは大して気にもしないだろうが。
「……」
「ん? 煌坂、姫柊のところに行かなくていいのか?」
「――今だけは見逃してあげるわ。やらなくちゃいけないこともあるし」
「そうかい、ヴァトラー付きも大変だな」
のんきな要に紗矢華は笑いかけた。
男であれば誰もが魅了されてしまうような微笑みだ。
だが、残念ながら要は彼女の瞳の奥にある、要にとって非常に不穏な気配を感じ取ってしまった。
「……あの、煌坂さん? やらなくちゃいけないこと、とおっしゃると?」
「ふふ、自分の言葉を思い出してみなさい」
そう言われ要は少し前の自分の言葉を思い出す。
『ほら、緊急時だし。文句は後で
『絶対! 絶対! 聞かせてやるんだから!! 覚悟しておきなさい!!』
こう言ったのだ。そう、
「いくらでも聞いてくれるのよね。さあ、覚悟はいいわね?」
「……えっと、それは後日お洒落なカフェとかでどうですか?」
「駄目よ」
「……せめてお手柔らかにお願いしたいのですが?」
「そこに正座しなさい」
「……」
このあと、めちゃくちゃ文句を言われた。