孫悟空とウマ娘   作:猫ネコ

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無知な子供を守るのは大人の役目


頼れるモノ達  ー 中編 ー

 

 

 

〈男とキング達の間に突然入り込んで来た正体。

中央トレセン学園理事長の秘書を務める駿川たづなだ。彼女の登場により男は後退し、ウララ達は安堵の表情を浮かべるが、まだそんな暇はないのだ。〉

 

 

たづな「おままごとにしては、いささかハード設定だと思うのですけどねぇ。『貴方達早く逃げなさい』

 

スカイ「・・・キング」

 

キング「・・・」コクン

 

ウララ「え、でも、、たづなさんは?」

 

 

〈ウマ娘のみ聴こえる様に小さい声で指示を出す。

まだ恐怖の名残もあり、上手に歩けないが、ゆっくりと後ろに脚を伸ばしていく。〉

 

 

男「おい!逃げるな!!さっさと言わないとこの女も殺すぞ!!」

 

たづな「そんなに大きな声を出さないでください。……赤織新聞社さん。」

 

男「!!?」

 

キング「!?、、やっぱり嘘だったのね。」

 

エル「しかも赤織といえば、過激な取材として警察沙汰にもなっていたはずデス。」

 

たづな「そして確か4年前にトレセン学園は立ち入り禁止にした筈ですけど?○○さん。」

 

男「なっ!!?」

 

たづな「年月が経てば平気だと思ったのですか?まぁ一回しか顔を合わせてないですからね。」

『何をしているんです。早く行きなさい』

 

キング「…はい。行くわよみんな。」

 

ウララ「っっでも。」

 

グラス「行きましょう。このまま居てもたづなさんの邪魔になってしまいます。」

 

男「くそ!最初からハルウララが1人の時に行けばよかった。

だけど俺だってこのまま帰る訳にはいかねぇんだよ!!」

 

たづな「クッ!貴方達走りなさいッ!!!」

 

 

〈もはや逃げられないと感じたのだろう。男は刃先をこちらに向け、叫びながら走って来た〉

 

 

スペ「きゃあぁぁっっ!!」

 

スカイ「た、たづなさん!!」

 

たづな「止まるな!早くッ!!」

 

 

〈今や格闘技の選手などで刃物の対処法などを解説してるものは少なくない。体重や関節などの利用し、効率的に捌ける手段を教えてくれている。そこにウマ娘の力も加われば何も問題はないだろう。

 

目の前で刃物を持ち、殺意をぶつけてくる相手に冷静に出来ればの話だが。

 

いくら護身術を習おうとも実践では心が、身体がついてこない。

それは駿川たづなも例外ではなかった。〉

 

 

男「うおぉぉぉおおお!!!」

 

たづな「・・・・・・」ギリ

 

 

〈だけど、この男だけは逃がさない。あの娘達には指一本触れさせない。

駿川たづなのとった手段は単純だった。

 

  あえて刺されて死んでも離さない。

 

この時たづなは自分が死ぬ事よりも、後ろにいる未来ある娘達が傷つく方が怖かった。〉

 

 

スカイ「いや!お願いやめてよ!!」

 

エル「たづなさんも一緒に逃げてくだサイっ!!」

 

キング「ぅ…っぁ…っっグラスさん!!」

 

グラス「っっ……はい!行きましょう!!たづなさんの覚悟を無駄にしないでっっ!!!」

 

スペ「そ、、んな、いやだよぉ、、、」

 

ウララ(たづなさんがしんじゃう。ウララのせいで…)「・・・けて。」

 

男「死ねぇぇぇっ!!!」

 

たづな(この男だけは絶対に!!!)

 

 

 

   「助けてよ!!

 

         悟空さんっ!!!!」

 

 

 

〈最期の瞬間まで目を離さないと男を睨み続けるたづなだったが、目の前を埋め尽くしたのは真っ赤な血の色ではなく山吹色。

 

その色を見た、たづなは張り詰めていた緊張がフゥっと解け、呟いた〉

 

 

たづな「もうダメかと思ってました。ありがとうございます。 

       

       悟空さん。」

 

悟空「随分と危ぇとこだったな。オラの方こそ遅くなってすまねぇ。」

 

 

〈孫悟空。その力は未知数。生前はあらゆる強敵と闘い、勝利し、宇宙最強の称号を手にした男。

襲いかかってくる"刃の部分"を掴み、男の攻撃を止めていた〉

 

スカイ「……悟空さん。」

 

グラス「フゥ。、、、ふふっ、良かった」

 

エル・スペ「「悟空さん!!」

 

キング「〜〜っもう。肝心な時に遅いんだから」

 

ウララ「ご、、くう、さん。」

 

悟空「ん?おお!おめぇ達も良く頑張ったな!もう大ぇ丈夫だぞ!!!

まぁ、それより今はお前ぇの方だな。」

 

男「な!なんだこの男は!?離せッ!お前も殺すぞ!!」

 

悟空「殺す、、か。確かに今のお前はやりそうだ。」

 

   ーーーーーガキンッ!

 

 

〈刃を掴み、ほんの少し力を入れる。ただそれだけで根本からポッキリと枯れ木の様に折れてしまう。〉

 

 

男「なっ、、、折れっっ!!」

 

悟空「この程度オラからしたらなんて事ねぇ。たづなだって出来るだろうしな。

けど、そんな事どうだっていい。お前ぇ、よくもたづなを殺そうとしやがったな。」

 

男「ハッ!その女が出しゃばるからだ!!俺が用があった、、の、は、、、、」

 

 

〈男は二の句が継げない。自分でも不思議がっている時に地鳴りの様な音が耳に伝わってきた〉

 

 

たづな「じ、地震ですか。」

 

スペ「こんな時に…。」

 

スカイ「大丈夫だと思うけど・・・悟空さん!少し気をつけ、、!!?」

 

 

〈スカイの言葉が止まる。だんだん大きくなる地震に注意しようと声をかけるが、ウマ娘としての本能か、生物としての違和感か、悟空に声をかける事が出来なかった。〉

 

 

悟空「この世界にはドラゴンボールは無ぇ。あのまま死んじまったら生き返る事なんて出来やしねぇんだ。」

 

 

〈ポツポツと語りかける様に話す。その代わりに少しずつ揺れも大きくなっていく。

悟空には話しかける事が出来ない。

気づいてしまった。悟空から浴びせられる強大な圧力とそれに比例する地震の様な揺れ。〉

 

 

グラス「まさか。そんな事、あるわけ、、」

 

エル「グラス?どうしtっっ!!?」

 

 

〈男は甘かった。言葉が発せなくなった時点で脇目も振らずただ逃げれば良かったのだ。

悟空は怒りと同時に少しずつ"気"を解放していく。

地面から音が鳴り、草木は喚き、大気が震えているような感覚。

 

対峙している男は腰が砕け座り込んでしまった。

ようやく理解したのだ。自然とは言い難い、不自然な現象の正体。

現実離れをしていて、人に話しても妄言だと言われてしまうだろう。

だがまぎれもない事実。

 

この現象はこの男が引き起こしているものだ〉

 

 

男「あ、、ご、すみ、すみませ、、ん。ゆ、許してくだ、さい。」

 

 

〈もうこれまでの男とは見る影もなく、恥や外聞を捨て、くしゃくしゃな顔をしながら許しを乞う。

だが悟空は、もう少しでたづなや、ウララ達も取り返しのつかない事になっていたと考えるばかりで、その"気"は一段と膨れ上がった。〉

 

 

悟空「勝手な事ばかり言いやがって。お前みたいな奴でもそんな物振り回りしてたらあいつらだって怖かった筈だ。それにオラがほんの少しでも遅れていたら、たづなは死んでたかも知れねぇんだぞ」

 

たづな「・・・悟空さん。」

 

悟空「……やりすぎだ。悪さが過ぎたな。

 

 

   ーーーこのクズヤロォッ!!!!」

 

 

〈叫ぶと同時に"気"のかたまりが弾け飛ぶ。猛獣に囲まれる恐怖程度ではない。生涯で見た事もないような激昂した表情。それに呼応して髪の毛はバサバサと揺らめき、悟空と呼ばれた男の身体は筋肉か何かで膨れ上がった。

 

そんなを怪物を間近で見た男は。〉

 

 

男「ーーーーーガクッ」

 

 

〈気を失っていた〉

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

悟空「あちゃあー、やり過ぎたなぁ。」

 

たづな「でしょうね。自業自得とは言え、この男には同情しますよ。」

 

ウララ「悟空、、さん。え、っとね、、」

 

悟空「おぉウララ。怖かったろ?ほれ、抱っこしてやっからこっち来い。」

 

 

〈目に涙を浮かべ、何か言いたげなウララに対し、悟空は抱っこして訳を聞いた〉

 

 

悟空「もう大丈夫だ。心配はいらねぇぞ?」

 

ウララ「グスッ…ウァ…ち、違うの。ウララが居たから。ウララのせいでなった事だから!!!」

 

キング「!!!それは違うわ。ウララさんはひたすらに頑張っただけよ。悪いのは全部あの男だわ!」

 

スカイ「そうだよ。ウララが泣く事ないって!」

 

エル・スペ「「うんうん!」」

 

グラス「それにあんな男に泣かされるなんて勿体無いですよ。分かる人には全部伝わってますよ。元気出してください」

 

悟空「オラは何の事か分かんねぇけど、みんなこう言ってんじゃねぇか。気にする事ねぇさ」

 

ウララ「で、でも!"たづなさんだって"ぇぇ!!」

 

たづな「結果的に大丈夫でしたので良かったではありませんか。どうせなら謝罪よりも他の言葉が欲しいのですけどねぇ。」

 

悟空「だってよ。言ってやれウララ。」

 

ウララ「ーーーうん。ありがとね!たづなさん!それにみんなも!!ありがとっ!!!」

 

 

〈ウララの満面の笑みにより、事件は一件落着。ーーーなのだが、1人だけ頭を抱えているものがいた。〉

 

 

悟空「んで、たづなはさっきから何うなってんだ?」

 

たづな「あーいえ。この男の対処法を考えておりまして」

 

キング「対処って一応殺人未遂でしょうし、警察に突き出せばいいのでは?」

 

たづな「それが普通なのですが、警察にいって洗いざらい説明したら問題が増えるんですよ。」

 

悟空「問題ってなんだ?」

 

たづな「貴方の事ですよ!ただの警備員でいけるでしょうけど、メディアとかに調べてられてはボロが出ます。」

 

悟空「オラは別に知られても良いんだけどな…」

 

たづな「特別な人に教わったウララさんが強くなるのは当たり前。」

 

悟空「・・・え?」

 

たづな「決してずるい事はせず、強くなってるウララさんですが、人外な貴方に教わったウララさんの風評は変わるでしょう。それが良いものとは限りません。」

 

グラス「なるほど。無きにしも非ずですね。」

 

たづな「前まではもう少し楽観的だったのですが、今回みたいな事が起こると、より一層、貴方の事は隠していたいのです。」

 

スペ「でもこの人にもちゃんと反省してもらいたいよね」

 

たづな「そうなんですよ。はてさて、どうしたものか」

 

悟空「反省かぁ、、、あ!オラにいい考えがあんぞ!」

 

たづな「本当ですか?」

 

悟空「あぁ場所は変えるけどな。オラに捕まれ。あ、着いてくんのはたづなだけだ。おめぇ達はやよいとかに説明しといてくれ。

後でそっちに行くからよ」

 

キング「??まぁ分かったわ。」

 

ウララ「悟空さん!たづなさんも!ほんっとーにありがとね!!」

 

たづな「いいえ、みんな無事で何よりです!、さて捕まればよろしいのでsーーっあら?」

 

 

〈ウララに笑みを返した後、悟空に捕まろうと手を伸ばした時にこれまでの緊張や、死を目前にした恐怖が今頃なってやってきて、膝が崩れてしまい、悟空の胸元に寄り添う様に倒れてしまった〉

 

 

悟空「何だ、たづな。今頃になって足にキたんか?」

 

たづな「え、ええ。すみません。ーー!って貴方達!?」

 

 

 「「「「「「あら〜〜」」」」」」

 

 

キング「ウララさん、見てはいけないわ。」

 

たづな「いや良いですよ!」

 

スカイ「おやおや〜?たづなさんも隅に置けないですなぁ」

 

たづな「何の事ですか!?」

 

ウララ「わぁぁ!あれが'らぶらぶ'ってやつだよね?」

 

たづな「違いますね!」

 

エル・スペ「「フゥゥゥ⤴︎」」

 

たづな「やめなさい!!」

 

グラス「うふふ。」ニコニコ

 

たづな「…それが1番怖いです。ッッさぁ悟空さん早く行きましょう!!」

 

悟空「お、おう!んじゃ行くぞ?」"シュン"

 

 

《行ってらっしゃーい!!》

 

 

 

 

 

           

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