孫悟空とウマ娘   作:猫ネコ

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怠け過ぎてごめんなさい。
これから長くても2週間以内には投稿するつもりです。


彼女達の日常

 

 

 

ー 前回のあらすじ ー

 

 

 

悟空「おめぇは弟子で」

 

ウララ「あなたは師匠」

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

悟空「〜〜〜〜」 

 

 

早朝5時。

悟空は噴水の音をBGMに、鼻歌をしながら三女神の像を掃除していた。

 

 

悟空「女神か…オラの世界にはいなかったけど、おめぇも神様なんだってな」

 

 

雑巾で擦る所からはキュッキュッと音が鳴り、綺麗になっていく様を聴覚から感じ取った悟空は笑みを浮かべる。

 

朝早くから何をやっていると言われそうな悟空だが、ちゃんとした理由が存在した。

それは女神像の位置。

噴水の中央にあり、尚且つ台座に乗っているため、とても高い所にあった。

舞空術を用いながらの掃除は見られてはいけないと、朝早くから行う必要があったのだ。

 

 

悟空「ーーーーと、こんなもんか?…見ただけじゃ分かんねぇけど、多分綺麗になったろ」

 

 

目、と呼んで良いのか分からないが、顔を合わせて話す悟空。

 

 

悟空「神様がこの世界で本当にいんのか知らねぇけど、おめぇも神様ならウマ娘の事頼むぞー!」

 

 

神様という者を誰よりも知っている悟空は三女神の事を聞いて無視は出来なかった。

 

    願うは自分が消えた後の事。

 

"んじゃまたな!,,と軽いノリで言うと、悟空はスタスタと学園の方へ歩いて行った。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

〜 午後の食堂 〜

 

 

キャッキャ

 

ワイワイワイ

 

 

スカイ「ーーあははっ。さすが悟空さん!」

 

グラス「門限過ぎてる事に気づいてないとは…」

 

キング「寮長のフジ先輩からウララさんの事聞かれた時には肝が冷えたわ」

 

スペ「多分フジ先輩って悟空さんの事知らないよね?」モグモグ

 

キング「そうなのよ。だから探しに行かれるとマズイと思って返答も聞かず飛び出したわ」

 

エル「そしたら案の定ウララはトレーニング中だったわけデスカ」

 

キング「いえ、トレーニングは終わってたわ。ウララさん倒れて動かなかったし。あの人って顔に凄い出るから"やってしまった,,って聞かなくても分かったわ」

 

スペ「最近またハードになったみたいだね」モグモグ

 

グラス「先日のプールの時間では、1人だけ思いっきり泳ぎ過ぎて溺れたって言ってましたよね。……以前ならやりすぎだと思いましたが、今ではそれが当たり前な感じがします…」

 

エル「ウララ…さてはサイヤ人因子を継承してますネ」

 

スカイ「何その因子…ウララの髪の毛金色になったらキングママに怒られるよ」

 

キング「誰がママよ!第一最近あの子の事あまり手伝ってないのよねぇ。…成長してる証拠だわ」

 

スカイ「その感想がママなんだって。…あれ、でも朝は起こしてるって言ってたよね?」

 

キング「ええ。手伝う事が減ったってだけで全部ではないもの」

 

スペ「ちなみに今は何を手伝っているの?」モグモグ

 

キング「そうねぇ…半分は減ったから……。

朝起こすのと、服着替えさせるのと、髪を整えるのと、朝ごはんだけは食べさせているわね。後、授業で使う道具を確認して、悟空さんから渡されてるお小遣いの管理。……ああ、ドライヤーはしてるわ。あの子無頓着だから。それから……?…みんなして何を変な顔してるのよ」

 

 

スペ・スカイ・グラス・エル

『・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

一言で言うと………引いた。

普段はキングママや過保護などと茶化しているが、いざ蓋を開けてみるとその程度ではなかった。

 

 

スカイ「・・・」ジー

 

グラス「・・・」ジー

 

エル「・・・・」ジー

 

スペ「っ!?」

 

 

"誰か何か言え,,。否、聞いた本人なんだから何か言えと視線がスペに集中放火した。

 

 

キング「???」

 

スペ(ええええぇっ!なんて言えば良いの!?キングちゃん良いお母ちゃんだね!はダメだし……私にもお願いっ…とか言ったらグラスちゃんのカミナリくらいそうだし……あっ!)

「ちょっと話変わっちゃうけどさ!」

 

 

スペが思いついた策は、話のすり替え。

よくある事だから誰も不思議には思わないだろう。

 

ーーその題材には問題がなければ。

 

 

キング「ムッ…スペさんが聞いてきたのに」

 

スカイ(やるじゃんスペちゃん)「なになに?」

 

スペ「この前の毎日王冠!スズカさんカッコ良かったね!」

 

キング(っ!スペさぁん!?)

 

スカイ(まじかぁ…やっぱスペちゃんはスペちゃんだったなぁ)

 

 

笑顔満点なスペシャルウィーク。

毎日王冠と言えばG2の中でも強者が集まるが故、スーパーG2とも呼ばれている。

その中で白星をあげたのがスペの憧れサイレンススズカ。スペはスズカを倒すべき相手と認識したが、それとこれとは別。同じチームの子が勝って嬉しいのだ。

 

では何故キングとスカイが頭を悩ませているのか。

 

 

グラス「・・・・・・」

 

エル「・・・・・・」

 

 

眉間にシワを寄せているこの2人が原因だった。

 

 

スペ「私今でも動画で見たりするもん!さすがスズカさんだよね!」

 

スカイ「そ、その辺で、」

 

スペ「絶頂期のグラスちゃんとエルちゃんにまとめて勝つって、やっぱりレベルが違うよねぇ。私も劣ってるとは思わないけど、あれだけグラスちゃんとエルちゃんが離されたら、ちょっと怖気ついちゃうかも」

 

キング(スペさんわざと?わざとこの2人の名前強調してるの!?)

 

 

影を踏む事さえ許さなかった大逃げのサイレンススズカ。スペに限らず憧れをもつウマ娘は多いのだろうが、負けたばかりのウマ娘の前で話していい内容ではない。

案の定グラス達は愛想笑いもせず、ハイライトを失った目で真っ直ぐ見つめた。

 

 

スペ「ねぇ、エルちゃん」

 

 

だが興奮しているスペは2人の様子に気づかない。

 

 

エル「ケ!?………………ナンデスカ?」

 

スペ「エルちゃんってさ、スズカさんの事マークしてたよね?最後の直線にはフリーで2番手につけてたし」

 

エル「・・・・・・・・・・・ハイ」

 

スペ「なのにスズカさんは差を広げて逃げ切った!」

 

エル「・・・」

 

 

満面の笑みで両手を上げるスペ。無意識に煽りまくっていた。

スカイとキングは声をかけるが、まだ喜びを共感したいスペは留まる事を知らない。

 

 

スペ「ねぇ、グラスちゃん」

 

グラス「!……………なんでしょう」

 

スペ「グラスちゃんってリギル時代からスズカさんの事知ってるせいか仕掛け時バッチリだったね」

 

グラス「…ええ」

 

スペ「なのにスズカさんの方が上がり3ハロン速かった!」

 

グラス「・・・」

 

キング「も、もう分かったから落ち着きなさいな」

 

スペ「えーっ、まだ直線からのスパートが残ってるのに…」

 

スカイ「分かったって!スズカさんの速さは私も知ってるから」

 

スペ「だよね!とってもすごくすごいよね!」

 

キング「何なのよその言い方…興奮し過ぎて語彙力おかしくなってるわよ」ハァ

 

スペ「えへへっ……ちょっと騒ぎすぎちゃいました」 

 

グラス・エル『・・・・・』

 

 

煽りに煽りまくったスペは落ち着きを取り戻した。

するとその後、余計な力を使ったのだろう。可愛らしい音が響き渡った。

 

 

ーーーーキュルルルッ!!!

 

 

スペ「っ!」

 

スカイ「スペちゃん…食べ終わったばかりなのにお腹減ったの?」

 

スペ「あ、はは………恥ずかしいっ!」///

 

キング「ダイエット中なら我慢ね」

 

スペ「ぁぅ…」

 

グラス(・・・・・)

 

 

耳まで垂れ下がったスペをグラスは見た。

 

 

グラス(…あらあら……そんなに食べたいのなら食べさせてあげましょうか。ねぇ?…エル)

 

エル(!!!…………OKグラァス)

 

 

アイコンタクトで通じ合うとエルは即座に行動した。

 

 

エル「スーぺちゃん!鶏肉なら脂質は少ないのでコレ食べてくだサイ!」

 

スペ「ふぇっ…良いの!?……あ、でも…食べ過ぎると太っちゃうかも…」

 

グラス「その程度は誤差の範囲では?スイーツ食べる訳ではないですし良いと思いますよ」

 

 

淡々と後押しをするグラス。

真っ先に止めるだろうと考えていたスカイとキングは口をポカンと開けていた。

 

 

スペ「グラスちゃんがそう言うなら…」

 

エル「ハイ!さっ、口開けて。アーンしまショウ!」

 

スペ「ええええっ!私自分で食べれるよ!?」

 

エル「良いから良いから。ハイ、あーん」

 

スペ「あぅ…」

 

 

人懐っこいスペだが、彼女にとって"あーん,,とは相当恥ずかしい事らしく、ほんのり顔を赤らめモジモジしていた。

しかし食欲には敵わない。

鼻腔をくすぐる匂いと優しげなエルの表情に後押しされ、ゆっくり顔を近づけた。

 

 

エル「スペちゃん。あーんは?」

 

スペ「あ、あーん///」

 

 

パクリ、とお肉の塊を一口。

モニュモニュと味わうように食べているスペは…

 

 

スペ「……ッッッッ辛ぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

 

 

食堂にいながらも脇目を気にせず叫び散らした。

口内で暴力的な辛味という刺激が猛威を振るったせいだ。

 

涙を流してアワアワとしている姿に見兼ねたグラスは助け舟を出した。

 

 

グラス「エル。あなたは普段デスソースをかけているでしょう。アレは常人にはとても食べれませんよ」

 

エル「そうデシタか。初めて知りマシタ。スペちゃんごめんなさいデス」

 

グラス「全く。・・・はい、スペちゃん。お水です。飲んでください」

 

スペ「ッッ…あっ、あひはふぉへ」(ありがとね)

 

グラス「いえ」

 

 

ーーーゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク

 

 

スペ「〜〜〜ふぅ。…落ち着いtっ、いッッッだああぁぁあぁあぁぁあ!!!!」

 

グラス「あら?」

 

エル「あ、駄目デスよグラス。激辛って水では消えず悪化すると言われてマース」

 

グラス「へぇ。初めて知りました。申し訳ありません」

 

スペ「ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!……いひゃいよぉ…」

 

エル「とりあえず口直ししまショウ。辛味成分のカプサイシンは油分を含んだ物で消してくれマス。これを食べて相殺デース」

 

スペ「う、、ん、……あむっ、、、カラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

 

エル「あちゃあ…コレにも入れていた事忘れてマシタ」

 

グラス「っもう、エルったら。……お茶なら平気ですかね?スペちゃんどうぞ」

 

スペ「ひ、ひぬぅ。〜〜っ!あ"あ"あ"あ"ああ"あ"あ"あ"!!!!!」

 

グラス「?…今度はどうしたんでしょう」

 

エル「ン?…あー、お茶のチョイスは良いデスけど、HOTなのが駄目デスネ。刺激が強くなりマス」

 

グラス「そうなんですか?また一つ賢くなれた気がします」

 

エル「それは良かった。………本当に良かったデス」

 

グラス「ええ。スッキリしました。………何がとは言いませんけど」

 

スペ「ーーーーーー」チーン

 

 

エルとグラスは撃沈したスペに目を向けた。

もちろん心配はしていない。それどころか冷たい視線を送っていた。

 

 

スカイ(そりゃ怒るって…)

 

キング(自業自得ね…)

 

 

 

     ・

     ・

     ・

 

 

 

スペ「〜〜〜〜ぷはぁっ!やっと戻ったぁ」

 

 

汗だくのスペが憔悴状態のまま呟く。

 

 

エル「ふんっ。スペちゃんが意地悪だから罰が下ったんデス!」

 

スペ「ごめんねエルちゃん。つい…」

 

スカイ「ほんとスズカさんの事になると熱くなるねぇ」

 

キング「誰かを尊敬出来るのは良い事だけれどスペさんの場合は悪い所でもあるわね」

 

スペ「反省してます…」

 

グラス「…………まぁ、負けたのは事実ですし、それは百歩譲りましょう」

 

スカイ(譲ってないけどね)

 

グラス「いくらスズカさんの事で興奮したとはいえ、あなたが私達を煽る事は出来ないと思いますけどねぇ……京都大賞典7着のスペシャルウィークさん?」

 

スペ「っ!」ビクッ

 

 

数秒前まで流れ続けた汗が一気に乾く。

スペは青ざめた顔をした。

 

 

スカイ「確か…同日に関西でやってたね。スペちゃんが7着って珍しいけど、調子でも悪かったの?」

 

スペ「!あ、実は寝不足で…」

 

グラス「にしてはお腹出てましたねぇ。噂で聞いた話ですけど悟空さんの抑止を無視して食べ続けた。とか?」

 

 

またも吹き出す汗。止まったり流れたりと忙しいが、それに同調して心臓がドクンドクンと大きく鼓動している。

 

 

スペ「え、っと……その…」

 

グラス「・・・・・」

 

 

ジーッと見てくるグラスに何とか逃れようと必死に思考を巡らせた。

そして思いついた策。この策が有効なのは先程立証済みだ。

 

 

スペ「・・・あっ、そういえば!ちょっと話変わっちゃうけどさぁっ、」

 

グラス「変えさせませんけど?」

 

 

無理だった。

 

 

スペ「………悟空さんが私の前で美味しそうに食べるから」

 

キング「………その時私もいたけど、後から来たのはスペさんよ?」

 

グラス「他に言い訳があるならどうぞ?」

 

スペ「ごめんなさい」

 

グラス「私があれだけ言ったのにっ…レースに合わせて調整出来ないとは何事ですかっ!!」

 

スペ「ごめんなさぁぁぁい!反省してるから怒らないでぇ!」

 

グラス「いーえ!誰かが言わないとスペちゃんは分からないので私怒ります!」

 

スペ「許してよぉ。…もう気をつけるから!本当にっ。絶対!」

 

グラス「むぅ…」

 

 

涙目で下から覗きこんでくるスペに強気で出れないグラス。

"ですが,,や"しかし,,など顎に手を置いてブツブツ言うグラスにキングは溜息を吐いた。

 

 

キング「はいはい。あなた達騒がしいからその辺にしておきなさい。スペさんは後で併走でも付き合ってあげるからそれで発散しましょ」

 

スペ「き、きんぐちゃぁんっ!」ウルウル

 

グラス「ハァ…スペちゃんに甘いんですから…」

 

エル(グラスが言うなデス。それにキングだって加担してマシタけどネ…)

 

 

 

     ・

     ・

     ・

 

 

 

 

スカイ「そういえば、私達の次のレースは菊花賞だけど、グラスちゃんとエルは決まってるの?」  

 

クラシック路線を突き進むスカイ達は最後の冠である菊花賞を控えている。

単純に気になったスカイだが、待ってましたと言わんばかりにエルが食いついた。

 

 

エル「ハイハーイ!エルは凱旋門賞に出マース!」

 

スカイ「っまじか!」

 

 

凱旋門賞。フランスで行われる世界一と名高いG1レース。日本のウマ娘にとって因縁とも呼べるレースだ。なにせ…、

 

 

スペ「日本のウマ娘が一度も勝った事が無いレース…だよね」

 

スカイ「うん。…勝算あるの?」

 

 

同期達の不安な表情や声…。

それに対してエルは、猛禽類の如く目付きを鋭くし、口角を頬まで裂いたようにしながらニヤリと嗤った。

 

 

エル「勝負はやってみなくちゃ分かりマセーン!ただ胸を借りるつもりはないデス。隙あらば倒してマンボの餌にしてやりマス!」

 

スペ「マンボって何?」

 

エル「エルが飼ってるコンドル」

 

グラス「鷹でしょう」

 

キング「・・・まぁ、何でも良いけど…ヤル気があるのは良い事だわ。1着を獲ればキングの次に一流って言ってもいいかもね」

 

エル「なぁっはっは!ノーセンキューデース!エルは今でも"超,,一流なので!!」

 

キング「・・・超一流?」

 

エル「イェース!」

 

キング「このキングより上のつもり?」

 

エル「事実デスから!」

 

キング「そう。……表に出なさい。成績が全てじゃないって事教えてあげる」クイッ

 

エル「ノッた」ガタッ

 

スペ「ストーーーップ!!!」

 

 

顎を突き動かすキングに不敵な笑みを作るエル。

一瞬で出来た殺伐とした雰囲気をスペは手を振ってかき消した。

 

 

スペ「っもう!みんな最近血の気多いよぉ」

 

グラス「そうですねぇ。ウマ娘の(さが)だとしても私達は女学生。もう少しお淑やかにいるべきでしょう」

 

エル「・・・・薙刀振り回すウマ娘が」プッ

 

キング「お淑やか」ククッ

 

エル・キング『ヤマトナデシコッ!!!』

 

グラス「あ、とりあえず1600mでどうですか?嫌ならあなた達が得意な距離で良いですよ。どうせ結果は同じですから」ガタッ

 

スペ「ダメだってばぁっ!もおおおおおおっ!!」

 

スカイ(みんなもサイヤ人因子が受け継がれてる…)

 

 

 

     ・

     ・

     ・

 

 

 

キング「私とした事が…悪かったわね」

 

エル「ソーリー…」

 

グラス「申し訳ありません。私が未熟者でした…」

 

スペ「ハァ………お話、戻そっか」

 

 

スペの未だかつてない怒髪天を衝いた耳と尻尾がゆっくり垂れ下がるとキング達は心を撫で下ろした。

もうスペシャルウィークを怒らせてはならない。彼女達は語らずとも同じ事を思っていた。

 

 

スカイ(まさかスペちゃんがツッコミ役も出来るとは…)「それで、グラスちゃんは次どこ走るの?」

 

キング「もしかしてグラスさんも海外予定なのかしら?」

 

グラス「いいえ?私の舞台は日本。そして秋の天皇賞を狙っています」

 

スペ「秋天かぁ……秋天!?」

 

 

特別な事ではないのにエルの凱旋門賞以上に驚くスペ。

そんなスペに想像していたのかグラスは"ふふっ,,と笑った。

 

 

グラス「そう秋天。ーースズカさんの次走と同じレースになります」

 

スカイ「わおっ!リベンジかな?」

 

グラス「ええ。勝利を前提として有馬記念に向けたレースのつもりですが、リベンジだと考えています。……勝ち逃げは許しません」

 

スペ(!………………………ふーん)

 

エル「ムムッ。それはワタシも悩みマシタが先にとられるとは……しょうがないデス。譲りまショウ」

 

グラス「エルの許可は必要ありませんよ。ですが、ありがとうございます」フフッ

 

キング「スペさんの次はスズカさんを狙うのかしら?」

 

グラス「何やら語弊がありそうですが、遠からず、ですかねぇ」

 

スペ(・・・・・)

 

グラス「コンディション抜群で挑んだ毎日王冠。エルにも負けて3着。情けない走りをした自分に腹が立ちます」

 

エル「なっはーっ!……と、笑い飛ばしたい所デスが、エルも負けた事に変わりマセン。だけど…エル達の強さはこんなもんじゃないデース!」

 

グラス「当然。それを見せつける必要がありますね」

 

キング「2人とも一筋縄じゃいかないレースだけど、その気合いがあれば充分ね。応援してるわよ」

 

エル「サンキューデース!」

 

 

各々が暴れるレースを認識した所でグラスは突如狼狽えはじめた。

 

 

グラス「あ、あの……っ、、スペちゃん?…どうかしましたか?」

 

スペ「・・・・・」

 

 

頬杖ついてそっぽ向いている。彼女らしからぬ態度に困惑するが、当の本人は注目の的になってもムスッとしていた。

 

 

グラス「す、すぺちゃ、」

 

スペ「グラスちゃんさぁ。私に勝ってるからって調子に乗らないでよね」

 

グラス「!?!!?」  

 

 

グラスは聞いた事が無いスペの強めな口調に青ざめた。

 

 

グラス「乗ってませんよ!?…え、え?スペちゃん何か怒ってますか?私何か失礼な事っ…」

 

エル(確か、後輩の子がグラスは冷静でカッコいいって言ってマシタネ。・・・そんな事ないデスヨ)

 

 

それでも自分が悪い事をしたのだろうと、胸の前で指先をクニクニしながらスペを見つめた。

 

 

スペ「ううん。失礼なんてないよ。グラスちゃんはスズカさんに夢中なだけだもんね。……グラスちゃんが私を見てない間に、覆しようがないほどの差つけちゃうから」

 

キング(あら…これはまさか、)

  

グラス「?・・・どういうつもりで言ったのかは知りませんが、私がスペちゃんから目を離す事はないです。故にスペちゃんが私に勝つ事はあり得ない」

 

スペ「!……グラスちゃんはそれで良いんだよ」

 

グラス「?…そ、うですか?」

 

スカイ(・・・スペちゃん、君もそうだったんだね…)

 

     ・

     ・

     ・

 

 

 

 

 

キング「んん"っ!……フゥ。そろそろ良い時間ね。スペさん併走トレーニングするわよ」

 

スペ「うん!ありがとね。よろしくお願いしますっ」

 

エル「Hey!エルも参加シマァス!」

 

グラス「お手柔らかに」

 

スペ「エルちゃんに、グラスちゃんまで!?んー、それじゃあ模擬レースにしない?本気出さなかったら今後のトレーニングに影響出ないだろうし」

 

キング「頭も使うしその方が燃焼出来そうね」

 

グラス「ふふっ、楽しくなってきました」

 

スカイ「元気だねぇ。キミ達は」

 

スペ「セイちゃんもそれで良い?」

 

スカイ「良くないねぇ。何故ならセイちゃんはお昼寝タイムだから」

 

スペ・キング・エル・グラス『・・・・』

 

スカイ「・・・何さ、その顔。言っとくけど私は最初からやるって言ってないからね?」

 

キング「そうね。・・・そう言えばスカイさんの脚質って何だっけ?ど忘れしたわ」

 

スカイ「……"逃げ,,だけど、」

 

キング「そうそう。逃げだったわね。………フフッ。通りで」

 

スカイ「………へぇ?もしかしてお嬢様さぁ、この皐月と龍球の覇者を煽ってます?」

 

スペ「ダービーウマ娘の前で言っちゃうんだね」

 

グラス「そのダービーウマ娘も私からすれば大した事なかったですけどね」

 

エル「エルはまだしも、大逃げのスズカさんに3ハロンタイムで負けた"差し,,グラスがよく吠えましたネェ」

 

キング「末脚勝負なら私が一番だけどね」

 

スカイ「冠とってなきゃ何を言っても同じでしょ」

 

 

彼女達は分かっている。

この、血の気溢れる者達と楽しくレースが出来る材料が"挑発,,だという事を。

 

 

スペ「でも、あくまで腹ごなし程度だからね」

 

エル「当ったり前デース」

 

グラス「オフ日に体を酷使したらトレーナーさんに怒られてしまいますから」

 

スカイ「まぁ、ほどほどにってね」

 

キング「そうね。ほどほどに走って…」

 

 

 

 

 

   『私が1番にゴールする!!!』

 

 

 

 

次の日。

彼女達の筋肉が張っているのを見てトレーナーが激怒したとか何とか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟空「よしっ、今日も疲れは残ってねぇな?」

 

ウララ「ウン。マイニチゲンキダヨ」

 

悟空「へへっ。オラも成長した証拠だな。ウララの体力が完全回復出来る限度が分かってきた」

 

ウララ「ソッカ。サスガゴクウサン」

 

悟空「サンキュー!んじゃ張り切って行くぞー!」

 

ウララ「…………お願い休ませてぇ!ウララ元気だけど2週間連続トレーニングは疲れたよぉぉおおお!!」

 

悟空「ん?疲れてんのか?」

 

ウララ「疲れてないよっ!!!」

 

悟空「なら問題ねぇだろ?」

 

ウララ「あぁぁぁっ!誰か助けてぇ!悟空さんにこの思いが通じないよぉおおおおおおおおお!!!」

 

 

 








Q「毎日王冠より凱旋門賞のレースの方が先にするけど?」
A「話の流れ的に、そっちの方がやりやすかった」

2
Q「ちょっと矛盾混ざってない?」
A「小さい事は気にしないで。酷かったら言ってね」
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